ハムストリングの筋トレ|太ももの裏を鍛える6つの方法を紹介

太もものトレーニング方法

たくましく、男らしい印象になるために筋トレを始めた、という人は少なくないでしょう。特に太ももは、座った時や短パンを履いたときに筋肉の有無がわかりやすく、体全体の印象に大きく影響を与えます。

憧れているたくましい脚になるためには、ハムストリングを鍛えることが重要です。ハムストリングというのは、太ももの後ろの部分にある3つの筋肉の総称です。

そんなハムストリングを、効率的に鍛えるための方法をご紹介します。

ハムストリングを構成する3つの筋肉

ハムストリングは股関節や膝関節の動きに関係し、骨盤を支える役割も担っているため、歩行など毎日の健康的な生活のためにも重要な箇所です。そのハムストリングについて3つの部位に分けて紹介していきます。

ハムストリングの筋肉1.大腿二頭筋(長頭・短頭)

ハムストリングを形成する筋肉のひとつである大腿二頭筋は、太もも裏の部分を縦に見たときに、真ん中から外側へと続く筋肉です。大腿二頭筋は長頭と短頭の2本で構成され、長頭は股関節と膝関節の2つの関節の動きに関わっています。

主に膝の屈曲や伸展、股関節の伸展や屈曲で使用される筋肉です。たとえば、走ったり、ジャンプをしたりするときに使われます。そのため、マラソンランナーの多くは大腿二頭筋がとても発達しています。

また、大腿二頭筋は股関節と膝関節の回旋(開いたり閉じたりする動作)にも関係があり、半腱様筋や半膜様筋といった、ハムストリングの他の筋肉の動きもサポートしています。

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大腿二頭筋を鍛えると基礎代謝量が上がって脂肪が燃えやすくなったり、腰痛の予防になったりするだけでなく、ヒップアップや姿勢がよくなることが期待できます。そのため、スーツの着こなしが見違えるほどスタイルアップするという、嬉しいメリットが考えられます。

ハムストリングの筋肉2.半膜様筋

半膜様筋は太もも裏の内側の内部にある、ハムストリングを構成している筋肉のひとつ。半膜様筋は、膝を曲げる動作や、股関節を伸ばす動作に関わっています。走る動作を始めとして、階段の上り下りなど日常動作でも常に使われ続けている筋肉です。

試しに足首を内側に向けて、太ももに力を入れてみてください。太ももの内側で硬く緊張するのがわかれば、半膜様筋がうまく使われている状態です。

半膜様筋をしっかりと鍛えることで足腰が強くなり、膝や股関節のトラブルが減ったり、階段の上り下りやランニングなどを身軽にこなせるようになり、日常の動作がぐっと楽になります。

ハムストリングの筋肉3.半腱様筋

半腱様筋は太もも裏の内側に半腱様筋を覆うように存在する筋肉です。半膜様筋と同様に、膝を曲げる動作や、股関節を伸ばす動作に関わっています。

半腱様筋は、走ったりジャンプをしたりという瞬発的な力に関わる筋肉です。日常ではあまり使用しないように感じるかもしれませんが、膝や股関節は足全体のバランスをとっている重要な箇所です。

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10年、20年後も健康な体でいるためには、正しい姿勢で歩くことや、膝、腰への負担を極力軽減し、トラブルを予防することは必要不可欠です。

また、太ももの内側は、男女ともに脂肪がつきやすい箇所でもあるため、半腱様筋をしっかり鍛えることで、余分な脂肪がなく適度に引き締まったスタイルの良い足になります。

ハムストリングを鍛えてたくましい脚になるための筋トレ法(自宅編)

ハムストリングは鏡などを使わないと、自分では全体を見ることが難しい場所です。だからこそ、どのようなトレーニングが効果的なのか、まずはトレーニング方法を確認しましょう。

ここまでで説明したように、ハムストリングというのは太ももの裏側の筋肉の総称です。大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋を鍛えられる、自宅でできるトレーニングを紹介します。

ハムストリングの筋トレ1.ジャンピングスクワット

ジャンピングスクワットは大腿二頭筋に効果がある筋トレです。スクワットとひとくちにいっても、実はいろいろなスタイルがあり、それによって鍛えられる筋肉が異なります。

ジャンピングスクワットは、通常のスクワットにジャンプの動作を加えることで、スクワットの中でも効率よく大腿二頭筋を鍛えることができます。

ジャンピングスクワットの手順

  1. 足を肩幅ほど広げます。
  2. 両手を前で組みます。
  3. 膝を曲げて体を下ろしましょう。
  4. 太ももと床が平行になったら力強く地面を蹴って飛んでください。(反動をつけずに膝を伸ばすイメージで取り組みましょう。)
  5. 着地したらそのまま体を下げていきます。
  6. この動作を繰り返してください。

