「男らしくたくましい背中」「父親の背中」などの表現があるように、男らしさを語る上では背中の大きさは欠かすことができません。がっしりとした力強い背中は男性ならではであり、筋骨隆々の後ろ姿に憧れを持つ男性は多いでしょう。
背中の筋肉の中でも特に広背筋はスタイルを決める重要な部分であるため、男らしい体を手に入れるにはトレーニングは必須です。広背筋の筋トレの方法を知り、誰もが憧れる「逆三角形の体」を目指しましょう。
筋トレすべき「広背筋」の種類

男らしい「逆三角形の体」を手に入れるには、広背筋のトレーニングを欠かすことはできません。広背筋は背中に大きく広がる筋肉であり、背中の下半分にまたがって存在しています。
広背筋を鍛えるということは、背面の大部分を鍛えることにも繋がるため、高いシェイプアップ効果が見込めるでしょう。
逆三角形の体を作るには、筋肉をつけることはもちろん、余分な脂肪も落とさなければなりません。大きな筋肉を無駄なく鍛えることで、代謝が上がり、痩せやすい体を手に入れることができます。

広背筋の種類1.広背筋上部
広背筋上部は、肩甲骨の下から脇のあたりにかけての筋肉です。
主に「腕を動かす」「姿勢をキープする」などの働きを担っており、肩周りや体幹にも大きく関係します。広背筋の上部は僧帽筋と呼ばれる肩甲骨周りの筋肉に覆われているため、いわば僧帽筋と連動して動く筋肉でもあります。
広背筋の上部は単に逞しい背中を作るだけではなく、体全体の美しいラインを作るためにも欠かせない筋肉です。肩甲骨から脇にかけての筋肉で、シャツを着たときでも筋肉の存在が見えやすく、力強い背中をアピールできます。
逆三角形は上が大きく、下が細いことが条件になるため、広背筋の上部を大きくすることが、逆三角形の体型を目指す近道になるでしょう。
広背筋の種類2.広背筋下部
広背筋の下部は、脇の下から腰にかけて存在する筋肉です。下部の筋肉は、体の中心に位置するため、特に体幹に影響を及ぼします。
腰回りの筋肉のため、姿勢をキープする際には必須で、鍛えることで体の軸がシェイプアップされます。
太く逞しい背中を作るのが上部、引き締まった美しいラインを作るのが下部の役割だと考えましょう。
広背筋下部をしっかり鍛えることで、腰回りの脂肪が落ちるため、お腹周りもすっきりします。上半身の太さは残しつつ、中心はくびれを作るように細く絞っていくため、上部と一緒に鍛えることでスタイルもよくなり、全体のバランスも磨かれるでしょう。
広背筋を鍛えて逆三角形になるための筋トレ法(自宅編)
広背筋を大きく鍛えて逆三角形の体を目指すには、ジムで厳しいトレーニングを積まなければならないと考える人は多いでしょう
マシンを使って負荷の高いトレーニングを行うことで、素早く広背筋を鍛え、逆三角形の体を目指しやすいのは確かです。
しかし、自宅でトレーニングができないわけではなく、「自重を使う」「ちょっとした器具を使う」ことでも、男らしい背中を目指すことは可能です。
自宅で広背筋を鍛える方法は、「懸垂」「ワンハンドローイング」「スーパーマン」の3つが挙げられます。
広背筋の筋トレ1.懸垂
懸垂は広背筋全体を鍛えられるトレーニング方法です。筋トレのなかでは特に有名な方法ですが、やり方には細かくポイントがあるため注意しなければなりません。
懸垂は自身の重さがそのまま負荷となるため、筋トレ初心者では1回もできない場合もあり、人によってはハードルが少し高いでしょう。しかし、続けるうちにコツを掴むことはでき、負荷を抑えたやり方も存在するため、工夫次第では誰でもできるトレーニングです。
- 肩幅に足を開き、それよりも広く手を広げてぶら下がります
- 背筋をまっすぐにして、素早く体を引き上げます
- 上がったポイントでしばらくキープします
- ゆっくりと腕を下げて、元の位置に戻ります(以降繰り返し)
◆回数の目安:15回×3セット
懸垂時にやってしまいがちな失敗が、力を込めようとするあまり、体が丸まってしまうことです。体が丸まると、腰への負担が大きく、腕ばかりに力が入ってしまい、広背筋が鍛えられなくなるため注意しなければなりません。
鍛えるのは腕ではなく、背中の筋肉であるため、肩甲骨周りの筋肉を意識しながら行うことが大切です。

