糖質制限中におすすめのお酒の種類や「糖質ゼロ」の意味を解説

監修者プロフィール

工藤孝文|医師

工藤孝文|医師

福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療を行っている。ダイエット外来を行う医師として、多くのテレビ番組に出演したり、雑誌などの媒体で執筆活動を行なっている。

※記事監修ドクターは、広告には携わっておりません。掲載商品や特定商品への保証や購入等を推薦するものではありません。




「自分はお酒が好きだから、糖質制限ダイエットは無理」と諦めている方もいるかもしれませんが、「糖質制限中はお酒を全く飲んではいけない」という訳では決してありません。

糖質量の少ないお酒もあるため、種類を選べばダイエット中の息抜きとしてお酒を楽しむこともできます。

そこで、今回は「ダイエットがしたいけれど、大好きなお酒も我慢できない」という方のために、糖質制限中でも飲めるお酒の種類や、居酒屋に行った時の注意点などをご紹介します。

糖質制限中に飲むお酒は「蒸留酒」がおすすめ

糖質制限をしている方におすすめなのは「蒸留酒」です。蒸留酒とは、醸造酒を蒸留して抽出されたアルコールで作ったお酒のことで、蒸留する過程でアルコールと香味成分のみを抽出するため、糖分がほとんど含まれていません。

蒸留酒の種類

  • ウィスキー
  • 焼酎
  • ウォッカ
  • ジン
  • ブランデー
  • ラム酒

ただし、蒸留酒はアルコール度数が高いものが多いため、摂取量には注意が必要です。特に、糖質制限中はアルコールに対する耐性が低下しやすいため、お酒に強いという方でも飲み方には注意してください。

糖質制限をすると「お酒に弱くなる」可能性があるため飲酒量に注意すること

糖質制限中は飲酒時の血中のアルコール濃度が高くなりやすく、「お酒に弱くなった」と感じる可能性があります。その理由を2つ紹介しましょう。

糖質制限をすると「お酒に弱くなる」理由

  • 糖質の摂取量を制限すると、通常時よりも体内の水分量が少なくなるから

体内の水分は糖質と結びついていますが、糖質制限中は体内の糖質量が減るため、それに比例して体内の水分量も少なくなります。結果、糖質制限をしている時に飲酒すると、血中のアルコール濃度が通常よりも高くなるため、普段よりも少ない量のお酒で酔いやすいのです。

  • 糖質制限をするとアルコールを分解する肝臓の働きが低下するから

体内で糖質が不足すると、肝臓ではタンパク質のアミノ酸や脂質のグリセロールを使って糖を作る「糖新生」が行われます。

また、糖質制限中は脂質やタンパク質が糖質に代わってメインのエネルギー源となりますが、脂肪酸の分解や、タンパク質の分解物であるアミノ酸の代謝が行われるのも肝臓です。

このように、糖質制限中は肝臓に大きな負担がかかりやすいため、肝臓の機能が低下しやすく、血中のアルコール濃度が高くなりやすいのです。

また、アルコールは炭水化物と一緒に摂取することで、吸収速度が遅くなるという特徴がありますが、糖質制限中は炭水化物の摂取を控えることになるため、普段よりも「アルコールの回りが早い」と感じることもあるかもしれません。

お酒には強いという方も、糖質制限中は普段よりも飲酒量を少なめにすることをおすすめします。

糖質制限中に控えるべきお酒の種類

糖質量が多く含まれるお酒としては、「醸造酒」や「混成酒」が挙げられます。

醸造酒とは、米や麦、ブドウなどの原料を酵母によってアルコール発酵させる製法で作られるお酒のことで、ビール、日本酒、ワインなどがその代表例です。

また、「混成酒」とは蒸留酒や醸造酒に果実や糖分などをプラスしたお酒のことで、カクテルや果実系カクテル、梅酒、リキュールなどのことを指します。

以下に、代表的な醸造酒と混成酒の糖質量を表にまとめましたので、参考にしてみてください。

お酒の種類 100mlあたりの糖質量(概算)
ビール 3g
日本酒 5g
赤ワイン 1.5g
白ワイン 2g
ロゼワイン 4g
スパークリングワイン 2g
果実系カクテル 8.6g
梅酒 20g

