「二の腕のたるみが気になる」「ぽっこりお腹を解消したい」というように、特定の部位にコンプレックスを抱えており、その部位を集中的にシェイプアップしたいという方は多いのではないでしょうか?
ただし、部分痩せは全身を絞っていくダイエットよりも難しいというのが一般的に言われていることです。果たして、部分痩せは可能なのでしょうか?
今回は部分痩せについて解説します。
- そもそも部分痩せって可能なの?
- 部分痩せができるのであれば、どんなやり方が効果的なの?
筋トレで部分痩せは可能?それともできない?
果たして、筋トレで部分痩せすることは可能なのでしょうか?
結論からお伝えすると、日本ダイエット健康協会が発行しているダイエット検定のテキストには、「部分痩せは不可能である」と説明されています。
世間で紹介される「部分痩せ」トレーニングでは、あたかも特定の部分だけを痩せさせるような表現が用いられていますが、理論的に不可能とされています。
出典:日本ダイエット健康協会著『ダイエット検定1級テキスト』
理論的にはトレーニングや食事療法などでは、ある一部分の体脂肪だけを優先的に消費するということは不可能だといわれています。
出典:日本ダイエット健康協会著『ダイエット検定2級テキスト』
「筋トレ」と「マッサージ」で脂肪の消費を「ヘルプ」することは可能
ただし、同テキストでは、「筋トレ」と「マッサージ」には部分痩せをサポートするような補助的なメリットがあることも紹介されています。
筋トレとマッサージにはそれぞれどんな効果があるのか、みてみることにしましょう。
筋トレをすることで得られる部分痩せへの効果
日本ダイエット健康協会のテキストの中では、筋トレを行うことで「筋肉に貯蔵されたエネルギーが使われる」「筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことで血流が良くなるため、代謝が良くなる」という事象が起こることから、結果的に以下3つの部分痩せへの効果は期待できると述べられています。
- 周辺部分の血行が良くなるため、脂肪が分解されやすくなる。
- 周辺部分に脂肪がつきにくくなる。
- 筋肉が活性化し、周辺部分の組織がリフトアップされる。
マッサージをすることで得られる部分痩せへの効果
また、マッサージには「脂肪を直接刺激し、血中に脂肪を流し込むことで、脂肪を分解・消費されやすい状態にする」効果があるとされています。
さらに、
マッサージによって血中に流された脂肪を運動などでしっかり消費すれば、多少ながら部分やせへの「ヘルプ」が可能です。
出典:日本ダイエット健康協会著『ダイエット検定2級テキスト』
とも書かれていますが、この運動とは主に脂肪をエネルギーとして活用する有酸素運動を指していると思われます。
加えて、
部位の脂肪が消費されたあとは、筋肉トレーニングを継続すれば、該当部分に体脂肪が貯められにくくなる状態に導くことができます。
出典:日本ダイエット健康協会著『ダイエット検定2級テキスト』
という記述もあることから、部分痩せは「マッサージ」「有酸素運動」「筋トレ」をセットで行うことで叶いやすくなるとも言えるでしょう。
部分痩せするには「マッサージ→筋トレ→有酸素運動」が効果的である
「マッサージ」「有酸素運動」「筋トレ」の3つをセットで行いながら部分痩せを目指す場合は「マッサージ→筋トレ→有酸素運動」の順に行うのが効果的です。
日本ダイエット健康協会のテキストにあるように最初にマッサージで脂肪を血中に流し込み、その後筋トレと有酸素運動で消費していきます。
中には「有酸素運動を先に行った方が良いのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、筋トレにおいても多少は脂肪がエネルギーとして活用されますし、「筋トレ→有酸素運動」の順番で行うことで有酸素運動の脂肪燃焼効果が高まるため、「マッサージ→筋トレ→有酸素運動」の順番をおすすめします。
それでは、全身の中でも気になる部位の代表格である「脚」「お腹」「二の腕」を取り上げ、それぞれの部位を部分痩せするためのマッサージと筋トレの方法をご紹介します。
また、有酸素運動のやり方については以下の関連記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
脚の部分痩せをする方法
ここからは「脚」「お腹」「二の腕」の3部位を部分痩せさせるために効果的なマッサージと筋トレの方法を紹介していきますが、まずは「脚」からみていきましょう。
脚の部分痩せに効果的なマッサージの方法
下半身は重力の影響を受けてむくみがち。だからこそ、脚のマッサージはむくみを解消するという点でも部分痩せに効果があります。
