「背骨に沿って縦にラインが入った背中」「背すじがピンと張った背中」「筋肉質な引き締まった背中」そんな美しい背中を手に入れるためには、背中の筋肉である脊柱起立筋や広背筋、僧帽筋を鍛えましょう。
脊柱起立筋を鍛えることで、縦にラインが入ったセクシーな背中にすることができます。
また、広背筋を鍛えることで背中を広くし、相対的にくびれを強調することもできます。僧帽筋を鍛えれば、肩甲骨を寄せやすくなり自然と胸を張った凛とした姿勢になります。
背中は普段から意識して使う部分でもないため、いつの間にか運動不足になりやすい部分です。デスクワークなど運動する機会が少ないと衰えやすいため注意が必要です。
ほどよく筋肉のついたセクシーな背中にするためにも、姿勢を良くするためにも、背中の筋肉を鍛えましょう。
今回は比較的女性でも取り組みやすい、「ダンベル」を使った背中の筋トレを紹介します。
目次
ダンベルで鍛えられる背中の筋肉とその効果
綺麗な背中を目指すには、3つの筋肉を鍛えましょう。
鍛えるべき筋肉1.脊柱起立筋

背骨を挟むように真っ直ぐ首から腰にかけて伸びる筋肉で、主に背中を反らす際に使われます。また、背中側から体を支え、姿勢を保つ働きもあります。
鍛えるべき筋肉2.広背筋

広背筋は肩甲骨の下あたりから両サイドに広がる筋肉です。主に腕を引く動作で使われます。広背筋も脊柱起立筋同様、姿勢を良くするために働く筋肉の一つです。
鍛えるべき筋肉3.僧帽筋

僧帽筋は首の付け根から腰にかけて広がるひし形の大きな筋肉です。主に肩甲骨を動かす役割を持っており、肩甲骨を寄せる、上げるなど肩を動かす働きがあります。
大きな筋肉のため上部・中部・下部の3つに分かれており、それぞれ得意とする動きが異なります。そのため、各部位にあったトレーニングを行う必要のある筋肉です。
背中の筋肉を鍛えることで得られる効果
背中の筋肉を鍛えることで、単純に背中が引き締まる効果以外にも、以下のような効果が期待できます。
- 姿勢が良くなる
どの筋肉も姿勢の維持に関与しているため、鍛えることで姿勢を良く保つことができます。特に僧帽筋が衰えると、肩甲骨が開きやすくなるため、猫背になりやすくなります。
姿勢が悪いだけで疲れているような、老けたようなイメージを与えるため、印象に大きな影響を及ぼします。
- 背中に縦のラインが入る
脊柱起立筋を鍛えることで、背骨の両サイドに筋肉がつき、背骨部分が相対的にくぼむようになります。これによって背中に縦のラインができ、セクシーな背中になります。
- くびれが強調される
広背筋を鍛えることで背中に広がりが出るため、相対的にくびれが強調される効果があります。くびれがありメリハリある体を目指せます。
【脊柱起立筋編】背中を鍛えるダンベルを使った筋トレの種類
ここからは、背中を鍛えるダンベルを使った筋トレの種類とやり方を紹介していきます。メインに鍛えられる筋肉ごとに、「脊柱起立筋編」「広背筋編」「僧帽筋編」の3つに分けて解説していきます。
トレーニングの種類 | 効果的な部位 |
ダンベルデッドリフト | 脊柱起立筋 |
トレーニングの難易度を☆の数で5段階評価しています。☆の数が多いほど難しいトレーニングです。
ダンベルデッドリフト(☆☆)
両手にダンベルを持って目線は前のままお辞儀をするように前傾し、起き上がる筋トレです。主に脊柱起立筋を鍛えることができ、下半身の筋肉にも効果的です。
ダンベルデッドリフトのポイントは「腕を動かさない」ことです。
腕は動かさず固定しましょう。腕に力が入ったり、動かしたりしてしまうと腕に負荷が行ってしまい背中への効果が薄れてしまいます。背中の力で起き上がることで、ダンベルを持ち上げるよう意識しましょう。

