四つん這いになり、左右の足を前後に素早く動かすマウンテンクライマーはお尻やお腹を鍛えるトレーニング種目です。筋トレでありながら、有酸素運動の側面もあるため、「雨でジョギングやウォーキングができない」という時の代用としてもおすすめです。
有酸素運動として取り組む場合は長時間継続してトレーニングする必要があるため、飽きてしまわないようにマウンテンクライマーのバリエーションをいくつか覚えておくと良いでしょう。
今回はマウンテンクライマーの効果や種類を解説します。
マウンテンクライマーで鍛えられる筋肉と効果
マウンテンクライマーのメインターゲットは主に「腹直筋」「腸腰筋」「大殿筋」の3つです。ただし、上で有酸素運動でもあると説明したように、全身運動をするため、他にも腕や肩、太もも、背中など様々な筋肉に副次的に作用します。
マウンテンクライマーで鍛えられる筋肉1.腹直筋
腹直筋はお腹の中央部を縦に伸びる筋肉です。主に「腰を折りたたんで体を丸める」時に使われたり、姿勢を維持する役割を担ったりしています。
マウンテンクライマーで鍛えられる筋肉2.腸腰筋(ちょうようきん)
腸腰筋はインナーマッスルの一種で、腰のあたりについています。主に「太ももを上げる」時に使われており、日常生活において「階段を上る」「歩く」などの場面で使われています。
マウンテンクライマーで鍛えられる筋肉3.大殿筋
大殿筋はその名の通りお尻にある大きな筋肉です。股関節の動きに強く関与しているため、「歩く」「走る」など下半身を動かす時に力を発揮します。
マウンテンクライマーの効果
では、マウンテンクライマーを行うことでどんな効果が得られるのでしょうか。
- 姿勢が良くなる
マウンテンクライマーで強化される腹直筋と腸腰筋は姿勢維持の役割を担っているため、姿勢改善の効果が期待できます。
- ヒップアップする
マウンテンクライマーではお尻の膨らみを作る大殿筋が鍛えられるため、ヒップアップにも効果的です。
- 脂肪が燃焼する
マウンテンクライマーは有酸素運動としても機能するため、脂肪燃焼効果が望めます。
マウンテンクライマーの種類
ここからはマウンテンクライマーのトレーニング方法を紹介します。いくつかバリエーションがあるため、日ごとに違う種類のものに取り組むのもおすすめです。
マウンテンクライマーの種類 | メインターゲット |
マウンテンクライマー | 腹直筋、腸腰筋、大殿筋 |
クロスボディ・マウンテンクライマー | |
スライディングディスク・マウンテンクライマー | |
メディシンボール・マウンテンクライマー |
トレーニングの難易度を☆の数で5段階評価しており、☆の数が多いほど難易度が上がります。
マウンテンクライマー(☆☆☆)
まずはマウンテンクライマーの基本形を紹介します。
マウンテンクライマーのポイントは4つあります。
1つ目は「お尻を弾ませない」ことです。足を入れ替える際にお尻が上下に弾んでしまうと、お腹やお尻から負荷が逃げてしまいます。お尻の位置を動かさないようなイメージでトレーニングしましょう。
2つ目は「頭からお尻までが常に一直線上で結ばれるようにする」ことです。お腹や腰が下がってしまうと、負荷が小さくなってしまいます。腕立て伏せをする時のように、腹筋に力を入れて頭からお尻までが一直線上で結ばれるようにキープしましょう。
3つ目は「上半身に重心を置く」ことです。上半身に重心を置くことで体勢が安定します。動かすのは下半身がメインになるため、上半身への意識はおざなりになってしまいがちですが、2つ目で紹介した「頭からお尻までが常に一直線上で結ばれるようにする」というポイントを実行するためにも、上半身にもしっかりと意識を向けましょう。
4つ目は「動作をダイナミックにする」ことです。動きがダイナミックになるほど、筋肉がしっかりと伸ばされやすく、また有酸素運動としての効果も高くなりやすいものです。
ただし、がむしゃらに足を動かすのではなく、あくまでもフォームが崩れない範囲で動作を大きく行いましょう。
- 腕を肩幅に広げ、腕立て伏せの状態になります。
- 体を真っ直ぐにして、片足がお腹の下に来るように蹴り上げます。
- すぐに逆の足がお腹の下に来るように、足を入れ替えます。
- この時、腰が浮かないように気をつけましょう。
- 体を真っ直ぐに保ったままこの動作を繰り返します。
