「ヒップリフト」はその名の通りお尻を上げるトレーニングです。ヒップアップに効果的で、「お尻をキュッと上向きにしたい」という女性におすすめです。
また、あまり知られていませんが、ヒップリフトはお腹や背中のインナーマッスルにも効きます。これらのインナーマッスルは姿勢を維持する役割を担っているため、ヒップリフトは姿勢の改善にも効果があります。
このように、ヒップリフトは「キレイになりたい!」という女性にぜひ取り組んでほしいトレーニングです。
今回はヒップリフトのトレーニング方法やポイントを紹介していきます。
目次
ヒップリフトではお尻の筋肉・背筋・腹筋を鍛えられる
ヒップリフトでは、主にお尻にある「大殿筋」と、背中にある「脊柱起立筋」、さらにお腹にある「腹横筋」がメインのターゲットになります。それぞれの筋肉について簡単に説明しましょう。

まず、大殿筋はお尻の筋肉です。股関節の動きに関わっており、「ジャンプする」「椅子から立ち上がる」など、日常のさまざまな場面で使われています。ヒップリフトでは重力に逆らいながらお尻を上げることで大殿筋に負荷がかかります。
次に、脊柱起立筋は背骨に沿ってついています。インナーマッスルに分類される筋肉で、体の内部から姿勢を維持する役割を果たしています。
そして、腹横筋はお腹にあるインナーマッスルです。腹横筋が活発に働くのは呼吸をする時です。ヒップリフトをする時も呼吸をしっかりと行いましょう。
ヒップリフトの効果
さて、トレーニング方法の紹介に移る前に、ヒップリフトを行うことで得られる効果を知り、トレーニングに対するモチベーションを向上させましょう。
- ヒップアップする
大殿筋はお尻の膨らみを作っている筋肉です。ヒップリフトで大殿筋をしっかりと鍛えれば、引き締まったお尻を作ることができます。
- 姿勢がよくなる
脊柱起立筋と腹横筋はインナーマッスルに分類される筋肉で、体の内側から姿勢を維持する役割を担っています。ヒップリフトでこの2つの筋肉を鍛えれば、背すじがまっすぐに伸びた美しい姿勢をキープできるようになるでしょう。
【初級編】ヒップリフトの種類
ここからはヒップリフトのトレーニング方法になりますが、ヒップリフトにはいくつかの種類があるため、「初級編」と「中・上級編」に分けて紹介していきます。
種類 | 効く部位 |
スパイン・ヒップリフト |
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スパイン・ヒップリフト(キープ) | |
ワンレッグ・ヒップリフト | |
ワンレッグ・ヒップリフト(キープ) |
なお、トレーニングの難易度を☆の数で5段階評価しています。☆の数が多いほど難しいトレーニングです。
スパイン・ヒップリフト(☆)
まずはヒップリフトの基本形である「スパイン・ヒップリフト」を紹介します。
スパインヒップリフトのポイントを4つご紹介します。
1つ目は「呼吸を意識する」ことです。お尻を上げる時に息を吐き、お尻を下げる時に息を吸いましょう。呼吸をしっかりと行うことで、腹横筋のトレーニングになります。
2つ目は「かかとを床から浮かせない」ことです。お尻を上げようとするあまり、つま先の方が床についてかかとが床から浮いてしまう方がいます。かかとが床から浮いてしまうと太ももの筋肉の関与が強くなってしまうため、かかとは床から浮かせないように注意してください。
3つ目は「お尻を下げる時にお尻を床につけない」ことです。お尻が床についてしまうと、大殿筋の緊張状態が解けてしまいます。トレーニングの効果を高めるためには筋肉の緊張状態をキープすることが大切です。お尻が床についてしまう手前でストップしましょう。
4つ目は「お尻を上げた時におへそとヒザ頭が一直線上で結ばれるようにする」ことです。ヒップリフトのよくある間違いの1つに「腰が反ってしまう」ことがあります。腰が反ってしまうと、腰に過剰な負担がかかり、腰痛の原因になりかねません。
お尻を上げた時におへそとヒザ頭が一直線上で結ばれるような体勢がとれていれば、腰がまっすぐになっている証拠です。意識しましょう。
◆回数の目安:10回×3セット
スパイン・ヒップリフト(キープ)(☆)
スパイン・ヒップリフトの応用編で、お尻の上げ下げをせずに、お尻を上げた状態で体勢をキープするトレーニングです。お尻を高く上げることで大殿筋に負荷がかかるため、体勢を維持することで大殿筋をより効果的に鍛えられます。
スパイン・ヒップリフトと同じように、お尻を上げた時におへそとヒザ頭が一直線上で結ばれるようにしましょう。
◆回数の目安:10秒×3回
ワンレッグ(片足)・ヒップリフト(☆☆)
次は片足で行うヒップリフトを紹介します。
ワンレッグ・ヒップリフトを行う時も、スパイン・ヒップリフトで紹介した4つのポイントを意識しましょう。
◆回数の目安:左右10回×3セット
