プレスダウンは二の腕を鍛える筋トレ種目です。「腕を太くしたい」という男性や「腕を引き締めたい」という女性におすすめのトレーニングになります。
ジムに置いてあるマシンを使って行うのが一般的ですが、動作自体は単純であるため、筋トレ初心者や女性にも人気の種目の1つです。
しかしながら、ポイントを押さえていないと、フォームが崩れやすいというところが難点とも言えるでしょう。そこで今回はプレスダウンのトレーニング方法とポイントを解説します。
プレスダウンで鍛えられる筋肉と効果
プレスダウンで鍛えられる筋肉は「上腕三頭筋」です。
上腕三頭筋は手のひらを上に向けた時に二の腕の下側に付いている筋肉です。とても体積が大きく、二の腕の3分の2は上腕三頭筋が占めています。
上腕三頭筋が使われるのは主に「ヒジを伸ばす」時です。そのため、ヒジを伸ばす動作を行うプレスダウンは上腕三頭筋のトレーニングにぴったりです。
また、上腕三頭筋は「三頭筋」という名前の通り、「長頭」「内側頭」「外側頭」という3つの筋肉により構成されています。
図を見ると分かるように、3つの筋肉は関与している関節が異なるため、働く動作にも違いがあります。
上腕三頭筋を構成する3つの筋肉の動きの違い
- 長頭:ヒジ関節と肩関節の動きに関わる
- 内側頭:ヒジ関節の動きに関わる
- 外側頭:ヒジ関節の動きに関わる
プレスダウンで上腕三頭筋の「長頭」「内側頭」「外側頭」を鍛え分ける方法
プレスダウンはヒジの向きによって、上腕三頭筋の「長頭」「内側頭」「外側頭」を鍛え分けることが可能です。これについてはトレーナーの加藤昌平氏が以下の動画で解説しています。確認してみましょう。
※「内側頭」と「外側頭」の鍛え分けについて説明されているのは2:23〜です。
※「長頭」を鍛えるポイントについて解説されているのは5:07〜です。
プレスダウンで上腕三頭筋の「長頭」「内側頭」「外側頭」を鍛え分けるコツ
- 長頭:ヒジを外側に向かって絞り込む(手首をひねりこむ)
- 内側頭:ヒジを閉じる
- 外側頭:ヒジを開く
では、ここで説明したポイントを踏まえてプレスダウンの実践方法に移りましょう。
【自宅編】プレスダウンの種類
ここからはプレスダウンのトレーニング方法を「自宅編」と「ジム編」に分けて紹介します。
まずは「自宅編」から。
プレスダウンの種類 | 効果のある筋肉 |
チューブ・プレスダウン(☆☆) | 上腕三頭筋 |
なお、トレーニング名の横に記載してある☆はトレーニングの難易度を示します。5段階評価で、☆の数が多いほど難易度が高くなります。
チューブ・プレスダウン(☆☆)
一般的にプレスダウンはジムにあるケーブルマシンを使って行いますが、ケーブルマシンの代わりにチューブを使って行う方法もあります。
※動画ではスミスマシンが使われていますが、柱など、自宅にチューブを固定する場所があれば自宅でもトレーニングできます。
チューブ・プレスダウンのポイントは「ヒジの位置を固定する」こと。ヒジの位置が変わってしまうと、他の筋肉へ負荷が分散されてしまい効果が小さくなります。ヒジを固定して動かさないように意識しましょう。これは以下で紹介するプレスダウン全てに共通して言えるポイントのため、覚えておきましょう。
- チューブを柱やドアなど高いところに固定させます。
- ヒジを曲げた状態でチューブを握ります。
- ヒジの位置を固定したまま、チューブを引き下げます。
- チューブの上げ下げを繰り返しましょう。
◆回数の目安:10回×3セット
【ジム編】プレスダウンの種類
次は「ジム編」です。上でも触れたように、ジムではケーブルマシンを使ってプレスダウンを行います。ケーブルマシンを使うメリットは「大きな負荷をかけられる」ということにあります。
ウエイトの重量の目安は「10回×3セット」を何とかこなせる程度の重さがちょうどよいでしょう。重量の調節と言うと、「重さ」を基準に考えてしまいますが、「適切な重さ」には個人差があるため、「回数」から逆算して考えるのがおすすめです。
プレスダウンの種類 | 効果のある筋肉 |
ケーブルマシン・プレスダウン(☆☆☆) | 上腕三頭筋 |
ケーブルマシン・リバース・プレスダウン(☆☆☆) |
ケーブルマシン・プレスダウン(☆☆☆)
ケーブルマシン・プレスダウンはアタッチメント(ケーブルマシンに付いている取っ手)を順手で握って行うトレーニングです。
ケーブルマシン・プレスダウンにはポイントが3つあります。
