プッシュアップは一般的に「腕立て伏せ」として知られているトレーニングです。しばしば「腕の筋トレ種目」と誤解されやすいですが、実はメインのターゲットは腕よりも胸の筋肉になります。
また、「床につく手の幅」や「手をつく高さ」が変わるごとに鍛えられる筋肉も異なるため、どんな手の幅の時はどの筋肉に効き、どこの位置に手を置いたらどの筋肉に効くのかを、しっかりと理解しておく必要があります。
そこで今回はプッシュアップで鍛えられる筋肉と狙った筋肉をしっかりと鍛えていくためのポイントを解説します。
プッシュアップで鍛えられる筋肉
プッシュアップで主に鍛えられるのは「大胸筋」と「上腕三頭筋」です。
大胸筋
大胸筋はその名の通り、胸にある体積の大きな筋肉で、鍛えれば「胸板を厚くする」「バストの位置が高く保たれやすい」などの効果が期待できます。主に「手を前に押し出す」時に強く働くため、まさにプッシュアップは大胸筋を鍛えるのにぴったりなトレーニングだと言えるでしょう。
また、大胸筋はとても大きいため、「上部」「中部」「下部」の3つに分けて鍛えていく必要があります。
部位 | ついている位置 | 働き |
大胸筋の上部 | 鎖骨付近 | 顔の前で腕を押し出す |
大胸筋の中部 | 胸骨付近 | 胸の前で腕を押し出す |
大胸筋の下部 | 腹直筋上部付近 | お腹の前で腕を押し出す |
プッシュアップで大胸筋を鍛えたい場合は、手の幅を広くすることがポイントです。
上腕三頭筋
上腕三頭筋は「力こぶ」を作った時に二の腕の下側についている筋肉で、肩甲骨・上腕の骨・ヒジから手首に繋がる骨にそれぞれついています。主に「ヒジを伸ばす」時に働き、反対側にある「力こぶ」と呼ばれる上腕二頭筋と正反対の動きをする筋肉となっています。
プッシュアップで上腕三頭筋を鍛えたい場合は、手の幅を狭くすることがポイントです。
プッシュアップの種類とやり方
ここからは、プッシュアップのトレーニング方法を紹介します。
種類 | 効く部位 |
ノーマル・プッシュアップ(☆☆) | 大胸筋の中部・上腕三頭筋 |
ワイドグリップ・プッシュアップ(☆☆) | 大胸筋の中部 |
ナローグリップ・プッシュアップ(☆☆) | 上腕三頭筋 |
インクライン・プッシュアップ(☆) | 大胸筋の下部 |
デクライン・プッシュアップ(☆☆☆) | 大胸筋の下部 |
リバース・プッシュアップ(☆☆☆☆) | 上腕三頭筋 |
ライオン・プッシュアップ(☆☆☆☆☆) | 大胸筋(全体) |
ダイヤモンド・プッシュアップ(☆☆☆☆) | 上腕三頭筋 |
クラッピング・プッシュアップ(☆☆☆☆☆) | 大胸筋の中部 |
プッシュアップはバリーションが非常に豊かで、「鍛えられる筋肉」や「トレーニングの難易度」はそれぞれ異なります。自分の目的やレベルに合ったトレーニング方法を選ぶようにしましょう。
なお、トレーニングの難易度は☆の数で5段階評価しています。☆の数が多いほど難易度が高くなる設定です。
ノーマルプッシュアップ(☆☆)|大胸筋の中部・上腕三頭筋
ノーマルプッシュアップはプッシュアップの基本形です。メインのターゲットとなるのは「大胸筋の中部」「上腕三頭筋」です。
ノーマルプッシュアップのポイントは3つあります。
1つ目は「体のラインをまっすぐにキープする」ことです。「お尻の位置が下がる」というのはプッシュアップによくある間違いの1つです。頭からかかとまでが一直線上で結ばれるように、体のラインをまっすぐにキープすることで、腰に過剰な負担がかかることを防ぎ、かつ大胸筋や上腕三頭筋にピンポイントで刺激を与えられます。
2つ目は「体をゆっくりと深く落とす」ことです。体を落とす時は「ゆっくりと深く」を意識してください。動作のペースが早く、体が十分に落としきれていない浅いプッシュアップになってしまうと、大胸筋への負荷が軽くなってしまいます。
また、床に近いところまで体を落とすほど、負荷が大きくなります。体のラインをまっすぐにキープしながらもできるだけ深いところまで体を落としてみましょう。
3つ目は「呼吸を止めない」ことです。大胸筋は呼吸機能にも関与していることから、プッシュアップをする時に呼吸をしっかりと行うことで大胸筋を効果的に鍛えられます。
ヒジを曲げて体を下ろしていく時に息を吸い、ヒジを伸ばして体を上げて行く時に吐きましょう。
- 肩幅より少し広めに両手をつきます。
- 足をしっかりと伸ばし、腕とつま先で体を支えます。
- ゆっくりとヒジを曲げて体を下ろしましょう。
- 胸に力を入れ、体を持ち上げます。
◆回数の目安:10回×3セット
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