ベンチプレスの正しいやり方|肩を痛めず重量を伸ばす方法を解説

胸のトレーニング方法

ベンチプレスは「ベンチに寝転び、バーを握って手を前に押し出す動作を繰り返す」トレーニングで、胸の筋肉を鍛えて「胸板を厚く」したり、「バストの位置を高く」したりするにはとても効果があります。

ベンチプレスの基本動作である「バーを上に押し上げる」という動きは、一見単純に思われるかもしれません。しかしベンチプレスは正しいフォームで行わなければ大胸筋に効かせることは非常に困難です。

また、間違ったフォームで行うと、肩の筋肉に負荷がかかり、痛めてしまう恐れもあります。

トレーニングの効果をしっかりと出すためにも正しいフォームを身につけることが必要ですので、今回は肩や手首を痛めないベンチプレスの正しい実践方法を紹介します。

ついで、扱う重量をどんどん増やし100kgを目指す方法も紹介してあるため、合わせてご覧ください。

ベンチプレスで鍛えられる筋肉と効果

まずはベンチプレスで鍛えられる筋肉について知りましょう。ベンチプレスで鍛えられる筋肉は3つあります。

1つ目が「大胸筋(だいきょうきん)」です。

大胸筋は左右の胸を覆っている筋肉です。

主に腕を真横に開いた状態から閉じる動きをするときに使われることから、ベンチプレスでは「肩甲骨をしっかり寄せる」「肩をベンチ台につける」の2つを意識することで大胸筋を効果的に鍛えることができます。

大胸筋が鍛えられると胸板が厚くなり、男らしい体が手に入ります。女性の場合はバストアップ効果も期待できます。

2つ目が「三角筋(さんかくきん)の前部」です。

三角筋は肩を覆っている筋肉です。三角筋は前部・中部・後部の3つに分かれており、ベンチプレスでは前部が補助的に使われます。

三角筋を鍛えることで肩に厚みが出て、肩幅を広くできます。

3つ目が「上腕三頭筋(じょうわんさんとうきん)」です。

上腕三頭筋は二の腕の裏側を覆っている筋肉で、主に「ヒジを伸ばす」動きをするときに使われます。

上腕三頭筋を鍛えることで「二の腕全体を太く」できますが、一方で、上腕三頭筋の筋トレは「二の腕のたるみの解消」にも効果的です。

ベンチプレスの基本のやり方とポイント

ここから、ベンチプレスのやり方とフォームに関するポイントを解説していきます。ベンチプレスにはフォームによっていくつか種類がありますが、まずは基本のやり方を押さえましょう。

なお、トレーニング名の横に記載している☆はトレーニングの難易度を示します。5段階評価で☆の数が多いほどトレーニングの難易度は上がります。

ベンチプレス(☆☆☆)の基本の動作

以下の動画はベンチプレスの基本のやり方を実践したトレーニング方法になります。下ではベンチプレスを行う上でのポイントを解説しますが、最初に動画を見て、ベンチプレスの基本の動作を確認してください。

ベンチプレスの手順

  1. ベンチ台に寝転びます。
  2. バーを握りましょう。このとき、バーを握る手の幅の距離は目安「肩幅の1.5倍」です。
  3. 肩甲骨を寄せて肩を落とします。
  4. 息を大きく吸い込みます。
  5. ゆっくりラックからバーを外します。
  6. バーをみぞおちの少し上に下ろします。
  7. 息を吐きながらバーを少し曲線を描きながら上げます。
  8. これを繰り返します。

◆回数の目安:10〜15回

これがベンチプレスの基本型です。以下ではベンチプレスの派生型を2種類紹介しますが、ベンチプレスは使用するベンチの種類によって分類されます。

また、ベンチプレスは大胸筋を鍛えるのに効果的ですが、使用するベンチの種類によって大胸筋の上部・中部・下部のどこに効くか変わります。

ベンチプレスと「ベンチ」の関係を以下の表にまとめました。

トレーニングの種類 使用するベンチ ベンチの傾斜 効く大胸筋の場所
ベンチプレス(基本型) フラットベンチ フラットな状態 大胸筋
 インクラインベンチプレス インクラインベンチ 頭の位置が高い 大胸筋
 デクラインベンチプレス  デクラインベンチ 頭の位置が低い 大胸筋

