力を入れていないにも関わらず、筋肉が硬いと感じたことはありませんか?それは、生活習慣や間違ったトレーニングの影響によるものかもしれません。
筋肉が硬くなっていると、筋トレに励んでも上手く効果が出ない可能性が考えられます。また、ケガのリスクが高まることにもつながります。
このように、筋肉が通常よりも硬い状態だと、筋肉の成長を妨げかねません。筋トレで理想の体形を目指すためには、筋肉を柔らかく保つことが最善だと言えるでしょう。
今回は、筋肉が硬くなることによるデメリットと原因、対策を紹介します。
筋肉が硬いことが筋トレにもたらすデメリット
筋肉が硬くなってしまっていると、単純に違和感があること以外にも、様々なデメリットが挙げられます。まずは筋肉が硬いことでどのようなデメリットが考えられるのかを見ていきましょう。
デメリット1.筋肉の成長を妨げる
筋肉が硬くなっていると血行が悪くなり、筋肉の成長に必要な栄養素が届きにくくなることが考えられます。
血液は心臓がポンプのように動くことで体中に行き渡るようになっていますが、全身の筋肉もこのポンプの働きを補助しています。筋肉が硬くなってしまうと、血液を送る力が弱まり、血行が悪くなってしまいます。
筋肉は筋トレなどで傷ついた後、修復されることで以前よりも強い筋肉に成長するのですが、これには栄養が欠かせません。上記のように血行が悪くなってしまうと、十分な栄養素が行き渡らず、筋肉がしっかりと成長できない可能性があります。
デメリット2.疲れが取れにくくなる
筋肉が硬くなり血行が悪くなると、疲れが取れにくくなることが考えられます。
血行が悪いと新鮮な栄養素が届きにくく、老廃物が流れにくい状況になります。そのため、疲労を回復するための酸素や栄養素が筋肉へ十分に届かず、疲れが取れにくくなってしまう可能性があります。
デメリット3.ケガをしやすくなる
硬くなった筋肉を無理に動かそうとすれば、ケガにつながる恐れがあります。
体は、筋肉が伸び縮みを繰り返すことで動いています。筋肉が硬くなっているということは、筋肉の可動域が狭くなっている状態です。それを無理に動かそうとすれば、筋肉が傷つきケガをすることが考えられます。
デメリット4.筋トレのパフォーマンスが低下する
可動域が狭まることで、筋トレの効果を十分に得られなくなると考えられます。
筋肉が硬いと可動域が狭くなり、滑らかな動作ができなくなります。例えば、スクワットでヒザを伸ばそうとした時に、ヒザを伸ばす太もも裏のハムストリングが硬いと上手く伸びない場合がありえます。
そのため、筋トレを行っても本来よりも低い負荷のトレーニングになってしまい、筋肉に十分な負荷を加えることができなくなることが考えられます。
筋肉が硬くなる4つの原因
筋肉が硬くなることで、様々なデメリットが生まれますが、なぜ筋肉は硬くなるのでしょうか。先天的な要因もある程度ありますが、ここでは、生活習慣や間違ったトレーニング方法による原因を紹介していきます。
筋肉が硬くなる原因1.長時間の同じ体勢
同じ体勢を長時間続けることで、筋肉が硬くなってしまいます。
オフィスワークや長距離ドライブのように、同じ体勢をずっと続けていると、筋肉が硬くなりがちです。東京大学の石井直方教授は著書でこのように述べています。
前腕に関する実験では、じっと同じ姿勢を維持していると、1~2時間ぐらいで筋肉が倍ぐらい硬くなったという報告もあります。
引用:石井直方著「石井直方の筋肉まるわかり大事典」
上記のようにたとえ1~2時間であっても、筋肉が硬くなることはあります。
この硬くなった筋肉はストレッチなどでほぐすことにより、元通りに戻せるのですが、それを怠ったり、長時間ずっと同じ体勢でいることを日常的に続けていたりすると慢性的に筋肉が固まってしまうことも考えられます。
オフィスワークなどで長時間同じ体勢を続ける場合、定期的に肩を動かしたり、足を伸ばしたりして筋肉を動かすことを意識すると良いでしょう。
筋肉が硬くなる原因2.ストレスや不安
人間はストレスや不安といった精神的な緊張からも、筋肉が緊張し硬くなってしまいます。
面接の前や試合の前、プレゼンの前などで緊張が高まると、筋肉が緊張して体の動きが硬くなることを実感された方も多いのではないでしょうか。
精神的なストレスや不安を感じると、無意識のうちに筋肉に力が入り硬くなってしまいます。一時的なものであれば、その日のうちに元通りになりますが、ストレスや不安が慢性的なものになると、筋肉の緊張も慢性的になってしまいます。
このような精神的なものが原因の場合、筋肉をほぐすだけでなく、根本的な原因であるストレスや不安の解消や、気分転換も必要になってきます。
筋肉が硬くなる原因3.運動後のケア不足
運動後にストレッチなどのケアを怠ると、筋肉が硬くなりやすい傾向にあります。
運動後の筋肉は硬くなった状態です。これをほぐさずにそのままにしておくと、硬い状態が普通になってしまう場合があります。そうすると硬い筋肉が常態化し、筋トレや運動のパフォーマンスも低下してしまうでしょう。
