下っ腹が前に出てしまう「ぽっこりお腹」が気になるという方は多いはず。中には、「肥満という訳でもないのに、なぜだかお腹だけがぽっこり出ている……」という方もいるのではないでしょうか。
「ぽっこりお腹」になってしまう原因は、単にお腹周りに脂肪がついているから、という理由だけとは限りません。他にもいくつか原因があり、その原因によって選ぶべき解消法も異なるものです。
そこで今回は、ぽっこりお腹になってしまう原因と原因別の解消法をお伝えします。
ぽっこりお腹になってしまう5つの原因
ぽっこりお腹になってしまう主な原因を5つ紹介します。どれか1つが原因でぽっこりお腹になっているというよりも、複数の原因が重なり合っていることがほとんどです。
- 腹筋が衰えている
- 骨盤が歪んでいる
- 便秘になっている
- 皮下脂肪・内臓脂肪がついている
- 姿勢が悪い
ぽっこりお腹の原因1.腹筋が衰えている
- 運動不足である
- お腹に力を込めても感触がやわらかい
- 座る時に背もたれがないと辛く感じる
- お腹のふくらみの頂点がへその下にある
- 背中が丸い
- 肩や首が前に出ている(猫背)
- 前屈みの姿勢でパソコンやスマホを見る時間が長い
最初に挙げられる原因は、「腹筋の衰え」です。より詳しく言うならば、お腹の前面についている「腹直筋」や脇腹の「腹斜筋」、腹部のインナーマッスル「腹横筋」といった筋肉が衰えていることで、内臓が下がりお腹が出てしまっていると考えられます。

では、なぜ腹筋が衰えるとぽっこりお腹になってしまうのでしょうか?
腹筋は「内臓の位置を保つ」という働きを担っています。そのため、腹筋が衰えると、支えを失った内臓の位置が本来よりも下がってしまい、結果的に下腹がぽっこり出てしまうという訳です。
また、内臓の位置が下がると、内臓の働きが鈍くなり、腸内にガスが溜まりやすくなったり、代謝が悪くなったりする可能性もあり、結果的に便秘や肥満に繋がるケースもあります。
腹筋が衰えてしまう理由としては、単に運動不足ということもありますが、デスクワークやスマホ利用の時間が長く、腹筋が使われない前屈みの姿勢が常態化してしまっていることも理由の1つとして考えられます。
「猫背でかつお腹がぽっこりしている」という方は、腹筋とついでに背中の筋肉も衰えている可能性があるため、筋トレをして筋肉を鍛える必要があります。

- 筋トレで腹筋を鍛える
- ストレチや筋トレで背中の筋肉を刺激し、鍛える
ぽっこりお腹の原因2.骨盤が歪んでいる
- 足を組む癖がある
- デスクワークなどで長時間座っていることが多い
- 左右どちらか片方だけに荷物を持つことが多い
骨盤の歪みによって、内臓が下りてきている可能性があります。腹筋の衰えと同様に、骨盤の歪みも内臓下垂を招く要因の1つになります。
骨盤が歪んでしまう原因は様々で一概には言えませんが、「足を組む」「左右のどちらかの肩にばかりバッグをかける」などの生活習慣が原因にあることもあります。
とはいえ、何の知識もない人が自分の骨盤が歪んでいるかどうか判断するのは難しいもの。「骨盤が歪んでいるのかも……」と心当たりがある方は、医師や整体師、トレーナーなど体の専門家に相談し、歪みをチェックしてもらいましょう。
特に、パーソナルトレーニングでは体験トレーニングやトレーニングの初回に骨盤の歪みをチェックする姿勢診断が行われることが多く、診断結果に応じたトレーニング方法をアドバイスしてもらえるため、おすすめです。

ぽっこりお腹の原因3.便秘になっている
- 下腹を触った時に感触が固い
- お腹が張っている感じがする
- オナラの臭いがきつい
「便秘」や「腸内にガスが溜まっている」ことが原因で、お腹がぽっこりと出てしまうことがあります。
便秘やガス溜まりになってしまう背景には様々な要因がありますが、主な原因として挙げられるのは「腹筋の衰えによる腸のぜん動運動の鈍化」や「腸内環境の乱れ」など。
運動不足気味の方は腹筋を鍛える筋力トレーニングに取り組み、「野菜をあまり食べない」「脂っこいものを食べることが多い」などの方は食生活の改善に取り組みましょう。

