あなたはジムや自宅でトレーニングを行う際、どの部位から鍛えているでしょうか。きっちりとトレーニングメニューを決めている方もいれば、その日の気分でどの種目から取り組むか決めている方もいるかもしれません。
特にジムでトレーニングをする場合は、マシンや器具の混み具合からトレーニングの順番を決めることもあるでしょう。
しかし、筋トレは「どの種目から行うか」「どの部位から鍛えるか」という「順番」が効果を高めるためには大切で、一般的には「大きな筋肉から鍛える」のが良いとされています。
今回は筋トレで「大きな筋肉から鍛えるべき」理由を解説していきます。
筋トレの順番は「大きな筋肉から鍛える」のが効果的な3つの理由
すでに述べた通り、筋トレは「大きな筋肉を鍛える種目」から取り組むのが効果的です。ここでは、「なぜ、大きな筋肉から鍛えるべきなのか」という理由を解説します。
理由1.筋肉が大きくなるほど動かすために必要なエネルギーの量も多くなるから
筋肉が大きくなるほど、その筋肉を動かすために必要なエネルギー量は多くなります。
例えば、「大胸筋がメインのターゲットとなるベンチプレス」と「上腕二頭筋がメインのターゲットとなるダンベルカール」とでは、大胸筋の方が体積が大きいため、前者の方がより多くのエネルギーを必要とします。
もしもトレーニングの前半に小さな筋肉を鍛える種目を行ってしまうと、いざトレーニングの後半に大きな筋肉を鍛えようとしても十分なエネルギーが残っておらず、筋肉をしっかりと動かせないというケースも考えられます。
したがって、筋トレは十分なエネルギーがあるうちに、なるべく大きな筋肉から優先的に鍛えることが大切です。
十分なエネルギーがある段階で鍛える筋肉ほど、最大限の力を引き出せることから、トレーニングの効果が高くなります。一番最初に鍛える部分が最大の効果を得られるため、特に鍛えたい部分ほど優先順位を高めましょう。
理由2.小さな筋肉はスタミナが持続しにくいから
上で述べた通り、大きな筋肉は動かすためにたくさんのエネルギーを必要としますが、筋肉そのもののスタミナはあります。
一方で、小さい筋肉は動かすために必要なエネルギーの量は少なくて済むものの、筋肉そのものにスタミナがないため、限界を迎えるのも早いものです。
したがって、トレーニングの前半に小さな筋肉をメインで鍛えてしまうと、大きな筋肉を鍛える種目に移る頃には小さな筋肉は疲弊し切っている可能性があります。
筋肉は単体で動くのではなく、周囲の筋肉と連動しているため、小さな筋肉がスタミナ切れの状態でトレーニングをすると、それと連動する大きな筋肉のパフォーマンスも落ちてしまいます。
このように、筋肉が最大限のパフォーマンスを発揮できるように、大きな筋肉から鍛えることが大切なのです。
理由3.大きな筋肉を鍛えれば同時に小さな筋肉も刺激されるから
大きな筋肉を鍛えれば、それを補助している末端の小さな筋肉も同時に鍛えられます。
前述のように、大きな筋肉を動かせば、小さな筋肉も同時に動かすことになります。これはつまり、大きな筋肉を鍛えることで、小さな筋肉も間接的に鍛えられるということです。
ベンチプレスでは、メインターゲットとなる大胸筋以外にも、腕の上腕三頭筋や肩の三角筋といった、周辺の筋肉も間接的に鍛えられます。さらに細かく言えば、バーベルを握る指の筋肉など末端まで多くの筋肉が使われます。
このように筋肉は連動しており、メインターゲット以外の筋肉も間接的に鍛えられます。これは特定の筋肉に的を絞ったトレーニングマシンを使用しない限りは、多くの筋トレで言えることです。
体の中でも特に大きな大腿四頭筋・広背筋・大胸筋などを鍛えようとすると、必ず周辺の小さな筋肉も鍛えられるため、結果的に末端の筋肉まで負荷がかかります。
時間効率的に見ても、小さな筋肉をこまめに鍛えるより、大きな筋肉から鍛えるのがおすすめです。
筋トレの順番を考えるコツ|筋肉は体幹部分に近いほど大きくなる
筋肉は体の中心部ほど大きく、末端ほど小さい傾向にあります。
筋肉の大きさと言われてもピンと来ないかもしれませんが、いわゆる体幹と呼ばれる体の中心部ほど大きな筋肉が多くなっています。反対に手足など、体の末端部分に行くほど筋肉は小さくなります。
- 体幹部分:大胸筋、三角筋、広背筋、僧帽筋など
- 末端部分:上腕二頭筋、上腕筋など
特に下半身の筋肉の方が大きく、お尻の大殿筋は人体で最も大きな単一の筋肉です。下半身の筋肉の方が自重を支えるために、上半身の筋肉より大きくなっています。
体幹部分に近い下半身の筋肉>体幹部分に近い上半身の筋肉>末端部分の筋肉と覚えておくと、トレーニングの順番を決めやすくなるでしょう。
順番 | トレーニング種目 | 鍛えられる筋肉 |
1 | スクワット | 大腿四頭筋、大殿筋、ハムストリング |
2 | ベンチプレス | 大胸筋、上腕三頭筋 |
3 | カーフレイズ | ヒラメ筋、腓腹筋 |
上記の例のように、大きな筋肉から順に小さな筋肉を鍛えていきましょう。
「重いもの→軽いもの」という順番も有効
筋トレには「扱う重量が重いもの→軽いもの」の順番でトレーニングをする考え方もあります。
例えば、大胸筋のトレーニングには「ベンチプレス」と「ダンベルフライ」という種目がありますが、ベンチプレスの方が扱う重量は重くなります。その場合はベンチプレス→ダンベルプレスの順番に、扱う重量が重いものからトレーニングすべきです。
なぜなら、先に軽い重量でトレーニングをすると、重い重量をあげるエネルギーがなくなってしまうからです。
もちろんこの「重量が重いもの→軽いもの」の順番は一概には言えず、先に「重量が軽いもの」であえて筋肉を追い込み、その後に「重量が重いもの」を扱う方法も存在します。
しかし、これは上級者が用いる筋トレ方法のため、初心者の方は「重量が重いもの→軽いもの」の順番を覚えておきましょう。
まとめ
今回は筋トレでは大きい筋肉から順番に鍛えるべき理由を紹介しました。
ここだけは押さえておきたい!筋トレの順番のポイント
- 大きな筋肉もしくは多くの筋肉を使うトレーニングから行う
- 一番最初に行うトレーニングが一番効果を発揮する
- 大きい筋肉を鍛えると結果的に小さな筋肉も鍛えられる
- 体幹部分に近い筋肉ほど大きい
- 下半身の筋肉の方が大きい傾向にある
小さい筋肉から鍛えてしまうと、疲労が溜まり大きな筋肉を上手く刺激できなくなってしまいます。まず大きい筋肉や多くの筋肉を使う種目から行うように意識しましょう。
また、筋トレは最初に行うトレーニングが最も効果を発揮するため、重点的に鍛えたい部位から優先的に鍛えるのをおすすめします。
TOREMOでは動画や画像付きでさまざまなトレーニングについて紹介しています。理想の体に近づくためのトレーニングを見つけることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
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