シットアップで腹筋を割る!効果的方法と腰を痛めないポイントを解説

シットアップ

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TOREMO 編集部

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シットアップとは「sit(座る)」と「up(上へ)」が合わさったもので、仰向けから上体を起こしていく腹筋のトレーニングです。

腹筋運動と言えば、多くの人がイメージできる筋トレ種目。シットアップはいつでもどこでも簡単にできる便利な運動ですが、正しいフォームで行わなければ十分な成果を得られません。

また、間違ったやり方をしたり、回数を重ねすぎたりすると腰を痛めてしまうこともあります。

今回はシットアップについて、やり方や注意点とともに紹介していきます。

シットアップで鍛えられる筋肉と効果

シットアップで鍛えられる筋肉は3種類あります。

鍛えられる筋肉1.腹直筋

腹直筋は一般的に腹筋と呼ばれる筋肉です。腹直筋には中央を縦に走る白線と、横に走る腱画(けんかく)によって、腹筋の割れ目がつくられ6ブロックに分かれています。(個人差があり、8ブロックの場合も)

腹直筋は、胴体を前方や横に曲げる時に働く筋肉。前面から背骨を支え、姿勢を維持する役割や、内臓の保護、腹圧を調整して臓器の位置を固定するといったさまざまな役目を担っています。

腹直筋を鍛えることでお腹が締まり、見かけが良くなるのはもちろんのこと、姿勢が良くなるといった効果も得られます。

また、前述のように腹筋は元々ブロックに分かれているもののため、シックスパックのように綺麗な腹筋を手に入れるためには脂肪を落として腹筋を浮き上がらせる必要があります。

鍛えられる筋肉2.腸腰筋(ちょうようきん)

腸腰筋は骨盤のあたりに位置する筋肉で、股関節を曲げる働きを持っています。歩く、階段を上がるなど太ももを上げる際に使われる筋肉です。

シットアップでは一見無関係に見える筋肉ですが、上体を起こす際に腸腰筋も少なからず関与します。また、Vシットアップのように足を大きく上げるトレーニングでは腸腰筋が強く刺激されます。

腸腰筋はインナーマッスルのため鍛えても外見的にはわかりませんが、姿勢が良くなり猫背が改善されます。

鍛えられる筋肉3.腹斜筋

腹斜筋はお腹の横にコルセットのように巻きついた筋肉で、「外腹斜筋」と「内腹斜筋」に分けられます。

外腹斜筋は主に背中を横に曲げたり(側屈)、反対方向へひねったりといった働きをします。対して、内腹斜筋はその深層にある筋肉で外腹斜筋と同じく背中を横に曲げる、同じ方向へひねるほか、横にある腹直筋の動きを助ける役割をしています。

この筋肉を効果的に鍛えるには、腹筋を行う時にしっかりとひねること。ツイストシットアップのようなひねりを加えた運動で鍛えることができます。

お腹のサイドに位置する腹斜筋を鍛えることでくびれができ、メリハリのあるボディに仕上げることができます。

【自宅編】シットアップの種類と鍛えられる筋肉

シットアップには多くの種類があります。そこでシットアップの種類と効く部位について解説します。まずは自宅でできるシットアップから紹介します。

シットアップの種類 効果的な筋肉
シットアップ 腹直筋、腸腰筋
ツイストシットアップ 腹直筋、腹斜筋
Vシットアップ 腹斜筋、腸腰筋
ベントニー・Vシットアップ

反動をつけて行えば、腹筋に対する負荷は激減してしまいます。また、フォームが正しくないと腰を痛めてしまうことにもなるため注意が必要です。

またトレーニングの難易度を☆の数で5段階評価します。☆の数が多いほど難しいトレーニングです。

シットアップ(☆☆☆)

ヒザを曲げた仰向けの状態から上体を起こしていく筋トレです。腹直筋はもちろん腸腰筋にも効果があります。

シットアップのポイントは4つあります。

1つ目は「腕や足の反動を使わない」ことです。起き上がる際に腕や足の反動が加われば、腹筋への負荷が弱まります。腕や足は固定して、反動を使わないよう意識しましょう。そのためにも腕は頭に添えるなど動かさないよう工夫しましょう。

2つ目は「背中を丸める」ことです。多くの筋トレ種目では背すじを伸ばすことが基本ですが、シットアップでは丸めましょう。上体を起こす際に背中がまっすぐになっていると腰を痛めることになります。

3つ目は「上半身が床と垂直になるまで起き上がらない」ことです。上半身が床と垂直になってしまうと、完全に座る体勢になってしまいます。こうなると負荷が抜けてしまうため、垂直になる手前まで上げて戻りましょう。

4つ目は「ゆっくり上体を下ろす」ことです。起き上がってそこから戻る際に、素早く上体を下ろさずゆっくりと下ろしていきましょう。重力に対抗することで腹筋に負荷がかかり続けます。

