筋肉痛の治し方|「原因」「解消法」「予防法」を総まとめ

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筋トレに限らず、運動後にやってくる筋肉痛。はっきりとした原因は未だ解明されていませんが、横浜市スポーツ医学センターの「新版図解スポーツトレーニングの基礎理論」によると、傷ついた筋肉が修復される際の炎症により起こる痛みとされています。

筋肉は傷つき修復されることで、より強く太い筋肉に成長します。そのため、運動後の筋肉痛は避けて通れないものです。

とはいえ、できることなら筋肉痛を早く治してより良い状態でトレーニングしたいと思われるでしょう。また、普段の生活でも筋肉痛がつきまとうのはわずらわしいものです。

そんな筋肉痛を予防もしくは少しでも早く治すには、準備運動やアフターケアなどをしっかりと実践していくことが重要です。

今回は筋肉痛の原因から、予防方法と治し方について紹介します。

筋肉痛が起こる2つの原因

ひと口に筋肉痛と言っても、実は「即発性筋痛」と「遅発性筋痛」の2種類があります。数日後に遅れてやってくる筋肉痛は、後者の遅発性筋痛です。本記事では、主に遅発性筋痛について解説していきます。

筋肉痛の原因1.即発性筋痛

その名の通り、運動後すぐに起こる筋肉痛のことです。

ほとんどの場合、疲労物質である水素イオンが溜まることで起こります。水素イオンが溜まると、筋肉が極度の酸性となり、「痛い」「だるい」「重い」といった症状として表れます。

筋肉痛の原因2.遅発性筋痛

遅発性筋痛とは運動後の翌日から翌々日にかけて生じる痛みのことで、一般的に筋肉痛と言うと、遅発性筋痛のことを指します。(本記事でも単に筋肉痛と言う際はこちらの遅発性筋痛のことを指します)

冒頭でも述べた通り、この筋肉痛が起こる原因は未だによくわかっていません。以前は疲労物質である「乳酸」の蓄積が原因だとされていましたが、最近では傷ついた筋肉が修復される際の炎症により、筋肉痛の痛みは起こるというのが有力な説です。

この遅発性筋痛の原因として、横浜市スポーツ医学センターの「新版図解スポーツトレーニングの基礎理論」ではこう述べられています。

筋は、「エキセントリックな収縮」を行うと、損傷を受け、その修復のため、炎症が生じて痛むという説が有力である。

エキセントリックな収縮とは、筋肉が伸びる際の動きを指しています。つまり、筋肉は伸ばされることで損傷し、そのダメージを修復する過程で痛みが生じると考えられています。

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エキセントリック収縮とは

筋肉の動きの一つで、伸びながら力を発揮する動作です。筋肉は縮む時より、伸ばす時の方が筋繊維に負担がかかります。ゴムを伸縮させると、伸ばす時に傷がつくように、筋繊維も伸ばす際に傷ができます。

