男性が筋肉やたくましさをアピールする時に、最も分かりやすいのが「力こぶ」。
特に夏場は、半袖から伸びる隆々と盛り上がった力こぶが気になる女性も少なくありません。そんなかっこいい力こぶを作るには、どんな筋トレを行なえばいいのでしょうか。
今回は力こぶを作るための、効果的なトレーニング方法をまとめました。いくら行なってもなかなか効果が現れないというNGトレーニング法も合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
力こぶを作るために鍛えるべき筋肉
そもそも力こぶとは、どの筋肉のことを指すのでしょうか?筋トレを効果的に行うべく、まずは力こぶを形成する2つの筋肉を理解しましょう。
上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
力こぶを作る上で重要な筋肉の1つ目は「上腕二頭筋」です。
上腕二頭筋は上腕の内側にある大きな筋肉で、この上腕二頭筋が収縮した時に「力こぶ」ができます。
上腕二頭筋は主に「ヒジを曲げる」動作で使われますが、実は「二頭筋」とあるとおり、上腕二頭筋は「長頭」と「短頭」という2つの筋肉により構成されています。
「長頭」と「短頭」のうち、特に力こぶとして盛り上がって見えるのは「長頭」になります。
上腕筋
力こぶを作る上で重要な筋肉の2つ目は「上腕筋」です。
上腕筋は上腕二頭筋の奥に位置しているイメージで、上腕二頭筋と同様に「ヒジを曲げる」動作で使われます。
上腕二頭筋に比べて意識しにくい筋肉ですが、上腕筋を鍛え上げることで上腕に厚みが出て、力こぶが強調されます。
【自重編】力こぶを作るために効果的な筋トレ法
ここからは上腕二頭筋と上腕筋を鍛える筋トレを「自重編」と「器具編」に分けてご紹介しますが、まずは「自重編」からみていきましょう。
なお、トレーニングの難易度を☆で表記しています。5段階評価で、星の数が多いほど難易度は高くなります。
パームカール(☆☆)
- 鍛えたい方の腕のヒジを90度に曲げます。
- 反対側の手のひらを、鍛えたい腕の手首の下辺りに当てます。
- 手首に当てた手に力を入れ、それに抵抗するように鍛えたい方の腕を曲げていきます。
- 「4秒かけて曲げ1秒間ストップ、再度4秒かけて戻す」というリズムを1回としてカウントし、この動作を繰り返し行います。
- 必ずバランスよく、左右同じ回数を行ないましょう。
◆目標の回数と頻度:左右6回ずつを2セット
反対の手で腕を押さえる際には、鍛えたい方の腕にある程度の負荷をかけることが大切です。強すぎると腕が上がらず、弱すぎると筋肉に負荷がかからないため、力加減を調節しながら行ないましょう。
プッシュアップ(☆☆☆)
- ヒザをつき、腕立て伏せの姿勢をとります。
- 手は逆手にして肩幅に広げます。
- ヒジを約90度に曲げ、腕立て伏せを行ないます。
- 「プッシュアップ、休憩、再開」の動作を繰り返します。
- 慣れてきたら、ヒジを曲げた状態で1秒キープしましょう。
◆目標の回数と頻度:10回を3~5セット
慣れるまでは休憩中は腕を休めることが優先ですが、慣れてきたらパームカールと組み合わせるとより効果的です。トレーニング中は、特に上腕二頭筋を意識しながら行なうことで、効果を集中させることができます。
【器具編】力こぶを作る上で効果的な筋トレ法
次に器具を使ったトレーニング方法をご紹介していきます。
ワンハンドケーブルカール(☆☆☆)
- ケーブルマシンに背中を向けた状態で立ちます。
- 鍛えたい腕側の足を前方に出し、身体を後ろ斜めに傾けます。
- ケーブルを持ち上げるようにヒジを大きく曲げ伸ばしましょう。
- 手と足を入れ替えて左右、同じように行います。
◆目標の回数と頻度:10kgの重量で10回を3セット
身体を傾ける際には、できるだけ足を前方に出し十分に傾斜をつけることがポイント。できれば鏡を見てフォームを確認しながら行なうとよいでしょう。
バーベルカール(☆☆☆☆)
- 足を肩幅に開き、手のひらを前に向けて立ちます。
- 肩幅より少し広めにバーベルを持ちます。
- 手のひらを大きく広げ、しっかりとバーを握ります。
