上腕三頭筋は二の腕を構成する筋肉の1つです。二の腕を構成する最大の筋肉で、ここを鍛えることで腕に厚みが生まれます。
二の腕の筋肉というと、力こぶを形成する上腕二頭筋のほうが目立ちやすく、どうしても上腕二頭筋ばかりを鍛えてしまいがちですが、上腕三頭筋も、腕を太くするためには欠かせない筋肉です。
そこで今回は上腕三頭筋を効果的に鍛える筋トレを紹介します。
上腕三頭筋の位置と働き
筋トレをする前に、まずは上腕三頭筋の位置と働きを確認しておきましょう。
上腕三頭筋は、手のひらを天井に向けた時に二の腕の下側についている筋肉で、その体積はとても大きく、二の腕の3分の2は上腕三頭筋によって占められています。
上腕三頭筋は主に「ヒジを伸ばす」動作に使われる筋肉で、日常生活においては「ドアを前に押す」「ヒジ掛けに手を置いて椅子から立ち上がる」場面で働きます。
また、上腕三頭筋は、その名の通り「長頭」「内側頭」「外側頭」の3つの筋肉により構成されている複合筋です。
上腕三頭筋を構成する3つの筋肉
3つの筋肉はまたぐ関節の数に違いがあります。
- 長頭:ヒジ関節と肩関節の2つの関節をまたぐ
- 内側頭:ヒジ関節のみをまたぐ
- 外側頭:ヒジ関節のみをまたぐ
【自宅編】上腕三頭筋に効くおすすめの筋トレ種目
ここからは上腕三頭筋を効果的に鍛える筋トレ種目を「自重編」と「器具編」に分けて紹介いたします。
また、以下ではトレーニングの難易度を☆の数で5段階評価しており、☆の数が多いほどトレーニングの難易度は上がります。
では、まずは「自重編」からみていきましょう。
ダイヤモンドプッシュアップ(☆☆☆)
ダイヤモンドプッシュアップは、両手の親指、人差し指で「ダイヤ」を作ってプッシュアップ(腕立て伏せ)を行う筋トレ種目です。
- 両手の親指、人差し指で「ダイヤ」を作り、顎の下辺りにくるように構えます。
- 通常の腕立て伏せと同じように足を伸ばしたところがスタートポジションです。
- 息を吸いながら、ゆっくりと腕を曲げます。
- 息を吐きながら、腕を伸ばします。
◆目標の回数:10回を3セット
「ダイヤ」を作ることで、バランスを取るのが難しくなります。フォームが乱れやすいため、手の形や位置をしっかりとセットしてから始めましょう。
リバースプッシュアップ(☆☆)
リバースプッシュアップはベンチに後ろ向きで手を置いて腕の力でカラダを上下させる筋トレ種目です。
- フラットベンチや椅子に座り、太ももの横に手をつきます。
- そのままお尻だけを前にずらしましょう。
- ゆっくりとヒジを曲げて、まっすぐお尻を下ろします。
- ゆっくりとヒジを伸ばして、お尻を持ち上げます。
- 慣れてきたら、足を伸ばして同様に行なうことで、さらに負荷をかけることができます。
◆目標の回数:10回を3セット
先に紹介したダイヤモンドプッシュアップのように、床に手をついて行うプッシュアップでは腕だけではなく胸の筋肉も刺激されます。一方でリバースプッシュアップはベンチに手をついた状態でトレーニングを行うため、上腕三頭筋により集中して鍛えることができる種目になります。
トレーニングのポイントはヒジをしっかりと曲げ伸ばしすること。そのためには、上体を上げ下げする時に縦方向にまっすぐと移動することが重要です。
また、ベンチや椅子が動くようだと、体勢が崩れ、怪我の危険性があります。今回紹介した動画のようにジムに置いてあるフラットベンチを利用するか、自宅にある椅子や台を使う場合は足がしっかりと固定されたものを使うようにしてください。
【器具編】上腕三頭筋に効くおすすめの筋トレ種目
次は「器具編」に移ります。
ダンベルやケーブルマシン、バーベルを使う筋トレ種目を紹介していきます。
ワンアーム・ダンベルフレンチプレス(☆☆)
ワンアーム・ダンベルフレンチプレスは腕を上に伸ばし、背中側でダンベルを上げ下げする筋トレ種目です。