◆回数の目安:15回×3セット

インターバルは30秒で行いましょう。ジャンピングスクワットを効果的に行うポイントは、ジャンプを常に全力で行うこと。お腹と背中に力を入れて背筋を伸ばすことを意識してください。

ついつい足元を見がちになるため、顔は前を向けるようにして、スクワット時は膝を曲げた際、膝の向きとつま先の向きが同じになるようにします。筋トレの効果を最大限にするためには、正しいフォームで行うことが重要です。

ハムストリングの筋トレ2.サイドランジ

サイドランジは、足を前に出すレッグランジトレーニングと異なり、横に大きく踏み出す筋トレ種目。

レッグランジトレーニングでは太もも中央の筋肉を鍛えることができるのに対して、サイドランジは半腱様筋や半膜様筋といった、太ももの内側に効果があるトレーニングです。太もも裏と内側が刺激されているのを感じながら行いましょう。

サイドランジの手順

  1. 肩幅と同じか少し広めに足を広げます。
  2. 背中を伸ばしたまま、足を横に大きく踏み出します。
  3. 踏み出した足にゆっくり体重をかけ、体を徐々に落としていきましょう。
  4. 太もも裏が伸びているのを感じたら元に戻します。
  5. 逆足も同様に行いましょう。
  6. この動作を繰り返します。

◆回数の目安:10回×3セット

インターバルは30秒です。サイドランジを効果的に行う最も重要なポイントは、重心の位置。かかとに重心をかけることを意識してください。背中が丸まっていたり、体を前に倒れていたりする状態では、膝に大きな負担がかかります。

さらに、「つま先はやや外側に向けること」、「呼吸を止めずに行うこと」も大切になるので覚えておいてください。

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サイドランジについては「サイドランジのやり方を動画付きで解説!内転筋を効率的に鍛える」の記事で詳しく紹介しています。

ハムストリングの筋トレ3.ワイドスタンススクワット

ワイドスタンススクワットは、一般的なノーマルスクワットよりも足幅を広げることで、半腱様筋のような太ももの内側の筋肉により効果的です。太もも裏の刺激を感じながらゆっくり行いましょう。

ワイドスタンススクワットの手順

  1. 肩幅の1.5倍ほど足を広げて立ちます(足先をやや外に向ける)。
  2. 両手は胸の前、または頭の後ろで組みましょう。
  3. 背筋をしっかりと伸ばしたまま、腰をゆっくりと下げていきます。
  4. 太ももが地面と平行になるまで下げます。
  5. 素早く体を元に戻してください。
  6. この動作を繰り返します。

◆回数の目安:15回×3セット

インターバルは30秒です。
ワイドスタンススクワットの効果を高めるポイントは、体をおろすときはゆっくり、あげるときは素早く行うこと。4カウントでおろし、2カウントであげるなどを目安にしてください。

膝をつま先より前に出さず、つま先は膝を曲げる方向と同じ向きにすること。そして腹筋に力を入れて背筋を伸ばすことを意識しましょう。

ハムストリングを鍛えてたくましい脚になるための筋トレ法(ジム編)

仕事で疲れていたり、帰りが遅くなったりと、忙しい毎日の中では「明日にしよう」と、ついつい自宅でのトレーニングを後回しにしてしまうことも。

そうしているうちに、1回、2回とトレーニングのチャンスを逃し、いつしか全くやらなくなってしまうということはよくあることです。

自宅でのトレーニングが続かない人は、ジムで行うトレーニングを取り入れてみてください。トレーナーの指導を受けられたり、他の人のトレーニングに刺激されたりするだけでなく、何よりも気分転換になります。

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ジムに行くことを予定のひとつにしてしまえば、習慣化するのも難しくはありません。さらに、ジムでトレーニングマシンを使用すれば、自宅で行うよりも大きな負荷をかけて効果的なトレーニングができるメリットもあります。

ハムストリングの筋トレ1.レッグカール(専用マシン)

レッグカールを専用マシンで行うことで大腿二頭筋を効果的に鍛えることができます。レッグカールは太ももの裏全体、つまりハムストリング全体に効果があるトレーニングです。大腿二頭筋だけでなく、全体を一度で刺激できる効率的なトレーニングともいえます。