このようなことを防ぐためにも、運動後はストレッチで筋肉をほぐすことが大切です。
筋肉が硬くなる原因4.筋トレ後の休息期間不足
筋肉を十分に休ませずに筋トレを行うことで、硬い筋肉になってしまうことがあります。
筋肉はトレーニングで傷つき、その後休息期間を設けることで修復されて成長します。そのため筋肉の成長には、筋トレと同じくらい「休息」が重要で、修復にはだいたい2~3日かかります。
この休息期間を無視して無理に鍛え続けると、筋繊維の修復が追いつかず、代わりにコラーゲンで補修してしまうことがあります。コラーゲンで補修した方が素早く修復できるのですが、そうすると筋肉が柔軟性のない硬いものとなってしまいます。
これを防ぐためにも、筋トレは筋肉を十分に休ませながら行うことが大切です。
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筋トレと休息の関係や筋肥大に必要な事柄は「筋肥大のメカニズム|筋トレと休息と栄養で筋肉は大きくなる」で詳しく解説しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。
硬い筋肉を柔らかくする方法
ここでは、硬い筋肉を柔らかくほぐすための方法を紹介していきます。整体や鍼などに通院する前に、まずは自宅で対策してみましょう。また、ストレスなど筋肉が硬くなる原因がハッキリとしている場合は、原因を取り除くことも大切です。
筋肉を柔らかくする方法1.ストレッチ
長時間同じ体勢でいた際や、無理な筋トレで硬くなった筋肉をほぐすには、ストレッチが有効です。
また、ストレッチにはリラックス効果もあるため、ストレスや不安を軽減してくれるでしょう。ストレッチは肉体的な緊張だけでなく、精神的な緊張をほぐす効果もあります。
お風呂上りなど体が柔らかくなっている状態で行うと良いでしょう。気持ちいいと感じる程度に伸ばし、痛いと感じるほど無理に伸ばす必要はありません。
加えて、運動後のケアとしてのストレッチも欠かさず行うようにしましょう。運動後のストレッチは、硬くなった筋肉をほぐすだけでなく、筋肉が慢性的に硬くなる予防にもつながります。
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ストレットの詳しいやり方や種類は「動的ストレッチ・静的ストレッチ|2種類の効果と実践方法を総まとめ」 で解説しています。ぜひこちらも参考にしてみてください。
筋肉を柔らかくする方法2.入浴
お風呂に浸かると副交感神経が優位になり、リラックスすることで筋肉の緊張が解けやすくなります。
入浴により心身の緊張を緩和できるため、意識的に湯船に浸かるようにすると良いでしょう。入浴後にストレッチを行えば、より筋肉をほぐすことができます。
また、夏場など湯船に浸かるのが熱い季節でも、筋肉が硬いようであれば、体をほぐすためにシャワーで済まさず湯船に浸かるようにしましょう。
筋肉を柔らかくする方法3.マッサージ
マッサージで硬くなった筋肉をほぐすことも有効です。
肩を揉むことで肩こりが楽になるように、硬くなった筋肉をほぐすにはマッサージが効果的です。また、マッサージにはリラックス効果があるため、自然とストレス緩和にもなります。
足や手などは自分でもマッサージできるため、入浴中やお風呂上りに揉みほぐすようにすると良いでしょう。
自宅でのマッサージの効果が実感できない場合や、全身をほぐしたい場合は本格的なマッサージを受けることをおすすめします。
まとめ
今回は筋肉が硬くなることによるデメリットとその原因、そして対策方法を紹介しました。
ここだけは押さえておきたい!筋肉が硬くなる原因のポイント
- 長時間同じ体勢でいると筋肉が硬くなる
- 不安など精神的緊張から筋肉も緊張し硬くなりやすくなる
- 運動後にストレッチを怠ると硬い筋肉が常態化してしまうことも
- 筋肉の休息が不足したまま筋トレを続けると硬い筋肉になりやすい
- ストレッチや入浴、マッサージなどで筋肉をほぐすことが大切
筋肉が硬くなることで、様々なデメリットが考えられます。特に筋肥大を目指している方にとっては、筋肉へ十分に栄養素が届かなくなることや、筋トレのパフォーマンスが低下することは大きなデメリットでしょう。
また、疲労が回復しきらないことは普段の生活にも支障をきたす大きなデメリットであると言えます。
そのような硬い筋肉にならないためにも、生活習慣やトレーニングを見直すようにしましょう。特に筋肉を十分に休ませず筋トレをされている方は、ケガにもつながりやすいため気をつけましょう。
筋肉の成長を妨げる硬い筋肉は、何気ない習慣や間違ったトレーニング方法によって引き起こされます。普段の生活やトレーニング方法を見直すと、筋肉が柔らかくなるだけでなく、筋トレの成果が向上する可能性も十分に考えられますので、こまめにチェックすることを心掛けましょう。
参考文献
- 石井直方著「石井直方の筋肉まるわかり大事典」
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