筋肉を大きくするためには、もちろん筋トレが重要ですが、それと同じくらい食事も重要な要素です。
岡田隆著『バズーカ式「超効率」肉体改造メソッド』によると筋肥大のために必要な栄養バランスは、「高たんぱく・低糖質・低脂質」です。
なかには脂肪がつくといけないからと、脂質や糖質などを抑えた食事をしている方もいらっしゃるかもしれません。確かに脂質や糖質は摂り過ぎると脂肪として体に蓄積されてしまいます。
しかし、筋肥大を目指すのであれば、筋肉をつけるのに必要な脂質や糖質も含めた十分な栄養とエネルギーが必要です。
今回は筋肥大のために必要な栄養素を紹介します。
筋肥大には「高たんぱく・低糖質・低脂質」の食事が必要
たんぱく質を多く、糖質・脂質は少なめに摂取するのが理想的です。
たんぱく質・糖質・脂質は、三大栄養素とも呼ばれる人体に欠かすことのできない栄養素です。しかし、糖質と脂質はエネルギーとして使われなかった分が脂肪として蓄積されてしまいます。そのため、余分に摂取することは避けましょう。
筋肉の材料となるたんぱく質は多く、余剰分は脂肪となる糖質・脂質は少なめに摂取するのがベストです。
削った糖質・脂質の分、たんぱく質を多く摂るため食事の総量としては大きな変化がなく、「食事制限=苦しい」ということになりにくいでしょう。
まずは「高たんぱく・低糖質・低脂質」の食事を意識することが大切です。
筋肥大させるために必要な1日あたりの摂取カロリーの目安
筋肉をつけるためには、カロリーを多めに摂る必要があります。
多めにというのは、消費カロリーよりも摂取カロリーの方が多い状態を指します。消費カロリー<摂取カロリーとするためには、まず普段の消費カロリーを知りましょう。
- 除脂肪体重×40kcal
- 除脂肪体重=体重-(体重×体脂肪率)
※除脂肪体重とは、体重から脂肪を引いた重さのこと。
例えば、体重60kgで体脂肪率20%の方の場合、2番の式に当てはめると除脂肪体重の重さは「60kg-(60kg×0.2)=48kg」となります。
さらに1番の式に当てはめると、消費カロリーの目安は「48×40kcal=1920kcal」となります。
筋肥大にはこのベースとなる消費カロリーに300~500kcalプラスしてカロリーを摂取しましょう。上記の例の場合であれば2220~2420kcalが必要ということです。
効率よく筋肥大させるために普段の食事で摂るべき5つの栄養素
ここからは筋肉の材料となるたんぱく質を中心に、筋肉を成長させるため必要な栄養素を5つ紹介していきます。筋肥大のためには意識的に摂取しましょう。
筋肥大のために必要な栄養素1.たんぱく質
筋肉はたんぱく質から作り出されるため、筋肥大を目指すなら積極的に摂取する必要があります。また、筋肉を修復するために使われることから、筋肉痛をやわらげる効果も期待できます。
筋肥大には1日あたり「体重×2g」ものたんぱく質が必要です。
例えば、体重60㎏の方なら120~180gのたんぱく質が必要となります。大した量ではないように思えるかもしれませんが、毎日の食事だけで賄うのは難しいかもしれません。
食品群 | 食品100gあたりに含まれるたんぱく質の目安(g) |
肉類 | 生ハム(24.0)、ささみ(23.0)、ローストビーフ(21.7)、豚ロース(19.3) |
魚介類 | イワシ丸干し(32.8)、いくら(32.6)、魚肉ソーセージ(11.5) |
大豆製品 | 油揚げ(18.6)、納豆(16.5)、豆乳(3.6) |
たんぱく質をたくさん摂ろうとすると、それに伴いカロリー摂取も多くなってしまいます。毎日低カロリーかつ高たんぱく質の献立を考えるのは難しいため、プロテインがおすすめです。
- ホエイプロテイン:吸収効率が高く即効性がある。運動後に摂取すれば損傷した筋肉をすぐに修復できる。
- カゼインプロテイン:ゆっくりと吸収される。就寝前に摂取すれば就寝中にダメージを回復できる。
たんぱく質の過剰分はエネルギーとして使われますが、脂肪として蓄えられることもあるため、過度なたんぱく質摂取は禁物です。
筋肥大のために必要な栄養素2.脂質
