ヒップアダクションは足を体の内側に向かって閉じる動作を行うトレーニングで、内ももの筋肉を鍛えるのに効果的です。
内ももの筋肉というと、あまりなじみがないように思われる方も多いかもしれません。しかし、内ももの筋肉は、鍛えることで「太ももの間にスキマを作る」「O脚を改善する」「内股を直す」などの効果が期待できる、美脚を目指すなら必ず鍛えておきたい筋肉の1つです。
そこで今回はヒップアダクションのやり方とトレーニングのポイントを紹介します。
「ヒップアダクション」と「ヒップアブダクション」の違い
「ヒップアダクション」と「ヒップアブダクション」。名称が似ていることから混同されがちですが、両者には明確な違いがあります。
トレーニング名 | メインターゲット | トレーニングの動作 |
ヒップアダクション | 内転筋 | 足を体の内側に向かって閉じる |
ヒップアブダクション | 中殿筋・小殿筋 | 足を体の外側に向かって開く |
ここで紹介するのは内転筋を鍛えるトレーニング「ヒップアダクション」を紹介していきます。
ヒップアダクションで鍛えられる筋肉と効果
ヒップアダクションで鍛えられる筋肉は「内転筋」と呼ばれる太ももの内側にある筋肉です。内転筋は「恥骨筋」「短内転筋」「長内転筋」「大内転筋」「薄筋」という5つの筋肉により構成されています。
内転筋は主に「太ももを内側に閉じる」動きで使われる筋肉です。ヒップアダクションでも「太ももを内側に閉じる」動作の時に内転筋に負荷がかかっているかどうかをしっかりと意識しましょう。
では、ヒップアダクションに取り組み、内転筋を鍛えればどんな効果を得られるのでしょうか。
まず挙げられるのは「両太ももの間にスキマができやすくなる」という効果です。内転筋を鍛えれば、内ももが引き締まり、太もも全体が引き締まって見えることでしょう。
また、内転筋を鍛えることは、「歩く時につま先が内側を向いてしまう内股」や「両足を揃えて立った時に両ヒザの間に隙間ができてしまうO脚」の改善にも効果的です。
【自重編】ヒップアダクションの種類とやり方
ここからはヒップアダクションのやり方を「自重編」と「器具編」に分けて紹介しますが、まずは「自重編」から見ていきましょう。
トレーニング名 | 効く部位 |
ライイング・ヒップアダクション | 内転筋 |
なお、トレーニング難易度を☆の数で5段階評価しています。☆の数が多いほどトレーニングの難易度が高くなります。
ライイング・ヒップアダクション(☆)
ライイング・ヒップアダクションは、寝そべった状態で足を上げ下げする動作のトレーニング方法です。
ライイング・ヒップアダクションのポイントは2つあります。
1つ目は「動作をゆっくりと行う」ことです。これは今回紹介するヒップアダクション全てに共通するポイントになります。反動をつけて勢いよく足を上下に動かすと、内転筋以外の筋肉の関与が強くなってしまいがちです。内転筋以外の筋肉の働きはなるべく抑制し、内転筋をしっかりと使いましょう。
2つ目は「太ももの内側に意識を向ける」ことです。「内転筋を使う感覚」に慣れている方は少ないはず。内ももに意識を集中させ、内転筋に効いているかどうかを常に確認しながらトレーニングを行ってください。
特に内転筋の関与が最も強くなる「足を上げる(太ももを閉じる)」動作の時はなおさら意識しましょう。
- 床に横向きに寝そべり、ヒジで上半身を支えます。
- 上側の足はヒザを立てて下側の足の前に出します。
- 下側の足はヒザを伸ばした状態でゆっくりと上に持ち上げます。
- 上げた足をゆっくり下げ、元の状態に戻します。
- 片側が終わったら、反対の足でも同様の動作をします。
◆回数の目安:10回×3セット
【器具編】ヒップアダクションの種類とやり方(マシンの使い方)
次は器具を使うヒップアダクションです。チューブやケーブルマシン、さらには「アダクションマシン」という専用のトレーニング器具を使ったトレーニングのやり方やマシンの使い方を紹介します。
トレーニング名 | 効く部位 |
チューブ・ヒップアダクション | 内転筋 |
ケーブル・ヒップアダクション | |
マシン・ヒップアダクション |
チューブ・ヒップアダクション(☆☆)
まずはチューブ・ヒップアダクションはチューブの張力を負荷にしてトレーニングを行います。
