デクラインダンベルプレスは仰向けの状態で、足元が高くなるように傾斜をつけて、ダンベルを上げ下げするトレーニングです。
足元を高くすることで、大胸筋の下部に刺激が伝わりやすくなります。大胸筋の下部を鍛えれば、大胸筋と腹筋の間に段差ができて胸板が際立ち、胸がより厚く見えます。
今回は、そんな大胸筋下部を鍛えられる「デクラインダンベルプレス」の正しいフォームについて紹介します。
デクラインダンベルプレスでは大胸筋下部が鍛えられる
大胸筋は一般に「胸板」とも呼ばれる大きな筋肉で、鎖骨や肋骨、上腕骨を繋いでいます。
このように大きな筋肉であることから「上部」「中部」「下部」の3つに分けられます。主に腕を水平方向に閉じる役割を持っており、3つの部分ごとに若干役割が異なっています。なかでも大胸筋下部は体の前で腕を内側に振る動作で使われます。
このように部位ごとに担う動きが違うため、トレーニングもそれに応じて部位別に分ける必要があります。デクラインダンベルプレスは頭を下にして体を斜めにすることで、自然に大胸筋下部を使いやすい姿勢にしています。
大胸筋下部を鍛えることによって、冒頭でも述べたように腹筋との境目が強調され胸板が厚く見えます。大胸筋上部、中部とのバランスを取るためにも鍛える必要がある部位です。
【ジム編】デクラインダンベルプレスの種類と鍛えられる筋肉
ここからはデクラインダンベルプレスのフォームを解説していきます。デクラインベンチがあれば自宅でも行えますが、基本的にはジムで行う種目です。
トレーニングの種類 | 効果的な筋肉 |
デクラインダンベルプレス | 大胸筋下部 |
デクラインダンベルプレスにおいて大切なのは扱う重量ではなく、フォームとベンチの角度です。大胸筋は高重量も扱える力強い筋肉ですが、まずは重量よりもフォームを安定させることを意識してください。
また、トレーニングの難易度を☆の数で5段階評価します。☆の数が多いほど難しいトレーニングです。
デクラインダンベルプレス(☆☆)
頭を下にして仰向けで行うため、頭に血が上りやすくなっています。長時間のトレーニングは避けましょう。
デクラインダンベルプレスのポイントは4つあります。
1つ目は「胸を張る」ことです。胸を張ってダンベルを持ち上げることで大胸筋下部に効きます。胸を張らずにダンベルを持ち上げてしまうと、大胸筋ではなく肩や腕の筋肉を鍛えることになってしまうため注意しましょう。
2つ目は「ダンベルの軌道を安定させる」ことです。慣れないうちはダンベルが左右にぶれたり、お腹側に下がったりと軌道が安定しづらいかもしれませんが、それでは筋肉に正しく刺激が入りません。どうしても安定せずぶれてしまう場合は、ダンベルを軽くしましょう。
3つ目は「両手のダンベルをぶつけない」ことです。ダンベルを持ち上げた頂上で、左右のダンベル同士がぶつからないよう注意しましょう。ダンベル同士がくっついてしまうと、筋肉が休んでしまい負荷が抜けてしまいます。
4つ目は「ダンベルをゆっくり下げる」ことです。ダンベルを重力に従うままサッと下げてはいけません。大胸筋に負荷がかかりにくいだけではなく、ケガの原因にもなります。重力に抗うように力を込めながらゆっくり下げましょう。
- 両手にダンベルを持ち、デクラインベンチに仰向けとなります。
- デクラインベンチの角度は30度ほどに設定し、体が安定するように足首をしっかり固定しましょう。
- 胸を張って構えます。
- 胸を張ったまま、ダンベルを大胸筋下部の真上に真っ直ぐ持ち上げましょう。
- ダンベルを下ろす時も胸を張る意識を保ち、重力に逆らうようにゆっくり下ろします。
- 3と4を繰り返していきます。
◆回数の目安:10~15回×3セット
【自宅編】デクラインダンベルプレスの種類と鍛えられる筋肉
工夫すれば自宅でも床やベンチで行うことが可能です。ただし、床で行う場合はどうしても可動域が狭くなってしまうため、基本的にはジムでデクラインベンチを使用しましょう。
トレーニングの種類 | 効果的な筋肉 |
デクライン・フロアダンベルプレス | 大胸筋下部 |
デクライン・フロアダンベルプレス(☆☆)
フラットベンチや床に仰向けになって、ブリッジをするようにヒザを立てて行います。体勢の維持が難しければ、クッションを腰や背中の間に挟むなどしましょう。
デクライン・フロアダンベルプレスのポイントは「上半身を真っ直ぐに保つ」ことです。デクラインダンベルプレスで重要なのは頭を下に体を傾斜させることです。腰を高く上げ、上半身を真っ直ぐにして斜めの状態を保ちましょう。
動画ではフラットベンチを用いていますが、床で行うこともできます。その際は前述の通り可動域が狭くなるというデメリットがあります。
- 床もしくはフラットベンチに仰向けとなり、ブリッジのようにヒザを立てて腰を高く持ち上げます。
- 体を傾斜させるため、腰から上半身を真っ直ぐに保ちましょう。
- ダンベルを持ち、胸を張って構えます。
- 胸を張ったまま、ダンベルを大胸筋下部の真上に真っ直ぐ持ち上げましょう。
- ダンベルを下ろす時も胸を張る意識を保ち、重力に逆らうようにゆっくり下ろします。
- 3と4を繰り返していきます。
◆回数の目安:10~15回×3セット
デクラインダンベルプレスの角度は30度が目安
どのくらい体を傾斜させるかで、効く筋肉に違いが生まれてきます。例えば角度が浅すぎると通常のダンベルプレスと大差がなくなり、大胸筋中部や肩の三角筋が働きやすくなってしまいます。
角度をつけるほど大胸筋下部へ効かせやすくなりますが、極端に角度がつくと動作が難しくなります。30度を基準として、自分に適した角度を見つけましょう。
まとめ
今回は大胸筋下部を重点的に鍛えるトレーニング「デクラインダンベルプレス」を紹介しました。
ここだけは押さえておきたい!デクラインダンベルプレスのポイント
- 胸を張った状態を保つ
- ダンベル同士をくっつけない
- ダンベルをゆっくり下ろす
- できるだけダンベルは深く下ろす
デクラインダンベルプレスは大胸筋下部に効果的な数少ないトレーニング方法の一つです。大胸筋下部を鍛え、大胸筋と腹筋の境目をくっきりさせて胸板を厚く見せましょう。
大胸筋は冒頭でも述べた通り各部位に合ったトレーニングをすることでバランスよく鍛えることができます。大胸筋下部をあまり意識してこなかった方はこれを機にぜひ鍛えてみてください。
そのほかにも、TOREMOでは動画や画像付きでさまざまなトレーニングについてもを紹介しています。理想の体に近づくためのトレーニングを見つけることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
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