短パンから伸びる太くたくましい太ももからは男らしさが感じられます。
鍛え上げられたたくましい太ももに憧れる男性は多いはず。太ももには複数の筋肉がありますが、「太くしたい」という場合は太ももの前側にある「大腿四頭筋」を鍛えるのがよいでしょう。
そこで今回は「大腿四頭筋」を重点的に鍛えるために効果的なトレーニング方法とそのポイントを解説します。
太くたくましい太ももにするため鍛えるべき筋肉
太ももには複数の筋肉がありますが、「太ももを太くムキムキにしたい」という方は太ももの前側にある「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」を鍛えましょう。
大腿四頭筋は太ももの前側を縦に走る4つの筋肉により構成されています。
- 中間広筋(ちゅうかんこうきん)
- 内側広筋(ないそくこうきん)
- 外側広筋(がいそくこうきん)
- 大腿直筋(だいたいちょっきん)
大腿直筋のみ股関節を曲げる(骨盤を前傾させる)働きと、ヒザを伸ばす働きの2つの働きがある筋肉です。その他3つの筋肉はヒザを伸ばす働きを担っています。
大腿四頭筋は太ももの前側にあるため目立ちやすく、また全身の中でも比較的大きな筋肉であることから、ここを鍛えれば太ももが太く見えます。
また、大腿四頭筋が使われるのは主に「ヒザを伸ばす」「股関節を屈曲する(お辞儀・しゃがむ際などに上半身を倒す動作)」ときです。
そのため、大腿四頭筋を鍛える筋トレをするときは特に「ヒザを伸ばす」動き、「しゃがむ」動きを組み合わせて丁寧におこなうとトレーニングの効果が高まります。
【自重編】太もも(大腿四頭筋)を効果的に鍛える筋トレ
ここからは大腿四頭筋を鍛えるのに効果的な筋トレを紹介します。「自重編」と「器具編」に分けて紹介していきますが、まずは「自重編」からみていきましょう。
「自重編」では2種類のスクワットを取り上げます。
スクワットは下半身に効く筋トレの代表格です。大腿四頭筋だけではなく、太ももの裏側の筋肉「ハムストリング」やお尻の筋肉「大殿筋」「中殿筋」など下半身の筋肉全てを同時に鍛えられますが、フォームを工夫することで狙った筋肉に集中して効かせることも可能です。
以下では、大腿四頭筋を重点的に鍛えるために押さえておきたいスクワットのやり方やポイントを解説します。
基本のスクワット(☆☆)
最初に紹介するのはスクワットの基本形です。
スクワットではお尻を後ろに引く動作(ヒップシフト)ができないと、上手に効かせることができません。
その上で、「ヒザをつま先より前に出さない」というのが基本です。とはいえ、構造学上どうしてもヒザは少し前に出ます。そのためヒザが前に出ないよう意識するよりも、お尻を後方に引くことを意識することが大切です。
大腿四頭筋をメインで鍛えたい場合は、体重をつま先にかけるようにしましょう。
ただし、動画でも言及されているように、ヒザをつま先より前に出しておこなうスクワットはヒザに大きな負担がかかってしまうため、ヒザを痛める可能性があります。
したがって筋トレ初心者の方は、まずはお尻を後方へ引くことを意識して、「ヒザをつま先より前に出さない」安全なスクワットから始めてください。
「ヒザをつま先より前に出さない」スクワットの場合、大腿四頭筋へかかる負荷は小さくなりますが、下半身全体をバランスよく鍛えられます。
お尻を上手に引けているか?については、前屈をしたときに動画の右側のように、お尻がきちんと後ろに引けているか、すねが後ろに倒れているかを確認してください。
そして、基本のスクワットをマスターした後、大腿四頭筋を重点的に鍛えたい場合は大腿四頭筋に効く「ヒザをつま先より前に出す」スクワットに取り組みましょう。
- 肩幅まで足を開き、つま先・ヒザともに正面に向けます。腕は地面と平行に伸ばすか、胸の前に置きましょう。
- お辞儀をするようにお尻を後方に引き、それからヒザを曲げます。体重は内くるぶしの真下に来るよう意識します。
- 太ももと床が平行になるぐらいまで、腰を下ろします。ヒザを曲げるというよりは後ろの椅子に座るようにお尻を突き出しましょう。
- ゆっくり戻していきます。
◆回数の目安:10回×3セット
シシースクワット(☆☆☆☆)
次に紹介するのはスクワットの応用形の1つである「シシースクワット」です。
シシースクワットでは、上半身を後ろに倒して、ヒザを前につき出した体勢でスクワット運動をおこないます。
シシースクワットでは、ヒザ関節の動きがメインとなり、股関節の動きが制限されるため、股関節と連動して動く大殿筋や中殿筋といったお尻の筋肉があまり使われません。その分、ヒザ関節と関わる大腿四頭筋に負荷が集中します。
したがって、シシースクワットは基本のスクワットよりも大腿四頭筋を効果的に鍛えられるのです。
シシースクワットのポイントは「上体を上げるときに腰より上の上半身が一直線になるようにキープする」こと。
シシースクワットではヒザを前に突き出すことが重要です。腰が引けてしまわないように、上半身が一直線になるように意識してください。
とはいえ、シシースクワットは中級者以上向けの筋トレです。筋力が十分についていない状態で取り組むと体勢を崩して怪我をしてしまう恐れがあります。基本のスクワットに継続して取り組んで下半身の筋力をしっかりと強化した上で実践するようにしてください。