専用マシンで行うレッグカールの手順

  1. 専⽤の筋トレマシンにうつ伏せになります。
  2. 体をシートに横たえ⾜⾸にパッドを引っ掛けてください。
  3.  膝を曲げながら⾜裏の筋⾁に⼒を⼊れて、最低でも90度は曲げます。
  4.  戻る時はゆっくりと⾏い、負荷が完全に抜ける前に再度繰り返します。

◆回数の目安:10回×3セット

マシンを使用した負荷をかけるトレーニングは、自分に合った負荷で行うことがとても重要です。

負荷が軽すぎると効率的に鍛えることができず、反対に負荷が大きすぎると怪我の原因になったり、フォームが崩れて正しく筋肉を使うことができなかったりします。負荷や回数は、トレーナーに相談し、自分に合ったトレーニングメニューを行いましょう。

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レッグカールについては「レッグカールでハムストリングを鍛える!知っておくべき効果とやり方」の記事で詳しく紹介しています。

ハムストリングの筋トレ2.スティフレッグデッドリフト(バーベル)

スティフレッグデッドリフトは、ハムストリング全体とお尻と背中に効果のあるトレーニングです。スティフレッグデッドリフトはダンベルを使用すれば自宅でもできるトレーニングです。

しかし、ジムでバーベルを使用して行う方が効果的です。ただし、フォームが間違っていると腰に負担がかかり、腰痛などの原因にもなりかねません。慣れるまではトレーナーに見てもらうなど、最初に基本フォームをしっかり覚えることを意識しましょう。

バーベルを使って行うスティフレッグデッドリフトの手順

  1. 両⼿でバーベルをしっかり持ちます。
  2. 重⼼は常につま先を意識してください。
  3. お尻を後ろに引いて、背中はまっすぐをキープ(反らせない、丸めないを意識する)。
  4. 次に胸を張ってください(肩甲⾻を閉める)。
  5. 腕は終⽌地⾯と垂直の位置に置きます(腕でバーベルをコントロールしない)。
  6. バーを上げるときはスネとももを滑らせる感じで。
  7. ハムストリングとお尻の⼒を使ってバーベルを持ち上げます(バーベルが上がるのと、お尻を前に出すタイミングを⼀緒にする。お尻で反動をつけないこと)。
  8. 上がりきった時に背中を反らせず、でも肩甲⾻は閉めるように意識すします。同時にお尻も締めましょう。
  9. 背中はまっすぐ(反らせない、丸めないを意識する)のまま、お尻を後ろへ引きながらバーベルを下ろします。

◆回数の目安:10回×3セット

ステップ3、4は特に重要なポイントです。

常につま先に重⼼をおくこと、背中をまっすぐ伸ばした状態を保つこと、股関節を中⼼に動かすこと、お尻を後ろに突き出すこと、膝を少し曲げることを意識しながら行いましょう。特に背筋を伸ばそうとして背中を反りすぎてしまう人をよく見かけます。

背筋をまっすぐに伸ばすときには、腹筋も意識して、お腹と背中の筋肉を天井に引き上げるようなイメージを保つようにしてください。せっかくのジムでのトレーニングのため、フォーム、バーベルの持ち方、負荷や回数をトレーナーに相談してみましょう。

ハムストリングの筋トレ3.スティフレッグデッドリフト(ゴムバンド)

バーベルを使用したスティフレッグデッドリフト同様、ハムストリング全体とおしりと背中に効果があるトレーニングです。ゴムバンドが自宅にある場合は、自宅でもトレーニングが可能であるため便利です。

ただ、ゴムを伸ばした分だけ負荷がかかる漸増負荷という性質を利用しているため、腰に一定の負担がかかります。慣れるまではジムでトレーナーに見てもらうなど、最初に基本フォームをしっかり覚えることを意識しましょう。

ゴムバンドを使って行うスティフレッグデッドリフトの手順

  1. ⾜は腰幅で広げすぎないようにします。
  2. 両⼿でゴムバンドをしっかり待ちます(このとき、親指は一緒に握り込まず、手の甲を前に向けて持ちます)。
  3. 重⼼は常につま先を意識してください。
  4. お尻を後ろに引いて、背中はまっすぐです(反らせない、丸めないを意識する)。
  5. 次に胸を張ってください(肩甲⾻を閉める)。
  6. 腕は終⽌地⾯と垂直の位置にします(腕でゴムバンドをコントロールしない)。
  7. ゴムバンドを引っ張るときはスネとももを滑らせる感じで。
  8. 太ももの裏側の筋肉が硬くなっていることに意識を集中しながらバンドを腰の一にキープできるように力を入れましょう(ゴムバンドが上がるのと、お尻を前に出すタイミングを⼀緒にする。お尻で反動をつけないこと)。
  9. 上体が上がりきった時に背中を反らせず、でも肩甲⾻は閉めるように意識すします。同時にお尻も締めてください。
  10. 背中はまっすぐ(反らせない、丸ませないを意識する)のまま、お尻を後ろへ引きながらゴムバンドを下ろします。