シットアップの手順

  1. 足を肩幅に開き、仰向けになってヒザを曲げ足の裏を床につけます。
  2. 両手は頭の横に軽く添えるか、胸の前でクロスさせておきましょう。
  3. 息を吐きながらゆっくりと上半身を起こしていきます。足は床から浮かせないように注意しましょう。
  4. 息を吸いながら、ゆっくりと元の位置に戻していきます。

◆回数の目安:10~15回×3回

ツイストシットアップ(☆☆☆)

シットアップにひねりの動作を加えた筋トレです。お腹をひねることで腹斜筋に効果的です。

ツイストシットアップのポイントは1つです。

それは「起き上がりながらお腹をひねる」ことです。起き上がってからお腹をひねるようにせず、起き上がりながらお腹をひねるようにしましょう。ヒジと反対側のヒザが触れるまでひねります。

ツイストシットアップの手順

  1. 足を肩幅に開き、仰向けになりヒザを曲げて足の裏を床につけます。
  2. 両手は頭の横に軽く添えるか、前方に伸ばしておきましょう。
  3. 息を吐きながらゆっくりと上半身を起こしていきます。足は床から浮かせないように注意しましょう。
  4. 起き上がりながらお腹をひねっていき、ヒジと反対側のヒザをくっつけるようにします。
  5. 息を吸いながら、ゆっくりと元の位置に戻していきます。

◆回数の目安:10~15回×3回

Vシットアップ(☆☆☆☆)

上半身とともに下半身も上げ、全身でVの字をつくるシットアップです。太ももから足を上げるため、腸腰筋に効果的な種目です。

Vシットアップのポイントは2つあります。

1つ目は「反動をつけない」ことです。上半身と下半身の両方を上げるため反動がつきやすいですが、反動をつけてしまうと負荷が他の筋肉へ分散してしまいます。ゆっくりした動作を意識することで反動を抑えやすくなります。

2つ目は「足を床につけない」ことです。足を下ろす際に床と接地すると、筋肉が休憩してしまいます。足は床すれすれでキープして、常に筋肉へ負荷がかかり続けるようにしましょう。

Vシットアップの手順

  1. 両手両足を伸ばして仰向けになります。腕は頭の上にまっすぐに伸ばしておきましょう。
  2. 両手両足を伸ばしたまま、腹筋で体を起こして全身でV字になります。
  3. ゆっくりと元に戻していきます。かかとは床すれすれまで下ろします。

◆回数の目安:10~15回×3回

ベントニー・Vシットアップ(☆☆)

両足両腕を伸ばさないことで負荷を軽減したVシットアップです。両足を伸ばす必要がないため、足の柔軟性がなくても取り組めるというメリットもあります。

ベントニー・VシットアップのポイントもVシットアップと同様に、「ゆっくりと反動をつけない」「足を下ろしきらない」ことです。

Vシットアップより負荷は落ちますが、その分簡単になるため、まずはこちらから取り組むのも良いでしょう。

ベントニー・Vシットアップの手順

  1. 両手両足を伸ばして仰向けになります。腕は頭の上にまっすぐに伸ばしておきましょう。
  2. 腹筋で体を起こしながら、ヒザを曲げ、腕を前方に伸ばします。
  3. V字になったらゆっくりと元に戻していきます。かかとは床すれすれまで下ろします。

◆回数の目安:10~15回×3回

【ジム編】シットアップの種類と鍛えられる筋肉

自宅でのトレーニングを簡単にこなせるようになったら、ジムで器具やウエイトを使って鍛えるのもオススメです。ベンチやウエイトがあれば自宅でも実践可能です。

シットアップの種類 効果的な筋肉
デクライン・シットアップ 腹直筋、腸腰筋
ウエイト・シットアップ

シットアップベンチを使えば足首を固定できるため、反動を抑えた正しいフォームを習得しやすくなっています。自宅で行う際にも、パートナーに足首を持ってもらうなど足首を固定して行うと効果的です。

デクライン・シットアップ(☆☆☆☆)

シットアップベンチに仰向けになり、デクライン(頭を下にした斜めの体勢)状態で腹筋を行います。傾斜がつくことで負荷が増すだけでなく、足を固定できるため負荷が逃げにくくなっています。そのため反動を抑えた正しいフォームの習得にも最適です。

デクライン・シットアップのポイントは1つです。

それは「足首を固定する」ことです。シットアップベンチの利点として足首を固定させて、反動を抑える効果があります。この固定が不十分だとベンチの効果を最大限に得られません。

デクライン・シットアップの手順

  1. シットアップベンチに仰向けになり、ヒザを曲げて足先をフットパッドにかけ、足首を固定します。
  2. 腰から背中にかけて、体を丸め込んで起き上がります。自分のヘソを覗き込むイメージです。
  3. 戻る時は腰からゆっくりと下ろしていきましょう。

