プッシュアップ(腕立て伏せ)は胸の筋トレ!効果的なやり方を解説

この記事をかいた人

TOREMO 編集部

TOREMOでは、全国のパーソナルトレーニングジムを駅や地域名から検索できます。下のボタンから検索してみてくださいね♫








プッシュアップは一般的に「腕立て伏せ」として知られているトレーニングです。しばしば「腕の筋トレ種目」と誤解されやすいですが、実はメインのターゲットは腕よりも胸の筋肉になります

また、「床につく手の幅」や「手をつく高さ」が変わるごとに鍛えられる筋肉も異なるため、どんな手の幅の時はどの筋肉に効き、どこの位置に手を置いたらどの筋肉に効くのかを、しっかりと理解しておく必要があります。

そこで今回はプッシュアップで鍛えられる筋肉と狙った筋肉をしっかりと鍛えていくためのポイントを解説します

プッシュアップで鍛えられる筋肉

プッシュアップで主に鍛えられるのは「大胸筋」と「上腕三頭筋」です。

大胸筋

大胸筋はその名の通り、胸にある体積の大きな筋肉で、鍛えれば「胸板を厚くする」「バストの位置が高く保たれやすい」などの効果が期待できます。主に「手を前に押し出す」時に強く働くため、まさにプッシュアップは大胸筋を鍛えるのにぴったりなトレーニングだと言えるでしょう。

また、大胸筋はとても大きいため、「上部」「中部」「下部」の3つに分けて鍛えていく必要があります。

部位 ついている位置 働き
大胸筋の上部 鎖骨付近 の前で腕を押し出す
大胸筋の中部 胸骨付近 の前で腕を押し出す
大胸筋の下部 腹直筋上部付近 お腹の前で腕を押し出す

プッシュアップで大胸筋を鍛えたい場合は、手の幅を広くすることがポイントです。

上腕三頭筋

上腕三頭筋は「力こぶ」を作った時に二の腕の下側についている筋肉で、肩甲骨・上腕の骨・ヒジから手首に繋がる骨にそれぞれついています。主に「ヒジを伸ばす」時に働き、反対側にある「力こぶ」と呼ばれる上腕二頭筋と正反対の動きをする筋肉となっています。

プッシュアップで上腕三頭筋を鍛えたい場合は、手の幅を狭くすることがポイントです。

プッシュアップの種類とやり方

ここからは、プッシュアップのトレーニング方法を紹介します。

種類 効く部位
ノーマル・プッシュアップ(☆☆) 大胸筋の中部・上腕三頭筋
ワイドグリップ・プッシュアップ(☆☆) 大胸筋の中部
ナローグリップ・プッシュアップ(☆☆) 上腕三頭筋
インクライン・プッシュアップ(☆) 大胸筋の下部
デクライン・プッシュアップ(☆☆☆) 大胸筋の下部
リバース・プッシュアップ(☆☆☆☆) 上腕三頭筋
ライオン・プッシュアップ(☆☆☆☆☆) 大胸筋(全体)
ダイヤモンド・プッシュアップ(☆☆☆☆) 上腕三頭筋
クラッピング・プッシュアップ(☆☆☆☆☆) 大胸筋の中部

プッシュアップはバリーションが非常に豊かで、「鍛えられる筋肉」や「トレーニングの難易度」はそれぞれ異なります。自分の目的やレベルに合ったトレーニング方法を選ぶようにしましょう。

なお、トレーニングの難易度は☆の数で5段階評価しています。☆の数が多いほど難易度が高くなる設定です。

ノーマルプッシュアップ(☆☆)|大胸筋の中部・上腕三頭筋

ノーマルプッシュアップはプッシュアップの基本形です。メインのターゲットとなるのは「大胸筋の中部」「上腕三頭筋」です。

ノーマルプッシュアップのポイントは3つあります。

1つ目は「体のラインをまっすぐにキープする」ことです。「お尻の位置が下がる」というのはプッシュアップによくある間違いの1つです。頭からかかとまでが一直線上で結ばれるように、体のラインをまっすぐにキープすることで、腰に過剰な負担がかかることを防ぎ、かつ大胸筋や上腕三頭筋にピンポイントで刺激を与えられます。

2つ目は「体をゆっくりと深く落とす」ことです。体を落とす時は「ゆっくりと深く」を意識してください。動作のペースが早く、体が十分に落としきれていない浅いプッシュアップになってしまうと、大胸筋への負荷が軽くなってしまいます。