◆回数の目安:10回×3セット

ステップ7では小指から中指にかけて強く握り、ボートを漕ぐイメージで、手だけでなく腕全体でキープします。ゴムが縮もうとするのに対してその状態をキープするように力を入れることで、肩甲骨に力が入り、ハムストリングに効果的に負荷をかけることができます。

背筋を伸ばそうとして背中を反りすぎてしまう人をよく見かけるため注意してください。背筋は最初から最後まで変わらずまっすぐな状態をキープし、同時に肩甲骨も最初から最後まで力を入れて収縮していることを感じてください。

背筋をまっすぐに伸ばすときには、腹筋も意識して、お腹と背中の筋肉を天井に引き上げるようなイメージを保つようにしてください。せっかくのジムでのトレーニングのため、フォーム、ゴムバンドの使い方、負荷や回数をトレーナーに相談してみましょう。

ハムストリングの筋トレ4.グルートハムレイズ(ローマンチェア)

グルートハムレイズはハムストリング(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋)全体に効果的です。ダンベルや器械を使用しない⾃重トレーニングにも関わらず、ハムストリングを強烈に鍛える筋トレです。

グルートハムレイズは「ローマンチェア」と呼ばれる、背筋やハムストリングを鍛えるマシンを用いて行います。

ローマンチェアを使用して行うグルートハムレイズの手順

  1. ローマンチェアにうつ伏せに乗ります。
  2. 太ももの真ん中から下をパッドにのせる。踵は⾜を⽀えるローラーの下に当ててください。
  3. 台から下の⽅へ、背中の⾃然なカーブを保ちながら上体を折り曲げます。
  4. 上体が床と平⾏になるまで上げてください。
  5. そこからさらに、膝を曲げながら上体を引き上げます。
  6. ゆっくりと下ろしていく、を繰り返しましょう。

◆回数の目安:10回×3セット

このトレーニングは、ローマンチェアにうつ伏せで体を位置させて上体を折り曲げたら、両膝を曲げながら上体を起こしていくことで、膝関節屈曲の主⼒筋であるハムストリングへ上半⾝の体重全てを負荷としてかけることが出来るものです。

上体を起こす時だけでなく、下ろす時もゆっくり行うことでハムストリングに大きな負荷をかけるため、筋繊維を傷付けやすく、回復期間を持つことで筋肉の増強が促されます。

キツメのトレーニングですからトレーナーとフォーム、回数など相談して行うといいでしょう。

まとめ

しっかりとした足腰を作り、たくましくありながらスラリとした太ももになるために重要なハムストリング。このハムストリングを効果的、かつ総合的に鍛えられる筋トレをご紹介しました。

きちんと筋肉をつけるためには、トレーニングの内容はもちろんですが、頻度や継続が当然ながら必要です。どんな環境でも継続してトレーニングができるよう、自宅でやりやすいもの、ジムで効果的に鍛えたい部分など、ニーズに合わせて使い分けてください。

見栄えのある脚を作るために鍛えるべき筋肉 効果的な筋トレ法
  • 大腿二頭筋
  • ジャンピングスクワット
  • レッグカール(専用マシン)
  • スティフレッグデッドリフト(バーベル)
  • グルートハムレイズ(ローマンチェア)
  • 半腱様筋
  • サイドランジ
  • ワイドスタンススクワット
  • レッグカール(専用マシン)
  • スティフレッグデッドリフト(バーベル)
  • グルートハムレイズ(ローマンチェア)
  • 半膜様筋
  • サイドランジ
  • レッグカール(専用マシン)
  • スティフレッグデッドリフト(バーベル)
  • グルートハムレイズ(ローマンチェア)

もちろん太もも全体を見栄えのある脚にするためには、ハムストリングだけでなく、大腿四頭筋も大きくしたいため、バランスよくトレーニングすることが大切です。

筋トレは大変ですが、継続してトレーニングすれば鍛えられたたくましい脚を手に入れることができるでしょう。

1人でトレーニングすることが難しい人は、パーソナルトレーナーをつけたり、ジムのトレーナーに質問したりして、自分に合ったトレーニング方法を見つけてみてください。

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