陸上の短距離走の選手のようなムキムキのふくらはぎは「たくましさ」を具現化したものといっても過言ではありません。
ふくらはぎは2種類の筋肉から成り立っており、それぞれの筋肉には「肥大化しやすい」と「肥大化しにくい」という異なった特徴があります。
太くたくましいふくらはぎにするためには「肥大化しやすい」筋肉を重点的に鍛えるのが効果的です。
今回はふくらはぎを太くするために鍛えるべき筋肉と効果的な筋トレの方法を紹介します。
ふくらはぎを太くするために鍛えるべき筋肉は腓腹筋
ふくらはぎを構成するのは外側(皮膚に近いほう)についている「腓腹筋(ひふくきん)」と内側(深部に近いほう)についている「ヒラメ筋」の2種類の筋肉です。
腓腹筋は「速筋」で、ヒラメ筋は「遅筋」であるという点で2つの筋肉は異なった特徴を有していますが、ふくらはぎを太くしたいのであれば、腓腹筋を重点的に鍛えるべきでしょう。
- 速筋とは
速筋は白く見えることから「白筋」とも呼ばれます。瞬間的に大きな力を出せますが、疲れやすいため、短時間の運動に向いている筋肉です。具体例を挙げるならば、短距離走やウエイトリフティングなど瞬間的に大きな力を出すことが求められる運動に適しています。
また、速筋は筋肥大しやすいという特徴もあります。
- 遅筋とは
遅筋は赤く見えることから「赤筋」とも呼ばれます。大きな力は出せませんが、持続力に優れており、低負荷で長時間おこなう運動に向いている筋肉です。例えば、マラソンにおいては遅筋が重宝されます。
また、遅筋は筋肥大しにくいという特徴があります。
【自宅編】ふくらはぎを太くする上で効果的な筋トレ
ここからは腓腹筋に効く「ふくらはぎを太くする」のに効果的な筋トレ法を「自宅編」と「ジム編」に分けて紹介します。
まずは自宅でできる筋トレからみていきましょう。
【自宅編】ふくらはぎを太くする筋トレ1.自重カーフレイズ
カーフレイズは「かかとを上げ下げする」トレーニングです。
カーフレイズをおこなうときに注意してほしいことが2つあります。
1つ目の注意点は「かかとを上げるときに足首が「く」の字にならないようにする」こと。
足首が「く」の字の形になって外側に倒れてしまうと、負荷が足首に逃げてしまいます。こうなるとふくらはぎに負荷がからないだけではなく、足首を捻挫してしまう恐れもあるので、十分に注意してください。
かかとを上げ下げするときに、足の親指の付け根に重心をかけるイメージでおこなうと、負荷を足首に逃がすことなくふくらはぎの筋肉にしっかりと効かせられます。
2つ目の注意点は「かかとを下ろすときに、足裏が完全に地面につく手前で止める」こと。
足裏が地面に完全についてしまうと、筋肉が「休憩」状態になってしまいます。
ふくらはぎの筋肉に継続して負荷を与えて効率よくトレーニングをおこなうためにも、かかとはゆっくりと下ろして、足裏が地面に完全につかないように心がけましょう。
- 壁に手をついて立ちます。
- かかとを上げてつま先立ちになりましょう。
- かかとをゆっくりと下ろし、足裏が地面に完全につく前に止めます。かかとの上げ下げ運動を繰り返しましょう。
◆回数の目安:10回×2セット
※インターバルは20~30秒程度とるのが目安です。
【自宅編】ふくらはぎを太くする筋トレ2.ボックスジャンプ
ボックスジャンプは「台に飛び乗って降りる動作を繰り返す」トレーニングです。
動画では台が使われていますが、台がなければ階段や段差でも代用できます。ただし、固定された頑丈なものを選ぶようにしてください。
また、最初は10cm程度のちょっとした段差からチャレンジしてみましょう。最初から動画で使われているような高い段差で実践するのは危険です。低いものから始めていき、少しずつ段差を高くしていくようにしてください。
また、負荷の大きなトレーニングですので、事前にストレッチで筋肉を伸ばすこともお忘れなく。
- 足を肩幅に開き、ひざを軽く曲げ台に飛び乗ります
- ひざを軽く曲げて、足裏全体で両足同時に着地します
- そのままの立った体勢で台から後ろへ軽くジャンプします
◆回数の目安10回×2セット
【ジム編】ふくらはぎを太くする大きくするための筋トレ
以下ではジムのマシンを使っておこなう筋トレ法を紹介します。
