糖質制限の効果|ダイエット以外にも美肌や集中力UPに役立つ

監修者プロフィール

工藤孝文|医師

工藤孝文|医師

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を行っている。ダイエット外来を行う医師として、多くのテレビ番組に出演したり、雑誌などの媒体で執筆活動を行なっている。

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短期間で効果を実感しやすく、「糖質の摂取量を抑えるだけ」という手軽さが魅力の糖質制限ダイエット。実は、「痩せる」という効果以外にも「美肌になる」「集中力が上がる」などの効果も期待できると言われています。

そこで今回は、「糖質制限によって得られる効果」や「効果を実感できるまでの期間」、加えて「糖質制限の効果を実感できないという方に良くある間違い」を紹介します

糖質制限をすることで得られる4つの効果

冒頭でも紹介したように、糖質制限には「痩せる」以外の効果もあります。

糖質制限で得られる効果

  • ダイエット効果がある
  • 肌トラブルが改善する
  • 肌の老化が抑制される
  • 集中力が向上する

糖質制限をすることで、なぜその効果が得られるのかという理由も含めて、それぞれの項目についてご紹介します。

糖質制限の効果1.ダイエット効果がある

まず、言わずもがなですが、糖質制限の効果として一番に挙げられるのが、ダイエット効果です。

では、なぜ糖質制限にはダイエット効果があるのでしょうか?その仕組みをご紹介します。

そもそも、糖質を制限するのは、エネルギーとして使われることなく余ってしまった糖質が脂肪として体内に蓄積されるのを防ぐためです

糖質を摂取し、血糖値が上昇すると、インスリンという血糖値を正常に保つためのホルモンが分泌されます。このインスリンには「糖質(ブドウ糖)を脂肪に変えて溜める」働きがあるため、過剰に分泌されれば脂肪がつく原因となってしまいます。

糖質を控えることで、この血糖値の上昇を防ぎ、さらにはインスリンの分泌を抑えることで「余った糖質が脂肪になるのを防ごう」というのが糖質制限ダイエットの考え方です。

そのため従来のカロリーを制限するダイエット法とは考え方が異なり、避けるべきとされてきたカロリーの高い食品もある程度口にすることができます。

また、勘違いしやすいのですが、「糖質」=「甘いもの」ではありません。糖質が甘いとは限らず、例えば芋類や穀類などに豊富に含まれるデンプンも糖質の一種です。糖質=甘いと考えていると、糖質制限を正しく行えない可能性があるため、よく覚えておいてください。

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無理な糖質制限は危険

糖質制限というのは、糖質摂取量を0にするのではなく、糖質量を減らすという意味です。痩せたいからと急に糖質を断ったり、カロリーまで制限したりしてしまうと、体に様々な不調が生じる可能性があります。

特にカロリー制限を並行して行うと、体がエネルギー不足に陥り頭痛やめまいなどの症状が出ることもあります。あくまでも制限するのは糖質であり、他の栄養素やカロリーとなるものはしっかり摂取するようにしましょう。特に糖質の代わりにエネルギーとなるタンパク質や脂質は、控えた糖質を補うように積極的に摂るべきです。

糖質制限の効果2.肌トラブルが解消する

糖質制限によってビタミンB1不足が解消されることで、肌トラブルの解消が期待できます。

糖質の代謝には、ビタミンB1が必要不可欠で、糖質をたくさん摂ればそれだけ多くのビタミンB1が必要となります。

しかし、ビタミンB1は糖質の代謝だけでなく、皮膚や粘膜の健康維持にも関わる栄養素。そのため、糖質が抑えられ代謝に用いられるビタミンB1が減少することで、肌トラブルの改善に使われるビタミンB1量が増えると考えられます。

ただし、肌荒れの原因は様々なため、糖質制限が必ずしも美肌につながるわけではありません。

糖質制限の効果3.肌の老化が抑制される

糖質制限によって、肌の老化の原因となる「糖化」と呼ばれる現象を抑えることができます。

糖化とは、余分な糖質とタンパク質が結びつくことで、「AGE(終末糖化産物)」と呼ばれる物質が作り出される反応のことです。

このAGEは老廃物の一種で、脳の老化や脳梗塞、心筋梗塞を引き起こす一因となる物質です。

他にも、肌の老化やシミ、シワの原因にもなると言われており、これが皮膚の細胞に溜まることでコラーゲン繊維の構造を壊し、肌のくすみを引き起こします。

糖質制限をすることは、AGEが作り出されるのを抑え、溜め込まないようにすることにつながるため、肌の老化を抑制できると考えられます。

糖質制限の効果4.集中力が向上する

食後に眠気を感じた経験は多くの方にあるのではないでしょうか。これは「食前と食後の血糖値のギャップ」が原因の1つです。

空腹時に多くの糖質を摂ると、血糖値は一時的に急上昇します。しかし、その後血糖値を一定に保つためにインスリンが分泌され、血糖値は急降下します。これによって体はエネルギー(ブドウ糖)不足の状態に陥ります。

結果的に、脳へエネルギーとなるブドウ糖が行き渡らず、眠く感じるのです。

糖質を制限すれば、血糖値の急上昇・急下降が発生しにくくなるため、食後に眠気を感じることも減るでしょう

糖質制限の効果はいつ頃から出る?

