ダンベルプルオーバーはトレーニング用ベンチに仰向けとなり、両腕でダンベルを上げ下げするトレーニング。ダンベルを持ったままバンザイするように両手を挙げる動作が特徴的です。この縦の動きが、大胸筋の成長停滞打破に効果があります。
プルオーバーは「プルオーバーで上半身を鍛え上げる!トレーニングのポイントを解説」で紹介しているように、ダンベルあるいはバーベルで行うのが一般的ですが、今回紹介するのはダンベルでのプルオーバーです。
ダンベルを使うため、どうしてもバーベルより扱う重量は軽くなりますが、両腕を左右独立して動かせることで筋肉の可動域が広がるという違いがあります。
初心者がいきなり重いバーベルを使うと肩などを痛める恐れがあるため、まずはダンベルプルオーバーから始めることをおすすめします。
今回はダンベルプルオーバーの正しいトレーニング方法について紹介します。
ダンベルプルオーバーで鍛えられる筋肉
ダンベルプルオーバーで鍛えられる筋肉は主に4種類あります。他にも小胸筋や前鋸筋といった肩甲骨を動かす筋肉にも効果的です。
鍛えられる筋肉1.大胸筋

大胸筋は一般的に「胸板」と呼ばれる部分で、「腕を上げ下げする」「腕を体の外側に広げる」「腕を体の内側に閉じる」など多くの動作に使われます。
大胸筋は「上部」「中部」「下部」の3つに分けられ、それぞれ働きも微妙に異なります。プルオーバーは特に大胸筋上部に効果的です。
ダンベルプルオーバーでは他のトレーニングとは違い、大胸筋が縦方向に伸縮するため、他の種目とは異なった刺激を与えることができます。筋肉はいつもと違う刺激を与えることで成長しやすいため、停滞期の打破にぴったりです。
鍛えられる筋肉2.上腕三頭筋

上腕三頭筋は上腕(ヒジから肩にかけて)の筋肉の中で、名前の通り「長頭」「外側頭」「内側頭」の3つに分かれます。
上腕三頭筋はいわゆる「力こぶ」である上腕二頭筋と対になる筋肉で、ヒジを伸ばす働きがあります。
鍛えられる筋肉3.広背筋

広背筋は肩甲骨の下あたりに広がっている筋肉で、主に腕を引く動作に使われます。
鍛えることで背中を広くすることができ、逆三角形のシルエットを手に入れるために重要な筋肉です。また、広背筋は姿勢を支える筋肉でもあるため、姿勢を良く保つ効果もあります。
鍛えられる筋肉4.大円筋
大円筋は上記の広背筋を助ける補助筋で、腕を引く動作を補助します。そのため、広背筋をトレーニングすることで一緒に鍛えられます。
大円筋が鍛えられると脇の下に膨らみができるようになり、逆三角形の形が強調されやすくなります。
ダンベルプルオーバーのやり方と効果
それではダンベルプルオーバーのやり方と効果について紹介していきます。フラットベンチなどを用意して、仰向けになって頭上に手を伸ばせるようにしましょう。
トレーニングの種類 | 効果的な筋肉 |
ダンベルプルオーバー | 大胸筋上部、上腕三頭筋、広背筋、大円筋 |
トレーニングの難易度を☆の数で5段階評価します。☆の数が多いほど難しいトレーニングです。
ダンベルプルオーバー(☆☆)
ダンベルプルオーバーは、特に大胸筋を意識したトレーニングです。大胸筋が伸びることを意識しましょう。また、動作中に腰が反ってしまうと腰を痛めるため注意が必要です。
ダンベルプルオーバーのポイントは2つあります。
1つ目は「ダンベルを深く下ろす」ことです。ダンベルの軌道が大きくなるように意識することで、大胸筋が大きく伸びることとなります。可動域が広いほど筋肉を鍛えることができるため、ダンベルを深く下げましょう。
2つ目は「反動をつけない」ことです。動作中に反動をつけてしまうと狙いたい筋肉以外に負荷が逃げてしまいます。ゆっくりとした動きを心がけることで、反動を抑えやすくなります。

- ベンチに仰向けになります。
- ヒザを90度に曲げて、しっかりと床に足を着けましょう。体をまっすぐ固定します。
- ダンベルを両手で持ち、胸の真上まで腕を伸ばして持ち上げます。
- 腕を伸ばした状態をキープしながら、頭の後ろにゆっくりとダンベルを下ろします。
- 限界まで下がったら、大胸筋を意識しながらダンベルを元の位置まで戻しましょう。
◆回数の目安:10〜15回を3セット
ダンベルプルオーバーの注意点
ダンベルプルオーバーで注意すべき点は2つあります。
1つ目は「肘の位置で鍛える部位が変わる」こと。
ダンベルプルオーバーでは、肘を閉じると大胸筋が主に使われ、肘を広げると広背筋が主に使われます。
ダンベルプルオーバーをする際は、ただ闇雲にトレーニングするのではなく、「自分がどこの筋肉を鍛えたいか」を考えて、肘の幅を意識してトレーニングしてください。
2つ目は「フォームを意識する」こと。
ダンベルプルオーバーはベンチに仰向けの状態で行うため、鏡で自分のフォームをチェックできません。そのため、「腰が反っていないか」「ダンベルを深く下ろしているか」など、この記事で紹介した正しいフォームができているかを常に意識しましょう。
自分のフォームに自信がない場合は、トレーニングを人に見てもらうと良いでしょう。人から指摘してもらうと、自分では気づかないフォームの間違いがわかり、おすすめです
まとめ
今回は大胸筋に効果的な「ダンベルプルオーバー」を紹介しました。

ここだけは押さえておきたい!ダンベルプルオーバーのポイント
- 腰を反らさない
- ウエイトをゆっくり下ろす
- 自分のできる範囲で深く下ろす
- 反動をつけない
ダンベルプルオーバーは普段ベンチプレスやダンベルフライなどで大胸筋を鍛えており、さらに筋肉を大きくしたいと思っている方におすすめです。
冒頭でも述べた通り一般的な大胸筋を鍛えるトレーニングとは刺激が異なるため、停滞期を乗り越えるのにぴったりな種目です。
ぜひ積極的に取り入れていきましょう。
ダンベルはできる範囲で下ろす
ダンベルを深く下ろすには肩関節の柔軟性が必要になります。これは個人差があるため、無理をするとケガの危険性もあります。決して無理をしないようにし、事前にストレッチをするなど対策をすることをおすすめします。