贅肉で背中に段差ができている女性を見かけたことはありませんか。他人の後ろ姿は目につきやすいものですが、自分の背中はなかなか確認できず、つい気がゆるみがちです。女性は30歳を過ぎたあたりから筋力が低下し、背中や腰に贅肉がつきやすい傾向があります。
いつまでも美しい後ろ姿でいるため、背中の筋肉を鍛えてしなやかな後ろ姿美人を目指しましょう。
この記事ではすっきりとした背中になるために鍛えるとよい筋肉とトレーニング法を詳しく紹介します。自宅編、ジム編に分けて紹介しますのでライフスタイルに合わせて筋トレを日常に取り入れてみてください。
筋トレすべき背中の筋肉の種類
すっきりとした背中の後ろ姿美人になるには「広背筋」「僧帽筋」「脊柱起立筋」という背中の筋肉を鍛える必要があります。背中の筋肉は体の中でも大きな筋肉のため鍛えることで基礎代謝がアップし、痩せやすく疲れにくい体をつくることができます。
まずは筋トレすべき背中の筋肉の場所や働きをしっかり理解して効果的なトレーニングを行いましょう。
背中の筋肉1.広背筋
広背筋は背中の中心から脇にかけて位置する大きな筋肉です。
「腕を前から後ろに引く動き」や「上げた腕を下ろす動き」の時に使う筋肉です。大きな筋肉であるため、鍛えることで基礎代謝が上がり脂肪が燃焼しやすい体になります。
背中の筋肉2.僧帽筋
僧帽筋は首の付け根から肩甲骨あたりにある筋肉です。
「肩をすくめる」「肩甲骨を寄せる」といった動きに関与します。僧帽筋を鍛えると「肩こり」「猫背」「顔のたるみ」の解消にも効果があります。
背中の筋肉3.脊柱起立筋
脊柱起立筋は背骨に沿って縦についている筋肉です。
「上半身を反らせる」「上半身を起こした状態をキープする」という働きがあります。こちらも大きな筋肉のため鍛えることで基礎代謝が向上し痩せやすい体になることが期待できます。また腰痛の解消にも効果的です。
背中の筋トレ方法(自宅編)
まずは自宅で気軽にはじめられる筋トレ法として「バックエクステンション」「ワンハンドローイング」「スーパーマン」「ローイング(チューブ)」の4つの筋トレ法を紹介します。
自宅でのトレーニングは思い立った時にすぐに始めることができるのが最大のメリットです。
自分でトレーニングの計画を立てて継続して行うにはコツが必要ですが、筋トレアプリを活用して記録をつけSNSでシェアするなど、上手にモチベーションを管理して理想のボディを手に入れましょう。
背中の筋トレ1.バックエクステンション(自重)
バックエクステンションはうつ伏せの状態から上半身を起こすトレーニングで、主に「脊柱起立筋」に効果がある筋トレ法です。
バックエクステンション(自重)のポイントは3つあります。
1つ目のポイントは「反動を使わない」ことです。
反動を使ってしまうとフォームが崩れ背中の筋肉を効率的に使うことができないため、バックエクステンションを行う際はお腹に力を入れてながら、背中の筋肉を意識して行うようにしましょう。
2つ目のポイントは「上体を戻す時はゆっくり戻す」ことです。
初心者は上体を反らしたあと元に戻す際、一気に脱力してしまいがちです。戻す動きの時に脱力してしまうと背中の筋肉を使うことができないので背筋を使いながらゆっくりと戻しましょう。
- うつ伏せに寝ます
- ゆっくりと上体を反らせていきます。
- 上体をゆっくりと戻します。
◆回数の目安:10回×3セット
自重を使ったバックエクステンションを行う際は、頭の角度を一定に保つように注意しましょう。上体を反らせる時に首が後ろに曲がってしまうと首を痛めるおそれがあります。頭の角度を常にまっすぐに保つことによって安全に背中の筋肉を鍛えることができます。
背中の筋トレ2.ワンハンドローイング
ワンハンドローイングはベンチに片手をついた姿勢でダンベルを引く背中の筋トレです。
ダンベルというと腕を鍛えるものと思いがちですがワンハンドローイングは「広背筋」「僧帽筋」に効果のあるトレーニングです。
ベンチがない場合には椅子や台で代用してみてください。ダンベルがない場合には水を入れたペットボトルなどでもトレーニング可能です。
ワンハンドローイングのポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「腕を引く時にヒジを外に開かないようにする」ことです。
腕を引く時にヒジが開いてしまうと上腕の力を使ってしまい背中の筋肉を十分に使えません。脇を閉め、ヒジが開かないようにしてトレーニングを行いましょう。
2つ目のポイントは「背中はまっすぐの状態をキープする」ことです。
ワンハンドローイングでは、背中を丸めてしまうと負荷が逃げてしまいます。頭を下げずに少し斜め上を見るようにすると自然と胸が張れ背中が伸び、しっかりと鍛えたい筋肉を使うことができます。
- 片手と片ヒザをベンチにのせ、もう一方の手でダンベルを持ちます。