ぽっこりお腹の原因4.皮下脂肪や内臓脂肪がついている
- 腹筋に力を入れた状態でお腹を摘んだ時に、脂肪を摘める(皮下脂肪)
- お酒が好き(内臓脂肪)
- 洋ナシ型体形になっている(皮下脂肪)
- 健康診断で体脂肪率が高いと言われた(内臓脂肪)
お腹周りに体脂肪が付くことで、ぽっこりお腹になってしまうパターンです。
お腹周りはもともと脂肪がつきやすい傾向にありますが、体脂肪は主に「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2つに大別され、一般的に女性の場合は皮下脂肪が、男性の場合は内臓脂肪が付きやすいと言われています。
- 皮下脂肪:女性に付きやすい。お腹を触った時に掴める。内臓脂肪と比べると落とすのが難しく、運動と食事によるダイエットを行って落とす必要がある。
- 内臓脂肪:男性に付きやすい。外見からは分かりにくい。食事改善をすることで比較的短期間で落ちやすい。
皮下脂肪は女性に付きやすく、内臓脂肪は男性に付きやすいというのはあくまでも傾向の話であって、もちろんどちらもついている場合も多くあります。
ぽっこりお腹の原因5.姿勢が悪い
- 猫背とよく言われる
- デスクワークが多い
- 脚を組む癖がある
猫背の人はお腹の筋肉をうまく使えず、お腹に脂肪が溜まってしまいます。そのため猫背で姿勢が悪い人は、ぽっこりお腹になりやすい傾向があります。
姿勢が悪い人は、本来体を支えるために使うべき筋肉を使えていません。そのため、筋肉ではなく骨で体を支えており、それが体の歪みにつながり、代謝が落ちています。
代謝が落ちると、その分お腹に脂肪もつきやすくなるため、姿勢は早めに改善し、ぽっこりお腹の原因を解消しましょう。