◆回数の目安:8~12回×3セット
【広背筋編】背中を鍛えるダンベルを使った筋トレの種類
次は広背筋に効果的なダンベルを使った筋トレを紹介します。
トレーニングの種類 | 効果的な部位 |
ダンベルベントオーバーローイング | 広背筋・憎帽筋 |
ワンハンドローイング |
広背筋と僧帽筋は動きが似ており、同じ種目で鍛えられることが多いため、広背筋を使うことを意識しないと、いつの間にか僧帽筋ばかりに負荷が行くこともあります。
広背筋を鍛えるには、肩甲骨の動きを抑えることを意識しましょう。前述したように、僧帽筋は肩甲骨を動かす役割を持つため、肩甲骨を大きく動かさないよう意識することで、僧帽筋への負荷を抑制できます。
ダンベルベントオーバーローイング(☆☆☆)
上半身を前傾させた状態で、両手に持ったダンベルを両ヒジを曲げて引き上げるトレーニングです。広背筋と僧帽筋に効果的です。
ダンベルベントオーバーローイングのポイントは2つです。
1つ目は「胸を張る」ことです。胸を張って、背中を反らすことで広背筋が使いやすくなります。疲れてくると段々背中が丸くなるため、特にトレーニング終盤は姿勢に注意しましょう。
2つ目は「脇を締める」ことです。脇が開いた状態では、肩の三角筋に負荷が逃げてしまいます。背中に効かせるためには脇を締めるよう意識しましょう。
◆回数の目安:10~12回×3セット
ワンハンドローイング(☆☆☆)
ベンチに片手片ヒザをついて、ダンベルを上下させる筋トレです。椅子やベッドなどをベンチの代用にしても良いでしょう。広背筋とともに僧帽筋も鍛えられます。
ワンハンドローイングのポイントは5つです。
1つ目は「背中と床を平行に保つ」ことです。背中と床を平行にすることで、背中により強く重力がかかります。その分、広背筋にかかる負荷も大きくなるため、より効果的に鍛えられます。
2つ目は「背すじを伸ばす」ことです。背中が丸くなってしまうと、広背筋に上手く刺激が伝わりません。背すじは真っ直ぐ伸ばしましょう。
3つ目は「ダンベルを軽く握る」ことです。ダンベルを力を込めてギュッと握ってしまうと、腕の筋肉の関与が強くなってしまいます。ダンベルはあまり強く握りしめずに、できるだけ軽く握るようにしてください。
4つ目は「ヒジを斜め後方に上げる」ことです。ヒジをしっかりと上げることで広背筋が使われるため、高く上げるよう意識しましょう。また、ヒジは真上ではなく斜め後方に引くと、広背筋がより刺激されます。
5つ目は「脇を締める」ことです。脇が開いた状態では、三角筋や大胸筋など他の筋肉に負荷が逃げやすいため、脇を締めましょう。
- 片手と片ヒザをベンチや台につき、上半身を床と平行にします。
- 胸を張って背すじを真っ直ぐにし、ダンベルを持ちます。この時、腕や肩はできるだけリラックスさせ、脇を締めましょう。
- 息を吸いながら、脇を締めたままダンベルを引き上げます。
- ヒジを高く上げ、斜め後方に引き上げましょう。
- 息を吐きながらゆっくりと元の状態に戻し、同様の動作を繰り返します。
◆回数の目安:左右各10回×3セット
【僧帽筋編】背中を鍛えるダンベルを使った筋トレの種類
最後に、僧帽筋に効果的なダンベルを使った筋トレを紹介します。
トレーニングの種類 | 効果的な部位 |
ダンベルシュラッグ | 憎帽筋 |
ダンベルアップライトロウ |
僧帽筋を鍛えるには、肩甲骨を大きく動かすことを意識しましょう。先ほど紹介したダンベルベントオーバーローイングなども、肩甲骨の動きを意識することで、僧帽筋への負荷を高めることができます。
ダンベルシュラッグ(☆☆)
肩をすくめて、両手に持ったダンベルを上下させる筋トレです。特に僧帽筋上部に効果的です。
ダンベルシュラッグのポイントは3つです。
1つ目は「首を縮めず、肩を上げる」ことです。肩をすくめても、首を縮めても外見上は似たような動作になります。しかし、肩甲骨を動かさなくては意味がありません。肩を上げて、肩甲骨を上下させるよう意識しましょう。
2つ目は「腕の力を抜く」ことです。腕に力が入ると負荷が逃げてしまうため、腕は力を抜いてリラックスさせておきましょう。
3つ目は「しっかり肩を落とす」ことです。肩をすくめてダンベルを上げることに意識がいきがちですが、肩を落として可動域を広く持つことも重要です。肩を上げて元の位置に戻すのではなく、そこからさらに肩を落とすよう意識しましょう。
◆回数の目安:15回×3セット
ダンベルアップライトロウ(☆☆☆)
直立した状態で、ヒジを高く上げることで両手に持ったダンベルを持ち上げます。
ダンベルアップライトロウのポイントは3つあります。
1つ目は「肩から動かす」ことです。ヒジを曲げてダンベルを持ち上げますが、肩をすくめてからヒジを曲げて持ち上げるようにしましょう。
2つ目は「ヒジを高く上げる」ことです。ウエイトを持ち上げる際に、ヒジを高く上げることで自然と肩甲骨が上がりやすくなります。
3つ目は「ゆっくり下ろす」ことです。ゆっくりと下ろすことで、継続して負荷がかかるようになります。重力に逆らうようにゆっくりと下ろしていきましょう。