脂質は体に必要な栄養素であり、筋肉の成長を促すホルモンの素になります。
脂質といえばボディメイクにおいて真っ先に摂取量を控えようと考えられる栄養素かもしれません。しかし、脂質が足りなくなると筋肉を成長させる「テストステロン」という成長ホルモンの分泌が少なくなってしまいます。
成長ホルモンとは
成長ホルモンは脳下垂体から分泌されるホルモンで、骨や筋肉を作ることを促します。たんぱく質の合成を促し、筋肉を成長させることから筋肥大には欠かせないホルモンです。
筋肉を成長させるテストステロンは脂質から作り出されるホルモンです。テストステロンの分泌が少なくなってしまえば、筋肉の成長が鈍化してしまいます。筋肥大のためにはある程度の脂質も必要だと覚えておきましょう。
総摂取エネルギーの内、脂肪が占める割合は20~30%が適切です。
個人差はありますが、1日2000kcal必要と仮定すると、脂質はおよそ400~600kcal摂取する必要があるということになります。グラムに換算すると1日に40~60gほど摂取するよう心がけましょう。
筋肥大のために必要な栄養素3.糖質(炭水化物)
糖質は筋トレのエネルギーとなり、筋肉の分解を防ぎます。
糖質制限ダイエットなどの影響で、糖質は抑えるべきものというイメージがあるかもしれません。しかし、糖質は本来とても重要な栄養素で、体を動かすエネルギーとなるものです。
特に筋トレのような無酸素運動においては、脂肪がエネルギーとなりにくいため主に糖質がエネルギーとして使われます。もし、十分な糖質が体内になければ、体はたんぱく質をエネルギーとして消費します。
このたんぱく質は筋肉を分解して作り出されることもあるため、糖質の不足は筋肥大の妨げにもなりかねません。
男女とも1日に摂取するエネルギーの50~65%は炭水化物(※炭水化物=食物繊維+糖質)が必要です。
1日2000kcal必要と仮定すると、糖質は少なくとも1000~1300kcalは必要ということになります。これはグラムに換算すると250~325gほどになります。
筋肥大のために必要な栄養素4.ビタミンB1
ビタミンB1は糖質を効率よくエネルギーに変換する働きがあります。
糖質はエネルギーとして消費される栄養素ですが、体内でエネルギーに変換されず、余った糖質は中性脂肪として体内に蓄えられてしまいます。ダイエット時に糖質を制限するのは、これを避けるためです。
せっかく取り込んだエネルギー源もエネルギーとして消費されなければ、余分な脂肪を増やすことになってしまいます。ビタミンB1も合わせて摂取することで、糖質をエネルギーに変換しましょう。
前述の通り、筋トレでは糖をエネルギーとするため、ビタミンB1の摂取はトレーニングパフォーマンスを高めるためにも重要です。
食品群 | 食品100gあたりに含まれるビタミンB1の目安(mg) |
肉類 | 生ハム(0.92)、豚ヒレ肉(2.09)、豚ロース(0.96) |
魚介類 | うなぎ(0.75)、昆布(0.80)、たらこ(0.71) |
穀類 | 玄米(0.41)、そば(0.50)、小麦(0.41) |
成人男性なら1.2~1.4mg、成人女性なら0.9~1.1mgです。
筋肥大のために必要な栄養素5.ビタミンB6
ビタミンB6は摂取したたんぱく質を分解する働きがあります。
体内に取り込まれたたんぱく質はそのまま利用されるのではなく、まずアミノ酸へと分解され、その後たんぱく質へと再合成されることで筋肉や臓器、骨など全身のあらゆる部分の材料に使われます。
つまり、食事などから摂取したたんぱく質は、アミノ酸に一度分解されないと体には吸収されません。このたんぱく質の分解を行うのがビタミンB6です。
筋肉の素となるたんぱく質と合わせて、ビタミンB6も摂取するようにしましょう。
食品群 | 食品100gあたりに含まれるビタミンB6の目安(mg) |
肉類 | 鶏むね肉(0.66)、豚ヒレ肉(0.76)、サーロイン(0.54) |
魚介類 | ナミマグロ(1.08)、鮭(0.64)、イワシ(0.69) |
穀類 | 玄米(0.45)、そば(0.44)、小麦(0.35) |
