お腹の「くびれ」は女性らしさを強調してくれる憧れの体型ではないでしょうか。くびれていることでお腹との対比でバストが強調され大きく見えたり、ヒップラインが協調されたりと、くびれは女性らしさを際立たせたセクシーなボディラインを作る上で重要な存在と言えます。
そんな女性の憧れである「くびれボディ」を手に入れるためには、「腹斜筋」という脇腹に位置する筋肉を鍛える必要があります。
腹斜筋は主に「体をねじる」ときに働きますが、体をねじる動作には多くの関節が関わっています。そのためピンポイントに「腹斜筋」だけを狙い撃ちで鍛えることは容易ではありません。
腹斜筋を効果的に鍛えるためには、トレーニングのポイントを知っておく必要がありますので今回は腹斜筋を効果的に鍛えられる筋トレ法を紹介します。
目次
「くびれ」を作るために鍛えるべき筋肉とその理由

くびれを作るために鍛えるべき筋肉は脇腹にある「腹斜筋」です。
腹斜筋は外側に位置する「外腹斜筋(がいふくしゃきん)」と内側に位置する「内腹斜筋(ないふくしゃきん)」という2つの筋肉から成っています。
- 外腹斜筋
外腹斜筋は肋骨(ろっこつ)から骨盤に向けて走行する筋肉で、「前に屈む」「体を横に倒す」「上体を反対側にねじる」ときに働きます。
「上半身を反対側にねじる」ときに働くというのは、ねじる方向とは反対側の腹斜筋が使われるということです。つまり、上半身を「左側」にねじるには「右側の外腹斜筋」が、反対に上半身を「右側」にねじる際には「左側の外腹斜筋」が使われます。
- 内腹斜筋
内腹斜筋は骨盤から肋骨にかけての筋肉で、「前に屈む」「体を横に倒す」ときに使われるという点では外腹斜筋と同じ働きを持ちます。また、外腹斜筋と同じく体をねじる動きにも使われるのですが、内腹斜筋の場合は「上半身をねじる側と同じ側の筋肉が働く」という点で異なります。
どういうことかと言うと、「右側の内腹斜筋」は上半身を「右側」にねじる際に働き、「左側の内腹斜筋」は上半身を「左側」にねじる際に働きます。つまり、上半身がねじられる方向と同じ側にある内腹斜筋が使われます。
【自重編】くびれを作るための腹斜筋トレーニング方法
ここからはくびれを手に入れるため「腹斜筋」を鍛えるのに効果的な筋トレを紹介していきます。「自重編」と「器具編」の2つに分けて紹介していきますが、まずは「自重編」からみていきましょう。
くびれを作る筋トレ1.クロスクランチ(☆☆☆)
「クロスクランチ」の「クランチ」は一般的に「腹筋運動」と呼ばれる「仰向けの姿勢で上体の上げ起こし」をおこなうトレーニングのこと。そして、「クロスクランチ」ではクランチの動きに加えて、上体を起こすときに「対角線上で向き合うヒジとヒザを近づけ合う」動作をおこないます。
クロスクランチのポイントは以下の3点です。
1つ目のポイントは「ヒザを抱え込まずに上半身を起こす」こと。
ヒジとヒザを近づける際に、上体を持ち上げることなく、ヒザを抱え込んでしまうのはよくある間違いですが、これでは腹斜筋が使われません。起き上がるように上半身を持ち上げることを意識しましょう。
2つ目のポイントは「ねじりながら上半身を持ち上げる」こと。
起き上がってから脇腹をねじるのではなく、起き上がるのと並行して脇腹をねじるようにしましょう。ねじりながら上半身を持ち上げればしっかりと腹斜筋に効いていることが実感できるはずです。
3つ目のポイントは「首や腕だけで動かさない」こと。
疲れてくると、首や腕だけを左右に振ってしまって、肝心の腹斜筋が使えていないケースがあります。腕や首を振っているだけになっていないか気をつけながら、上半身を起こしてねじることを心がけましょう。
ただし、クランチは脇腹をねじる動きが腰を痛める要因になる可能性もあります。少しでも腰に負担がかかっているような違和感があったら、無理をせず控えましょう。
- 仰向けになって片方のヒザを立て、反対側の手は後頭部に回しましょう。
- 左右反対側のヒジとヒザを近づけていくことで体をねじり、持ち上げていきましょう。
- ヒジが反対側のヒザに届くまで上半身を持ち上げ、届いたらゆっくりと戻していきます。
くびれを作る筋トレ2.ロシアンツイスト(☆☆☆☆)
ロシアンツイストはお尻を支点にして、上半身と下半身を浮かせた状態で上半身をねじるトレーニングです。