そのためエキセントリック運動で筋肉痛が起こりやすくなっています。

スクワットで腰を沈める際のハムストリングや、ベンチプレスでバーを下ろす際の大胸筋などがエキセントリック運動に当てはまります。

筋肉痛の治し方

ここからは筋肉痛の具体的な治し方を紹介していきます。トレーニング直後に行う処置や回復力を上げる食事など、筋肉痛回復に有効な方法を解説します。

筋肉痛の治し方1.運動直後はアイシングで冷やす

激しいトレーニングの直後などで、筋肉が熱を持っている場合はアイシングで筋肉を冷やしましょう。

アイシングは炎症を抑えるだけでなく、筋肉を冷やすことで神経の伝達速度を低下させ、痛みが伝わるのを抑えることもできます。

氷や保冷剤などをタオルで包み、熱を持った筋肉に押し当てます。10分〜20分程度を目安に冷やしましょう。アイシングと同時に優しくマッサージするのも有効です。

筋肉痛による痛みがなかなか取れない方は、トレーニングを行った日から24時間の間に2〜3回程度アイシングすると良いでしょう。

また、アイシングして数日経っても痛みが引かない場合は筋肉痛以外の痛み(肉離れなど)の可能性があるため、医療機関で診察されることをおすすめします。

筋肉痛の治し方2.温熱療法で血行を促進する

運動直後の激しい痛みが引いてきたら、今度は体を温める温熱療法を取り入れましょう。

温熱療法とは体を温めることで血行を良くする対処法です。血流が活発になることで、筋肉の回復に必要な酸素やアミノ酸などの栄養が筋肉に届きやすくなります。

自宅で簡単にできる温熱療法はお風呂に浸かることです。35度〜40度程度のぬるめのお風呂で体を温めて、血液の流れを良くしましょう。

ただし、運動直後の血流が激しい時や強い痛みが取れない時は、体を冷やして血流を抑制した方が良いため、温熱療法は筋肉の熱が取れてからにしましょう。

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運動後すぐは湯船に浸かったり、長時間入浴したりすると逆効果

お風呂に浸かると体が赤くなることからわかるように、血行が良くなると皮膚など体表面にも血液が行き渡るようになります。

これは、疲労した筋肉に供給したい栄養や酸素までもが、全身に行き渡るということです。栄養や酸素が筋肉へ供給されにくくなるため、疲労回復が遅れてしまいます。

運動直後は全身浴や長時間の入浴は避け、軽めのシャワーで済ます、もしくは時間をおいてから入浴するようにしましょう。

筋肉痛の治し方3.運動前後にストレッチで体をほぐす

筋トレをした後はもちろん、運動前にもストレッチで体をほぐしましょう。

運動前にストレッチや軽い運動を行うことで、筋肉の硬直を防ぐことができ、極度の筋肉痛になることを予防できます。

ストレッチというと座って体を伸ばす体操をイメージされるかもしれませんが、運動前には「動的ストレッチ」と呼ばれる体を動かすことで筋肉をほぐすストレッチが適しています。ラジオ体操などが身近で最適な運動と言え、ウォーキングなども当てはまる運動です。

これに対し、運動後には「静的ストレッチ」と呼ばれるゆっくりと体を一定方向に伸ばすストレッチが適しています。クールダウンの効果があり、筋肉痛も軽減されます。

しかし、静的ストレッチが筋肉痛を緩和するメカニズムは正確には解明されていません。ただし、横浜市スポーツ医学センターの「新版図解スポーツトレーニングの基礎理論」では以下のように述べられています。

運動後に静的ストレッチングを行うと遅発性筋肉痛が軽いことが経験的に知られている。

ストレッチの種類 実施タイミング 動きの特徴
動的ストレッチ 運動前 足や腕を多方向に動かすことで筋肉を伸ばす
静的ストレッチ 運動後 筋肉を一方向にゆっくり伸ばす
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ストレッチの具体的な実践方法については「動的ストレッチ・静的ストレッチ|2種類の効果と実践方法を総まとめ」で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

筋肉痛の治し方4.筋肉に必要な栄養をしっかりと摂る

筋肉を回復させるためには、十分な栄養を摂ることも大切です。特にたんぱく質・糖質を補給しましょう。

筋肉はたんぱく質で構成されているため、傷ついた筋肉を修復するためにはたんぱく質が必要です。また、運動中のエネルギーとして糖質が消費されているため、糖質も補給しましょう。

具体的な食材としては、たんぱく質は肉類や大豆製品、乳飲料などで、糖質の補給にはおにぎりや餅・パンなどがおすすめです。

ただし、たんぱく質の補給は食事だけでは不足しがちなため、プロテインで補うことをおすすめします。

筋肉をつけるのに必要なたんぱく質の目安量は1日あたり体重×2gです。

例えば、体重60㎏の方なら120~180gのたんぱく質を摂取するのが望ましいと言えます。食事だけでも十分摂取できそうに感じられるかもしれませんが、食事に含まれるたんぱく質はそれほど多くありません。

