バタフライマシンは文字通り蝶(butterfly)が羽ばたくような動作を行うトレーニングマシンです。「マシンの座席に座り、左右にあるハンドルを握って胸の前で閉じて開く」という動作を見たことがある方は多いはずでしょう。
バタフライマシンで鍛えられるのは主に大胸筋です。
大胸筋を鍛えるトレーニングには「チェストプレス」や「ラットプルダウン」など様々な種類がありますが、それらを行う上でよくある悩みが「大胸筋を鍛えたいのに先に腕が疲れてしまう」ということ。
一方で、バタフライマシンは腕の筋肉を一切使わないため大胸筋にダイレクトに効かせることができ、大変効果的です。
今回は大胸筋のトレーニングには欠かせないバタフライマシンの正しい実践方法を紹介します。
バタフライマシンで鍛えられる筋肉と効果
バタフライマシンで鍛えられる筋肉は「大胸筋(だいきょうきん)」です。
大胸筋は胸全体を覆っている大きな筋肉で、上部(鎖骨についている)・中部(胸骨についている)・下部(腹直筋についている)の3つの部位によりできています。
これら上部・中部・下部の筋繊維は部位ごとに走る方向が異なるため、大胸筋の筋トレは部位別に行うのが効果的です。
今回紹介するバタフライマシンを使ったトレーニングでは「大胸筋中部の内側」というマニアックな場所を鍛えられますが、大胸筋中部の内側を鍛えることで、左右の胸筋を2つに分けるタテのラインを作ることができます。
大胸筋の中部は筋肉を左右に引き伸ばすことで鍛えられるため、バタフライマシンを使う際も「大胸筋を左右にしっかりと引き伸ばす」意識を持ってトレーニングしましょう。
バタフライマシンを使うトレーニングでメインのターゲットとなるのは「大胸筋」ですが、無意識に動作を行うと、自然と肩の筋肉・三角筋や腕の筋肉が使われてしまいます。そのため、大胸筋を集中的に鍛えるために意識的に三角筋や腕の筋肉の作用を抑制する必要があります。
バタフライマシン(☆☆)の使い方とトレーニングのポイント
ここからはバタフライマシンの使い方とトレーニングのポイントを解説します。
バタフライマシンの使い方
バタフライマシンの使い方を説明しますが、まずはトレーニング動画を見て、実際の動きを理解しましょう。
- 背もたれに背をつけて、マシンの座席に座ります。
- ハンドルを握りましょう。このとき、二の腕が床と平行になるように意識してください。これがスタートポジションです。
- 大胸筋を体の中心に寄せるように、左右のハンドルを同時にゆっくりと前に押していきます。このとき息をゆっくりと吐いてください。
- バーを中央に寄せたところで動作を1秒間止め、筋肉を収縮させます。
- ゆっくりとスタートポジションに戻ります。このとき、胸の筋肉が完全に伸展するまで息を吸い込みましょう。
- 動作を繰り返します。
◆回数の目安:8〜10回×3セット
これがバタフライマシンの使い方になります。今回は「ハンドル」タイプのバタフライマシンを取り上げましたが、他にも以下の動画のように「パッド」タイプのマシンもあります。
ハンドルタイプの場合もパッドタイプの場合もマシンの使い方やトレーニング方法に違いはほとんどありませんが、わずかな差でパッドタイプの方がより初心者向きであると言えます。
ハンドルタイプとパッドタイプの違い
ハンドルタイプ:ハンドルを握るため、腕の筋肉が使われやすい。また、ヒジの角度を意識的に固定する必要がある。
パッドタイプ:パッドを押すだけのため、腕の筋肉があまり使われない。また、ヒジの角度も自然と保たれる。
バタフライマシンを使ったトレーニングのポイント
では、バタフライマシンを使ったトレーニングのポイントを解説します。バタフライマシンの押さえておくべきポイントは3つあります。
1つ目のポイントは「肩甲骨をしっかり寄せて胸を張る」こと。肩が前に出ている状態では、三角筋前部が刺激されてしまいます。トレーニング中は肩甲骨を背中の中央に向かってしっかりと寄せることで、胸を張ることで肩が前に出づらくなります。
2つ目のポイントは「ヒジの角度を固定する」こと。ヒジの角度が安定せずにヒジ関節が動いてしまうと、二の腕の筋肉が使われてしまうため、なるべくヒジの角度は固定するようにしましょう。
3つ目は「ハンドルあるいはパッド同士がぶつかるまで閉じる」こと。バタフライマシンを使ったトレーニングは大胸筋の収縮を感じることが重要です。パッド同士がぶつかるまで閉じましょう。
またパッド同士がぶつかる瞬間はどうしても肩甲骨が開いて肩が前に出てきますが、これは人体の構造的に仕方がないため、気にする必要はありません。ただしスタートポジションに戻るときは肩甲骨をしっかりと寄せるようにしましょう。
バタフライマシンの注意点
バタフライマシンで最も負荷が掛かる位置はスタートポジションです。そのため、急にバタフライの動作を始めて、肩を痛めることがよくあります。バタフライの動き始めは、必ず徐々に力を入れるようにしてください。
また、過度に胸を開きすぎることも怪我の原因の1つです。バタフライマシンを使う際は、自分の肩関節の可動域を把握し、大きく動かし過ぎないことが大切です。
まとめ
今回は「バタフライマシン」を紹介しました。
ここだけは押さえておきたいバタフライマシンのポイント
- ハンドルタイプよりもパッドタイプのほうがより初心者向けである
- 肩甲骨をしっかりと寄せて胸を張ること
- ヒジの角度を固定すること
- ハンドルやパッドはぶつかるまで閉じること
今回紹介したバタフライマシンは初心者でも扱いやすいマシンですが、素人の知識では「ウエイトの重量」や「トレーニングの回数や頻度」を適切に設定するのが難しいかもしれません。
気づかないうちに高重量で行っていてオーバートレーニングになっていたり、重量が軽すぎて全く筋肉が成長しないといったケースも少なくありません。
自分の現状の体と理想とする体のギャップガどれくらいあり、そのために必要なトレーニング量をしっかりと決めて取り組んでいきましょう。
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