ちなみに、リンパ液のろ過装置である「リンパ節」が全身にありますが、ヒザの裏にもリンパ節があるため、マッサージではヒザの裏をしっかりとほぐすようにしましょう。
- マッサージオイルを脚全体に塗ります。
- 片方の手で拳を作り、もう片方の手で拳を包み込むようにしてすねにあてます。
- 下から上に向かってすねの上で拳を滑らせます。
- 両手でふくらはぎを包み込み、下から上にもみほぐします。
- 両手でヒザの裏を押します。
- 雑巾で絞るように太ももを軽くねじります。
- 脚の付け根を押します。
- 脚全体のリンパ液を流します。
脚の部分痩せに効果的な筋トレの方法
下半身をバランス良く鍛えるトレーニングとしておすすめなのがブルガリアンスクワットです。ヒップアップにも効果があり、下半身全体を引き締める効果が期待できます。
- 膝の高さくらいの台を用意します。
- 台に背中を向けて立ちます。その状態で片足を台に載せます。
- 背すじを伸ばしたまま、体を落とします。
◆回数の目安:片足15回×3セット
お腹を部分痩せする方法の方法
次はお腹の部分痩せに効果的なマッサージと筋トレの方法をご紹介します。
お腹の部分痩せに効果的なマッサージの方法
お腹周りにはたくさんのリンパ節が存在しています。まずはマッサージでお腹全体をほぐしましょう。
一般的に「そけい部」と呼ばれる、太ももの付け根(お腹と太ももの境目)にはリンパ節があるため、マッサージの仕上げの段階ではそけい部にリンパ液を流し込むことを意識してください。
- お腹を叩いて刺激します。
- 拳を作りお腹にあてて、おへそを中心に時計周りに3周ほど円を描きます。
- お腹の肉を掴んでもみほぐします。
- 手のひらをお腹にあてて、おへそを中心に時計回りに3周ほど円を描きます。最後に老廃物をそけい部に流すようなイメージでマッサージをします。
お腹の部分痩せに効果的な筋トレ
マッサージでお腹全体をほぐした後は、お腹全体を覆うインナーマッスル「腹横筋」を刺激する体幹トレーニングを行います。
腹横筋は呼吸をする時に使われるため、お腹をしっかりと凹ませる腹式呼吸を意識しながらトレーニングしましょう。
※以下で手順を紹介するトレーニングの様子は開始から2:00頃まででご紹介されます。
- 四つん這いになります。つま先・ヒザ・手のひらを床につけます。
- おへそを背骨につけるようにしてへこませます。
- 息を短く吐き、その瞬間お腹に力を込めてへこませます。
二の腕を部分痩せする方法
次は二の腕の部分痩せに効果的なマッサージと筋トレの方法をご紹介します。
二の腕の部分痩せに効果的なマッサージの方法
猫背で背中が丸くなりやすかったり、デスクワークで腕の位置が長時間固定されたり、二の腕はどうしてもリンパ液の流れが悪くなりやすい傾向にあります。
リンパ液の流れが滞れば、老廃物の蓄積にも繋がり、セルライトもできやすくなるため、普段からマッサージを行ってリンパ液の流れをスムーズにしておきましょう。
また、二の腕のマッサージでは脇の下にあるリンパ節にリンパ液を流し込むのがポイントです。
- マッサージオイルを腕全体に塗ります。
- 二の腕から肩の方に向かって脇を押し、リンパ液を流します。
- 腕を真横に伸ばし、二の腕を下から絞るようにしながら上へスライドします。
- 二の腕を下から掴み、親指で押しながら脇の方へスライドします。
- 指先から脇にかけて、下から掴むように押しながらリンパ液を流します。
二の腕の部分痩せに効果的な筋トレ
二の腕には主に上腕二頭筋と上腕三頭筋の2種類の筋肉がついていますが、二の腕を引き締める場合は上腕三頭筋をメインで鍛えるのがおすすめです。
上腕三頭筋はヒジを伸ばす動作で強く関与するため、今回紹介するトレーニングでもヒジの伸びを意識しましょう。
- ベンチの淵に逆手で手を着き、床にはかかとだけを着けた状態で斜めに体を伸ばします。
- ヒジを直角になる程度に曲げ、体を落とします。
- ヒジを伸ばし、腕の力だけで体を元の位置に戻します。
- この動作を繰り返します。
◆回数の目安:10回×3セット
まとめ
今回は部分痩せについてご紹介しました。
一般的に難しいと言われている部分痩せですが、今回紹介したようにマッサージや有酸素運動、筋トレを組み合わせて行えば、特定の部位の脂肪を落としやすくすることも可能です。
また、最近流行しつつあるパーソナルトレーニングジムの中には部分痩せに特化したコースを用意しているところもあります。
「自分でダイエットをして体重は落ちたけれど、二の腕やお腹周りがイマイチ引き締まらない」「太っている訳ではないのに、二の腕や脚など部分的に気になる部位がある」という方はぜひパーソナルトレーニングの部分痩せコースを利用してみてください。
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