ロシアンツイストのポイントは以下の3点です。
1つ目のポイントは「下半身は動かさない」ということ。
ターゲットである腹斜筋(上半身)を集中的に鍛えるためには、下半身を動かさないことが重要です。そのため下半身が動かないようお腹に力を入れロックし、上半身だけを動かすようにしましょう。
2つ目のポイントは「上半身は後ろに傾けた斜めの体勢を保つ」こと。
上半身をお腹と太ももがくっつきそうなぐらいまで起き上がらせてしまうと、負荷が逃げてしまいます。なので上半身を少し後ろに傾け、斜めになった体勢を腹筋を使ってキープし続けることが大切です。
3つ目のポイントは「お腹をひねる意識をキープする」こと。
回数を重ねるうちに、疲れからフォームが崩れて、気がついたら腕や首だけを左右に振っているだけになってしまっているケースはよくあります。
これでは腹斜筋をえていないので、お腹をひねることを意識してください。フォームの維持が難しくなった場合は無理せず休憩します。
- 座った状態で脚を浮かせます。
- お尻を支点に上半身をねじります。このとき上半身は後ろに傾けた斜めの体勢をキープします。
- 腹斜筋を意識しながら上半身をねじり、ねじりきったら今度は反対側へねじりましょう。
【器具編】くびれを作るための腹斜筋トレーニング方法
次にダンベルやバーなどの器具を用いたトレーニングを紹介します。器具を使えば自重よりも更に大きな負荷をかけることができるので、腹斜筋により刺激を加えて鍛えることができます。
くびれを作る筋トレ1.ケーブルトーソローテーション(☆☆☆)
ケーブルトーソローテーションはケーブルを引きながら上半身をねじるトレーニングです。
ケーブルトーソローテーションのポイントは以下の3点です。
1つ目のポイントは「腰の位置を固定する」こと。
腹斜筋は骨盤と肋骨をつないでいる筋肉ですので、腰(骨盤)をしっかりとブレさせずに安定させることでより効果的に働きます。
2つ目のポイントは「腕の力を使わない」こと。
ケーブルの張力に対抗するために腕の力を頼りに上半身をねじってしまいがちです。しかし、腕の筋肉を使ってしまうと腕へ負荷が行ってしまい、腹斜筋へかかる負荷は薄くなってしまいます。そのため腕の力で引っ張らずに、腹斜筋を使って上半身をひねる力でケーブルを引っ張りましょう。
また、上半身に対しての腕の角度が変わってしまうと、体をひねる動きが小さくなってしまうので注意しましょう。
3つ目のポイントは「過度に重量を重くしない」こと。
あまり重量があり過ぎると、体の軸が定まらず、体をしっかりとひねれなくなります。だからといって、重量を下げすぎると効果が薄れてしまうので、自分にとっていい塩梅を見つける必要があります。
とは言え、自分一人で丁度いい重さを見つけるのは簡単ではないでしょう。そんなときはジムのトレーナーやパーソナルトレーナーといったプロに教わることもおすすめです。一度教わっておけば自分一人でのトレーニングの能率も上がることでしょう。
- 肩幅より少し広めに足を開き、ケーブルのグリップを両手で握ります。
- 姿勢よく背筋を伸ばし、ケーブルを引っ張るように上半身をねじりましょう。
- ねじったらゆっくりと戻ります。
ケーブルトーソローテーションは、ケーブルマシンが必要となります。
しかし、ジムにケーブルマシンがない場合や、最軽量のウエイトでも「負荷が大きすぎる」と感じた場合は、ゴムチューブを柱など安定した場所に固定することでも行えます。姿勢は立った状態でもいいですし、ヒザ立ちの状態でもよいでしょう。
くびれを作る筋トレ2.オーバーヘッドサイドベント(☆☆☆)
英語で「オーバーヘッド」は「頭上」を、「サイドベント」は「体を横に倒すこと」を意味します。読んで字のごとく、オーバーヘッドサイドベントは頭上にダンベルを掲げ、そのまま振り子のように上半身を横に倒すトレーニングです。
オーバーヘッドサイドベントのポイントは3つあります
1つ目は「上半身から左右に倒していく」こと。
上半身を倒さなければ腹斜筋を使うことにはならず、トレーニングの成果を十分に得られません。上半身の倒れ方が不十分で、「腕の力だけを使ってダンベルを傾ける」状態になってしまうというのはよくある間違いです。