トレーニング種目でいうと「自宅編」で取り上げたものと同じ「カーフレイズ」に変わりありませんが、同じトレーニング種目でもマシンを用いることで、自重トレーニングよりも大きな負荷をかけることができます。
【ジム編】ふくらはぎを太くする筋トレ1.カーフレイズ(スミスマシン)
まずは「スミスマシン」を使っておこなうカーフレイズを紹介します。
スミスマシンとは、固定されたレールに沿ってバーベルが上下に動くトレーニング機器です。
トレーニングの効果を高めるポイントは、足元に台を置いてそこにかかとを浮かせるようにしてつま先だけを乗せること。こうすることで、ふくらはぎにより大きな負荷がかかった状態になるため、より効果的にトレーニングをおこなえます。
- バーベルを担ぎ、足首をスナップさせてつま先立ちになるまで持ち上げます。
- 下げるときもかかとをつけないようにしましょう。
◆回数の目安:10回3セット
※インターバルは60秒~90秒とるのが目安です。
【ジム編】ふくらはぎを太くする筋トレ2.カーフレイズ(レッグプレスマシン)
次はレッグプレスマシンを使っておこなうカーフレイズを紹介します。
レッグプレスマシンは座席に座り、下半身の力で座席を押し上げるトレーニングをおこなうマシンです。
レッグプレスマシンを使ったカーフレイズのポイントは、フットプレートにつま先だけがつくようにすること。
レッグプレスマシンは太ももの筋トレに用いられることが多いですが、上のように工夫することで本来は太ももにかかる負荷がふくらはぎにかかるようになり、「かかとの上げ下げ運動」を再現できます。
- レッグプレスマシンに背中、腰、尻を密着させて座ります。フットプレートにつま先だけがつくようにし、かかとは浮くように位置を調整しましょう。
- ひざを伸ばした状態で足首をスナップさせて、つま先の力でプレートを押します。
◆回数の目安:10回×3セット
ふくらはぎが太くなるかどうかは取り組む運動の内容次第
もしかするとトレーニングをおこなっても「ふくらはぎが太くならない」と行き詰まる方もいるかもしれません。
筋肉は「速筋線維」と「遅筋線維」の2種類から成り立っており、腓腹筋には速筋線維が多く、ヒラメ筋には遅筋線維が多いという傾向はあるものの、人によって割合に差があります。
「トレーニングをおこなっても足が太くならない」という方は生まれつき遅筋線維が多いタイプなのかもしれません。
しかし、だからといってふくらはぎを太くするのを諦めるのはまだ早いでしょう。
なぜなら、線維の割合自体を変えることはできなくても、トレーニングの方法によっては筋線維の発達の仕方をコントロールできるという説があるからです。
陸上の選手を例に考えてみましょう。短距離走の選手のふくらはぎは速筋が発達しているため太くムキムキですが、長距離走の選手のふくらはぎは細く引き締まっていることがほとんどです。
また、東京大学大学院教授石井直方氏が監修を務める「カラー図鑑 筋肉のしくみ・はたらき辞典」には以下のような記述があります。
実施する運動特性によって、ふくらはぎの発達度合いは異なってくる
このように、速筋が発達した「スプリンター型」かあるいは遅筋が発達した「マラソン選手型」のどちらに近いのか、それはある程度遺伝によって決まるという事実は否めないものの、トレーニング次第ではその属性を少し変化させられる可能性があるのです。
まとめ
今回はふくらはぎを太くするために効果的な筋トレ法を紹介しました。
ふくらはぎを太くするために鍛えるべき筋肉 | 効果的な筋トレ法 |
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ふくらはぎを太くしたいという型は速筋線維が多い腓腹筋を重点的に鍛えましょう。
また、生まれつき遅筋線維が多い方でも、腓腹筋を使う運動やトレーニングに取り組むことで、速筋が発達した「たくましいふくらはぎ」にすることはできるかもしれません。
自分の筋肉のつき方を観察し、現状を把握した上で理想のトレーニング方法見つけていきましょう。
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