ヒザを伸ばす動作と曲げる動作を繰り返すレッグエクステンションは太ももの筋肉を鍛えるのにとても効率のよいトレーニングです。
「ヒザを伸ばして曲げる」という単純な動作を繰り返すトレーニングであるため、一見すると簡単なトレーニングに思えますが、要点や注意点を押さえておかないと、トレーニングの効果が出ないどころか、怪我の原因になる恐れもあります。
トレーニングの効果を出すためには、正しいフォームを身につけることが欠かせません。
今回はレッグエクステンションの正しい実践方法を紹介します。
レッグエクステンションで鍛えられる筋肉と効果
レッグエクステンションで鍛えられる筋肉は「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」です。
大腿四頭筋が位置しているのは太ももの前側で、主にヒザの関節を伸ばすときに使われます。
したがって、レッグエクステンションでは「足全体が一直線になるまでヒザを伸ばす」ことが大腿四頭筋を効果的に鍛える上で重要なポイントとなります。
また、人間の体を構成する筋肉の中でもっとも大きい筋肉として知られているのが、大腿四頭筋です。ゆえに、大腿四頭筋を鍛えれば筋肉量を効率よく増やせるため、ダイエット中の方など「基礎代謝を向上させたい」という方は大腿四頭筋を鍛えるとよいでしょう。
「太ももを細くしたい」という方は、大腿四頭筋の鍛えすぎには注意してください。というのも、先ほどからお伝えしているように大腿四頭筋は大きく、かつ太ももの前側を走っているため、鍛えすぎると太ももが太く見えてしまいやすいからです。
もちろん、大腿四頭筋もほどよく鍛えれば太ももを引き締める効果がありますが、「太ももに筋肉をつけたいけれど、太くなるのは嫌」という方は、大腿四頭筋よりも、太ももの裏側にある「ハムストリング」を重点的に鍛えるのが無難です。
レッグエクステンションの種類
レッグエクステンションはジムなどに置いてあるマシンを利用しておこなうのが一般的です。
マシンの仕様によって細かい手順に違いはあるものの、レッグエクステンションのバリエーションは主に以下で紹介する2種類になります。
種類 | 効く部位 |
レッグエクステンション | 大腿四頭筋 |
片足でおこなうレッグエクステンション |
また、トレーニングの難易度を☆の数で5段階評価します。☆の数が多いほどトレーニングの難易度は上がります。
基本のレッグエクステンション(☆☆☆)
最初に紹介するのは、基本のレッグエクステンションです。
トレーニングのポイントを2つ説明しましょう。
1つ目のポイントは「ヒザをしっかりと伸ばしきる」こと。
ヒザをしっかりと伸ばすことで、大腿四頭筋が十分に使われるため、トレーニングの効果が高まります。
また、レッグエクステンションでよくある間違いが「太ももを真上に上げてしまっている」というケース。大腿四頭筋は「太ももを真上に上げたとき」よりも「ヒザを伸ばして足を前に押し出したとき」のほうが効果的に鍛えられます。
ゆえに、大腿四頭筋に同程度の負荷をかける場合、「太ももを真上に上げるとき」よりも「ヒザを伸ばして足を前に押し出したとき」のほうがウエイトの重量は軽くて済みます。
このように、ヒザをしっかりと伸ばしてトレーニングすれば大腿四頭筋を小さな負荷で効果的に鍛えられるため、「ウエイトの重量でヒザの関節を痛める」というリスクが軽減されます。1回1回、ヒザをしっかりと伸ばしきるように意識してください。
2つ目のポイントは「つま先を平行に揃える」こと。
つま先が外に開くと内ももにある内転筋(ないてんきん)へ、内向きに閉じると外ももにある外側広筋(がいそくこうきん)へ負荷が偏ってしまいます。大腿四頭筋全体を効率的に鍛えるためにはつま先を平行に揃えることを意識しましょう。
加えて、大腿四頭筋は「大腿直筋(だいたいちょっきん)」「外側広筋(がいそくこうきん)」「内側広筋(ないそくこうきん)」「中間広筋(ちゅうかんこうきん)」という縦に並ぶ4つの筋肉によって成り立っているため、つま先を平行にしないと左右で負荷のかかり具合に差が出てしまい、筋肉の発達がアンバランスになってしまう恐れがありますのでご注意ください。