成人男性なら1.4mg、成人女性なら1.2~1.3mgです。
筋肥大のための時間帯別おすすめ食事メニュー
筋肥大のためには、筋肉を成長させる栄養素が重要です。しかし、この栄養素はただ摂ればいいというものでもありません。摂取すべきタイミングというものがあります。時間帯別におすすめの食事メニューを紹介します。
【朝食編】主食にプラス一品加えてたんぱく質を補給
朝食は主食に一品加えてたんぱく質を補給しましょう。
朝は食べない、もしくはパンだけという方もいらっしゃるでしょう。ですが、少しでもたんぱく質を補給することが大切です。
しっかりと朝食を食べるのはもちろんのこと、例え一品でもおかずを食べるようにしましょう。
ご飯であれば卵焼きや納豆など、パンであればヨーグルトなどがおすすめです。またご飯は、白米よりも玄米の方が、ビタミンB6などの栄養素が多く含まれています。
【昼食編】忙しくてもファストフードは回避
昼食は脂質を避け、低脂質高たんぱくな魚を食べましょう。
お昼休みに慌ただしく食事をすると、ついつい牛丼やハンバーガーといったファストフードを食べがちかもしれません。しかし、それでは余分な脂質を摂取することになってしまいます。
たんぱく質を多く含み、低脂質である魚を積極的に食べるよう心がけましょう。様々な食材から栄養素が得られるように、定食などおかずやサラダも一緒に食べられるものがベストです。
【夕食編】鶏や魚など主菜中心の食事
夕食も脂質を避け、低脂質高たんぱくな料理がおすすめです。
鶏むね肉やささみ、アジ、ホッケなどの高たんぱくかつ低脂質な主菜を中心に食べましょう。また、トレーニング後であれば、筋トレでエネルギーとして消費された糖質も忘れずに補給しておくことが大切です。
揚げ物などの脂質の多い料理は避けましょう。
コンビニで買える筋肥大に役立つ高たんぱく商品
筋肥大に必要なたんぱく質を豊富に摂取でき、コンビニで手軽に購入できる商品を紹介します。朝食やランチなどでコンビニに行く際におすすめです。
コンビニで買える高たんぱく商品1.サラダチキン
100gで約23.8gものたんぱく質を摂取でき、一食分の摂取量としては十分な量ではないでしょうか。
たんぱく質を十分に補給できるうえに、脂質や炭水化物を抑えられます。多くのコンビニで販売されていることも嬉しいポイントです。
コンビニで買える高たんぱく商品2.ダノンオイコスヨーグルト
1カップ(110g)あたり9.7gのたんぱく質が含まれています。脂質が0にもかかわらず、約10gのたんぱく質が摂取できます。時間のない朝や昼過ぎのおやつにもぴったりです。
コンビニで買える高たんぱく商品3.ウイダープロテインバー
1本(35g)あたり10.4gのたんぱく質が含まれています。いつでもどこでも手軽にたんぱく質を補給することを目的に作られており、手軽にたんぱく質を摂取できます。味のバリエーションも豊富なため飽きずに食べられます。
まとめ
今回は筋肥大のために必要な栄養素を紹介しました。
ここだけは押さえておきたい!筋肥大のために必要な食事
- 基本の消費カロリーよりプラス300~500calが必要
- 栄養素はバランスよく摂取する
- たんぱく質は筋肉の素になる
- たんぱく質を吸収するにはビタミンB6が必要
- 糖質や脂質も控え過ぎるとよくない
- 糖質をエネルギーに変換するにはビタミンB1が必要
筋肥大のために筋トレは欠かせません。しかし、毎日の食事から筋肉の成長に必要な栄養素をしっかりと摂取していなければ、思うような結果が出ないでしょう。
とはいえ、どんな食品にどんな栄養素が含まれているのか把握している方は少ないでしょう。調理方法によって栄養素の摂取量も変わってきます。
TOREMOでは動画や画像付きでさまざまなトレーニングだけなく、食事方法についてもを紹介しています。理想の体に近づくためのトレーニングと食事を見つけることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
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