糖質制限によって、脂肪が分解され始めるのは2週間ほど経過した時期からです。そのためダイエットとしての糖質制限は少なくても2週間以上は行う必要があり、ある程度の期間(1~2か月ほど)は行ってみましょう。

「糖質制限をしばらく行ったものの、いまいち効果が出ない……」という方は、糖質制限の方法に間違いがあるなど、何らかの原因が存在していると考えられます。

また、糖質制限開始1週間ほどで、体重が落ちる場合がありますが、これは脂肪ではなく水分が減ったことによるものです。

なぜなら、糖質は自身にたいする3倍の量の水分と結びついているため、摂取される糖質が減少すれば、それだけ体内に残る水分量も減少します。糖質の減少に伴って水分が減ったことで体重にも変化が現れたということです。

減量には違いありませんが、まだこの段階では水分が減っただけです。脂肪が減少したわけではないので、「痩せる」ためにはコツコツと糖質制限を続けていく必要があります。

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糖質制限から通常の食事へいきなり戻さず、時間をかけて徐々に戻していきましょう

ダイエットを達成した後は、2週間から1か月ほどかけて、糖質の摂取量を制限前に少しずつ近づけていくイメージで食事内容を変えていきます。体重や体脂肪、体の変化をきちんと観察しながら、食事の内容と体をコントロールしていきましょう。

糖質制限中は体重や脂肪を減らすための食事でしたが、糖質制限後は現状維持のための食事を目標にすると良いでしょう。

糖質制限ダイエットで効果が出ない2つの原因

効果が出やすいと言われる糖質制限ダイエットですが、効果が出ないと感じる方もいるようです。その原因は大きく2つ挙げられます。

糖質制限ダイエットで痩せない2つの原因

  • いつの間にか糖質を摂取している
  • 基礎代謝が低下している

糖質制限の効果が出ない理由1.いつの間にか糖質を摂取している

冒頭でも述べた通り、糖質とはなにも甘いものだけではありません。糖質がどんな食品にどれだけ含まれているかしっかりと把握しておかなければ、糖質制限をしている“つもり”になっていることも十分考えられます。

パッと思い浮かびやすいご飯やパンなどの主食や、デザートだけを抜けばいいわけではありません。芋類などに多く含まれるデンプンや、それらが含まれた春雨などの加工品も要注意です。

また、糖質が低い魚や豚肉・鶏肉などを使った加工品であっても、「つなぎ」や「調味料」によって糖質が高まっている場合もあります。特に調味料は見落としやすいため気をつけてください。

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糖質が含まれているかどうかの見分け方

文部科学省がネット上で公開している「食品成分データベース」や食品の「栄養成分表示」などを見て糖質量を計りましょう。炭水化物の値から食物繊維量を差し引いたのが糖質量です。

また、最近では糖質制限用のアプリも配信されており、食品や料理ごとの糖質量を算出してくれるものもあります。

糖質制限の効果が出ない理由2.基礎代謝が低下している

糖質制限によって筋肉が落ち、基礎代謝が低下している可能性が考えられます。

糖質は人体のエネルギー源ですが、不足する状況では筋肉中のタンパク質が分解されてエネルギーに変換されることがあります。分解されて筋肉が落ちることに比例して、基礎代謝と呼ばれる最低限のエネルギー消費も減少してしまいます。

基礎代謝とは

呼吸や体温の維持など生命維持に最低限必要なエネルギー消費のこと。1日のエネルギー消費のうち約6~7割を占めており、そのうちの約3~4割が筋肉での消費です。残りは臓器など自分の意志で左右できない部分で消費されています。

ダイエットの基本は摂取カロリーよりも消費エネルギーを多くすることにあるため、基礎代謝が減少してしまうと結果的に「痩せにくく太りやすい」体質になってしまうでしょう。

これを防ぐためには、筋肉が分解されないようエネルギー源となるタンパク質を普段より多く摂取することが大切です。食事から摂取できれば一番ですが、難しい場合はプロテインを活用しましょう。

糖質制限のダイエット効果は女性の方が出にくい?

男女差によって、同じように糖質制限をしてもダイエット効果に差がでる可能性は考えられます。

しかし、これは「糖質制限」の効果に差が出るというよりも、前述した基礎代謝の違いが大きく関係してきます。

というのも、平均的に女性は男性よりも筋肉量が少なく、それに応じて基礎代謝量が小さいため、体脂肪が蓄積しやすくなっています。

そんな女性が糖質制限をすれば、糖質の代わりに筋肉中のタンパク質がエネルギーとして消費され、少ない筋肉がさらに減ってしまうことは十分あります。

このように、男女の筋肉量・基礎代謝量の違いから、男性に比べて女性の方が糖質制限ダイエットの効果が出にくくなるケースが考えられます。

女性が糖質制限ダイエットをする場合は、筋肉を維持するために通常よりもタンパク質を多く摂り、筋トレで鍛えるよう心がけてください。

まとめ

糖質制限ダイエットは効果が出るのが早いと言われていますが、実際に脂肪が減り始めるのは2週間ほど経ったころからなので、始めてすぐに体重が変化するわけではありません。

また、間違った知識で極端な糖質制限を行ってしまったり、タンパク質などの栄養素やカロリーが不足したりしてしまうと、ダイエットの効果が満足に得られないばかりか、体調不良を起こす危険性もあります。

糖質制限ダイエットを行う場合はしっかりとした知識を持って行うようにしましょう。

他にも、いつの間にか糖質を摂取しないように、どのような食品にどれだけ糖質が含まれているのか調べておくことも大切です。

美肌効果を紹介したように、糖質を制限することで様々なプラスの効果が得られますが、間違った知識ではマイナスに働きかねないということは覚えておきましょう。