また、床に近いところまで体を落とすほど、負荷が大きくなります。体のラインをまっすぐにキープしながらもできるだけ深いところまで体を落としてみましょう。

3つ目は「呼吸を止めない」ことです。大胸筋は呼吸機能にも関与していることから、プッシュアップをする時に呼吸をしっかりと行うことで大胸筋を効果的に鍛えられます。

ヒジを曲げて体を下ろしていく時に息を吸い、ヒジを伸ばして体を上げて行く時に吐きましょう。

プッシュアップの手順

  1. 肩幅より少し広めに両手をつきます。
  2. 足をしっかりと伸ばし、腕とつま先で体を支えます。
  3. ゆっくりとヒジを曲げて体を下ろしましょう。
  4. 胸に力を入れ、体を持ち上げます。

◆回数の目安:10回×3セット

ワイドグリップ・プッシュアップ(☆☆)|大胸筋の中部

ワイドグリップ・プッシュアップは、手の幅を肩幅よりも広くとるプッシュアップです。メインのターゲットは「大胸筋の中部」になります。

ワイドグリップ・プッシュアップのポイントは「床につく手の幅を肩幅の1.5倍以上とる」ことです。ワイドグリップ・プッシュアップでは、手の幅を広くとるほど、上腕三頭筋の関与が小さくなり、大胸筋への負荷が大きくなります。大胸筋を集中的に鍛えるためには手の幅を広くとることを覚えておきましょう。

ワイドグリップ・プッシュアップの手順

  1. 両腕を肩幅の1.5倍以上広げて床に手をつきます。
  2. 足をしっかりと伸ばし、腕とつま先で体を支えます。
  3. ヒジが90度になるくらいまでゆっくりと曲げて、体を下ろしましょう。
  4. 体を元の位置まで戻します。

◆回数の目安:10回を3セット

ナローグリップ・プッシュアップ(☆☆)|上腕三頭筋

ナローグリップ・プッシュアップは、手の幅を肩幅よりも狭くとるプッシュアップです。メインのターゲットは上腕三頭筋になります。

ナローグリップ・プッシュアップのポイントは「床につく手の幅を肩幅よりも狭くとる」ことです。肩幅よりも手の幅を狭くとることで、大胸筋の関与が抑えられ、上腕三頭筋がしっかりと使われるようになります。

ナローグリップ・プッシュアップの手順

  1. 両手は肩幅より少し狭め、肩の真下につきます。
  2. 足を腰幅ほどに広げて、両手とつま先で体を支えた姿勢からスタートします。
  3. ゆっくりとヒジを曲げて、胸が両手につくくらいまで下ろします。
  4. ヒジを伸ばして、元の位置まで体を戻します。

◆回数の目安:10回を3セット

インクライン・プッシュアップ(☆)|大胸筋の下部

インクライン・プッシュアップはフラットベンチなどに手をつき、上半身の位置を高くして行うプッシュアップのことです。メインのターゲットとなるのは「大胸筋の下部」になります。

インクライン・プッシュアップのポイントは「体のラインをまっすぐにキープする」ことです。インクライン・プッシュアップは、手をつく位置が高くなる分、基本のプッシュアップよりも上半身の腰が反ってしまいがちです。頭からかかとまでが一直線上で結ばれるように常に意識してください。

TOREMO

インクライン・プッシュアップのベンチの高さと負荷の関係

ベンチの高さ、つまり手をつく位置が低くなるほど、負荷が大きくなります。

  • 手をつく位置が高くなるほど負荷が小さくなる
  • 手をつく位置が低くなるほど負荷が大きくなる

インクライン・プッシュアップの手順

  1. 椅子やベンチなど平らな台に、肩幅より少し広めに両手をつきます。
  2. 腹筋に力を入れて、ヒジを伸ばします。これがスタートポジションです。
  3. 脇を締めたまま、ゆっくりとヒジを曲げて胸を下ろしていきます。
  4. スタートポジションに戻ります。

◆回数の目安:10回×3セット

デクライン・プッシュアップ(☆☆☆)|大胸筋の下部

デクライン・プッシュアップは、足をベンチや椅子の上に乗せ、下半身の位置を高くして行うプッシュアップです。 メインのターゲットは「大胸筋の上部」になります。

デクライン・プッシュアップのポイントは「体のラインをまっすぐにキープする」ことです。インクライン・プッシュアップと同様に、デクライン・プッシュアップでは下半身の位置が高くなる分、フォームが崩れてしまいがちです。繰り返しになりますが、頭からかかとが一直線上でまっすぐに結ばれるように意識してください。

