ダンベルやバーベルといったウエイトを用いるトレーニングのことを「フリーウエイト」と言います。フリーウエイトは自分自身の力でウエイトを支えるため、フォームが非常に重要となります。
では、ダンベルとバーベルにはどんな違いがあるのでしょうか。今回は、ダンベルとバーベルの特徴や、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。
「ダンベル」と「バーベル」それぞれの特徴
まずは、ダンベルとバーベルのそれぞれの特徴を説明します。
ダンベルの特徴は動きの自由度が高いこと
ダンベルの特徴は片手で持てる分、自由に動かせる範囲が広いことにあります。そのため、動きのバリエーションも多く、さまざまなトレーニングに活用できます。
ダンベル1つあれば、ほとんど全身の筋トレが可能と言っても過言ではありません。
バーベルの特徴は高重量を扱えること
ダンベルのように片手で軽々と持ち上げることは難しいですが、バーベルは高負荷のトレーニングには向いています。バーだけで10kgから20kgの重さがあり、そこにウエイトを追加してさらに重くしていきます。
また、バーベルのバーにはバリエーションがあり、ストレートバー以外にも、波打った形状が特徴的なEZバーなど種類があるため、トレーニングの内容によって使い分けることでトレーニングの効果を高められます。
代表的なバー | 見た目 | 特徴 | おすすめ筋トレ種目 |
ストレートバー | 真っ直ぐのバー | 汎用的なバーとして多くのトレーニングに使用される。太さや重さも多種多様。 |
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EZバー | 波打つ形状のバー | W字状に波打っていることで、手首を自然に曲げることができ、無理な負担がかからないようになっている。 |
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ダンベルトレーニングの4つのメリット
ここからはダンベルとバーベルそれぞれのメリットとデメリットを紹介していきますが、まずはダンベルトレーニングのメリットから見ていきましょう。
- 筋肉をピンポイントに鍛えられる
- 筋肉の可動域が広い
- 安全性が高い
- 左右の筋力バランスを整えられる
ダンベルトレーニングのメリット1.筋肉をピンポイントに鍛えられる
ダンベルは比較的軽く小さく扱いやすいウエイトのため、狙った筋肉へピンポイントで効かせやすくなっています。バーベルは高重量のため、どうしても全身で支える必要がありますが、ダンベルではその必要がないため鍛えたい部分ごとにトレーニングができます。
そのため、特に鍛えたい部位を追い込むためにトレーニングの仕上げとしてダンベルトレーニングを行うという方法もあります。
ダンベルトレーニングのメリット2.筋肉の可動域が広い
ダンベルはバーベルとは違い、左右それぞれの手で自由に動かせることから、筋肉の可動域が広いという特徴があります。筋肉の可動域が広いということは、それだけ広い範囲の筋肉を使うことができます。
また、動かす方向の微調整がきくため関節に無理な負担や動きを強いることなくトレーニングすることができます。
ダンベルトレーニングのメリット3.安全性が高い
ダンベルは前述したように可動域が広く、手首の角度や腕の角度を自由に変えることができます。そのため関節にとって無理な動きになりにくいため、肩や腰など痛めやすい部分へのダメージを抑えることができます。
加えて、扱う重量もそれほど重くないためそもそも体へ負担がかかりにくい、左右の手にそれぞれ持つためバランスを崩しにくいという点も挙げられます。
ダンベルトレーニングのメリット4.左右の筋肉バランスを整えられる
筋肉はどうしても利き手、利き足側が発達しやすい傾向にあります。これは筋肉の使用頻度や使いやすさなどからも仕方がないことなのですが、見た目にはアンバランスになって美しくありません。
そこで左右の不均衡を整えるのに効果的なのがダンベルトレーニングです。バーベルやマシンでは左右同時に鍛えられる場合がほとんどですが、ダンベルなら鍛えたい方だけを集中的に鍛えることができるため、バランスを整えるのに最適です。
ダンベルトレーニングの2つのデメリット
ダンベルトレーニングにはメリットだけでなくデメリットもあります。デメリットも把握しておきましょう。
- 高重量を扱えない
- 疲労や不注意で落とす危険性
ダンベルトレーニングのデメリット1.高重量を扱えない
ダンベルはほとんどの場合片手で扱うため、どうしても高重量には向きません。両手で持つバーベルの方が高重量を扱えるのは必然的なことです。
ダンベルトレーニングの場合は重量にある程度限界があるため、重量ではなく回数やセット数を増やしていくことになります。
単純に高重量=高負荷というわけでもありませんが、扱える重量の重さを目標とする場合、これはデメリットと言えるでしょう。
ダンベルトレーニングのデメリット2.疲労や不注意で落とす危険性
これは何もダンベルに限ったことではありませんが、頭上や顔の上で持ち上げたダンベルを落とす事故のリスクはどうしてもあります。特にトレーニング終盤で疲労が蓄積された状態では、汗で手が滑ることは十分ありえます。