1つ目のポイントは「ヒジの位置を固定する」こと。上でも紹介しましたが、ヒジが動いてしまうと肩や背中の筋肉が使われ、上腕三頭筋にかかる負荷が小さくなってしまうためご注意ください。
2つ目のポイントは「上半身を動かさない」こと。体が前後に揺れてしまうと、反動の力や意図せぬ筋肉の力が働いてしまいがちです。ヒジから手首のみを動かす意識でトレーニングを行なってください。
3つ目のポイントは「腕を上げる時にウエイトを下げきらない」こと。ウエイトを下げ切った瞬間はウエイトによる負荷がほぼゼロになってしまいます。ウエイトは下に付いてしまうギリギリのところでストップさせましょう。
- 肩幅、もしくは肩幅よりやや広めにアタッチメントを握ります。
- 二の腕とヒジの角度が90度になるところで止めます。
- ヒジの位置を固定したまま、ヒジが伸び切るところまでアタッチメントを下に押します。
- アタッチメントをゆっくりと戻していきます。
◆回数の目安:10回×3セット
ケーブルマシン・リバース・プレスダウン(☆☆☆)
ケーブルマシン・リバース・プレスダウンはアタッチメントを逆手で握って行うプレスダウンです。逆手に持つことでヒジが自然と閉じるため、上腕三頭筋の内側頭に効かせることができます。
ケーブルマシン・リバース・プレスダウンのポイントは基本的にはケーブルマシン・プレスダウンと同じですが、ケーブルマシン・リバース・プレスダウンならではのポイントを挙げるならば「ヒジをしっかりと閉じる」ことでしょう。上腕三頭筋の内側頭にしっかりと効かせられるように、ヒジをしっかりと閉じましょう。
- 逆手で肩幅程の広さでアタッチメントを握ります。
- 気持ち上半身を前に倒し、ヒジを90°にして構えます。
- そのままヒジの位置は固定したままアタッチメントを下に引いていきます。
- ヒジを伸ばし切ったらゆっくりとアタッチメントを戻しましょう。
◆回数の目安:10回×3セット
ケーブルマシンのアタッチメントの選び方
ケーブルマシンのアタッチメントにはいくつか種類がありますが、主要なものとしては「ロープ」「V字バー」「ストレートバー」の3つが挙げられます。
どの種類のアタッチメントを使うかは、上腕三頭筋のどの部位を鍛えるか次第です。ここでは、どのアタッチメントがどの部位に効くのかを紹介します。
【上腕三頭筋の長頭狙い】ロープ
上腕三頭筋の長頭を鍛えるならヒジを外側に向かって絞り込みやすい「ロープ」が適しています。
【上腕三頭筋の外側頭狙い】V字バー
上腕三頭筋の外側頭を鍛えるなら、ヒジを開く姿勢を維持できる「V字バー」がおすすめです。
【上腕三頭筋の内側頭狙い】ストレートバー
上腕三頭筋の内側頭を鍛えたい場合は、しっかりとヒジを閉じることのできる「ストレートバー」を選ぶと良いでしょう。
部位 | 働き | プレスダウンで効かせるコツ | おすすめのアタッチメント |
長頭 | ヒジ関節と肩関節の動きに関わる | ヒジを外側に向かって絞り込む | ロープ |
外側頭 | ヒジ関節の動きに関わる | ヒジを閉じる | V字バー |
内側頭 | ヒジ関節の動きに関わる | ヒジを開く | ストレートバー |
「プレスダウン」と「ラットプルダウン」の違い
プレスダウンと同様にケーブルマシンを用いる筋トレ種目に「ラットプルダウン」というものがあります。動作も似ているため、間違えやすいのですが、鍛える部位が全く違うため混同しないようにしましょう。
種目名 | 動作 | 効く部位 |
プレスダウン | 胸のあたりから太もものあたりまでアタッチメントを押し下げる | 上腕三頭筋 |
ラットプルダウン | 頭の上から胸あたりまでアタッチメントを引く | 広背筋 |
ラットプルダウンのトレーニング方法は以下の記事をご確認ください。
まとめ
今回は「プレスダウン」を紹介しました。
ここだけは押さえておきたい!プレスダウンのポイント
- ヒジの位置を固定すること
- 上半身をうごかさないこと
プレスダウンの動作自体は単純ですが、フォームが崩れてしまうと、上腕三頭筋が上手く刺激されないため、トレーニングの効果が得られない可能性があります。
一からフォームを習得するのも難しいですが、一度身についた癖を正しいフォームに矯正するのもかなりの苦労を要します。だからこそ、最初に身につけるフォームはとても重要です。
最初のうちはこまめにフォームのチェックをして、効果の出るトレーニング方法を身に付けるようにしましょう。
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