ベンチプレスの6つのポイント

では、ベンチプレスのポイントを解説します。ここで紹介する6つのポイントは下で紹介する派生型のベンチプレスにも共通したポインチになりますので、確実に押さえておきましょう。

TOREMO

1つ目のポイントは「手首を少し外側に曲げてバーを握る」こと。

バーを握るときは手首をまっすぐにして握るのではなく、少し外側に曲げて、下から見たときに両手首が「ハの字」を描いているようにしましょう。

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2つ目のポイントは「バーを握る手の幅は肩幅の1.5倍を目安にする」こと。

ベンチプレスにおいて、バーを握る手の幅の距離は目安「肩幅の1.5倍」が基本ですが、手の幅によって効く部位が異なってくるため、種目によって異なります。

初心者はまず基本の「肩幅の1.5倍」で実践してみましょう。

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3つ目のポイントは「ブリッジを作る」こと。

ベンチプレスをするときは「ブリッジ」と呼ばれる、「左右の肩甲骨を寄せて、かつ下に下げることで、胸から腹部までのラインで半円を描く姿勢」をとります。

イメージしやすいように、「ブリッジの作り方」を解説している動画を見てみましょう。

肩が前に出ている状態でベンチプレスを行うと三角筋前部に負荷が逃げてしまいやすいですが、肩甲骨を寄せて胸を張り、ブリッジを作ることで肩が前に出づらくなり大胸筋のみに負荷がかけやすくなります。

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4つ目は「足を踏ん張ってブリッジの姿勢をキープする」こと。

足がフラフラしてるとブリッジを固定しづらく、フォームが安定しません。しっかり踏ん張ってブリッジの姿勢をキープしましょう。

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5つ目は「肩をベンチ台につける」こと。

これは肩の位置を固定させるためです。肩がベンチ台から離れていると、フォームが不安定になり三角筋前部に負荷が逃げてしまいます。しっかりとベンチ台に肩をくっつけてあげることで大胸筋のみに負荷がかけやすくなります。

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6つ目は「バーをみぞおちの少し上に下ろす」こと。

みぞおちの少し上に下ろすことで、前腕が地面と垂直になり肩やヒジへの負担が少なくなります。下ろす位置がバラバラだと肩やヒジの怪我につながりますので注意してください。

ベンチプレスの種類

以下で紹介するのはベンチプレスの派生型です。

ベンチプレスの派生型

  • インクラインベンチプレス
  • デクラインベンチプレス

インクラインベンチプレス(☆☆☆☆)

インクラインベンチプレスは、頭の位置が高くなったインクラインベンチを使うベンチプレスで、大胸筋上部を鍛えます。

インクラインベンチプレスのポイントは「バーを鎖骨に向けて下ろす」こと。

インクラインベンチプレスは30〜40度の傾斜がある状態でベンチプレスを行いますが、傾斜の影響で肩が前に出てしまうと三角筋前部に負荷が逃げてしまいますので、注意してください。

バーを鎖骨に向けて下ろすことで、自然と肩が前に出るのを抑えてくれます。胸を張り、しっかりと大胸筋の上部に負荷をかけましょう。

インクラインベンチプレスの手順

  1. インクラインベンチの角度を30〜40度に設定します。
  2. バーを肩幅1,5倍の所をハの字で握ります。。
  3. 肩を落とし、肩甲骨を寄せて胸を張ります。
  4. ゆっくりラックからバーを外します。
  5. バーを鎖骨の少し上に下ろします。
  6. 息を吐きながらバーを少し曲線を描きながら上げます。
  7. これを繰り返します。

◆回数の目安:10〜15回

デクラインベンチプレス(☆☆☆☆)

デクラインベンチプレスは大胸筋下部に効くトレーニングで、「頭の位置が低くなったデクラインベンチを使う」かあるいは「フラットベンチの上でお尻を上げてトレーニングする」かの2パターンのやり方があります。

ジムによってはデクラインベンチがないところもあるため、ここではフラットベンチを使うやり方を紹介します。ただし、フラットベンチを使ったやり方では体勢が不安定になるため、可能であればジムのトレーナーやパーソナルトレーナーの指導の下で実践するようにしましょう。