各食品100gあたりに含まれるたんぱく質の目安

  • 肉類:生ハム(24.0g)、ささみ(23.0g)、ローストビーフ(21.7g)、豚ロース(19.3g)
  • 魚介類:イワシ丸干し(32.8g)、いくら(32.6g)、魚肉ソーセージ(11.5g)
  • 大豆製品:油揚げ(18.6g)、納豆(16.5g)、豆乳(3.6g)

1日あたり体重×2gのたんぱく質は、摂取不可能な量ではありません。しかし、たんぱく質だけでなく、多くのカロリーを摂取することにもなってしまいます。

摂取カロリーを抑えつつ、たんぱく質を毎日無理なく必要量摂取しようと思えば、プロテインでたんぱく質を補うのがベストだと言えます。

筋肉痛の治し方5.質の良い睡眠をとる

筋肉痛を治すには睡眠も非常に大切で、睡眠中は成長ホルモンが分泌され、壊れた筋繊維を回復してくれます。

特に深い眠りであるノンレム睡眠へと切り替わるタイミングで、成長ホルモンの分泌はピークを迎えるため、質の高い睡眠が望ましいと言えます。疲労した筋肉をしっかりと休養させましょう。

筋肉痛を予防するためには運動前にBCAAを摂取すること

筋肉痛を予防するには、筋繊維の修復を助けてくれるBCAA(分岐鎖アミノ酸)を摂取しましょう。

BCAAは筋肉を修復する働きと、筋肉中のたんぱく質が分解されることを抑制する働きがあります。これにより筋肉痛が起こりづらくなります。

しかし、BCAAは運動時にエネルギーとして消費されてしまうため、運動後に不足しがちな栄養素です。

そのため、BCAAをトレーニング30分前ぐらいから、サプリメントなどで摂取しておきましょう。すると、筋肉を構成するたんぱく質がトレーニング中に分解される量を最小限にでき、なおかつ筋肉を回復させる速度を上げることができます。

BCAAは体内で作り出すことができないため、食事やサプリメントで補給することが大切です。特に運動前などは手軽で吸収しやすいサプリメントやBCAA含有飲料がおすすめです。

また、牛肉やマグロの赤身、牛乳などにBCAAは含まれているため、意識的に摂取しましょう。

まとめ

今回は筋肉痛の回復方法と予防策について紹介しました。

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ここだけは押さえておきたい!筋肉痛の治し方のポイント

  • 筋肉が熱を持っている場合はアイシングで冷やす
  • 熱が引いてからは温熱療法
  • 食事やプロテインで意識的にたんぱく質を補給する
  • 運動の前後にはストレッチを行う
  • 質の高い睡眠をとる
  • 運動前にBCAAを摂取する

筋肉痛は筋肉を成長させるためには避けては通れないものです。とはいえ、今回紹介したように、痛みをできるだけ抑える工夫はできるため、対策するようにしましょう。

筋肉痛は筋肉を使っている証拠だとも言えます。しかし、痛みがあるから筋肉を鍛えられているかと言えば断言はできません。筋肉痛の程度と筋トレの成果は比例しないからです。

筋肉痛を感じていても、トレーニングフォームが間違っていれば十分な効果は得られません。反対に、筋肉痛をあまり感じなくても大きな効果を得られている場合もあります。

筋トレの効果を最大限引き出すには、フォームや回数、重量設定、トレーニングの組み合わせ、食事など様々な要因が密接に関わってくるものです。

最初のうちは軽めの重量で正しいトレーニングフォームを身につけることが重要です。トレーニングに慣れたあとで重量を上げ負荷をかけることが、もっとも効果がでる最短の方法です。ここの手順で試していきましょう。

参考文献

  • 横浜市スポーツ医学センター「新版図解スポーツトレーニングの基礎理論」

※冒頭の筋肉痛が起こる原因の箇所及び静的ストレッチの効果の箇所