逆三角形に引き締まった後ろ姿は、男女問わず憧れのシルエットです。しかし、背中を鍛えたくてもどのようにトレーニングすれば鍛えられるのか分からない人も多いことでしょう。実は自重のみで行うトレーニングでも、たくましい後ろ姿になることは可能です。
ジムに通うことなく、自宅で手軽に行うことができれば、トレーニングの継続もしやすくなります。誰もが憧れる逆三角形のシルエットを自重トレーニングで手に入れましょう。
自重で鍛える背中の筋肉
背中の筋肉で大切なのは、広背筋と僧帽筋、脊柱起立筋です。
男性的な後ろ姿の象徴のように言われる逆三角形のシルエットになるには、これらの筋肉をトレーニングして鍛え上げることが効果的です。背中に厚みのあるたくましく男性的なシルエットを手に入れましょう。
背中の筋肉1.広背筋
広背筋とは逆三角形のシルエットを作るためには非常に重要な筋肉で、肩甲骨の下あたりに位置します。肩甲骨を寄せる時に使用する筋肉です。
広背筋を使用する場合、あまり意識せずに動かすことが多いため、トレーニング中でも意識しづらい筋肉として知られています。そのため、まずは筋肉の位置をしっかりと把握することが大切です。
広背筋を鍛えることで、逆三角形のシルエットを手になれるだけでなく、綺麗な姿勢へ改善されたり、代謝を上げて疲れにくい体になれるなど、メリットがたくさんあります。広背筋を鍛えることで、重い荷物を軽々と持ち上げられるようになったりするため、日常生活で実感を得ることができるでしょう。
背中の筋肉2.僧帽筋
たくましい上半身を作り出すために必要な筋肉である僧帽筋は、首から肩にかけて位置しています。上部・中部・下部に分けられ、それぞれが異なる役割をもっています。
僧帽筋上部は、肩をすくめる動作などの時に使います。僧帽筋中部は、胸を張る動作で使用し、深呼吸や背伸びといった時に使用される筋肉です。僧帽筋下部はものを引っ張ったりする時に使用し、日常生活の中でも使われる機会の多い筋肉といえます。
僧帽筋を鍛えると肩や背中に厚みが出てくるので、たくましい上半身に仕上がります。体の厚みは、たくましい男性かどうかの印象を左右します。そのため、逆三角形の上半身を目指すためには、トレーニングをすべき筋肉です。
背中の筋肉の種類3.脊柱起立筋
脊柱起立筋は背骨に沿うように位置しており、鍛えることで背中に美しい縦のラインができます。
脊柱起立筋は棘筋、最長筋、腸肋筋という3つの別々の筋肉が1つの筋肉のように動くことから総称して呼ばれています。背骨の左右に分かれて位置しているので、鍛えると盛り上がり、背骨のラインがくぼんで、よりたくましい印象を与えることができます。
上半身を起こす時や、後ろに体を反らす際に使われる筋肉であり、脊柱起立筋を鍛えることで猫背の改善や肩こり・腰痛の予防にもつながります。必然的にビシッとした姿勢になることが期待できるので、男らしい立ち居振る舞いができるようになり、洋服などの着こなしにも変化を感じることができるでしょう。
背中の自重トレーニング
逆三角形のシルエットを目指して筋トレを行う場合は、鍛えたい筋肉をきちんと意識することが必要です。これは筋トレすべてにおいて共通のことですが、特に広背筋は意識しづらい筋肉ですから留意しましょう。
背中の自重トレーニング1.チンニング(懸垂)
チンニングは懸垂のことをいいます。このトレーニングは、広背筋、僧帽筋に効果が期待できます。自重だけでトレーニングすることができるので、ぶら下がるバーさえあれば簡単にどこでもトレーニング可能です。
チンニングを行う際のポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「ゆっくり行う」ことです。
広背筋、僧帽筋を意識してゆっくりとした動作で行うことがポイントです。ゆっくりとトレーニングすることで、背筋の小さい筋肉にも刺激を与えることが可能になります。効率よくトレーニングの効果を実感するためには、負荷がかかっている筋肉を意識し、一つひとつの動作をゆっくり行うようにしましょう。
2つ目のポイントは「肩幅より広く手を広げる」ことです。
特に広背筋への高い効果を望むには、チンニングする両手を肩幅よりも広くすることがポイントです。肩甲骨の動きをしっかりと意識しながら、背筋を伸ばした状態でトレーニングしましょう。
- 両手を肩幅よりも拳一つ分外側に広げてバーを順手で握ります。
- 背筋を伸ばした状態で肩甲骨を寄せながら体を上げていきます。
- ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
◆回数の目安:10回×3セット
