「ぽっこりと出たお腹がTシャツやYシャツにピチピチに張り付いてカッコ悪い」「座っている時にお腹の脂肪が前に突き出て心地が悪い」という経験をしたことはありませんか?
お腹は目立ちやすく、自分でも気になりやすい部位の1つ。前から見た時にお腹が出ているか出ていないかで、外見からの印象は相当異なります。
だからこそ、「お腹周りの脂肪をなんとかして落としたい」という方も多いことでしょう。そこで今回は、お腹周りの脂肪を落とす方法をテーマに、お腹周りに脂肪がついてしまう原因や、脂肪の落とし方を解説します。
お腹周りの脂肪がなかなか落ちない理由
この記事を読んでいる方の中にも「ダイエットで体重は落ちたのに、お腹周りだけはなかなか痩せない」と悩んでいる方は多いはず。
実は、「お腹周りの脂肪が落ちにくい」ことには主に2つの理由があります。
- 皮下脂肪がついているから
- そもそも脂肪がついていて太っている訳ではないから
理由1.皮下脂肪がついているから
次の見出し「お腹周りにつく脂肪は2つある」で詳しく解説しますが、体脂肪は主に「内臓脂肪」と「皮下脂肪」の2種類に分けられます。
「なかなか落ちにくい」と言われているのは「皮下脂肪」のほうで、皮下脂肪は男性よりも女性の体に付きやすいという特徴があります。
皮下脂肪を落とすためには、食事管理と運動を行い、地道にダイエットをするしかありません。以下の見出し「お腹周りの脂肪を落とすために食事面で心がけるべきポイント」と「お腹周りの脂肪を落とすために効果的な運動法」では、お腹の脂肪を落とすために効果的な食事管理の方法と運動を紹介していますので、ぜひご覧ください。
理由2.そもそも脂肪が付いていて太っている訳ではないから
「全身が太っている訳ではないのにお腹だけがぽっこり出ている」「食事制限や運動をして体重を落としたのにお腹周りがなかなかすっきりしない」という場合、そもそもお腹周りが太っている原因は「脂肪」ではない、可能性があります。
では、どうしてお腹が出てしまうかというと、ズバリ「内臓」です。内臓の位置が下がってしまったせいで、お腹が出ているように見えることもあるのです。
内臓が下がってしまう主な原因は「腹筋の衰え」。腹筋は姿勢を維持するために働く筋肉でもありますが、猫背や背中を丸める前屈みの体勢では腹筋は使われません。特に、デスクワークやスマホ利用の時間が長くなると、前屈みの姿勢が常態化しやすくなり、腹筋は使われることなく衰えてしまいがちです。
この場合は、「「部分痩せ」は可能?!トレーナーが語るお腹・太もも・お尻の痩せ方」で紹介しているように、ストレッチや筋力トレーニングで姿勢の改善から取り組むことをおすすめします。
お腹周りにつく脂肪は2種類ある
すでにご紹介した通り、体脂肪は「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類に分けられます。ここでは「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の違いについてみていきましょう。
お腹周りに付きやすい脂肪の種類1.女性に付きやすい皮下脂肪
皮下脂肪は男性よりも女性に付きやすいと言われる脂肪で、その名の通り、皮膚の下にある皮下組織に付きます。皮膚のすぐ下にあるため、指で摘めるのも特徴の1つです。
皮下脂肪と内臓脂肪は、その特徴の違いから、しばしば2つの「預金方法」に例えられますが、落としにくい皮下脂肪が例えられるのは「定期預金」です。
また、皮下脂肪により太っている方は下半身に脂肪がつく「洋ナシ体型」の方が多いと言われています。
お腹周りに付きやすい脂肪の種類2.男性に付きやすい内臓脂肪
内臓脂肪は女性よりも男性に付きやすいと言われる脂肪で、内臓周りの脂肪組織のことを指します。特に腸を包む腸間膜が内臓脂肪を蓄えやすい場所として知られています。
内臓脂肪の恐ろしいところは糖尿病や脳梗塞、高血圧など、いわゆる生活習慣病の原因になりやすいところ。内臓脂肪は指では掴めず、自分では気付きにくいため、かなりの量が付いてしまって初めて自覚するケースも多くあります。
また、先ほど、皮下脂肪を「定期預金」に例えましたが、対してすぐに落ちやすい内臓脂肪が例えられるのは「普通預金」。空腹状態になるだけですぐにエネルギーとして消費されやすいのが特徴です。

お腹周りの脂肪を落とすために食事面で心がけるべきポイント
ここからは、お腹周りの脂肪を落とすための方法を「食事」と「運動」の両面からお伝えしていきます。ちなみに、皮下脂肪と内臓脂肪には落ちやすさに差があるものの、「食事管理とダイエットで脂肪を落とす」という手段に違いはありません。
それでは、食事面からみていきましょう。
- 朝とお昼は炭水化物を手のひらの半分くらい食べること
- 最初に野菜を食べること
- 炭水化物は白いものよりも黒いものを食べること
- アルコールの飲みすぎに注意すること
ポイント1.朝とお昼は炭水化物を手のひらの半分くらい食べること
ダイエット中は炭水化物を食べ過ぎないようにするのが基本です。しかし、朝食と昼食で炭水化物を抜くと、体がエネルギー不足に陥り、エネルギー代謝も悪くなるため、次の食事でエネルギーを目一杯吸収しようとして、かえって太りやすくなります。
日中活動するために必要なエネルギーを確保するためにも、朝食と昼食では、手のひらの半分くらいの量を目安に、炭水化物をしっかり摂取するようにしましょう。