デクライン・プッシュアップの手順

  1. 通常のプッシュアップの姿勢から、両足を台の上に乗せます。
  2. 両腕は、肩幅より少し広めに構えるのが理想的です。
  3. 姿勢を保ったままプッシュアップを行ない、床ギリギリまで体を下ろします。
  4. ヒジを伸ばして、元の状態まで体を戻します。

◆回数の目安:10回を3セット

リバース・プッシュアップ(☆☆☆☆)|上腕三頭筋

リバース・プッシュアップは、ベンチや椅子に背を向けて、逆手で手をつき、体を落としていくプッシュアップです。メインのターゲットは「上腕三頭筋」になります。

リバース・プッシュアップのポイントは「腕の力で体を持ち上げる」こと。上腕三頭筋を効果的に鍛えるために、お尻や足の筋肉の関与はなるべく抑えたいところ。

腕の力を最大限に使うためには、勢いで体を持ち上げるのではなく、上腕三頭筋が使われていることを意識しながら、ゆっくりと動作を行うことが重要です。

リバースプッシュアップの手順

  1. ベンチに背を向け、逆手で手をつきます。
  2. 足を前に伸ばして、体を落としてもお尻がベンチにつかないくらいのところまで体を前に出しましょう。
  3. ヒジを伸ばします。これがスタートポジションです。
  4. ヒジを曲げて体を下に落としてください。
  5. ヒジを伸ばしてゆっくりとスタートポジションに戻ります。この動作を繰り返します。

◆回数の目安:10回×3セット

ライオンプッシュアップ(☆☆☆☆☆)|大胸筋(全体)

ライオン・プッシュアップは、床に足と手をついた状態でお尻を上げて三角形を作り、そこから体を滑らせるように前へ沈み込ませていくプッシュアップです。メインのターゲットは「大胸筋(全体)」になります。

ライオンプッシュアップのポイントは「体全体を深く落とすこと」ことです。ライオン・プッシュアップでは、体を床スレスレまで落としますが、この時よくある間違いが「ヒジの曲げ伸ばしだけで体を動かそうとする」こと。

単にヒジを曲げるだけではなく、体全体でダイナミックに深く沈み込むようにするのがトレーニングのポイントです。

TOREMO

ライオン・プッシュアップの由来

ちなみに、ライオン・プッシュアップの「ライオン」は新日本プロレスのシンボルマークがライオンであることに由来しています。というのも、このトレーニングは新日本プロレスで伝統的に行われているからです。別名レスラー・プッシュアップとも呼ばれ、他にはヒンズープッシュアップと呼ばれることもあります。

ライオン・プッシュアップの手順

  1. 足を広げ両手を前に伸ばし、肩幅の1.5倍ほどに開きます。
  2. お尻を高く上へ突き出すように持ち上げ、床についた手足とで三角形を作ります。
  3. ヒジを曲げながら体をしならせるように床スレスレまで沈み込みます。
  4. 顔を上げ、お尻を持ち上げながら全身で円を描くように元の位置に戻ります。

◆回数の目安:10回を3セット

ダイヤモンド・プッシュアップ(☆☆☆☆)|上腕三頭筋

ダイヤモンド・プッシュアップは両手の親指と人差し指で「ダイヤ」を作った状態でプッシュアップを行うトレーニングです。メインのターゲットは「上腕三頭筋」になります。

ダイヤモンド・プッシュアップのポイントは「腹筋に力を入れる」ことです。ダイヤモンド・プッシュアップでは脇を締めてプッシュアップを行うため、体重が手首に集中し、バランスが崩れてしまいがちです。腹筋に力を入れて、姿勢を保ちましょう。

ダイヤモンド・プッシュアップの手順

  1. 両手でダイヤの形を作り、胸の下辺りで構えます。
  2. 脚をしっかりと伸ばし、腕とつま先で体を支えます。
  3. ヒジを体から離さないよう、脇を締めたままゆっくりとヒジを曲げて体を下ろします。
  4. 体を床スレスレまで下ろしてから、元の位置まで持ち上げます。

◆回数の目安:10回を3セット

クラッピング・プッシュアップ(☆☆☆☆☆)|大胸筋の中部

クラッピング・プッシュアップは、状態を起こす際に跳ねてクラップ(拍手)をするのが特徴です。メインのターゲットは「大胸筋の中部」になります。

クラッピング・プッシュアップのポイントは「着地する時に胸の筋肉を意識する」ことです。体を持ち上げるだけではなく、宙に浮かせるクラッピング・プッシュアップは基本形よりも大胸筋にかかる負荷が大きくなります。