- ヒジを支点に、弧を描くようにゆっくりとバーベルを持ち上げましょう。
◆目標の回数と頻度:40kgのバーベルを使用し10回を3セット
バーベルを持ち上げる時は、身体が前かがみにならないようにしましょう。しっかりと脇を締め、肩が上がってしまわないように意識することが大切。バーベルを狭く握ると上腕二頭筋の外側、広く握ると内側に効きます。
また、手首で無理に上げようとすると、手首を痛めてしまうため注意しましょう。ストレートバーで手首に違和感を感じた場合は、持ちやすいEZバーでトライしてみてください。
上腕の筋トレでやってはいけない3つのNGポイント
ここまで力こぶを作るために効果的な筋トレ法をご紹介しましたが、最後に筋トレを行う上での「NGポイント」を3つ見ていきましょう。
トレーニング中にヒジの痛みを我慢してしまう
1つ目は、トレーニング中にヒジの痛みを我慢してしまうこと。
上腕二頭筋を含む腕のトレーニングを行なっていると、よくヒジの痛みを感じることがあります。「痛みが出るほど頑張っている」「痛みが出るのは効いている証拠」と思ってしまいがちですが、本来トレーニングでは鍛えているのは上腕二頭筋なので、ヒジに痛みが出ることはありません。
それでも痛むということは、間違ったフォームでトレーニングしていたり、ウエイトの重量が重すぎていたりすることが原因で過度にヒジに負荷がかかっている可能性があります。
ヒジに痛みが生じた場合は、フォームやウエイトの重量を見直すようにしてください。その際、「正しいフォーム」や「自分にとってちょうどよいウエイトの重量」が分からないという方はジムのトレーナーやパーソナルトレーナーに相談してみるとよいでしょう。
「チーティング」を取り入れること
2つめの注意ポイントは、「チーティング」を取り入れること。チーティングとは元々「cheat=ずるい、騙す」という意味で、筋トレでは「ターゲットとする以外の筋肉を使ったり、反動の力を利用したりすること」を指します。
- 例1)ダンベルカールをする時に、ダンベルを持ち上げる動作で背中の筋肉を使ってしまう
- 例2)バーベルカールで、腕の筋肉だけではなく、下半身や背中など全身の力を使って上げてしまう
どんなに頑張って筋トレを行なっても、ターゲットとする筋肉が使われていないと得られる効果は小さいでしょう。
筋トレをする時は、「自分が筋トレで鍛えたい筋肉」をしっかりと意識して、それ以外の筋肉をなるべく使わないようにするのがポイントです。
毎日筋トレを行なう
3つめのよくある間違いは、毎日筋トレを行なうこと。これは多くの人が勘違いしている点ですが、筋肉を効果的に発達させるためには、トレーニングを行なった後に筋肉をしっかりと休ませることが大切です。
筋肉は、負荷を与えるとその負荷に耐えられるように発達しながら、徐々に肥大していきます。このサイクルを効果的に繰り返していくためには、一旦、筋トレによって受けたダメージや疲労を回復させてから次のトレーニングを行う必要があるのです。
この一連の流れを「超回復」と呼び、超回復にかかる時間は筋肉ごとに異なります。力こぶとなる上腕二頭筋の回復時間は、約48時間。そのため力こぶを大きくするには、およそ2日に1回のペースで筋トレを行なうとよいでしょう。
「2日に1回しかトレーニングしないなんて、時間がもったいない!」と感じてしまう方は、部位ごとに日替わりでトレーニングメニューを組むのがおすすめです。
まとめ
今回は力こぶを作るために効果的な筋トレについてご紹介しました。
力こぶを鍛えるのに必要な筋肉 | 効果的なトレーニング |
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上腕二頭筋や上腕筋の筋トレをしていて「ヒジが痛くなる」という方は少なくありませんが、上でも説明した通り、上腕の筋トレをしていてヒジに痛みが出る場合はフォームや重量の見直しを行う必要があります。
トレーニングをした結果、より体の状態が悪くなったと行ったことにならないよう、こまめに正しいフォームでできているかチェックをするように心掛けましょう。
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