- 肩幅に足を開き、つま先を軽く広げます。壁に手をついてバランスを取ります(動画ではバーを利用していますが、壁でも可)。
- その体勢からヒザを曲げていき、上半身は後傾させます。動きに合わせてかかとを上げていきましょう(初めからつま先立ちでもOK)。全身がくの字型になるようなイメージです。
- ヒザは90度以上曲げ、できれば床とふくらはぎが平行になるまで曲げます。
- 上半身を起こしながらゆっくりヒザを伸ばして戻ります。ヒザを伸ばし切らないようにしましょう。
◆回数の目安:12回×3セット
【器具編】太もも(大腿四頭筋)を効果的に鍛える筋トレ
ここからはジムのマシンやバーベルなど器具を使うトレーニングを紹介します。
器具を使うメリットとしては「自重のトレーニングと比べてより大きな負荷をかけられる」という筋トレ上級者向けの利点が真っ先に挙げられると思いますが、実は「筋トレを始めたばかり」という初心者にもメリットがあります。
初心者向けのメリットとは「意識しないでも鍛えたい部位に刺激を入れられる」ということ。
例えば、下で紹介するマシン・レッグエクステンションもマシンを使うことでフォームを安定させられます。
どうしても「ジム通いは筋トレ上級者がするもの」というイメージが強く、ハードルが高いと感じている方も多いかもしれませんが、実は初心者だからこそジムに通うメリットもあるのです。
マシン・レッグエクステンション(☆☆☆)
マシン・レッグエクステンションの「レッグ」は「足」を、「エクステンション」は「伸ばすこと」を意味します。つまり、マシン・レッグエクステンションは「足を伸ばす」トレーニングです。
マシン・レッグエクステンションのポイントは「ヒザを伸ばすこと。
上でも説明したように大腿四頭筋は「ヒザを伸ばす」ときに使われる筋肉です。
レッグエクステンションによくある間違いとして、太ももを意識するあまり、ヒザを伸ばすことなく太ももを上に上げてしまうということがあります。
これは大腿直筋にだけ刺激を加えるならありですが、大腿直筋以外の筋肉にも効かせるためには、「ヒザを伸ばして足を前に押し出す」ことが重要です。
先ほど説明したように、適切な重さでマシンを使えば自然と「ヒザを伸ばして足を前に押し出す」動作が再現されますが、「ヒザを伸ばすのがポイント」ということは頭に入れておきましょう。
ヒザは伸ばしきらず、軽く曲げた状態を保とう
ヒザを伸ばすことは大切ですが、伸ばしきいらないよう注意してください。初心者がヒザを伸ばしきると、負荷に耐えられずケガをしてしまいます。軽くヒザが曲がった状態を保ちましょう。
- シートに深く座って、足を腰幅に開きます。足元のパッドはヒザ下に来るようセットしましょう。つま先は自分の方へ上げるようにしておきます。
- 足首でパッドを持ち上げます。ヒザを伸ばして脚と床が平行になるまで持ち上げます。
- ゆっくり戻していきます。上げるのに2秒、下ろすのに3秒というように、下ろす方をゆっくりします。
また、より大きな負荷をかけたい方向けにレッグエクステンションを片足でおこなうやり方もあります。レッグエクステンションについてはレッグエクステンションの効果とマシンを使った2種類の実践方法で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
バーベルスクワット(☆☆☆☆)
最後にもう1つスクワットの応用形を紹介します。バーベルを担いでおこなうスクワットです。
これまで紹介してきたスクワットと同様に、バーベルスクワットでも「ヒザを前に出す」ことで大腿四頭筋に効かせられます。
とはいえ、バーベルを担いでいる分、ヒザへの負担が相当な大きさになりますので、「ウエイトをつける前にバーだけを担いで、フォームを確認する」などして十分に注意した上でおこなってください。
バーベルの落下事故は珍しくありません。トレーニングを安全におこなうためにも、ジムにいるトレーナーやパーソナルトレーナーの指導の下で取り組むことをおすすめします。
- 肩幅まで足を広げ、つま先は少し広げます。
- バーベルを肩に担ぎ、そのまま腰をゆっくり下ろしていきます。ヒザを曲げる、お尻を突き出すというよりはしゃがみ込むようなイメージです。
- ヒザが90度になる前に上げます。
◆回数の目安:10回×3セット
まとめ
今回は太ももを太くするために鍛えるべき筋肉「大腿四頭筋」とその効果的な鍛え方を紹介しました。
太ももを太くするため鍛えるべき筋肉 | 効果的な筋トレ法 |
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この記事ではスクワットを3つ紹介しましたが、スクワットで大腿四頭筋を重点的に鍛えるためには「ヒザを前に出す」ことがポイントになってきます。
しかしながら、このやり方はヒザへの負担が大きいため、通常のスクワットよりも回数を減らすようにしてください。
大腿四頭筋に効く「ヒザを前に出す」スクワットには「大腿四頭筋に効かせる」効果と「ヒザを痛める」リスクの両方があり、さじ加減が難しいところ。
正しいフォームで最適なトレーニング量を見極めながら、取り組んでいきましょう。
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