ぽっこりお腹の解消法
それでは、ぽっこりお腹の解消法を見ていきましょう。
- 筋トレで腹筋を鍛える
- ダイエットをする
- 筋トレで内ももの筋肉を鍛える
- ストレッチや筋トレで背中の筋肉を刺激し、鍛える
- 食生活を改善する
- パーソナルトレーニングを受ける
解消法1.筋トレで腹筋を鍛える
筋トレで腹筋を鍛えて、内臓を支える力を取り戻すことが大切です。腹直筋は体を折りたたむ動きで、腹斜筋は体をねじる動きで、腹横筋はお腹に力を込めることでそれぞれ鍛えることができます。
また、前述した通り、腹筋には姿勢を保つ役割もあるため、腹筋を鍛えることで良い姿勢を保ちやすくなります。
腹斜筋や腹横筋といった筋肉は、コルセットのようにお腹を引き締めてくれるため、ボディラインを整えるには欠かせない筋肉です。腹筋を鍛えてすっきりとしたお腹を目指しましょう。
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腹筋を鍛える効果や、各筋肉に有効な筋トレ方法は「「腹筋女子」は新・イイ女の条件!美しい腹筋を作る秘訣を徹底解剖」で詳しく解説しています。ぜひこちらを参考にして鍛えてみてください。
解消法2.ダイエットをする
ダイエットで皮下脂肪を取り除くことで、ぽっこりお腹を解消しましょう。ダイエットの基本は摂取カロリーよりも消費カロリーを高めることです。運動で消費カロリー量を増やしましょう。
有酸素運動によって脂肪を燃やすこともできますが、有酸素運動では脂肪だけではなく筋肉も落ちてしまうため、ぽっこりお腹の解消には筋トレによるダイエットがおすすめです。
筋トレで筋肉量が増えると、それに比例して消費カロリー量も増えます。また、筋肉がつくことで内臓が正しい位置に戻る効果も期待できます。
ダイエット中の食事は単に量を減らしたり、カロリーを減らしたりするだけでは、偏った食生活になることも考えられるので、栄養バランスの整った食事を3食きちんととるよう意識してください。
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筋トレがダイエットに有効な理由とともに、筋トレのポイントや食事内容について「ダイエットに「筋トレ」が有効な理由|リバウンドを防ぐ方法を解説」で詳しく解説しています。ぜひこちらを参考にしてみてください。
解消法3.筋トレで内ももの筋肉を鍛える
内ももの筋肉の衰えによって、骨盤が歪んでいる場合は、筋トレで改善できる可能性があります。骨盤が歪む原因は数多くありますが、その代表的な理由の1つが内ももの筋肉の衰えが挙げられます。
内ももにある内転筋は、骨盤を支える働きもあるため、ここが衰えることで骨盤が歪むことがあります。意識的に使う筋肉ではないので、気づかぬうちに衰えているかもしれません。
座っていると無意識に足が開く方や、内ももの脂肪が気になるという方は要注意です。
内転筋は足を左右に開閉する動きで鍛えることができるので、内転筋の筋トレに励むことで骨盤の歪み並びにぽっこりお腹が解消されるかもしれません。
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内ももを鍛える筋トレやそのポイントを「【内もも痩せ】内転筋を鍛えて太ももの間に「スキマ」を作る方法」で詳しく解説しています。ぜひこちらを参考にしてみてください。
解消法4.ストレッチや筋トレで背中の筋肉を刺激し、鍛える
腹筋以外にも、姿勢の維持に関わっている背中の脊柱起立筋や肩の僧帽筋という筋肉を鍛えることでも、姿勢の改善が図れます。脊柱起立筋は背骨に沿うようにある筋肉で、姿勢の維持を担っています。
もう一方の僧帽筋は、首の付け根から肩にかけて広がる筋肉で、肩甲骨から肩を動かす筋肉です。姿勢に関係なさそうな部位ですが、僧帽筋が衰えると肩甲骨が開きやすくなり、肩が前にやすくなることから、衰えることで猫背になりやすい筋肉です。
これらの筋肉を鍛えることで、姿勢が改善されることが期待できるのですが、悪い姿勢がずっと続いていると、その状態で筋肉が固まってしまう場合があります。
この場合は、まずストレッチで筋肉をほぐしてから、筋トレを行った方が筋トレの効果が出やすくなります。
脊柱起立筋は体を反らす背筋運動で、僧帽筋は肩甲骨を閉じる動きで主に鍛えることができます。特に僧帽筋は肩甲骨の動きを意識することが重要です。
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脊柱起立筋や僧帽筋の鍛え方とそのポイントについては「後ろ姿に惹かれる!背中美人を目指す女性におすすめの筋トレを紹介」で詳しく解説しています。ぜひこちらを参考にしてみてください。
また、悪い姿勢が常態化している方は「ダイエットに効くストレッチ|運動初心者でも簡単にできるやり方を紹介」を参考に、まずは筋肉をほぐすところから始めてみてください。
解消法5.食生活を改善する
便秘の原因の1つに食物繊維不足が挙げられます。食物繊維不足で、腸内細菌の「悪玉菌」が「善玉菌」より多くなってしまうと、便秘だけではなく、腸内でガスが発生することでお腹が張るため、ぽっこりお腹になりやすいと言えます。
食物繊維には腸内環境を整える効果があるため、食物繊維を摂取することで改善できるでしょう。
また、食物繊維には、腸内で水分を吸収して膨らむことで、便のカサを増す働きもあります。便のカサが増せば、便がスムーズに肛門へと運ばれやすくなります。
これらのことから、食物繊維を摂取することで便秘の解消・予防効果が期待できるのです。
特にダイエットなどで普段と食事内容が変わったり、食事量が少なくなったりすると腸内環境が変化しやすいと言えます。野菜や海藻などを食べて、食物繊維を摂取しましょう。
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食物繊維の効果や摂取目安量などについては「ダイエットには野菜がおすすめの理由と適切な摂取量を解説」で詳しく解説しています。ぜひこちらを参考にしてみてください。
解消法6.パーソナルトレーニングを受ける
今までご紹介してきたように、ぽっこりお腹になる原因は様々で、いくつかの原因が重なっていることも考えられます。そのため、なぜお腹が出ているのかの理由を明確に断定することは素人には難しく、原因がわからなければ効果的な改善策をとれません。
そこでおすすめなのがパーソナルトレーニングです。体の専門家であるパーソナルトレーナーであれば、あなたのぽっこりお腹の原因を突きとめて効果的な対処法を指導してくれるでしょう。
パーソナルトレーニングというと筋トレのイメージが強いかもしれませんが、栄養について熟知していたり、整体について知識があったりと様々な視点から分析してくれるトレーナーもいます。
今までどうしても改善できなかったという方も、一度パーソナルトレーニングを試してみてはいかがでしょうか。
ぽっこりお腹が解消されるまでの期間
気になるぽっこりお腹が解消されるまでには、少なくても2~3か月は必要でしょう。
あなたの体質や原因にもよるため一概には言えませんが、体の変化は急には起きません。例えば筋トレの場合、筋肉の成長を実感するためには3か月ほどはかかります。
これは筋肉に限らず、体の変化というものは急激なものではなく、ゆっくりとある程度時間がかかるものです。
もちろん、全く変わらないわけではなく、微細な変化は起きていますが、その変化が目に見えるほど大きなものになるのに3か月ほどはかかるということです。
そのため、どのような原因にせよ、最低でも2~3か月はかかるものと思っておきましょう。
効果がすぐに出ないとなかなかモチベーションを保ちにくいものなので、小さな変化でも見逃さないようにしておくことが大切です。
まとめ
女性なら誰しもが気になるぽっこりお腹には、様々な原因があり、それぞれ効果的な対処法が異なるもの。まずは自分の原因を知ることが、ぽっこりお腹を改善する第一歩だと言えるので、今回紹介した原因のどれに当てはまるか考えてみてください。
筋トレやダイエットなど、どれも継続することで効果を発揮します。すぐに効果が出て欲しいと思われるでしょうが、ぽっこりお腹解消のためには、コツコツと続けることが最も大切だと言えます。
また、「原因が複数ある」「どれが原因かわからない」「効果的な対策がわからない」などの場合は、自分一人では解消が難しいため、先ほど述べた通りパーソナルトレーニングに頼るのも1つの手です。
パーソナルトレーナーから正しい知識を教わったうえで行えば、効果的で効率的に解消できるでしょう。