ストレッチの効果まとめ|筋肉をほぐして運動の成果を高めよう

フィジカル

誰しもが行ったことのあるストレッチですが、その効果をしっかりと把握して行っているでしょうか。ストレッチは運動には欠かせないもので、ケガを防ぐだけでなく運動の効果を十分に引き出す働きもあります。

そのため、筋トレや有酸素運動などの運動を行うのであれば、ストレッチもセットで行いましょう。

特に姿勢が悪い方や、日頃から長時間同じ体勢でいることが多い方は、ストレッチで体をほぐすことで運動の効果が高まることが期待できます。

今回は、ストレッチがもたらす効果と種類、具体的な方法を紹介します。

ストレッチで得られる効果

まずは、ストレッチがどのような効果をもたらすのかを紹介しましょう。ストレッチで筋肉を伸ばし、筋肉がほぐれることによって様々な効果が期待できます。

ストレッチの効果1.姿勢が改善される

筋肉が凝り固まることで引き起こされている、姿勢不良の改善が期待できます。

姿勢が悪いと実際よりも太って見えたり、背が低く見えたりなど見た目に大きく影響するものです。これは一時的なものだけではなく、筋肉が固まることで慢性化する場合もあります。

例えば、パソコン作業が多いと無意識に肩や首が前に出てしまいます。この姿勢が習慣化すると、その状態で筋肉が固まってしまい、悪い姿勢が常態化しがちです。

ストレッチで固まった筋肉をほぐすことで、姿勢の改善を目指しましょう。

ストレッチの効果2.トレーニング効果を高める

ストレッチで体をほぐすことで、運動パフォーマンスが向上し、トレーニング効果を高めることができます。

姿勢が悪い、冷え性など様々な理由から、筋肉が緊張してガチガチに固まっている場合があります。そのような状態で運動をしても体はスムーズに動かず、トレーニング効果を十分に引き出すことはできません。

ストレッチで体をほぐし、可動域を広めてから筋トレなどのトレーニングを行うと効果的です。

ストレッチの効果3.疲れが取れやすくなる

固まった筋肉をほぐし、血行を良くすることが疲労回復につながります。

血液は心臓の働きだけで循環しているのではなく、全身の筋肉も補助的にポンプのような働きをしています。筋肉が硬くなるとポンプとしての働きが弱まり、血液の巡りが悪くなってしまうのです。

すると、酸素や栄養素といった筋肉の疲労回復に必要なものが十分に届かなくなってしまいます。

ストレッチを行うと血行が促進され、全身に血が巡るようになります。つまり疲労回復に必要な酸素や栄養素も全身に行き渡るようため、疲労回復効果が期待できます。

ストレッチの効果4.冷えやむくみの解消

冷えやむくみなど血行不良が原因の不調を解消できます。

前述のように、ストレッチには血行促進の効果があります。「むくみ」とは余分な水分や老廃物が体内に溜まったで、血液がきちんと循環すれば解消できるものです。

冷えも血液の流れが滞ることで起こるため、血液が滞りなく全身に行き渡るようになれば、解消されるでしょう。

ストレッチの効果5.筋肉が成長しやすくなる

ストレッチによって筋肉が成長しやすくなる場合があります。

筋肉というのは、筋トレなどによって微細な傷がつき、それを修復することで成長します。この修復には様々な栄養素が必要となるのですが、筋肉が硬いなどが原因で血行が悪くなっていると上手く栄養素が届かなくなってしまいます。

そのため結果として筋肉の成長が鈍化する可能性があるというわけです。

特に筋肉が硬い、冷え性だと感じている方は血行が悪いと考えられるため、ストレッチで血流を良くすることで筋トレの効果を十分に引き出せると考えられます。

ストレッチの効果6.ケガを予防できる

筋肉の緊張をほぐすことで、ケガの予防につながります。

筋肉が硬いまま、急に負荷をかけると筋繊維が切れやすく、ケガにつながりかねません。そのため、運動前には筋肉をほぐして柔らかく伸びやすい状態にしておくことが大切です。

特に普段からあまり運動をしない方や、冬場など筋肉が固まりやすい季節は入念にストレッチすることでケガのリスクを抑えられるでしょう。

ストレッチの効果7.リラックスできる

ストレッチには心理的作用もあり、リラックスすることができます。

ストレッチには副交感神経を優位にする働きがあるため、体だけでなく心の緊張もほぐすことができます。特にダイエット中などは、食事の我慢、慣れない運動などでストレスが溜まりがちです。