注意点としては、炭水化物はご飯や麺類、パンなどの主食に限らないということです。中には、ジャガイモやトウモロコシなど、野菜の中にも炭水化物を多く含む食材はあります。
1食の食事全体における炭水化物の量が手のひら半分の量になるように調整しましょう。
なお、夜は日中ほどエネルギーを使わないため、できるだけ炭水化物の摂取を抑えるようにしましょう。
ポイント2.最初に野菜を食べること
食事の最初に野菜を食べることで、野菜が腸内でクッション代わりとなり、糖質の吸収を抑制してくれます。野菜を食べられない時は野菜ジュースでも構いません。毎食必ず野菜を食べることを習慣化してください。
ちなみに、ダイエット中は「野菜→タンパク質→炭水化物」の順番で食べることを意識しましょう。最後に炭水化物を食べることで、血糖値が急激に上がりにくくなるため、太りにくくなります。
ポイント3.炭水化物は白いものよりも黒いものを食べること
同じ炭水化物であっても、白米や食パンなど色の白い(精製度の高い)ものよりも、玄米やブランパンなど色の濃い(精製度の低い)ものの方が食後の血糖値の上昇が緩やかになります。
血糖値が急激に上昇すると脂肪が体に溜め込まれやすくなるため、ダイエット中は炭水化物の量に加えて、種類にも気を配るのが理想です。
ポイント4.アルコールの飲みすぎに注意すること
アルコール類には血糖値を上げる糖質が含まれているため、過剰に摂取すると、体脂肪が付きやすくなります。
飲酒量の目安は厚生労働省が策定した「健康日本21」という政策の中に「節度ある飲酒量の目安は、1日平均純アルコールで20g程度」と記されていますので、それを参考にしましょう。
純アルコール量20gの目安は以下の通りです。
お酒の種類(アルコール度数) | だいたいの量 |
ビール・発泡酒(5%) | 中ビン・ロング缶の半分 |
チュウハイ(7%) | コップ1杯または350mL缶の半分 |
日本酒(15%) | 0.5合 |
ウィスキー・ジンなど(40%) | シングル1杯 |
ワイン(12%) | ワイングラス1杯弱 |
▲厚生労働省「e-ヘルスネット」の「飲酒量の単位」を参考に作成
お腹周りの脂肪を落とすために効果的な運動法
続いて、「運動」です。運動は大きく分けて「有酸素運動」と「筋トレ」の2種類に分けられます。「お腹の脂肪を落とす」ために、それぞれがどんな効果を発揮するのかご説明しましょう。
お腹周りの脂肪を落とすのに効果的な運動の種類1.有酸素運動
よく知られた通り、有酸素運動には脂肪燃焼効果があり、筋トレのような無酸素運動と比べて、運動中の脂肪燃焼効果が高く、かつ即効性が期待できます。
「1週間後に控えたデートまでに痩せたい」「今週末に面接があるので、それまでに痩せたい」など、短期間で体重を落とす場合に有酸素運動は有効でしょう。
有酸素運動は、お腹周りの脂肪を集中的に落とすというより、全身の脂肪を落としていくイメージです。有酸素運動の効果的なやり方については、下記で紹介する記事をご覧ください。
お腹周りの脂肪を落とすのに効果的な運動の種類2.筋トレ(スクワット+腹筋のトレーニング)
筋トレをして筋肉量を増やせば、基礎代謝による消費エネルギーが増えるため、痩せやすく太りにくい体を作れます。
有酸素運動のように即効性がある訳ではありませんが、ダイエット後のリバウンドを防ぐためにも、筋トレをするべきでしょう。
中でも、おすすめの種目はスクワット。スクワットは下半身全体を使って太ももの体積の大きな筋肉を鍛えられるため、効率良く基礎代謝を上げるにはもってこいの種目です。
また、スクワットに取り組みつつ、お腹周りの筋肉を集中的に鍛えるトレーニングに取り組むのもおすすめ。お腹周りに効く筋トレ種目は下記記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。

脂肪燃焼効果を期待して、筋トレや有酸素運動をする場合は、筋トレを先に行うのがおすすめです。先に筋トレをすることで、その後の有酸素運動で脂肪が燃えやすくなります。
まとめ
今回は、お腹周りに付いた脂肪の落とし方に付いてご説明しました。
ダイエットの基本は摂取カロリーよりも消費カロリーの量を増やすこと。食事のコントロールを行った上で、有酸素運動や筋トレに取り組み、脂肪をエネルギーとして燃焼させましょう。
また、全身のボディメイクや短期間で集中的なダイエットを行いたい場合は、パーソナルトレーニングを受けて、体づくりの専門家であるトレーナーと一緒にダイエットに挑戦するのもおすすめです。
パーソナルトレーニングというと、「料金が高い」というイメージがあるかもしれませんが、トレーナーにマンツーマンで指導してもらえる分、自己流でダイエットするよりも、効果が出る可能性はグッと高くなります。
自分への投資だと思って、思い切ってパーソナルトレーニングを受けてみませんか?
医師の石原結實氏の著作によると、男性と女性とで付きやすい脂肪が異なる理由は、人間が狩猟や採集をして暮らしていた頃の話に遡るようです。
男性の体にすぐにエネルギーとして消費されやすい内臓脂肪が付きやすいのは、男性がもともと狩猟をしており瞬発的にエネルギーを発揮することが求められたためであり、一方で女性は出産や子育てのために長期間に渡ってエネルギーを確保する必要があったことから、皮下脂肪がつきやすくなったそう。
参考:石原結實『空腹力 やせる、若返る、健康になる!』PHP研究所