特に着地の時に体を大胸筋でしっかりと受け止める意識を大切にしてください。

クラッピング・プッシュアップの手順

  1. 足を伸ばし、両手は肩幅より広めに構えます。
  2. ゆっくりとヒジを曲げ、床ギリギリまで体を下ろします。
  3. 腕をバネのように使い、上体だけをジャンプさせます。
  4. 体が浮いている間に手を叩きます。
  5. 着地する直前に腕を開き、地面についてしまわないように体を支えましょう。

◆回数の目安:10回を3セット

スロープッシュアップ(☆☆☆)|大胸筋の中部

スロープッシュアップのポイントは「動作を遅くすること」です。

基本的に、スロープッシュアップの動作はノーマルプッシュアップと同じです。しかし、プッシュアップの動作を遅くすることで、筋肉に長時間刺激を与えることができ、ノーマルプッシュアップよりパンプアップの効果が高くなります。

ペースの目安は「3秒かけて体を下ろし3秒かけて体を上げる」です。動作が遅くなっても常に正しい姿勢をキープするようにしてください。

スロープッシュアップの手順

  1. 肩幅より少し広めに両手をつきます。
  2. 足をしっかりと伸ばし、腕とつま先で体を支えます。
  3. ゆっくりと3秒を目安にヒジを曲げて体を下ろしましょう。
  4. 胸に力を入れ、3秒かけて体を持ち上げます。

◆回数の目安:10回×3セット

「プッシュアップバー」を使うメリットと使用時のポイント

プッシュアップの効果をより高めるグッズ「プッシュアップバー」を紹介します。まずは、プッシュアップバーの使用例を見てみましょう。

動画を見ると分かるように、プッシュアップバーを使うことで本来なら床につく手のひらが浮き、普段より数センチほど高い位置からプッシュアップができるようになり、トレーニングの効率が上がります。

TOREMO

「プッシュアップバー」を使う2つのメリット

  • 大胸筋にかかる負荷を大きくできる

バーを使えば、バーの高さがある分、より深く体を落とせるようになります。小さな差に思えるかもしれませんが、この小さな違いが重要。大胸筋への負荷がアップし、トレーニングの効果を高められます。

  • 手首への負担が軽減される

「手首への負担が大きい」ことがプッシュアップの短所の1つです。しかし、プッシュアップバーを使うことで、手首への負担がぐっと軽減されます。

また、プッシュアップバーを使う時はメインのターゲットを「大胸筋」と「上腕三頭筋」のどちらにするかによって、バーの並べ方を変えましょう。

プッシュアップバーを使う時のポイント

  • 大胸筋をメインのターゲットにする場合:ハの字型にセットする(脇が開く)
  • 上腕三頭筋をメインのターゲットにする場合:逆ハの字型にセットする(脇が閉じる)

※画像では平行に並べられていますが、狙った筋肉により的確に効かせたい場合は「ハの字」あるいは「逆ハの字」にするのがおすすめです。

プッシュアップが苦手な方におすすめの筋トレ

プッシュアップは主に「大胸筋」や「上腕三頭筋」を鍛えるのに効果的です。自宅で手軽にできる筋トレして覚えておくと便利ですが、短所として「手首に負担がかかりやすい」ということが挙げられます

「チェストプレスマシン」や「バタフライマシン」、「トライセプスキックバック」や「トライセプスエクステンション」など、他にも大胸筋や上腕三頭筋を鍛える筋トレ種目はあるため、プッシュアップ以外の種目にも挑戦してみましょう。

まとめ

今回は「プッシュアップ」を紹介しました。

TOREMO

これだけは押さえておきたい!プッシュアップのポイント

  • 鍛えられるのは「大胸筋」と「上腕三頭筋」
  • 体のラインをまっすぐに保つこと
  • 体をゆっくりと深く落とすこと
  • 大胸筋を鍛える時は手の幅を肩幅よりも「広く」する
  • 上腕三頭筋を鍛える時は手の幅を肩幅よりも「狭く」する

また、ボディメイクなどのカラダづくりを行うのであれば、やはり自宅で筋トレをするよりもジムに通ってトレーニングをした方がトレーニングの幅が広がるため、効果的です

自宅でのトレーニングで習慣化した場合や、少し物足りなく感じてきたときにジムも併せて活用することをおすすめします。