シングルレッグ・ヒップリフト(キープ)(☆☆)
「ヒップアップしたい」という方は、片足で行う場合もお尻を持ち上げたところでキープするとよいでしょう。
腹筋に力を入れて、お尻が下がってしまわないように注意しましょう。
◆回数の目安:左右10秒×3セット
ヒップリフトで負荷を大きくするためのコツ
「中・上級編」に移る前に、スパイン・ヒップリフトとワンレッグ・ヒップリフトで負荷を大きくするためのコツを2つ紹介します。
- お尻を上げた時に数秒程度停止する
大殿筋に最も負荷がかかるのは最上点に達した時です。お尻を上げ下げする場合も、最上点で数秒間停止してみましょう。回数を増やすよりも、最上点での停止秒数を長くした方がよりしっかりとお尻に効かせられます。
- 両ヒザの間を拳1つ分空ける
ヒザを完全に閉じるよりも、拳1つ分空けた方が負荷が大きくなります。
- かかとをお尻から離れたところにつく
お尻とかかとの距離が離れるほど、太もも裏のハムストリングへの負荷が大きくなります。ハムストリングを鍛えることで、お尻と太ももの境い目がくっきりするため、ヒップリフトの応用として押さえておきましょう。
【中・上級編】ヒップリフトの種類
それでは、「中・上級編」に移ります。
種類 | 効く部位 |
バランスボール・ヒップリフト |
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クック・ヒップリフト |
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バーベル・ヒップリフト |
バランスボール・ヒップリフト(☆☆☆)
まず、バランスボールを使うヒップリフトを紹介します。
バランスボール・ヒップリフトのポイントは「体を持ち上げた時に、つま先から胸までが一直線上に並ぶようにする」ことです。お尻をしっかりと持ち上げて、体のラインをまっすぐに保ってください。
ただし、腰が反ってしまうと腰痛の原因になってしまうため、注意してください。
◆回数の目安:10回×3セット
クック・ヒップリフト(☆☆☆)
クック・ヒップリフトは、片方のヒザを抱え込むようにして行うヒップリフトです。お腹と太ももでテニスボールを挟んで行われる場合も多いです。
お尻だけを持ち上げることで、お尻の筋肉を使う感覚が実感しやすくなっています。そのためお尻を使う感覚を掴めない方におすすめです。
クック・ヒップリフトのポイントは、「お尻だけを持ち上げる」ことです。これまで紹介してきたヒップリフトでは背中から体を持ち上げていましたが、クック・ヒップリフトでは背中は床につけたまま、お尻だけを持ち上げるようにしましょう。

◆回数の目安:10回×3セット 最後に紹介するのはバーベルをウエイトとして利用するヒップリフトです。
バーベル・ヒップリフト(☆☆☆☆)
バーベルをお尻で上げるトレーニングは一般的に「ヒップスラスト」という名称で知られています。ヒップアップ効果が期待できるため、女性にも人気のトレーニングです。
ヒップスラストのトレーニング方法やポイントは「ヒップスラストでお尻をキュッと上向きにする!やり方を解説」で解説しています。ぜひ参考にしてみましょう。
ヒップリフトで腰痛になるのを防ぐためのポイント
ヒップリフトをする上でよくあるのが「腰痛になってしまった」というケースです。体を鍛えようとトレーニングをしていたのに、逆に体を痛めてしまったのでは本末転倒です。以下で紹介するポイントに注意しましょう。
- 腰を反らさない
お尻を上げずに、下腹部を突き上げるようにして腰から動かしてしまうと、腰への負担がかなり大きくなってしまいます。
繰り返しお伝えしてきたように、お尻を上げた時におへそとヒザ頭が一直線上に並ぶように意識することで、腰が反りにくくなります。
ヒップリフトの効果が出るまでにどのくらいの期間がかかる?
「どのくらいの期間トレーニングを続けたら、ヒップアップの効果が出るの?」というはこの記事を読んでいる方の多くが気になっていることでしょう。
しかしながら、実際のところ効果が出るまでには個人差があるため、「◯週間」あるいは「◯ヶ月」という明確な答えを提示することはできません。
また、ヒップリフトはそれほど負荷が大きいトレーニングではないため、長く継続して取り組む必要があり、目立った効果を得られるまでには少々時間がかかる可能性が高いといえます。
期限までに目標を達成したい人は、早いうちから取り組むようにしましょう。
まとめ
今回は「ヒップリフト」をご紹介しました。
ここだけは押さえておきたい!「ヒップリフト」のポイント
今回紹介したポイントをしっかりと押さえて、効果的にトレーニングを行い、理想のスタイルを手に入れましょう。
背中を床につけて行うため、腰への負担が軽くなっています。そのため腰痛を抱えている方など、腰に不安のある方でも取り組みやすいトレーニングです。