最近では、「痩せている=美しい」という概念は変わりつつあり、SNSでもモデルや女優の引き締まった腹筋の写真をよく見かけます。
テレビにも登場することが増えた、健康的に引き締まった筋肉をもつ女性に憧れている人はたいへん多くいます。「腹筋女子」がブームになっているのもこんな背景からなのでしょう。
腹筋は毎日のトレーニングで美しく鍛えることが可能です。美しい腹筋を手に入れるために効果的なトレーニングの方法を解説していきましょう。
筋トレすべき腹筋の種類
腹筋女子を目指すなら、やはり綺麗に割れた状態が目標。美しく割れた腹筋を作るために鍛えたい筋肉は3つです。腹直筋、腹斜筋、腹横筋を鍛えていきましょう。
腹筋の種類1.腹直筋
腹直筋は、肋骨あたりから骨盤まで縦に長く伸びている筋肉です。みぞおちから下腹あたりをイメージしてください。腹直筋はシックスパックを構成する筋肉で、この筋肉の中央に1本の縦線が伸びています。これは白線と呼ばれています。
腹直筋の役割ですが、「仰向けの状態から起き上がる」、「仰向けの状態で脚を上げる」という体幹を曲げる動作をする時に必要な筋肉です。スポーツ全般で使用する筋肉なので、運動をする人にはもちろん、美しい姿勢を保つためにも重要な筋肉です。
お腹の真ん中に線を入れたい場合も、腹直筋のトレーニングが効果的です。腹直筋は長い筋肉なので上部と下部に分けてトレーニングをするのが効果的です。
腹筋の種類2.腹斜筋
腹斜筋は脇腹についている筋肉で、体の表層部にある外腹斜筋と体の内側にある内腹斜筋で構成されています。
腹斜筋の役割ですが、主に「胴体を捻る」動作に使われます。腹直筋と一緒に、前を向いたまま上半身を前後や左右に倒す時にも使われる筋肉です。
腹斜筋を鍛えるとお腹周りがすっきり整います。美しいくびれにするためには腹斜筋のトレーニングは欠かせません。
腹筋の種類3.腹横筋
腹横筋は、お腹の筋肉ですが、内腹斜筋よりも奥にあるインナーマッスルです。
腹横筋の役割は、咳をする時や激しい運動時の呼気を助けたり、お腹から大きな声を出す時に使われる筋肉です。
お腹を包み込む筋肉なので、姿勢を安定させる働きや、内臓を正しい位置に固定する働きもあります。
腹横筋は腹直筋や腹斜筋と異なり、体幹の動きへの直接関与はありません。腹直筋の下部と腹横筋とをトレーニングで鍛えると、気になる下腹を引き締める効果があります。
腹筋を鍛えて理想像になるための筋トレ法(自宅編)
腹筋女子を目指すなら自宅でのトレーニングも効果的です。腹筋の筋トレは特に道具も必要なく、自分の都合に合わせて自宅でもトレーニングが可能です。夜、寝る前など時間を決めて毎日行うように習慣づけてみましょう。
腹直筋の筋トレ1.クランチ
クランチは腹筋運動の定番のトレーニング方法です。「腹直筋の上部」、「腹横筋」に効果があります。
クランチを効果的に行うためのポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「呼吸のタイミング」です。
クランチを行う時は、体を持ち上げる時に息を吐き、体を下ろす時に息を吸いましょう。呼吸法をしっかり行うことで、使っている筋肉に意識を向けることができ、筋トレの効果が高まります。
特に体を上げきった時に力んで呼吸が止まりがちなので注意してください。
2つ目のポイントは「おへそを見る」ことです。
体を起こす時に自分のおへそを見ることで、腹直筋上部をしっかり収縮することができます。
- 仰向けの状態でヒザを曲げます。
- 手を頭や胸の前で組み、きついズボンを履くイメージでお腹を引っ込めます。
- お腹に意識を集中して息を吐きながら体を持ち上げます。
- 肩甲骨が床から浮く程度まで体を持ち上げます。
- 息を吐きながら元の位置まで戻します。
◆回数の目安:10回×3セット
クランチを行う時は、上体を戻す際に頭が完全に床に着かないようしましょう。頭をつけると頭を打ってしまったり、お腹の負荷が抜ける原因になります。
腹横筋の筋トレ2.ドローイン
ドローインは、腹横筋を鍛えるのに効果的なトレーニングです。息を吐ききってお腹をへこませると、おへその横の辺りがギュッとなるのが感じられるはずです。それが腹横筋です。
ドローインでインナーマッスルを鍛えることで基礎代謝が上がります。脂肪燃焼効果も期待できるので、痩せたい女性にもおすすめです。