チンニングの際、顔の向きは前方かやや上を向くように注意しましょう。そうすることで、より適切な負荷を背中の筋肉に与えることができます。
背中の自重トレーニング2.バックエクステンション
バックエクステンションは主に脊柱起立筋に効果的なトレーニングです。負荷は自重のみになります。反動をつけてトレーニングしてしまいがちなので注意が必要です。
このトレーニングのポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「反動をつけない」ことです。
体を反らすようにしてトレーニングを行うため、反動をつけるとフォームが崩れてしまいがちです。素早い動作よりは、ゆっくりとしたスピードで行うとよいでしょう。
反動をつけると腰を痛めやすくなるので、傷みを感じた場合はトレーニングを中止し、フォームの確認をするようにしましょう。
2つ目のポイントは「背中の距離を縮めるようにイメージする」ことです。
バックエクステンションでは、体を上げようとすると無理をして腰を痛めてしまうことがあります。そうではなく、背中の筋肉を使って背中の距離を縮めるようなイメージでトレーニングをすると、筋肉に適切な負荷を与えやすくなります。
- うつぶせになった状態で寝転び、手は頭の後ろに添えます。
- 体を反らした状態で少しキープします。
- ゆっくりと元の姿勢に戻します。
◆回数の目安:20回×3セット
バックエクステンションの際には、腰を反らしすぎないようにフォームを意識しましょう。腰を反らしすぎてしまうと腰痛の原因になります。
背中の自重トレーニング3.スーパーマン
スーパーマンでは、名前の通り、スーパーマンが空を飛んでいるような格好で行うトレーニングです。背中の筋肉だけでなく、お尻や太ももの裏の筋肉にも効果が期待できるトレーニングです。
スーパーマンのポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「お腹にも力を入れる」ことです。
スーパーマンではお腹に力を入れていないと、体を反らし過ぎてしまい腰を痛める可能性があります。動作中はお腹の筋肉も意識して腰回りを守るようにしましょう。
2つ目のポイントは「姿勢をしっかりとキープする」ことです。
スーパーマンのトレーニングでは、体に負荷がかかった状態で姿勢をキープします。初心者は決められた時間キープするだけでも辛く感じるかもしれませんが、トレーニングを続けるとより長い時間キープできるようになります。
トレーニング効果を高めるためにも、姿勢をキープしている間は筋肉の緊張を感じ、力を緩めないように心がけましょう。
- 脚と腕をまっすぐに伸ばした状態でうつぶせで寝転び、手の平は床に向けます。
- 背中に負荷がかかっていることを感じながら、ゆっくりと脚と腕を上げていきます。
- 脚と腕を限界まであげたら10秒間キープします。
◆回数の目安:10回×3セット
キープする時間は10秒に設定していますが、あくまでも目安なので慣れないうちは数秒から始めてみましょう。徐々にキープできる時間を延ばすことで、レベルに合わせてより高い効果を得られます。
背中を自重で鍛えるメリット・デメリット
背中を鍛えるためにはダンベルや専用のマシンを使ったものなど様々なものがありますが、ここでは背中を自重トレーニングで鍛えるメリットとデメリットを紹介します。
背中を自重で鍛えるメリット
逆三角形の筋肉を鍛える自重トレーニングでは、器具を使わず体一つでできるものが多いです。そのため、自宅のスペースを活用して毎日トレーニングすることが可能です。
女性も憧れる逆三角形のシルエットは、日々のトレーニングの積み重ねです。手軽に行うことができる自重トレーニングを覚えて継続してトレーニングできるようにしましょう。
背中を自重で鍛えるデメリット
背中の自重トレーニングで代表的なものにチンニング(懸垂)がありますが、チンニングにはぶら下がるバーが必要です。このようなバーが自分の身の回りに存在しない方も中にはいることでしょう。
環境が整っていないと一部のトレーニングができないことが背中を自重で鍛えるデメリットといえます。
まとめ
逆三角形のシルエットになるためには、背中に広くアプローチできるトレーニングがおすすめです。
自分の体一つでできる自重トレーニングで、広くて厚みのあるたくましい後ろ姿を目指しましょう。周りからの印象が変わるだけでなく、姿勢が正され、代謝が上がって疲れにくく太りにくい体を手に入れることも可能です。
トレーニング効果を実感できるような正しい自重トレーニングを習慣化し、理想の背中を手に入れましょう。
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