フラットベンチを使ったデクラインベンチプレスのポイントは2つあります。

1つ目は「お尻を浮かせて体を真っ直ぐにする」こと。

これで姿勢が安定して大胸筋の下部に効かせることができます。

2つ目は「脇を閉じるように押し出す」こと。

大胸筋の下部は脇を閉じる動きでも収縮されるので、この意識で押し出しましょう。

デクラインベンチプレスの手順

  1. ベンチ台に寝転びます。
  2. バーを肩幅1.5倍の所をハの字で握ります。
  3. 肩甲骨を寄せて肩を落とします。
  4. お尻を浮かせて体を一直線にします。
  5. 息を大きく吸い込みます。
  6. ゆっくりラックからバーを外します。
  7. バーをみぞおちの少し上に下ろします。
  8. 息を吐きながらバーを少し曲線を描きながら上げます。
  9. これを繰り返します。

◆回数の目安:10〜15回

ベンチプレスで100kgを上げる方法

筋トレを習慣化すると、「ベンチプレス100kg」を1つの目標にする方が多くいます。

中には、初めてのベンチプレスで100kg上げる方も存在しますが、体重が70kgの一般的な男性の場合100kgのベンチプレスを上げるには3年以上かかることが多いと言われています。

3年と聞くと、長く感じるかもしれませんが、正しいベンチプレスのトレーニング方法を知ることで、より早くベンチプレス100kgを上げることが可能です。

ベンチプレスの重量を上げるために需要なことは「セット数」「食事」「フォーム」これら3つです。それぞれ順番に紹介していきます。

ベンチプレスで100kgを上げるためのコツ1.セット数に注意

ベンチプレスでは、扱う重さの重量や回数で、筋肉に与える刺激が変わります。筋肉量の増加を目的とした場合、1セット8回〜10回でのトレーニングが適しています。

セット数については、初心者は3セットから始めましょう。慣れてくるとセット数を増やしますが、多くとも6セットほどにとどめておくべきです。セット数を多くしすぎて、1セットのトレーニングの質を落とさないように注意してください。

ベンチプレスで100kgを上げるためのコツ2.食事を意識する

ベンチプレスの重量を上げるには、適切な食事が重要になってきます。

・食事のポイント

  • タンパク質をたくさんとる
  • 糖質もしっかり補給する
  • 栄養バランスを考える
  • トレーニング前後の食事を意識する

これらのことに気をつけると、スムーズに筋肉が発達し、ベンチプレスの重量も上がりやすくなるでしょう。

  • 関連記事

筋トレに役立つ食事については「筋トレ「前」の食事の摂り方|タイミングやおすすめの食材を紹介 」と「【トレ飯】筋トレ後は糖質を摂るのが大事|トレーナーの食事を大公開」の記事に紹介しているので参考にしてください。

ベンチプレスで100kgを上げるためのコツ3.正しいフォームを意識する

ベンチプレスの重量を上げるためには、トレーニングフォームが重要です。

適切なフォームでベンチプレスをすると、筋トレの効果が上がり、さらに怪我の予防にも繋がります。

ベンチプレス100kgを目指す人は、この記事で紹介している正しいベンチプレスのフォームを参考にして、記録を伸ばして行ってください。

まとめ

今回は大胸筋を発達させるトレーニング「ベンチプレス」を紹介しました。

ベンチプレスで鍛えられる筋肉 大胸筋に効かせるポイント
  • 大胸筋
  • 三角筋前部
  • 上腕三頭筋
  • 肩甲骨を寄せて胸を張る
  • 肩をベンチ台につける

ただし、ベンチプレスは重いバーベルを持ち上げるため、怪我のリスクが高いトレーニングでもあります。

トレーニング中に持ち上げられずにつぶれてしまうと、大事故につながります。自分がどの程度の重さまで持ち上げられるのか把握していない段階では、自分の限界に挑戦するのは避けましょう。

まずは軽めの重量で筋トレに慣れ、正しいフォームでトレーニングできることを最優先にしましょう。その後徐々に重量を上げ負荷をかけていきましょう。

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