- ダンベルを持った腕は力を抜き、背筋を伸ばして胸を張ります。
- ダンベルが脇腹の位置にくるまでヒジを後ろに引きます。
- ゆっくりと腕をもとに戻します。
◆回数の目安:10回×3セット
ワンハンドローイングを行う際は適切な重さのダンベルを使用することが大切です。ダンベルが重すぎるとフォームが崩れやすくなりしっかりと背中を鍛えることができません。
背中の筋トレ3.スーパーマン
スーパーマンはうつ伏せの状態から上半身と両脚を引き上げる筋トレ法で、背中全体に効果があります。また脚も引き上げるためお尻や太ももの筋肉の引き締めにも効果的です。
スーパーマンのポイントは「腕と足を床につけない」ことです。
体を戻す時に床につくまで戻し切ってしまうと筋肉に負荷がかからなくなり筋トレの効果が半減します。慣れないうちは体を下ろす際に一気に脱力しがちです。体を戻す時にも背中の筋肉を使う意識をもって、効果的な筋トレを行いましょう。
- 床にうつ伏せになり手脚を伸ばしお腹に力をいれます。
- ゆっくりと上半身と脚を上げていきます。
- 限界まであげたら15〜20秒間姿勢をキープします。
- 体を下ろしきる直前まで戻していきます。
◆回数の目安:3回×3セット
スーパーマンを行う時はお腹に力を入れて行うようにしましょう。お腹の力が抜けていると腰に負担がかかり腰痛を引き起こすおそれがあります。しっかりとお腹に力を入れることで腰痛を防ぎ安全に背中の筋トレを行うことができます。
背中の筋トレ4.ローイング(チューブ)
ローイングは「広背筋」「僧帽筋」に効果のある筋トレ法です。チューブを持つ位置を変えることで負荷を調節することができます。
トレーニングチューブはローイングの他にもたくさんのトレーニングに使用することができます。強度や形状により様々な種類があります。小さくたためて自宅での保管にも困らないため、ぜひ購入してトレーニングに取り入れてみてください。
ローイング(チューブ)のポイントは3つあります。
1つ目のポイントは「ヒジを開かずに脇を閉めて腕を引く」ことです。
腕を後ろに引く時にヒジを外に開いてしまうと背中の筋肉をうまく使えずに効率的な筋トレができません。脇をしっかりと閉めてヒジをまっすぐ後ろに引き、肩甲骨を寄せるイメージでトレーニングを行いましょう。
2つ目のポイントは「腕を引く時に上半身を後ろに倒しすぎない」ことです。
腕を引く際に上半身を後ろに倒しすぎてしまうと背筋にきちんと負荷がかかりません。上半身は床に垂直か少し後傾する程度にしましょう。
3つ目のポイントは「腕を引いた時に肩甲骨を寄せる」ことです。
ヒジを後ろに引いたら最後に肩甲骨をぐっと内側に寄せましょう。こうすることで僧帽筋がしっかりと鍛えられます。
- 両脚を伸ばして床に座り、チューブを両足の裏にかけチューブの端を持ちます。
- 背すじを伸ばして胸を張り、軽くヒジを曲げます。
- ヒジを後ろに引いていき、肩甲骨を寄せきります。
- 腕をゆっくりと戻していきます。
◆回数の目安:10回×3セット
ローイングを行う際は下を向かないように注意しましょう。下を向いてしまうと背中がゆるみ筋トレの効果が半減してしまいます。頭を下げずに前か少し上を見るようにすることでしっかりと背中の筋肉を鍛えることができます。
背中を鍛えて魅力的な後ろ姿になるための筋トレ法(ジム編)
ジムに通うことのメリットは自宅にはない専用のトレーニングマシンが使えることです。またトレーナーやインストラクターにフォームをチェックしてもらえたり相談ができるのも大きな魅力です。
自分でトレーニングメニューを考えるのが難しいと感じている人や正しいフォームをきちんと身につけて効率的に筋トレをしたい人にはジムでのトレーニングがおすすめです。
ここではジムで行う背中の筋トレとして「ラットプルダウン」「ローイング(ケーブル)」「バックエクステンション(マシン)」の3つのトレーニングを紹介します。
背中の筋トレ1.ラットプルダウン
ラットプルダウンは専用のマシンを使って広背筋を鍛える筋トレです。
副次的に僧帽筋を鍛える効果もあります。バーの握り方やバーを顔の前で引くか頭の後ろで引くかによって数種類のやり方があります。ここでは一番基本的な顔の前でバーを引くフロントネックラットプルダウンを紹介します。
ラットプルダウンのポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「バーを握る時に親指を握り込まない」ことです。
バーを握る時に親指を下から握り込まずに他の4本の指と同じ側にかけて握る「サムレスグリップ」という握り方をすることがポイントです。サムレスグリップにすることで腕の筋肉に力が入りにくくなり、バーを引く時に腕の力ではなく広背筋をしっかりと使うことができます。
