ケーブルクロスオーバーは大胸筋を鍛えるトレーニングです。
大胸筋を鍛えるトレーニングにはベンチプレスやチェストプレスマシン、バタフライマシンなど数多くの種類がありますが、ケーブルクロスオーバーは他の種目よりも「肩関節を自由に動かせるため、その分筋肉をしっかりと動かせる」という長所があります。
そこで今回は大胸筋を鍛えるトレーニング種目「ケーブルクロスオーバー」を紹介します。
目次
ケーブルクロスオーバーで鍛えられる筋肉
ケーブルクロスオーバーで鍛えられる筋肉は大胸筋です。
大胸筋は鎖骨や肋骨(ろっこつ)、二の腕の骨とつながっており、腕を動かす時に一緒に働く筋肉です。体積が大きいため、「上部」「中部」「下部」と部位ごとに鍛え分けるのが一般的です。
大胸筋の「上部」「中部」「下部」の働きの違い
部位 | 働き |
大胸筋上部 | ヒジを軽く曲げ、腕を斜め上へ押す時に使われる |
大胸筋中部 | ヒジを軽く曲げ、腕を正面前へ押す時に使われる |
大胸筋下部 | ヒジを軽く曲げ、腕を斜め下へ押す時に使われる |
参考:岡田隆著『太い腕と厚い胸板をつくる至高の筋トレ』
大胸筋は胸を形成する筋肉のため、鍛えることで「胸板を厚くする」「バストの位置を高く保てる」などの効果が期待されます。
ケーブルクロスオーバーの効果
ケーブルクロスオーバーと同様に大胸筋を鍛える筋トレ種目としては「ベンチプレス」があります。どちらも効果的なトレーニングですが、ケーブルクロスは肩甲骨が固定されない分、大胸筋をより大きく動かせるという長所があります。
また、ケーブルをセットする位置によって大胸筋の「上部」「中部」「下部」を鍛え分けられることもケーブルクロスオーバーの長所の1つです。
大胸筋の上部を鍛えたい時はケーブルをマシンの下部(足元)にセットして、大胸筋の下部を鍛えたい時はケーブルをマシンの上部(頭上)にセットしましょう。
【ケーブルマシン編】ケーブルクロスオーバーの種類
ケーブルクロスオーバーは一般的にジムにあるケーブルマシンを使って行います。
すでに述べたように、ケーブルクロスオーバーはケーブルをセットする位置を変えることで、大胸筋の「上部」「中部」「下部」を鍛え分けることが可能です。
種類 | ケーブルをセットする位置 | ケーブルを引く方向 | 効く部位 |
ハイケーブルクロスオーバー | 上部 | ケーブルを上から引く | 大胸筋下部 |
ミドルケーブルクロスオーバー | 中部 | ケーブルを正面から引く | 大胸筋中部 |
ローケーブルクロスオーバー | 下部 | ケーブルを下から引く | 大胸筋上部 |
なお、トレーニングの難易度を☆の数で5段階評価しています。☆の数が増えるほどトレーニングの難易度が高くなります。
ハイケーブルクロスオーバー(☆☆☆)|大胸筋の下部
ハイケーブルクロスオーバーはマシンの上部からケーブルを引くようにセットし、前方やや斜め下方向に引っ張ります。
ハイケーブルクロスオーバーのポイントは、ケーブルを引いて体の正面で両手を合わせた時に、アタッチメントを握る手が乳頭よりも下になるようにすることです。この動作により大胸筋の下部に効果的に効かせることができます。
◆回数目安:10回×3セット
ミドルケーブルクロスオーバー(☆☆☆)|大胸筋の中部
ミドルケーブルクロスオーバーでは、マシンの中部(腰あたり)にケーブルをセットし、前方正面へ向けて引っ張っていきます。
ミドルケーブルクロスオーバーのポイントは、ケーブルを引いて体の正面で両手を合わせた時に、アタッチメントを握る手が乳頭よりもやや下になるようにすることです。大胸筋の中部は腕を水平方向に動かす時に強く働く、ということを意識しながらトレーニングに励んでください。
◆回数目安:10回×3セット
ただし、マシンによっては器具の真ん中にケーブルをセットすることができない場合があります。その場合はチェストプレス|大胸筋の上・中・下部を鍛え分けるやり方を解説を参考にしながら大胸筋中部を鍛えるトレーニングを実践しましょう。
ローケーブルクロスオーバー(☆☆☆)|大胸筋の上部
ローケーブルクロスオーバーではマシンの下部から引くようにケーブルをセットし、前方やや斜め上へ向けて引っ張ります。
ローケーブルクロスオーバーのポイントはケーブルを引いて体の正面で両手を合わせた時に、アタッチメントを握る手が乳頭よりも上になるようにすることです。ケーブルを下から上に引き上げる動作により、大胸筋の上部を集中的に鍛えることができます。
ハイケーブルクロスオーバーとは違い、身体を前屈させないで行うようにしましょう。
◆回数目安:10回×3セット
チューブで代用可能|自宅でできる大胸筋を鍛えるトレーニング
チューブを固定する場所があれば、自宅でもケーブルクロスオーバーと似たような動作を実践することができます。
※動画ではカーテンのフックにチューブを固定していますが、強い力が加わった時に壊れてしまう可能性があるため、チューブをくくりつけるところは丈夫な柱などがよいでしょう。
トレーニングの手順やポイントはケーブルマシンを使ったケーブルクロスオーバーと同じです。
チューブの場合、負荷は「チューブの長さ」や「チューブの硬さ」によって調節できます。ケーブルマシンと比べると、与えられる負荷は小さくなりますが、ジムに行けない日のトレーニングとしてはおすすめです。
ケーブルクロスオーバーのよくある2つの間違い
1つ目のよくある間違いは、ヒジを伸ばした状態でトレーニングを行ってしまうことです。
ケーブルクロスオーバーをする際にヒジを伸ばした状態で行ってしまうと、二の腕の筋肉を痛める原因になります。トレーニングを行う際は、必ずヒジを少し曲げた状態をキープするようにしてください。
2つ目のよくある間違いは、ヒジを曲げ伸ばしてしまうこと。
ヒジを曲げたり伸ばしたりしてしまうと、大胸筋ではなく腕の筋肉に負荷が逃げてしまいます。トレーニングを行う時は、ヒジを軽く曲げた状態をキープしたまま、「肩甲骨から腕を動かす」イメージで動作を行うようにしましょう。
まとめ
今回はケーブルクロスオーバーについて紹介しました。

ケーブルクロスオーバーは大胸筋を効果的に鍛えるトレーニングです。ただし、「胸板を厚くしたい」という方や「バストをキュッと上向きにしたい」という場合は、大胸筋だけではなく、背中にある広背筋も鍛えた方がメリハリのある美しいカラダを作れます。
背中に効く筋トレ「ラットプルダウン」のフォーム別のやり方とコツを紹介をご覧の上、広背筋のトレーニングも併せて実践することをおすすめします。
さまざまなトレーニングを取り入れ理想のカラダを作っていきましょう。
ここだけは押さえておきたい!ケーブルクロスオーバーのポイント