ドローインを効果的に行うポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「息をしっかり吐き切る」ことです。
この時、重要なのは腹横筋を意識することです。腹横筋を意識しながら息をしっかり吐き切り、お腹をへこませます。最後は腹筋を緩めないように、ゆっくり小さな呼吸をするよう心がけましょう。
2つ目のポイントは「腕は力を入れない」ことです。
ドローインは腕のトレーニングではありません。腕に力を入れないよう、腹横筋と腹直筋だけに意識を集中しながらトレーニングを行うようにしましょう。
- 脚を腰幅に開き、膝を立てて仰向けに寝ます。
- 息を吐きながらお腹に力を入れます。
- 息を吐ききったら、お腹の力をキープしながらゆっくり呼吸を続けます。
- 同じ姿勢を30秒キープしましょう
◆回数の目安:30秒キープ×3セット
腹斜筋の筋トレ3.ツイストクランチ
ツイストクランチでは、脇腹にある腹斜筋を鍛えることができます。また、同時に腹直筋への効果もあります。
ツイストクランチのポイントは3つあります。
1つ目のポイントは「腹斜筋と腹直筋を収縮させる」ことです。
腹斜筋と腹直筋を効果的に収縮させるためには「今、この筋肉を使っているよ」と意識させることが大切です。腹斜筋の部分に手を当てて、硬くなっていることを確認するとわかりやすいです。
2つ目のポイントは「腰をぐっと捻る」ことです。
腹斜筋は体を捻る際に使われる筋肉であるため、ツイストクランチでも意識的に腰を捻ることが大切です。
3つ目のポイントは「脚はやや内側に引きつける」ことです。
動きに慣れてきたら、効果を上げるために「脚はやや内側に引きつける」ことにも意識を向けていきます。脚をまっすぐにしたままだと、腹斜筋には効果が出づらいです。腹斜筋をしっかりトレーニングするには、ヒザとヒジを合わせるようにすることが大切です。
- 仰向けに寝て、クランチと同様に腹筋を丸めるように上体を少しだけ浮します。
- 反対のヒジとヒザがくっつくようにヒザを曲げます。
- 上体を戻したら、今度は反対方向に同様に体を丸めヒザとヒジをつけます。
- 左右セットで1回として同様に繰り返します。(左右交互にやって10回ずつ)
◆回数の目安:10回×3セット
ツイストクランチの注意点ですが、「反動を使わないで動作すること」です。脚を動かすため、反動を使いやすいため注意てしましょう。
腹筋を鍛えて理想像になるための筋トレ法(ジム編)
自宅では、トレーニングがマンネリ化したり、飽きたり怠けたりということもありますが、定期的にジムに通えばトレーニングを続けることができるようです。
ジムにはプロのトレーナーもいて指導をしてくれますし、自宅にはないマシンでのトレーニングもできます。
腹直筋の筋トレ1.アブドミナルマシン
アブドミナルマシンでの筋トレは、腹直筋に効果があります。
アブドミナルマシンでの筋トレのポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「上体を丸めて腹筋を潰すイメージをもつ」ことです。
アブドミナルマシンでのトレーニングでは、背中を丸めながら腹筋を収縮させ脚と胸を引き寄せるのですが、この時、「上体を丸めて腹筋を潰すイメージを意識する」ことが大切です。筋肉トレーニングは今、どこの筋肉を使っているかを意識することで、その部位の筋肉がきちんと動きます。
2つ目のポイントは「体を伸ばしきらない」ことです。
体が伸びきると、再度体を丸める際に余分な負荷が体にかかります。怪我の原因になりやすいところなので注意してください。
- マシンに深く座ってグリップを握ります。
- 上体を曲げながら腹筋を収縮させます。
- ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
- 上記の運動を繰り返します。
◆回数の目安:10回×3セット
アブドミナルクランチでは腕とヒジをマシンにのせるタイプのものが多いので、重量を追うあまりに腕の力でプレートを上げてしまうことがあります。腕の力で体を引き寄せるのでなく、腹筋で上体と脚を引き寄せる意識を持ちましょう。この時、腹直筋を収縮させる意識を忘れないようにしましょう。
腹直筋の筋トレ2.ドラゴンフラッグ
ドラゴンフラッグは腹直筋の筋トレの中でも高い効果が期待できるトレーニング方法で、初心者には難しい筋トレです。