- 足首がパットに当たる高さに座席を調整します。
- 座席のサイドにあるグリップを強く握ります。
- 息を大きく吸い込みます。
- 息をゆっくり吐きながらヒザを伸ばします。
- 最大限伸ばしたら息を吸いながらゆっくり戻りましょう。
◆回数の目安:10〜15回
片足でおこなうレッグエクステンション(☆☆☆☆)
次に紹介するのは片足でおこなうレッグエクステンションです。
片足でおこなうエクステンションのポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「足をゆっくりと下ろす」こと。
片足だとバランスを取りづらいため、パッと下ろしてしまいがちですが、これでは大腿四頭筋があまり使われません。足を上げる(ヒザを伸ばす)動作だけではなく、下ろす動作も大腿四頭筋に刺激を与えますのでおろそかにしないことが大切です。
大腿四頭筋に負荷をかけるイメージでゆっくりと下ろしましょう。
2つ目のポイントは「太ももを真上に上げない」こと。
レッグエクステンションは太ももを上げ下げする運動ではなく、ヒザを曲げ伸ばしするトレーニングです。
太ももを意識するあまり太ももを真上に上げてしまうケースも少なくありませんが、それでは大腿四頭筋が鍛えられません。大腿四頭筋がピクピクと収縮するのを感じながら、ヒザをしっかりと伸ばしましょう。
- 足首がパットに当たる高さに座席を調整します。
- 座席のサイドにあるグリップを強く握ります。
- 息を大きく吸い込みます。
- 息をゆっくり吐きながら片足だけヒザを伸ばします。
- 最大限伸ばしたら息を吸いながらゆっくり戻りましょう。
- もう一方の足も同様に行います。
◆回数の目安:10〜15回
レッグエクステンションの注意点
両脚でのレッグエクステンションと片脚でのレッグエクステンションの2種類を紹介しましたが、ここでは2種類のどちらにも共通する注意点を2つ紹介します。
1つ目の注意点は「脚を伸ばした状態で少しキープする」こと。
レッグプレスで使われる大腿四頭筋は、脚を伸ばしきった際に最も負荷がかかります。そのため、脚を伸ばした状態をキープすることで、より強い刺激を大腿四頭筋に与えられます。
一瞬止めるイメージを持つだけでも効果は変わるため、レッグプレスの際は意識してみてください。
2つ目の注意点は「腰を反らない」こと。
レッグプレスでは力を入れすぎて、腰が反ってしまうことがあります。腰が反りすぎると怪我の原因となるため注意が必要です。
レッグプレスの際はお腹を引き込むように力を入れて、腰が反らないように意識することが重要です。
まとめ
今回は大腿四頭筋を鍛えるために効果的な「レッグエクステンション」の正しい実践方法を紹介しました。
最後にもう一度レッグエクステンションで鍛えられる筋肉とトレーニングのポイントをまとまておきます。
レッグエクステンションで鍛えられる筋肉 | 大腿四頭筋に効かせるポイント |
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レッグエクステンションは大腿四頭筋を鍛えるならば、必ず取り組みたいトレーニングの1つです。
とはいえ、どうしても独学では誤ったトレーニングをしてしまうケースがあります。
例えば、ウエイトの負荷を大きくしすぎているケース。特に大腿四頭筋は大きな筋肉のため、比較的高負荷なトレーニングが可能です。それゆえに知らず知らずのうちに過剰に負荷をかけすぎてしまっていて、ヒザに負担が蓄積してしまっていたということがあります。
自身の骨格や筋肉のつき方、トレーニング後の疲労具合などを観察した上で、負荷の量を調節しながら取り組んでいきましょう。
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