広背筋の筋トレ2.ワンハンドローイング
ワンハンドローイングは、ダンベルを使ったトレーニングであり、広背筋の上部と下部、両方を鍛えられます。
平行な場所に手を置き、片手でダンベルを持って行うトレーニングであるため、自宅ではもちろん、重りさえあれば公園でも気軽に行えます。
- 片足をベンチの上に置き、同じほうの手で体を支えます
- ダンベルを体から少し離して、支えていないほうの手で持ちます
- 脇を締めて肩を上げ、ダンベルを上げて限界でキープします
- ゆっくりともとの位置に戻します(以降繰り返し)
◆回数の目安:片手15回×3セット
ワンハンドローイングは、「姿勢」「ダンベルの上げ方」の2つが重要なポイントです。ベンチに片方の足と手を乗せて体を支えますが、このとき上半身と地面が平行になることを意識しましょう。
よくある失敗が「前傾姿勢になりすぎる」「背中が後ろに反っている」などであり、姿勢の乱れによってトレーニングの効果が薄まるため注意が必要です。

広背筋の筋トレ3.スーパーマン
スーパーマンは広背筋全体を鍛えられるトレーニング方法ですが、特に下部を重点的に鍛えたい人におすすめです。
寝転がれるスペースさえあれば、どこでもできることが大きな特徴です。自宅だけではなく、ジムやシートさえあれば公園でも簡単にトレーニングできます。
気軽に行えるトレーニングのため、自宅でテレビを見ているときでも鍛えられ、隙間時間での筋トレが可能です。腰からおしりにかけて広く鍛えられるため、シェイプアップ効果も高いでしょう。
- 寝転がって手足を伸ばします
- 両手両足を床から上げて離します
- そのままの姿勢で30秒程度キープします
- ゆっくり下ろしてインターバルをおきます
◆回数の目安:3回×3セット
手足はぴんと伸ばし、できるだけ高く上げることで、トレーニングの強度を高められます。また、トレーニング中は体がぶれないことも大切で、常に一定の姿勢をキープすることが大切です。
ぶれてしまうとトレーニング効果が薄くなってしまうため、負荷をかかることばかり意識するのではなく、無理のない範囲で行うことを考えましょう。

広背筋を鍛えて逆三角形になるための筋トレ法(ジム編)
広背筋をより効率的に鍛えたい場合は、ジムでマシンを使ったトレーニングがおすすめです。マシンを使えば簡単に高負荷をかけられるため、筋肉が鍛えられるスピードが早く、無駄なく筋トレができます。
ジムでできる広背筋のトレーニングは「ラットプルダウン」「シーテッドローイング」「ケーブルマシンプルオーバー」の3つが挙げられます。
広背筋の筋トレ1.ラットプルダウン
ラットプルダウンは、広背筋全体を鍛えるトレーニング方法です。
ラットプルダウンでは椅子に座り、マシン上部に設置されたバーを引き下げてトレーニングをし、バーを引き下げる位置で鍛えられる部位が異なります。
首の後ろにバーを下ろす場合と、胸の前にバーを下ろす場合で大きく別れますが、今回はより広背筋に刺激を与える、胸の前にバーを下ろす場合のラットプルダウンを解説します。
- バーを持ってマシンに座ります
- 胸を張って肩を絞ってバーを下ろします
- 胸の前で1秒程度止めます
- ゆっくりとバーを戻します(以降繰り返し)
◆回数の目安:15回×3セット
鍛えるのは腕や肩周りではなく、脇や腰に広がる広背筋であるため、これを意識してバーを引き下げましょう。腕の力だけでバーを下げてしまうと、広背筋のトレーニング効果が薄くなるため、脇を絞って肩甲骨を狭めるイメージで、バーを下げることが大切です。