2つ目のポイントは「腕を引いてくる時に背中を丸めない」ことです。
初心者のうちは疲れてくるとつい背中を丸めてしまいがちですが、背中が丸くなると負荷がしっかりと広背筋にかからなくなります。
胸を斜め上に向かって張れば背中が丸まってしまうことを予防できます。バーを引っ張るのではなく、懸垂のようにバーに自分の胸を近づけるイメージで行ってください。
- マシンに腰かけ足のパッドの位置を調整します。
- 肩幅より拳1つか2つ分広い幅でバーを握ります。握り方はサムレスグリップにします。
- 目線は少し斜め上にして胸を張り、バーを首元まで引きます。
- 腕が伸びきらない位置までバーを戻します。
◆回数の目安:10回×3セット
バーを引いてくる時に腕の力で引かずに肩甲骨を寄せながら背中の筋肉を使って引くように注意しましょう。この意識が抜けてしまうと腕の筋肉ばかり使ってしまうことになりがちです。
背中の筋トレ2.ローイング(ケーブル)
ローイング(ケーブル)は専用のマシンを使い「広背筋」「僧帽筋」を鍛える筋トレです。
ローイング(ケーブル)のポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「ケーブルを引く時に上半身を後ろに倒しすぎない」ことです。
ケーブルを引く時に上半身が後ろに倒れすぎてしまうと背筋をうまく使えません。さらに腰を痛めてしまう原因にもなります。腰を動かすのではなくヒジを引き肩甲骨を寄せる意識を持ってトレーニングを行いましょう。
2つ目のポイントは「ケーブルを引いた後に肩甲骨を寄せる」ことです。
ケーブルを引いた後にさらに肩甲骨をぐっと寄せきることで、しっかりと背筋を鍛えることができます。肩甲骨を寄せ、胸をぐっと張ることを意識して筋トレを行うようにしましょう。
- マシンに座りグリップを握ります。
- 胸を張り背中を伸ばし、ヒジを後ろに引いていきます。
- ゆっくりと腕を前方に戻します。
◆回数の目安:10回×3セット
背中の筋トレ3.バックエクステンション(マシン)
マシンを使ったバックエクステンションは脊柱起立筋と広背筋の下部を鍛える筋トレ法です。
専用のマシンに座った状態で上半身を後ろに倒すことで背中を鍛えます。自重でのバックエクステンションとは異なりお尻やハムストリングの筋肉を使いにくいため、より重点的に背中の筋肉を鍛えることができます。
マシンでのバックエクステンションのポイントは2つあります。
1つ目のポイントは「背中をまっすぐに保ったまま行う」ことです。
背中を曲げたり腰を反ってトレーニングを行うと脊柱起立筋がうまく使えず、腰に負担がかかり腰を痛めてしまうおそれがあります。背中はまっすぐに保ったまま筋トレを行うようにしましょう。
2つ目のポイントは「反動を使わずにゆっくりと行う」ことです。
反動を使ってしまうことも背筋がしっかりと使えないだけでなく腰を痛める原因にもなります。
- マシンに腰かけ背中のパッドの位置を調節します。
- お腹に力を入れ、ゆっくりと上体を後ろに倒していきます。
- ゆっくりと元に戻します。
◆回数の目安:10回×3セット
体を伸ばした状態から体を曲げていく時、胸を張ってお腹に力を入れて、上体全部が一気に折れ曲がるようにしましょう。初心者はみぞおちから上だけが折れ曲がり、背中が丸まったようなフォームになりがちです。このフォームだと腰を痛めやすくなるので気をつけましょう。
まとめ
後ろ姿は自分では確認しにくいため、気づかないうちに贅肉がついていたなんてことになりがちです。背中の筋肉を鍛えることによってすっきりとしたボディラインを手に入れることができるだけでなく、正しい姿勢を無理なく保つことができます。
紹介した背中の筋トレを日常に取り入れて後ろ姿まで美しい女性を目指しましょう。
メインターゲット | 筋トレ法 |
広背筋 | ワンハンドローイング、ローイング(チューブ)、 ラットプルダウン、ローイング(ケーブル) |
僧帽筋 | ワンハンドローイング、ローイング(チューブ)、 ラットプルダウン、ローイング(ケーブル) |
脊柱起立筋 | バックエクステンション(自重)スーパーマン、 バックエクステンション(マシン) |
まずは自分で筋トレを始めてみるのもおすすめですが、短期間で結果を出したい場合にはパーソナルトレーニングを申し込んでみるのもよいでしょう。
パーソナルトレーニングではその人に合ったトレーニングメニューを作成しゴールまでサポートをしてくれます。またトレーニングだけではなく食事や睡眠など理想のボディメイクに向けてトータルにアドバイスを受けることができます。
トレーナーと共に自分に合ったトレーニング法を見つけて、美しい後ろ姿を手に入れましょう。
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