チューブ・ヒップアダクションのポイントは2つあります。
1つ目は「上半身を動かさない」ことです。動画では動作が大きく行われていますが、よく見ると上半身は常にまっすぐ保たれていることが分かります。腰を反らせたり、逆に前のめりになったり、左右に振れたりすると、内もも以外の筋肉が使われやすいため、上半身はまっすぐキープすることを意識してください。
2つ目は「動作をゆっくりと行う」ことです。自重のヒップアダクションでも述べた通り、内転筋の力を最大限に引き出し、かつそれ以外の筋肉の関与はなるべく抑えるために、動作はゆっくりと行いましょう。
- 柱(などチューブを固定できるもの)にチューブを巻きつけ、横に立ちます。柱と隣り合う方の足首にチューブを巻きつけます。これがスタートポジションです。
- チューブを巻きつけた方の足を体の内側に向かって振ります。
- しっかりと振り切ったら、スタートポジションに戻ります。この動作を繰り返します。
◆回数の目安:10回×3セット
ケーブル・ヒップアダクション(☆☆☆)
ヒップアダクションはケーブルマシンを使って行うことも可能です。
ケーブル・ヒップアダクションのポイントは2つあります。
1つ目は「上半身を動かさない」ことです。上半身が左右に揺れたり、前後に倒れたりしてしまうと、反動が働きやすくなってしまいます。内転筋以外の筋肉の関与を抑えるためにも、上半身は動かさないようにしましょう。
また、「バランスを保てずに体勢が不安定になってしまう」という方はケーブルマシンの柱や壁にそっと手を添えると体勢が安定します。ただし、柱にぎゅっとつかまってしまうと余計な力が働いてしまうため、あくまでも「そっと」つかまるようにしてください。
2つ目は「動作をゆっくりと行う」ことです。繰り返しになりますが、反動で動作を行うのではなく、内転筋にしっかりと効かせながらゆっくりと動かしましょう。
- マシンに対して横向きに立ち、ケーブルのアタッチメントをマシン側の足につけます。
- マシンの柱に触れ、バランスをとります。
- ケーブルをつけた足をゆっくり反対側へ振ります。
- ある程度振ったら、元の位置まで足を戻します。
- 反対側の足も同様の動作をします。
◆回数の目安:10回×3セット
マシン・ヒップアダクション(☆☆☆)
最後に紹介するのはアダクションマシンを使ったトレーニング方法です。
※動画の初めから1:16頃までは別種目「ヒップアブダクション」のトレーニング方法が紹介されています。ヒップアダクションは1:17秒頃から始まります。
マシン・ヒップアダクションのポイントは「動作をゆっくりと行う」ことです。マシンを使うことで、反動がつきにくく、フォームも維持しやすくなりますが、「内転筋に負荷がかかっていることを意識しながらゆっくりと動作を行う」ということは常に心がけましょう。
- マシンに座ります。
- 両太ももの内側でパッドを挟みます。
- 太ももをパッドに触れさせたまま、足を開いて下さい。これがスタートポジションです。
- ゆっくりと足を閉じます。
- ゆっくりとスタートポジジョンへ戻ります。この動作を繰り返しましょう。
◆回数の目安:10回×3セット
まとめ
今回は「ヒップアダクション」を紹介しました。
ここだけは押さえておきたい!ヒップアダクションのポイント
- メインのターゲットは「内転筋」
- 反動を使わずに、動作をゆっくりと行うこと
- アダクションマシンは初心者にこそおすすめ
冒頭でも触れたように、この記事を読んでいる方の中には「太ももの間にスキマを作りたい」「O脚を改善したい」「内股を直したい」など、足に関する悩みを抱えている方が多いのではないでしょうか。
実際のところ、足に関する何らかのトラブルは歩き方であったり、デスクワークの時の姿勢であったり、普段の何げない生活習慣に原因があることがほとんどです。それらの根本的な原因が解決されない限り、どんなに筋トレを頑張ったところで目立った効果は得られにくいでしょう。
まずは普段の生活の中で改善すべき点はないか洗いだし、直していくとともにトレーニングも併せて取り入れていきましょう。
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