ストレッチでストレスを解消するとともに、運動の効果を高めることをおすすめします。

心理的なストレスや不安は、無意識に体を緊張させ筋肉を硬くするため、ストレッチで心身ともにほぐすと筋肉の緊張を緩和できるでしょう。

ストレッチの種類

様々な効果があるストレッチですが、大きく分けて2種類に分類することができます。それぞれの違いを把握することで、十分な効果を得やすくなるでしょう。

ストレッチの種類1.静的ストレッチ

一般的にストレッチと聞いて思い浮かべるのはこちらの「静的ストレッチ」かと思います。運動後などに行う、筋肉をゆっくりと一方向に伸ばすストレッチが静的ストレッチです。

静的ストレッチは筋肉をめいいっぱい限界までゆっくりと引き伸ばし、数十秒ほどキープさせることが基本となります。ただし、痛いほど無理に伸ばす必要はなく、伸ばして気持ちいいと感じる程度の位置をキープします。

静的ストレッチの効果

  • 姿勢の改善
  • 疲れの解消
  • 冷えやむくみの解消
  • 血流改善による筋肉の成長補助
  • リラックス効果

静的ストレッチでは、前述した7つの効果のうち、上記5つの効果が期待できます。

主に運動後のクールダウンとして行われるストレッチです。運動後以外では、筋肉が柔らかく血流が良くなっているお風呂上りのタイミングや、リラックスしたい就寝前などの時間帯に行うのがベストです。

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静的ストレッチには筋肉痛をやわらげる効果も

なぜ筋肉痛がやわらぐのか、そのメカニズムは未だ解明されていないため、明確なエビデンスはありません。しかし、運動後に静的ストレッチを行うことで、筋肉痛が軽減されることが経験則的に知られています。

ストレッチの種類2.動的ストレッチ

動的ストレッチはその名の通り大きな動きを伴うストレッチで、サッカー選手が運動前に行うブラジル体操などが有名です。

名前が示す通り、腕や足を様々な方向に動かしたり、ねじったり、曲げ伸ばしたりと、関節を大きく動かすことで筋肉を伸ばすストレッチです。

静止することでじっくりと伸ばす静的ストレッチとは違い、大きく動かすことで可動域を広げることが基本となっています。

動的ストレッチの効果

  • 姿勢の改善
  • トレーニング効果の向上
  • 冷えやむくみの解消
  • 血流改善による筋肉の成長補助
  • ケガの予防

動的ストレッチでは、前述した7つの効果のうち、上記5つの効果が期待できます。

主に運動前のウォーミングアップとして活用されます。筋肉をほぐすと同時に温めることで、運動のパフォーマンスを高めることを目的とします。

運動不足の場合は、まず動的ストレッチから始めると無理なく体を運動に慣らすことができるでしょう。身近な動的ストレッチとしては、ラジオ体操が代表的です。

静的ストレッチの方法

ここからは、ストレッチの方法を紹介していきます。静的・動的ストレッチをそれぞれ紹介しますが、まずは静的ストレッチからです。酸素が不足すると筋肉が緊張しやすいため、呼吸を止めないように意識しましょう。

また、反動をつけずにゆっくりと伸ばしていくことも大切です。

静的ストレッチ1.上半身に効果的な方法

上半身の静的ストレッチの手順

  • 【首のストレッチ】
  1. あぐらをかいて床に座ります。
  2. 右手を左耳に当てて、首をゆっくりと倒して左の首筋を伸ばします。この時、反対側の腕は横に伸ばして、肩を内側へ回すようにねじります。
  • 【肩のストレッチ】
  1. 右腕を胸の前に引き寄せ、左腕でさらに引きつけます。
  • 【腕のストレッチ】
  1. 右腕を上に伸ばし、左手を使ってヒジを曲げます。

◆秒数の目安:首、肩、腕を左右それぞれ15秒

静的ストレッチ2.太ももに効果的な方法

太ももの静的ストレッチの手順

  • 【太もものストレッチ1】
  1. 両足を伸ばして座り、片方のひざを横に開きます。
  2. 両手で伸ばした足のつま先を掴んで、上体を前に倒します。
  3. 左右各10秒キープします。
  • 【太もものストレッチ2】
  1. 足を前後に開き、片ヒザを立てた体勢になります。
  2. 立てたヒザに両手を乗せ、前に体重をかけていきます。
  3. 後ろの足が45度ほど斜めになった状態をキープします。
  4. 左右2回ずつ6秒キープします。
  • 【太もものストレッチ3】
  1. 立って足を左右に大きく開き、ヒザに手を当てて片ヒザを前に倒していきます。
  2. 伸ばしている足に少し体重をかけるよう意識しましょう。
  3. 左右各10秒キープします。

静的ストレッチ3.股関節・お尻に効果的な方法

股関節・お尻の静的ストレッチの手順

  • 股関節・お尻のストレッチ1】
  1. 両足を伸ばして座り、片足をクロスし片ひざを抱えます。
  2. そのままヒザを胸に引き寄せて、キープします。
  • 【股関節・お尻のストレッチ2】
  1. 三角座りのようにヒザを曲げて座り、片足をクロスさせます。
  2. お尻を浮かして、上体を前に押し出しましょう。

