ニーレイズは英語の「knee(ヒザ)」「raise(上げる)」という言葉の通り、仰向けの状態でヒザを持ち上げるトレーニングです。「ヒザを持ち上げる」と言うと、足の筋トレと思われがちですが、実は腹筋を鍛えるトレーニングになります。
また、腹筋以外にも腸腰筋という背骨を支えるインナーマッスルも鍛えることができるため、姿勢改善にも効果があります。
今回はニーレイズの正しいやり方とポイントを紹介します。
ニーレイズで鍛えられる筋肉
ニーレイズで鍛えられる筋肉は主に2種類です。
ニーレイズで鍛えられる筋肉1.腹直筋
腹直筋は肋骨から骨盤までを結ぶようについている筋肉です。
「腹筋が割れる」という言葉がありますが、鍛えることで割れたように見えるのがこの腹直筋になります。
主に「腰を丸める」「姿勢を維持する」働きがあり、日常生活ではベッドから起き上がる時や電車の中で揺れに耐えようと踏ん張る時に力を発揮します。
ニーレイズで鍛えられる筋肉2.腸腰筋
腸腰筋は主に「腸骨筋(ちょうこつきん)」と「大腰筋(だいようきん)」という2つの筋肉から構成されている筋肉です。
腸骨筋が位置するのは骨盤のあたり。インナーマッスルの一種で、左右から背骨を支えるようにして位置しています。
そんな腸腰筋の働きは股関節の動きをサポートすることです。具体的には「ヒザを上げて階段を登る」「仰向けの状態で足を天井に向かって上げる」動作で活躍します。
ニーレイズの効果
すでに説明した通り、ニーレイズで鍛えられるのは主に腹直筋と腸腰筋です。ここでは、この2種類の筋肉を鍛えることで得られる効果をご説明します。
- 姿勢が良くなる
腸腰筋と腹直筋は共に「姿勢保持」の役割を担っているため、ニーレイズは姿勢改善に効果的です。
- 腹筋が割れる
腹直筋は鍛えることで筋肉が6つ(実際は人によって数に違いがあると言われています)に割れて見える筋肉です。しっかりと鍛えれば、いわゆるシックスパックを作ることができます。
ニーレイズの種類とそれぞれのやり方(動画つき)
ここからはニーレイズのやり方を動画を引用しながら解説していきます。
種類 | 鍛えられる筋肉 |
ニーレイズ(基本形) | 腹直筋
腸腰筋 |
シーテッド・ニーレイズ | |
インクライン・ニーレイズ | |
ハンギング・ニーレイズ | |
マシン・ニーレイズ |
また、トレーニングの難易度を☆の数で5段階評価します。☆の数が多いほど難易度が上がります。
ニーレイズ(☆☆)
最初に紹介するのはニーレイズの基本形です。床にお尻をつけた状態で足を浮かせ、ヒザを曲げ伸ばしていきます。動画では上体を起こしてトレーニングしていますが、仰向けになっても構いません。
ニーレイズのポイントは4つあります。
1つ目は「上半身を動かさない」ことです。勢いよく反動をつけて上半身を動かしてしまうと足の筋肉へ負荷が逃げてしまいます。上半身を動かさないという意識でトレーニングしましょう。
2つ目は「ゆっくりとした動作で行う」ことです。ゆっくりとした動作で行うと筋肉に継続して負荷がかかります。また、反動を抑えるためにも効果的です。
3つ目は「足をしっかり閉じる」ことです。足が開いてしまうと負荷が逃げてしまうため、足をしっかりと閉じましょう。どうしても開いてしまう場合は足首をクロスする方法もあります。
4つ目は「足を床につけない」ことです。ヒザを伸ばして足を下ろす時に、足が床に接地してしまうと筋肉への負荷がゼロになってしまいます。負荷を持続させるために、床につく手前のところでストップさせましょう。
- 床に座ります。
- 伸ばした足を太ももの付け根から持ち上げ、ヒザを曲げて胴体に近づけていきます。
- この時、背中は丸めておきましょう。
- ヒザが胸の辺りまできたら、ゆっくりと下ろしていきます。
- 床に接地する寸前で止め、再び持ち上げることを繰り返します。
◆回数の目安:20回×3セット
シーテッド・ニーレイズ(☆☆☆)
次にフラットベンチなど平らな台の上に座って行うシーテッド・ニーレイズを紹介します。シーテッド・ニーレイズは、基本形よりも足を深く下ろせるため、その分大きな負荷をかけられるトレーニングです。