ケガを防ぐために気を付けて欲しいポイント
ダンベルを勢いよく下ろすと、ヒジや肩に負担がかかるため危険です。特に肩は痛めやすい部分のため、注意しましょう。
- 両足を肩幅に開いて直立します。
- 背すじをしっかりと伸ばし、ダンベルを順手で持ちます。
- 脇を開き、両ヒジを高く上げるようにしてダンベルを引き上げていきます。
- この時、息を吸いながら行うようにし、顔はまっすぐ前を向きます。
- ダンベルを鎖骨の高さまで持ち上げたら一旦停止します。
- 息を吐きながらゆっくりとダンベルを下ろしましょう。
◆回数の目安 : 10回×3セット
まとめ
今回はダンベルを使った背中のトレーニングを紹介しました。

ここだけは押さえておきたい!ダンベルで背中を鍛える時のポイント
- 同じ背中の筋肉でも担う動きが違うため、それぞれに適したトレーニングが必要
- 肩甲骨をしっかり寄せ、胸を張る
- 腕などターゲットではない筋肉はできるだけ脱力する
背中は自分で見ることができないため、あまり意識しない部分かもしれません。しかし、背中を鍛えることで美しい後ろ姿を手に入れることができます。
ダンベルを使ったトレーニングは比較的負荷が軽いため、女性でも取り組みやすいでしょう。ただし、上記のように背中は普段意識しないこともあって、筋肉を使っている感覚を掴みにくい部位です。
闇雲にトレーニングを重ねても思うように成果が得られないかもしれません。まずは正しいトレーニングフォームを身につけることを意識しましょう。それがもっとも効果がでる最短の方法です。こまめにチェックすることを心掛けましょう。
ケガを防ぐために気を付けて欲しい2つのポイント
背中が丸まってしまうと、腰を痛める恐れがあります。胸を張って、目線は前を向くよう意識しましょう。
ダンベルを上げる際も下ろす際も足に沿わせるようにしましょう。足から離してしまうと腰に負担がいき、痛める原因になります。