スカルクラシャーには「頭蓋骨(スカル)をこなごなに砕く(クラッシュ)する」という意味があります。その名の通り、実際の動作もまるで頭蓋骨を割るように、額に向かってウエイトを下ろしていきます。
少々物騒な名前ですが、上腕三頭筋を鍛えるトレーニングとして効果的です。今回はスカルクラッシャーの正しいやり方を紹介します。
ただし、スカルクラッシャーではウエイトが頭のすぐ近くを移動する軌道になるため、万が一手を滑らせると大変危険です。そういう意味では上級者向けの種目と言えるでしょう。
トライセプスキックバックやトライセプスエクステンションなど、上腕三頭筋のトレーニング種目は他にもあります。筋トレ初心者の方はまずは「トライセプスキックバック|効果とベンチなしでもできるやり方を解説」「トライセプスエクステンション|肘を痛めないやり方とポイントを解説」を参考にしながら、難易度が低く、怪我の危険性が低いトレーニングから始めてください。
スカルクラッシャーで鍛えられるのは上腕三頭筋の長頭と短頭
スカルクラッシャーのメインターゲットは上腕三頭筋の長頭と短頭です。

上腕三頭筋は手のひらを上に向けた時に二の腕の下側についている筋肉です。上の図から分かるように、「長頭」と「短頭(内側頭・外側頭)」という2つの筋肉から構成されています。
上腕三頭筋は、主に「ヒジを伸ばす」動作に使われており、日常生活の中では「ドアを前に押す」時に働きます。
スカルクラッシャーの種類とやり方
ここからはスカルクラッシャーのやり方をご紹介します。スカルクラッシャーにはいくつかバリエーションがありますが、今回は4つの種類を取り上げます。
種類 | 効く部位 |
バーベル・スカルクラッシャー | 上腕三頭筋 |
ダンベル・スカルクラッシャー | |
ワンアーム・スカルクラッシャー | |
ケーブル・スカルクラッシャー |
なお、☆の数はトレーニングの難易度を示しており、5段階評価で、☆の数が多いほど難易度が高くなります。
バーベル・スカルクラッシャー(☆☆☆☆)
最初にスカルクラッシャーの基本形を紹介します。スカルクラッシャーはバーベルを使うやり方が一般的です。また、ストレートバーよりも、波打ったような形が特徴の「EZバー」を使う方がポピュラーです。
バーベル・スカルクラッシャーのポイントは2つあります。
1つ目は「二の腕を動かさない」ことです。二の腕が動いてしまうと肩の筋肉が使われてしまい、上腕三頭筋から負荷が逃げてしまいます。二の腕は固定し、ヒジから指先までのみを動かすようにしてください。
2つ目は「ヒジを開かない」ことです。ヒジが開いてしまうと、大胸筋が使われやすくなります。上腕三頭筋にしっかりと効かせるために注意しましょう。
◆回数の目安:10回×3セット
ダンベル・スカルクラッシャー(☆☆☆)
次にダンベルを使うスカルクラッシャーを紹介します。スカルクラッシャーはバーベルを使うのが一般的ですが、ダンベルでもトレーニングできます。
バーベル・スカルクラッシャーと同様に、ダンベル・スカルクラッシャーでも「二の腕を動かさない」「ヒジを開かない」の2点がポイントになります。
バーベルを使う時に比べて、ダンベルを使う時は肩がより動きやすくなるため、自然と二の腕が動いてしまったり、ヒジが開いてしまったりしがちです。ダンベルを使う場合は上記2点をしっかりと意識しましょう。
◆回数の目安:10回×3セット
ワンアーム・スカルクラッシャー(☆☆☆)
続いて、片手にダンベルを持って行うワンアーム・スカルクラッシャーを紹介します。
動画では鍛える方の腕をもう片方の腕で支えることなくトレーニングしていますが、鍛える方の二の腕が動いてしまわないように、もう片方の腕で押さえることをおすすめします。
◆回数の目安:10回×3セット
ケーブル・スカルクラッシャー(☆☆☆☆)
最後に紹介するのはケーブルマシンを使うスカルクラッシャーです。
これまで紹介してきたように、ケーブル・スカルクラッシャーでも「二の腕を動かさない」「ヒジを開かない」の2点を意識してください。
加えて、「ヒジを伸ばした時に一時停止する」ことも意識するとよいでしょう。ケーブル・スカルクラッシャーで上腕三頭筋への負荷が最大になるのはケーブルを引っ張ってヒジを伸ばした瞬間です。その瞬間に一時停止することで、トレーニングの効果が高まります。
◆回数の目安:10回×3セット
まとめ
今回は「スカルクラッシャー」を紹介しました。

スカルクラッシャーは上腕三頭筋のトレーニングとして効果的ですが、冒頭でも触れたように安全性の点で不安が残ります。もしも実践するならば、トレーナーなどの補助のもとで取り組むことをおすすめします。
ここだけは押さえておきたいスカルクラッシャーのポイント