- 鍛える方の腕にダンベルを持ち、シートに腰かけます。
- ヒジをまっすぐに伸ばし、反対の手で肘を固定します。
- ヒジを固定したまま、ダンベルをできるかぎり下ろします。
- ゆっくりと時間をかけて元の位置に戻しましょう。
◆目標の回数:5~10kgのダンベルを使用して10回を3セット
ポイントは腹筋にしっかりと力を入れること。体勢が安定しないと、腕が左右にブレてしまい、上腕三頭筋を効果的に鍛えることができません。
また、上で説明したように上腕三頭筋は主に「ヒジを伸ばす」時に使われる筋肉のため、特にヒジを伸ばす動作をゆっくりと丁寧に行うようにしましょう。
ケーブルフレンチプレス(☆☆☆☆)
ケーブルフレンチプレスはケーブルマシンを使う筋トレ種目です。
- 腰の高さより少し低い位置にロープをセッティングします。
- ロープを両手で握り、少し余裕を持って引っ張った状態から始めます。
- ヒジは耳の横に固定しましょう。
- ヒジより下だけを動かして、ロープをまっすぐ真上に引っ張ります。
- 勢いに任せず、ゆっくりとロープを下ろしましょう。
◆目標の回数:15~20kgの重りを使用して10回を3セット
ケーブルフレンチプレスを行う際、肩に力が入ってしまうと、上腕三頭筋への効果が半減してしまいます。肩の力を抜いて行うことを意識しましょう。また、ロープを下ろす際に上腕三頭筋が伸ばされていることを意識すると効果的です。
ナローベンチプレス(☆☆☆☆)
ナローベンチプレスはバーベルを握る手の幅を狭くしてバーベルを上げ下げするベンチプレスです。
- ベンチに仰向けになります。
- 肩幅より少し狭い幅でバーベルを握ります。
- 腕を伸ばして、肩の真上にバーベルを構えるところから始めます。
- 息を吸いながら、ゆっくりとバーベルを胸に引き寄せましょう。
- 息を吐きながら、下ろす時よりも早くバーベルを元の位置に戻します。
◆目標の回数:15~20kgのバーベルを使用して10回を3セット
ベンチプレスは「バーベルを持つ手の幅」と「重量」をどのように設定するかによって、トレーニングの効果が変わります。上腕三頭筋を鍛える場合の手の幅の目安は「肩幅より少し狭め」で、重量は「15〜20kg」ですが、あくまでも目安に過ぎません。
ジムのトレーナーやパーソナルトレーナーに相談の上、自分にとってちょうどよい手の幅や重量を探しましょう。
上腕三頭筋を鍛える筋トレの頻度
筋肥大させるためには筋肉を休ませることが重要です。したがって、上腕三頭筋の筋トレは毎日行うのではなく、2日に一回を目安に行うとよいでしょう。
筋肥大の仕組み
筋肉の成長には「損傷」と「再生」の2つの要素が欠かせません。
- 損傷:筋トレをすることで筋肉を構成する筋繊維に傷がつく。
- 再生:筋繊維が傷つけられると、損傷箇所が修復される。修復される際には、より筋繊維が太くなって再生される。
筋繊維の再生は筋肉が休んでいる時に行われるため、筋肉を大きくするには「休養」が必要なのです。
まとめ
今回は上腕三頭筋の位置や働き、そして上腕三頭筋を効果的に鍛える筋トレ種目を紹介しました。
腕を太くするのに必要な筋肉 | 効果的なトレーニング |
上腕三頭筋 |
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すでに説明した通り、上腕三頭筋は3つの筋肉から構成されている筋肉です。そのため、理想を言うならば、3つの筋肉それぞれを鍛え分けたいところです。
はじめのうちは動画を見たりトレーナーに聞くなどして、正しくそれぞれの筋肉を鍛えているトレーニングになっているかを、こまめにチェックすることを心掛けましょう。
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