バーベルトレーニングは落下防止の装置を使うのが基本です。ダンベルの場合もこれと同様に、滑り止めのグローブをはめるなど落下防止対策を施しましょう。
バーベルトレーニングの2つのメリット
ここからはバーベルトレーニングのメリット・デメリットを見ていきます。まずはバーベルトレーニングのメリットからです。
- 高重量を扱える
- 複数の筋肉を同時にトレーニングできる
バーベルトレーニングのメリット1.高重量を扱える
バーベルは両手で持つため高重量でも扱えるという点が大きなメリットです。高重量を扱えればそれだけ高い負荷をかけやすくなります。
特に大胸筋など高重量を扱える力強い筋肉を鍛えるにはバーベルがもってこいと言えるでしょう。
また、高重量を上げられるようになることで、モチベーションが高まるという心理的な効果も期待できます。
バーベルトレーニングのメリット2.複数の筋肉を同時にトレーニングできる
バーベルは高重量であるため、種目によっては両腕だけではなく全身の筋肉を使う必要があります。例えばバーベルを担いで行うバーベルスクワットや、バーベルを頭上に持ち上げるデッドリフトなどが挙げられます。
これらは全身の多くの筋肉を動員したトレーニングのため、複数の筋肉を同時に鍛えることができます。
バーベルトレーニングの3つのデメリット
それでは続いてバーベルトレーニングのデメリットを見ていきましょう。
- ケガのリスクが大きい
- 両手で持つため可動域が狭い
- 自宅で気軽に行うのは難しい
バーベルトレーニングのデメリット1.ケガのリスクが大きい
バーベルを使うと重量が上がるため、どうしても落下事故の危険性が高まります。これはパワーラックやスミスマシンといった落下防止機能がある設備を使用すれば防げます。
しかし、高重量であるためどうしても腰やヒザなどの関節に負担がかかりやすくなっています。そのため無理のない範囲で重量設定を行うことが重要です。バランスを崩さないためにも適切な重量設定は大切なことです。
筋肉量によって適切な重量は異なりますが、10回上げるのが限界の重量を目安にしましょう。初心者の場合はフォームを整えやすくするために軽めがおすすめです。
その他にも、種目によっては手首に無理な動きを行うこともあり、手首に負荷がかかりやすくなります。手首に負担がかかる場合はシャフトをEZバーに変更するなどで対応しましょう。
バーベルトレーニングでケガのリスクを下げるための対策法
- パワーラックやスミスマシンを利用する
- 重量設定は無理のない範囲で行う
- 手首に負担がかかりやすい場合はEZバーを使用する
バーベルトレーニングのデメリット2.両手で持つため可動域が狭い
バーベルは長いシャフトの両端にウエイトがあり、両手で持つという特性上どうしても動きが制限されてしまいます。そのため筋肉の可動域が狭くなるのがデメリットです。
ダンベルのように自由に動かすことができないため、細かな微調整ができません。ある程度軌道が限定された動きになります。
バーベルトレーニングのデメリット3.自宅で気軽に行うのは難しい
直接トレーニングに影響を及ぼす面ではありませんが、自宅で行いづらいというデメリットもあります。
バーベルはその大きさからスペースを必要とします。バーベルだけではなく、バーベルを設置するラックやトレーニングによってはベンチも必要となってきます。
また、高重量を扱うため万が一のことを考えると自宅よりも、他の人が大勢いるジムでトレーニングした方が安全であると言えます。
ダンベルとバーベルどちらがおすすめ?
ダンベルとバーベルの優劣を決めることは難しく、まずはそれぞれのメリット・デメリットを理解することが重要です。
一般的には、スクワットやベンチプレスなどの高重量を扱う種目ではバーベルを用います。ダンベルは、細かい筋肉を鍛える際に用いることが多いです。
ダンベル、バーベル、それぞれの特徴を理解して、より的確なトレーニングを実践しましょう。
まとめ
フリーウエイトトレーニングの代表格である「ダンベル」と「バーベル」を比較しました。
ウエイトの種類 | メリット | デメリット |
ダンベル |
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バーベル |
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「ダンベル」と「バーベル」それぞれのメリット・デメリットを紹介してきましたが、どちらも一長一短があるため、どちらか一方が優れているというわけでもありません。
鍛えたい部位や、トレーニング目標によって向き不向きがあります。ダンベルとバーベルの「どちらを選ぶべきか?」というよりは「どちらがより適しているか?」という視点で使い分けると良いでしょう。
TOREMOでは動画や画像付きでさまざまなトレーニングについてもを紹介しています。理想の体に近づくためのトレーニングを見つけることができるので、ぜひ参考にしてみてください。
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