広背筋の筋トレ2.シーテッドローイング
シーテッドローイングは、広背筋全体が鍛えられ、特に広背筋下部を重点的に鍛えたい人におすすめのトレーニング方法です。
椅子に座りバーを引くトレーニングであり、少しずつ負荷をかけ、ゆっくり動くことが大切です。フォームが悪いと怪我を招くことも多く、特に腰に負担がかかりやすいため、注意しましょう。
広背筋を鍛えることで、腰痛の予防に繋がりますが、トレーニングで腰を痛めてしまっては元も子もありません。正しいトレーニング方法を知り、自分に合った負荷を理解するようにしてください。
- 椅子に座ってバーを握ります
- バーを引きながら体も少し引きます
- 限界のところで少しキープします
- バーをゆっくり戻します(以降繰り返し)
◆回数の目安:15回×3セット
また、椅子に座った際には、姿勢を正し、猫背にならないよう注意しましょう。背中が丸まってしまうと、腕だけの力でバーを引っ張ってしまいやすく、広背筋をうまく鍛えることができません。
腕で引くのではなく、肩甲骨を狭めるイメージで、背中全体を使ってバーを引くイメージを持つことが大切です。トレーニング効果を高めるには、バーは素早く引き、ゆっくり戻すことも意識しましょう。

広背筋の筋トレ3.ケーブルマシンプルオーバー
ケーブルマシンプルオーバーは、主に広背筋下部を鍛えるトレーニング方法です。肘は曲げずに肩関節の動きだけでケーブルを引くのが特徴です。
脇から下の斜め方向に走る広背筋下部の筋繊維をピンポイントで刺激を与えることができ、下部を絞って上部を肥大させる「逆三角形」の体には、うってつけのトレーニングと言えます。
- 足を肩幅に開いてマシンの下に立ちます
- ケーブルは肩幅より少し広めの間隔で握ります
- 腰を曲げて前傾姿勢でケーブルをヒザ当たりまで引き下げます
- ケーブルをゆっくり戻します
◆回数の目安:10回×3セット
スタート姿勢はケーブルを握ってやや前傾姿勢になり、トレーニング中は常にこの姿勢を意識します。ケーブルを引っ張る際も体が流れないよう注意し、「背中が丸まる」「腰が反る」ことのないようにしましょう。

まとめ
「がっしりとした背中」「逆三角形の体型」に憧れを持つ人は多く、これを実現するにはまずは背中の筋肉を鍛えなければなりません。
逆三角形を目指すには、「背中の上部の筋肉は大きく」「下部の筋肉は引き締める」ことが大切であり、それぞれを実現させるためには広背筋のトレーニングが必須です。
ジムで専用のマシンを使うのはもちろん、自宅でも簡単にトレーニングはできるため、続けられる方法を試しましょう。
筋トレすべき広背筋の部位 | 効果的な筋トレ法 |
広背筋上部 | 懸垂、フロントネックプルダウン、ワンハンドドローイング |
広背筋下部 | 懸垂、スーパーマン、シーテッドローイング、ケーブルマシンプルオーバー、ワンハンドドローイング |
筋トレの成果は一朝一夕で出るものではなく、継続して行うことが大切です。特に広背筋は大きな筋肉のため、育つまでには特に時間をかけなければなりません。しかし、時間をかけてトレーニングをすれば、理想的な逆三角形の体を手に入れることができます。
根気強くトレーニングを続けることが苦手なら、パーソナルトレーナーにサポートしてもらうのもひとつの手です。
自分に合った方法で、無理なく理想的な体を手に入れる方法を模索してくれるため、トレーナーにも頼りながら、トレーニングを始めてみましょう。