◆回数の目安:10~15回×3回

ウエイト・シットアップ(☆☆☆☆☆)

自重での負荷に加えて、ダンベルやバーベルのプレートなどのウエイトによる負荷を加える高負荷のシットアップです。ウエイトを抱えることで不安定になるため、ケガに注意しましょう。

ウエイト・シットアップのポイントは2つあります。

1つ目は「背中を丸める」ことです。ウエイトを抱えることで、背中を丸めにくくなります。しかし、ウエイトを使うことで腰への負担がより大きなものとなるため、腰を痛めないためにも背中を丸めることを強く意識しましょう。

2つ目は「軽いウエイトから始める」ことです。無理な重量で行えば上記のように腰への負担が増大するだけでなく、フォームが乱れる原因にもなります。反動を使うようになっては十分な成果を得られないため、自分に合ったウエイトを選択しましょう。

ウエイト・シットアップの手順

  1. シットアップベンチに寝転び、ヒザを曲げて足先をフットパッドにかけ、足首を固定します。
  2. 抱えたウエイトを上半身で巻き込んでいくように起き上がります。
  3. 反動を使わずゆっくり起き上がり、ゆっくり戻していきます。

◆回数の目安:10~15回×3回

シットアップで腰を痛めないための2つのポイント

シットアップは上半身を上げ下げすることで、どうしても腰へ負担がかかる運動です。「日本バスケットボール協会が上体起こしを推奨できないとしている」ことが報じられたように、過度に行うと腰痛の原因になります。

ウエイトを使えばその負担はさらに大きくなります。腰を痛めないためにも以下の2点に注意してください。また、腰が痛いようであれば行わないようにしましょう。

  • 背中を丸める

ほとんどの筋トレでは胸を張って背すじを伸ばすのが基本ですが、背すじを伸ばしたままシットアップをすると腰への負担が増大します。必ず背中は丸めて行いましょう。

  • 反動はつけない

反動をつけようとすると腰を反りやすいため、腰を痛めることになります。トレーニングの効果を高めるためにも反動は抑えましょう。

参考

  • 「腹筋運動」は腰痛の原因 バスケ協会「推奨できない」

(朝日新聞デジタル2017年12月14日付)

「シットアップ」、「クランチ」、「レッグレイズ」の効果と動きの違い

腹筋を鍛える筋トレとしてシットアップ以外にも「クランチ」と「レッグレイズ」があります。

レッグレイズは上体を起こすのではなく足を上げることで腹筋を鍛える筋トレです。そのため動作からして大きく違いますが、クランチはシットアップとよく似ていて何がどう違うのかよくわからない方もいらっしゃるでしょう。

シットアップとクランチの違いは大きく分けて以下のようになります。

  • シットアップは腰を含んだ上半身を起こす
シットアップ

シットアップは腰も含んだ上半身全てを起こします。上半身全体を持ち上げるため、腸腰筋など腹筋以外の筋肉にも負荷がかかるのが特徴です。

そのため動作に参加する筋肉が多く、全身運動に近いトレーニングです。

  • クランチは腰から上を起こす
クランチ

対してクランチは腰を接地させたまま、腰から上を起こします。腰を動かさないことで下半身の関与が薄くなり、より腹筋に集中して負荷がかかるのが特徴です。

シットアップ、クランチ、レッグレイズの効果と動きの違いをまとめると以下のようになります。

トレーニングの種類 鍛えられる部位 動作の違い
シットアップ 腹直筋、腸腰筋 腰を含んだ上半身を起こす
クランチ 腹直筋 腰から上を起こす
レッグレイズ 腹直筋、腸腰筋 足を持ち上げる

シットアップとクランチには一見違いがないように見えますが、上体を起こす度合いが違います。腰を上げるか上げないかという差は小さいように感じますが、その差で鍛えられる部位が異なってきます。

腸腰筋も含めて鍛えたい場合にはシットアップやレッグレイズを、腹直筋を集中的に鍛えたい時はクランチをといったように使い分けるといいでしょう。

まとめ

今回は腹直筋や腸腰筋に効果的な「シットアップ」を紹介しました。

TOREMO

ここだけは押さえておきたい!シットアップのポイント

  • 腕や足の反動をつけない
  • 背中を丸める
  • ゆっくりと上体を下ろす

シットアップは正しいフォームで行えば自宅でも十分な効果を得られるトレーニングで、腰への負担さえ気をつければ気軽に取り組めます。

しかし、シックスパックのような腹筋の割れた肉体美を目指すなら、シットアップだけでは物足りません。腹筋を浮き上がらせるためには脂肪を落とす必要があるためです。

TOREMOでは動画や画像付きでさまざまなトレーニングについてもを紹介しています。理想の体に近づくためのトレーニング法を見つけることができるので、ぜひ参考にしてみてください。