◆秒数の目安:左右各10秒

動的ストレッチの方法

次に、動的ストレッチのやり方を紹介していきます。動画を参考にして、筋トレや有酸素運動などの運動前に行ってみてください。

動的ストレッチ1.肩・太ももに効果的な方法

肩・太ももの動的ストレッチの手順

  • 上半身編
  1. 足を肩幅程度に開いて立ちます。手を肩の上、鎖骨あたりに軽く乗せます。
  2. ヒジで半円を描くように、左右の腕を大きく前後に振ります。肩甲骨から動いていることを意識しましょう。
  • 下半身編
  1. 足を閉じて、立ちます。手は腰に当てましょう。
  2. 太ももを上げて、後ろから前へ回します。左右交互に行います。

◆回数の目安:左右各10~15回

動的ストレッチ2.胸・肩に効果的な方法

胸・肩の動的ストレッチの手順

  1. 肩幅よりも足を広げ、体を前に倒します。
  2. 片手で反対側の足に触ることで、体をひねります。

◆回数の目安:左右各10回ずつ

動的ストレッチ2.肩・腕に効果的な方法

肩・腕の動的ストレッチの手順

  1. 両腕を水平に広げ、それぞれ逆方向にひねります。

◆回数の目安:左右各10回ずつ

動的ストレッチ4.下半身に効果的な方法

下半身の動的ストレッチの手順

  • 【太もものストレッチ1】
  1. 片足を勢いよく前後に振ります。この時、腕も交互に大きく振ってください。
  • 【太もものストレッチ2】
  1. 片足を横にスイングします。
  • 【太もものストレッチ3】
  1. 片足を前から後ろへ回します。股関節から大きく回してください。
  2. 前から後ろへ回し終わったら、後ろから前へと回します。
  • 【足首のストレッチ】
  1. 片足を軽く浮かせ、足首を回します。つま先で大きな円を描くようなイメージで滑らかに動かしましょう。
  2. 時計回り・反時計回りに回したら、軸足を変えます。

◆回数の目安:左右各10回ずつ

ストレッチでほぐされた筋肉が持続する時間と期間

様々な効果が得られるストレッチ。その効果がどれくらい持続するかは、その部位やストレッチにかける時間にもよりますが、だいたい10分~30分程度で効果は薄れてしまいます。そのため一度伸ばせばOKというものではありません。

ただし、習慣的に伸ばすことで筋肉は柔軟になっていきます。一度のストレッチでは、その後10分程度しか柔らかくならなくても、継続して続けていると次第に柔軟になっていきます。

毎日ストレッチを行うのがベストではありますが、難しいようであれば1日おきや数日おきにでも続けるようにしましょう。

1か月ストレッチを続けると、ストレッチをやめてもその後1か月ほどは柔軟性が保たれます。日々の積み重ねが大事なため、お風呂上りのストレッチを習慣にするのが良いでしょう。

「寝る前ストレッチ」で睡眠の質を改善

ストレッチには副交感神経を正常にし、心身共にリラックスさせる効果があります。そのため、寝る前にストレッチをすることで、睡眠の質を上げられ、ぐっすり眠れるようになります。

ストレッチのタイミングは、体が温まっている「運動後」や「お風呂上がり」もおすすめですが、睡眠の質をあげたい方は、寝る前にストレッチをしてもいいでしょう。

注意したいのは、寝る前に激しいストレッチはしないことです。あまり激しく体を動かすと、体が目覚めてしまい、逆に睡眠の質が下がります。寝る前のストレッチは大きく体を動かさないものにしてください。

まとめ

今回はストレッチの効果を紹介しました。

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ここだけは押さえておきたい!ストレッチのポイント

  • 姿勢が改善される
  • トレーニングの効果が高まる
  • 疲れが取れやすくなる
  • 冷えやむくみの解消につながる
  • 筋肉の成長につながる場合もある
  • ケガの予防になる
  • リラックス効果がある
  • 静的・動的の2種類があり、効果がそれぞれ違う

ストレッチを行うことで、様々な効果が得られます。特にダイエットなどで筋トレや有酸素運動に取り組む場合は、運動での効果を高めるためにもしっかりとストレッチを行いましょう。ケガや疲労の蓄積を防ぐことにもなるため、運動による普段の生活への悪影響を最小限にすることもできます。

また、ストレッチを継続的に行うことで、筋肉は柔軟になっていくため、毎日の習慣にすると理想的です。お風呂上りや就寝前などに静的ストレッチを行うと良いでしょう。

普段の生活から取り入れることができるので、生活習慣を変える良いきっかけとなります。ぜひ今回紹介したものを参考に今日からストレッチを取り入れてみましょう。

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