2つ目は「腰(骨盤)は固定して動かさない」こと。
倒れる方向に腰が入ってしまっては腹斜筋を使うことができません。これは上半身を倒す方向と反対側に骨盤が動いてしまっている状態であると言えます。腰は動かさず、腰より上の胴体だけを真横に倒していくよう意識することが大切です。
3つ目は「真横に倒す」こと。
前述したように、腹斜筋は「体を真横に倒す」際に用いられる筋肉です。そのため体を真横に倒さなければ腹斜筋を使うことにはなりません。真横ではなく斜め方向に倒れていないか鏡などで確認しながら進めましょう。
- 足を肩幅に広げ、ダンベルを両手で頭の上へ掲げます。
- その状態のまま肩甲骨を軽く寄せ、上半身を真横に30度ほど倒していきます。
- 上半身を元の位置までゆっくりと戻し、反対側も同じ要領で倒していきましょう。
※ダンベルが重すぎると危険なので、軽いものから段階的に重くしていきましょう。まずは2kg程度のダンベルから始めてください。
くびれを作る筋トレ3.ハンギングワイパー(☆☆☆☆☆)
ハンギングワイパーはバーにぶら下がって行うトレーニングです。ぶら下がったまま上半身を固定し、お腹をねじることで下半身だけを車のワイパーのように左右へ動かすトレーニングです。
ハンギングワイパーのポイントは2つあります。
1つ目は「上半身を固定する」こと。
上半身が動いてしまっては下半身を上手くねじれず、その分腹斜筋にかかる負荷も小さなものとなります。腹斜筋をしっかりと使えるよう、ガッチリと上半身を固定してねじるようにしましょう。
2つ目は「ゆっくり下半身をねじる」こと。
腹斜筋は体のねじれを戻す際に負荷がかかるので、戻るときを意識することで効率的に鍛えられます。戻るときの動作をゆっくりにし、スローペースでねじれを戻すことで腹斜筋への刺激を高めることができます。
- 両手を肩幅ぐらいに開いてバーにぶら下がりまず。
- 両ヒザは曲げて、脚を自分の方へ引き寄せます。
- 腰を軸に左右のヒザを揃えた状態で横方向へ倒していきます。
- これ以上いかない地点まで行ったら反対方向に倒していきましょう。
腹斜筋におすすめのストレッチ
腹斜筋を鍛えて「きれいなくびれ」を作るためには、ストレッチでお腹周りの柔軟性を上げることが重要です。
ストレッチは、疲労回復やトレーニング効果のアップが期待できるため、トレーニング後は積極的にストレッチを取り入れましょう。
腹斜筋のストレッチ:側屈
体を横に倒すことで腹斜筋を伸ばすストレッチです。腹斜筋以外にも、広背筋など体の側面にある筋肉を伸ばせます。
ポイントは体を真横に倒すこと。倒す方向が斜め前になると、腹斜筋の伸びが弱まるため、体を真横に倒すことを心がけましょう。
- 背筋を伸ばします。
- 手を上にあげて両手を掴んでください。
- 体を真横に倒します。
- そのまま10秒〜20秒キープしましょう。
腹斜筋のストレッチ:ツイストストレッチ
椅子に座った状態で体を捻り、腹斜筋をストレッチさせる方法です。オフィスでも気軽にできるストレッチのため、仕事中にリフレッシュしたいときもおすすめです。
ポイントは捻る方向に注意すること。以下では、ツイストストレッチの手順を紹介していますが、捻る方向を間違えると、効果が下がるため注意してください。
- 太ももをクロスさせるように脚を組む
- 太ももが上にある脚の方向へ体を捻る(右脚が上の場合は右方向へ捻る)
- そのまま10秒〜20秒キープする
まとめ
今回は美しいボディに必須の「くびれ」を作る「腹斜筋」を効果的に鍛えるトレーニングを紹介しました。
「くびれ」を作るために鍛えるべき筋肉 | 効果的なトレーニング |
|
|
腹斜筋を鍛えるトレーニングの動作は、一見すると非常に単純で簡単そうに思えるものばかりです。しかし、冒頭でも述べたように「体をねじる」動作には多くの筋肉が関わっているため、腹斜筋をメインのターゲットとして「効果的に」トレーニングすることは決して簡単なことではありません。
なぜなら人それぞれ動作の癖や骨格、筋肉のつき方などによって、「最適なトレーニング」や「注意すべきポイント」は異なってくるからです。
「自分に合ったトレーニング方法」や「正しいフォーム」を見つけ、トレーニングを効率よく進めていきましょう。