シーテッド・ニーレイズのポイントは「足を床につけない」ことです。基本のニーレイズと同様に、足が床についてしまわないように注意しましょう。
- ベンチや椅子などに座り、手はベンチや椅子のフチを握ります。
- 足を床から浮かせてまっすぐに伸ばしましょう。これがスタートポジションです。
- ヒザを曲げて胴体に近づけていきます。
- ヒザが胸の辺りまできたら、ヒザを伸ばして、足をゆっくりと下ろしていきます。この一連の動作を繰り返します。
◆回数の目安:20回×3セット
インクライン・ニーレイズ(☆☆☆)
続いて紹介するのは、頭が高くなったインクラインベンチを用いるニーレイズです。上体が斜めになることから、足の動く範囲が広くなり、基本形やシーテッド・ニーレイズよりも負荷がさらに高まります。
インクライン・ニーレイズにおいても「足が床につかない」ように注意してください。
また、負荷を大きくする場合は「ベンチの傾斜をきつくする」「両足にダンベルを挟む」と良いでしょう。
- インクラインベンチに仰向けになり、手は頭の横か上に回して体を支えます。
- 足を太ももの付け根から持ち上げ、ヒザを曲げて胴体に近づけていきます。
- この時、背中は丸めておきましょう。
- ヒザが胸の辺りまできたら、ゆっくりと下ろしていきます。
- 足を下ろしたら、下半身がベンチに接地する前に持ち上げましょう。
- この一連の動作を繰り返します。
◆回数の目安:20回×3セット
マシン・ニーレイズ(☆☆☆☆)
マシン・ニーレイズを紹介します。使うのは「ディップス」と呼ばれる種目で使うマシンです。
マシン・ニーレイズのポイントは「上半身を前後に動かさない」ことです。上半身が前後に動いてしまうと、全身運動に近くなってしまうため、他の筋肉へ負荷が逃げてしまいがち。腹筋に力を入れて上半身を動かさないようにしてください。
- ディップスマシンにつかまります。
- 足は開かずにくっつけたまま、ヒザを腹筋に引きつけるように上げていきます。
- しっかりと上げ、数秒静止します。
- ゆっくりと足を下ろしていきましょう。
◆回数の目安:5回~10回×3セット
ハンギング・ニーレイズ(☆☆☆☆☆)
最後にハンギング・ニーレイズを紹介します。パワーラックやチンニング(懸垂)用のスタンドにぶら下がって行います。
ハンギング・ニーレイズのポイントは2つあります。
1つ目は「上半身を前後に動かさない」ことです。マシン・ニーレイズと同様に、上半身は動かさないようにしっかりキープしてください。
2つ目は「肩の力を抜く」ことです。肩に力が入っていると、肩や腕など上半身の力が関わってしまいます。腕を伸ばしてだらんとぶら下がっているイメージが大切です。
- チンニング(懸垂)マシンなどに両手を肩幅ぐらいに広げてぶら下がります。
- この時、肩はリラックスさせて余計な力が入っていないようにしましょう。
- 足は開かずにくっつけたまま、ヒザを腹筋に引きつけるように上げていきます。
- ヒザを上げる時、上半身が前後に動かないようにしっかりと固定します。
- 反動を使わすギリギリまでしっかりと上げ、数秒静止します。
- ゆっくりと足を下ろしていきましょう。
◆回数の目安:5回~10回×3セット
まとめ
今回は腹筋を鍛えるトレーニング法「ニーレイズ」を紹介しました。
ここだけは押さえておきたい!ニーレイズのポイント
- 反動をつけない(上半身を動かさない)
- 足を閉じる
- ゆっくりとした動作で行う
ニーレイズはそれほど負荷が大きなトレーニングではないため、本気で「腹筋を割りたい」という方はより高負荷なトレーニングを行う必要があるでしょう。また、腹筋を割るためには筋トレに加えて「体脂肪率を下げる」ことも必要不可欠です。
筋肉を鍛えつつ、体脂肪を落とす。割れた腹筋を手にいれることは簡単なことではありません。当メディアではトレーニングだけでなく食事法についても紹介しています。理想の体に近づくためのトレーニングと食事方法を見つけることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
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