◆回数の目安:10〜20回×3セット
クロスボディ・マウンテンクライマー(☆☆☆)
次は、マウンテンクライマーにひねりを加えた種目になります。上半身をひねるため、脇腹にある腹斜筋のトレーニングにもなります。
クロスボディ・マウンテンクライマーのポイントは「上半身をひねる時にヒザをできるだけ前に突き出す」ことです。ヒザを前に突き出すほど、上半身のひねりが大きくなり、腹斜筋が刺激されやすくなります。
ただし、お尻が浮かないよう気をつけてください。
- 腕を肩幅に開いて、腕立て伏せの状態になります。
- 体をひねりながら、側面を向いた時に下側にある足のヒザを突き出します。
- 反対側に体をひねりながら、2と同じ動きをします。
- この動作をお尻が浮かないように繰り返します。
◆回数の目安:10〜20回×3セット
スライディングディスク・マウンテンクライマー(☆☆☆☆)
続いて、「スライディングディスク」あるいは「スライダー」と呼ばれる器具を使う方法を紹介します。基本形よりも筋肉へかかる負荷が大きくなります。
スライディングディスク・マウンテンクライマーのポイントは「お尻を弾ませない」ことです。足を滑らせてスライドさせるため、基本形よりもフォームを維持するのが難しく、お尻が弾みやすくなります。お尻を固定するよう意識してください。
- 腕を肩幅に開いて、腕立て伏せの状態になります。
- 足を滑らさないよう注意して、スライディングディスクに両足を置きます。
- 体を真っ直ぐに保ったまま、スライディングディスクを素早く滑らしてお腹にヒザがつくぐらい足を上げます。
- すぐに逆のヒザがお腹につくように足を入れ替えます。
- この動作をお尻が浮かないように素早く繰り返しましょう。
◆回数の目安:10〜20回×3セット
メディシンボール・マウンテンクライマー(☆☆☆☆)
メディシンボールに手をついて行う方法を紹介します。バランスを取るのが難しくなるため、体幹を鍛えるトレーニングとしても効果的です。
メディシンボール・マウンテンクライマーのポイントは「頭からお尻までが一直線上で結ばれるようにする」ことです。体勢が不安定になる分、姿勢を保つことが難しくなりますが、姿勢の維持をしっかりと意識してください。
- メディシンボールの上に両手を置いて、ヒジを真っ直ぐ伸ばして腕立て伏せの状態になります。
- 体を真っ直ぐにしたままバランスを崩さないように、動かすほうの足のヒザをお腹まで持ってきます。
- すぐに逆のヒザがお腹の下ぐらいに来るように、足を素早く入れ替えましょう。
- この動作を姿勢を崩さないように素早く繰り返します。
◆回数の目安:10〜20回×3セット
マウンテンクライマーはタバタ式トレーニングに最適
タバタ式トレーニングとは持久力を高めるトレーニングの1つです。立命館大学スポーツ健康科学部教授の田畑泉氏が発表したことが名前の由来となっています。
「20秒間の全力運動」+「10秒間の休憩」×8セット(合計4分)
この「20秒間の全力運動」に向いているのがマウンテンクライマーのようにシンプルかつ大きな筋肉を使う運動です。マウンテンクライマーの他には「ランジジャンプ」や「バーピージャンプ」などが適しています。
また、タバタ式トレーニングはセット数を多くこなすよりも、1セットに全力を出すことが重要です。8セットがきついと感じる場合は、セット数を減らしても構いません。
まとめ
今回は「マウンテンクライマー」を紹介しました。
ここだけは押さえておきたい!マウンテンクライマーのポイント
- 腹筋に力を入れて姿勢を維持する
- 足をダイナミックに動かす
- お尻を弾ませない
単純な動作の繰り返しで覚えやすいトレーニングですが、夢中で全身を動かし取り組むうちに集中力が切れ、雑なフォームになってしまいがち。
フォームをしっかりと維持するためには鏡で向かってやるや動画で撮るなどをすることがおすすめです。また友人同士で指摘するのもいいですし、ジムのトレーナーに見てもらうのもいいでしょう。
最初のうちに正しいトレーニングフォームを身につけることが、もっとも効果がでる最短の方法です。こまめにチェックすることを心掛けましょう。
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