お酒のように、液体に溶けた糖分は個体の時よりも体に吸収されやすくなるため、注意が必要です。

糖質制限中の方は「居酒屋メニュー」に注意する必要がある

お酒好きの方の場合、普段からの付き合いで居酒屋に行く機会が多いという方もいることでしょう。その場合は、お酒だけではなく、食事メニューに含まれる糖質量にも注意してください。

ここでは、糖質制限中の方におすすめの居酒屋の食事メニューと控えるべきメニューを紹介します。

糖質制限中におすすめの居酒屋メニュー

糖質制限中の方が居酒屋で食事を摂る場合は、「肉」「魚」「卵」「チーズ」を使ったメニューを中心に選びましょう。

おすすめのメニュー 糖質量
焼き鳥(もも・塩1本) 0.9g
ステーキ(サーロイン100g) 2.0g
お刺身(まぐろ100g) 1.5g
冷奴(絹ごし豆腐100g) 1.7g
焼き魚(あじ塩焼き100g) 0.1g
だし巻き卵(100g) 0.6g
枝豆(100g) 3.8g

糖質制限中は控えるべき居酒屋メニュー

一方で、ご飯ものや小麦粉製品、イモを使った料理には糖質が多く含まれていますので、注意が必要です。

また、居酒屋メニューで気を付けたいのが「味付け」です。居酒屋のメニューはお酒に合うように濃いめに味付けされたものが多いですが、濃く味付けされているものは、調味料が多く使ってあり、その分糖質含有量が多い傾向にあります。

そのため、塩や醤油などできるだけシンプルな味つけのものを選ぶようにすることを意識してください。

控えるべきメニュー 糖質量
フライドポテト(100g) 16.4g
トンカツ(100g) 10.0g
アジフライ(100g) 11.4g
焼き餃子(100g) 34.4g
カルボナーラ(スパゲティ100g) 27.6g
豚の角煮(豚バラ100g) 11.9g
ラクトアイス(バニラ味100g) 22.2g

「糖質0」のビールは飲んでもOK?

近年、「糖質0」という表記が付いているアルコール類を見かけることが多くなりました。他にも「糖質オフ」や「糖質〇〇%オフ」という表記の商品もありますが、それぞれ含まれている糖質量には明確に差があります。

表記 糖質量
糖質0(無・レスなど) 100ml(または100g)あたり糖質0.5g未満
糖質オフ(低糖質・糖質控えめなど) 100mlあたり糖質2.5g以下
糖質〇〇%オフ 対象商品と比べて糖質が〇〇%少ない

ビールや発泡酒、缶チューハイなどの醸造酒・混成酒であっても、「糖質0」と表示されているものは糖質がほとんど含まれていないため、糖質制限中の方にもおすすめです。

ただし「糖質0」という表記でも、「糖質の含有量が0g」という意味ではないことを覚えておいてください。

一般的に「糖質0(他にも無・ノン・レスなど)」は「100ml(または100g)あたりに含まれる糖質の量が0.5g未満」という意味で使用されています。

また、「糖質オフ(他にも低糖質・糖質カットなど)」という表示もありますが、これは100mlあたりに含まれる糖質が2.5g以下」の場合に使用される表記です。

さらに、注意してほしいのは「糖質50%オフ」という表示です。これは「対象商品と比べて糖質の量が50%少ない」という意味のため、どの商品と比べて「50%オフ」なのか、見極める必要があります。

まとめ

「糖質制限中は断酒しなければいけない」と憂鬱に思っていたお酒好きの方もいるかもしれませんが、ここまで紹介してきたように、「蒸留酒」や「糖質0の表示があるお酒」など、比較的糖質量が少ないお酒もあるため、糖質量の制限を守れば、お酒を楽しむことはできます。

また、お酒を飲むと味の濃いおつまみを食べたくなりますが、味付けの濃い料理は食材そのものに含まれる糖質量は少なかったとしても調味料に糖質が多く含まれている可能性が多いため、注意しましょう。

ダイエットに関する書籍やWEBの記事には「ダイエット中はお酒を控えること」と書かれていることが多いかもしれません。確かに、一般的な考え方で言うとそうかもしれませんが、お酒好きの方にとって、お酒を我慢することは相当なストレスになるに違いありません。

しかし今回紹介したように、お酒を楽しみながらも無理なくダイエットしていく方法もありますので、この記事の内容をもとに試してみてください。