しかし、ジムで行うのであればトレーナーに指導を受け少しずつ挑戦してみてもよいでしょう。ドラゴンフラッグができるようになれば、腹筋が十分に発達している証拠とも言えます。
ドラゴンフラッグのポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「ヒザを曲げる」ことです。
ドラゴンフラッグはヒザを伸ばすと負荷が上がり、ヒザを曲げると負荷が下がります。初めの段階ではヒザを曲げて軽めの負荷から始めましょう。
2つ目のポイントは「腹圧を高める」ことです。
ドラゴンフラッグのようなきつい筋トレは、腹圧を高めることがポイントになります。腹圧を高めるとは、簡単に言うとお腹に空気を溜めて、中の圧力を高める事を言います。腹圧を高められると体幹が安定するのでドラゴンフラッグのフォームが安定します。
- フラットベンチなどに仰向けになり耳か頭上辺りでベンチの両端を掴みます。
- 肩甲骨をベンチにつけたまま両脚を天に向かって突き上げます。
- そのまま腰をつけないように脚をゆっくりと下ろしていきます。
- そこからゆっくりと元の位置に戻します。
◆回数の目安:10回×3セット
ドラゴンフラッグは腹筋に高負荷の刺激を与えるトレーニングです。初心者にはとても難しいですし、怪我をする可能性もあります。ですから、できないからといって無理やりやろうとすることはやめましょう。無理に行うと腰を痛める可能性が高いです。
腹斜筋の筋トレ3.ハンギングワイパー
ハンギングワイパーは腹斜筋に効果がある筋トレです。美しいくびれを手に入れるためには最適なトレーニングですが、初心者には難しい筋トレです。
ハンギングワイパーのポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「上半身を固定する」ことです。
上半身が動くと下半身を上手く捻れませんから、その分腹斜筋にかかる負荷が小さくなります。腹斜筋をしっかり意識して使うためには、ガッチリと上半身を固定してから、下半身を捻りましょう。
2つ目のポイントは「ゆっくり下半身を捻る」ことです。
腹斜筋は体を捻りきった時に最も負荷がかかります。ですから、下半身が戻る時に腹斜筋を意識することで効率的に鍛えられます。下半身を戻すときにゆっくり戻すことを心がけると、反動を使わずに最後まで筋肉を使って動くことができます。
- 鉄棒にぶら下がります。
- 左右の脚を揃えてつま先を真上に向けるように体を曲げます。
- そのまま右(左)に90度を目標に曲げます。
- 横に倒した下半身を起こしていき、捻れをなくし体を真っ直ぐにします。
- 反対の方にも同様に90度を目標に曲げます。
◆回数の目安:10回×3セット
ハンギングワイパーの注意点ですが、回数をこなすことより、フォームを保つことを重視しましょう。回数を増やせば、負荷が大きくなるのは確かなのですが、ハンギングワイパーのような難易度の高い筋トレについては、まずは正しいフォームを習得しましょう。
間違ったフォームで回数を重ねれば、怪我に繋がることもあるので、トレーナーにフォームをチェックしてもらうことも大切です。
まとめ
美しい腹筋を手に入れるための筋トレ方法を説明しました。腹筋の部位による役割の違いから自宅でのトレーニング、ジムでのトレーニングまで理解していただけたでしょうか。筋トレは、動かしている筋肉を意識して行うこと、呼吸法を知ることが大切です。
筋肉名 | 筋トレ |
腹直筋 | クランチ、アブドミナルマシン、 ドラゴンフラッグ |
腹斜筋 | ツイストクランチ、ハンギングワイパー |
腹横筋 | ドローイン |
コツコツとトレーニングを習慣にすることと、そこに新しい刺激を加えることで、腹筋をより効率的に鍛えることができます。
自分ひとりでは、怠けたり、諦めたりしてしまいがちな人も、ジムでトレーナーや仲間とトレーニングをすると継続して筋トレに励むこともできます。
正しいフォームで効率よくトレーニングをしたいのなら、パーソナルトレーニングを行うのも良い方法です。しっかりトレーニングを積めば、美しいくびれと引き締まったお腹を手に入れることができるでしょう。
- 関連記事
「腹筋の筋トレで「シックスパック」を作る!効果的な方法を解説」の記事でも腹筋の筋トレについて詳しく解説しています。
コメント