ダイエットというと脂肪燃焼効果のある有酸素運動に取り組む方が多いかもしれませんが、実は筋トレもダイエットに非常に有効です。
今回は筋トレのダイエット効果から食事のコツ、ダイエットに効果的な筋トレメニューをご紹介します。
- 筋トレをしたらどんなダイエット効果が得られるの?
- 筋トレをする場合、食事ではどんなことに気をつければ良い?
- ダイエット目的で筋トレに取り組む場合、どんなメニューをこなせば良い?
筋トレのダイエット効果
まずは、筋トレをすることで得られるダイエットの効果をお伝えします。
効果1.基礎代謝が向上してリバウンドのリスクが軽減される
筋トレをすることで「痩せやすく太りにくいカラダ」になれることをご存知でしょうか?
「痩せる」ためには「消費カロリー量>摂取カロリー量」の状態にする必要がありますが、私たちが消費するカロリー総量のうち、およそ6割を占めているのが「基礎代謝による消費カロリー」です。
基礎代謝とは、生命を維持するために使われる最低限のエネルギーのこと。例えば、呼吸をしたり、筋肉や脳、内臓を動かしたりするために使われます。
この基礎代謝は筋肉量に比例して向上するため、筋トレをして筋肉量が増えるほど、基礎代謝による消費カロリーは増えていきます。
基礎代謝による消費カロリーが増えるということは、体脂肪がつきにくくなるということ。基礎代謝の向上こそが、筋トレをすると「痩せやすく太りにくいカラダになる」と言われる所以なのです。
また、食事制限や有酸素運動によるダイエットではどうしても筋肉量が減りやすく、基礎代謝も低下しやすいことから、リバウンドに繋がってしまいます。だからこそ、「筋トレをして基礎代謝を維持あるいは向上させること」はダイエット終了後も体形を維持するために必要不可欠な要素なのです。
効果2.メリハリのある体が作れる
理想のカラダを作るためには2つのフェーズがあります。
1つ目のフェーズは「全身の余計な脂肪を落とす」段階です。いくら筋肉をつけても脂肪に覆われていては美しいボディラインは作れません。そのため、まずは食事制限や有酸素運動を行って体脂肪を落とす必要があります。
ある程度脂肪が落ちたら、次は第2フェーズ「筋肉をつける」段階です。適切な箇所に筋肉をつけることで「くびれ」や「たるみのない美尻」は作られます。
中には体重の変化だけを見て一喜一憂する方もいますが、体重はあくまでもダイエットの1つの指標に過ぎず、ダイエットが成功したかどうかを決めるものではありません。
適切な部位に筋肉をつけることで初めてメリハリのあるボディラインを手に入れることができるのです。
効果3.代謝が上がる
基礎代謝の向上とは別に、筋トレ後42〜78時間の間は一時的に代謝が良くなると言われています。筋トレをすることで分泌される成長ホルモンやアドレナリンに脂肪を分解する作用があるからです。
あくまでも一時的な作用ではありますが、2〜3日おきに筋トレを行えば、代謝が良い状態を維持できるでしょう。
筋トレによるダイエットの効果を高める食事のコツ
筋トレの効果を高めるためにはトレーニングと同じくらい食事や栄養補給も重要な要素になります。
コツ1.タンパク質を中心に3食きちんと食べる
3食きちんと食べることは筋トレの効果を高めるためにも、ダイエットの効率を良くするためにも重要です。
筋肉をつけようと思った時、「とにかくタンパク質をたくさん摂れば良い」と考える方は多いことでしょう。確かに、間違いではありませんが、筋肉をつけるためにはタンパク質以外の栄養も必要です。例えば、タンパク質は、糖質やビタミンの力を借りて消化・吸収・分解されます。
それに、過度な食事制限は筋肉の分解を招くため、せっかく筋トレを頑張っても、筋肉が効率良く増えません。
また、ダイエットの及ぼす悪影響でいうと、欠食することでカラダが「飢餓状態にある」と認知し、次の食事のタイミングで栄養を目一杯吸収しようとするため、いつも以上に体脂肪がつきやすくなるというリスクもあります。
下で、厚生労働省が定めた理想の栄養バランスを紹介しますので、ぜひ参考にしてみましょう。
▲参考:日本人の食事摂取基準(2015年版)スライド集P.69、『日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要』P.7のデータをもとに、概算の数字を掲載しています。
この図は「平常時」の栄養バランスを示したものになります。筋トレをする場合はタンパク質の割合を20%ほどまで増やすと、筋肉を作るために重要なタンパク質をしっかり確保できるでしょう。
コツ2.糖質(炭水化物)を過度に制限しない
糖質(炭水化物)は取り過ぎると体脂肪になります。そのため、ダイエット中の方の中には糖質の摂取を控えているという方もいることでしょう。
しかしながら、筋トレをする場合は糖質は必ず摂取してほしい栄養素です。その理由は2つあります。
1つ目の理由は「筋トレではグリコーゲンという糖質を分解した栄養素が主な栄養源として使われるから」。
糖質が不足すると筋トレのパフォーマンスが低下するだけではなく、筋トレ中や筋トレ後に体内で糖質が不足し、代わりに筋肉中のタンパク質が分解されエネルギーとして消費されてしまいます。
2つ目の理由は「糖質を摂取することで分泌されるインスリンにはアミノ酸を筋肉中へ送り込む働きがあるから」。
糖質を摂取して血糖値が上がると、血糖値を下げるホルモンインスリンが分泌されますが、インスリンにはアミノ酸を筋肉中へ送り込むという働きもあります。
このように、糖質を必要量摂取することで、タンパク質の分解を防げ、またタンパク質の合成を促進させられるのです。
コツ3.BCAAとプロテインを利用する
▲タンパク質は20種類のアミノ酸より構成される。
筋トレ中や筋トレ前後はいかに速く血液中にアミノ酸を送り込めるかのスピード勝負です。
したがって、筋トレ中や筋トレ前後は消化効率の良いBCAAサプリやプロテインを活用するのが効率的です。
BCAAとはアミノ酸のうち「ロイシン」「バリン」「イソロイシン」の3つの総称です。
ダイエット効果のある筋トレメニューと種目の解説
それでは、ダイエットにおすすめの筋トレメニューのご紹介です。
ダイエット目的で筋トレをする場合は、上半身の大胸筋や腹直筋、下半身の大腿四頭筋やハムストリング、大殿筋など体積の大きな筋肉を中心にトレーニングし、効率良く筋肉量を増やして、基礎代謝を向上させましょう。
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 | 日曜日 |
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ダイエットに効果的な筋トレ種目1.プッシュアップ|大胸筋
- 体のラインをまっすぐにキープする
- 体をゆっくりと深く落とす
- 呼吸を止めない
プッシュアップの詳しいトレーニング方法は「プッシュアップ(腕立て伏せ)は胸の筋トレ!効果的なやり方を解説」をご覧ください。をご覧ください。
ダイエットに効果的な筋トレ種目2.クランチ|腹直筋
- 自分のおへそを覗き込む
- 起き上がるときに息を吐き、戻すときに息を吸う
クランチの詳しいトレーニング方法は「筋トレ初心者必見|10種類のクランチのやり方と効果を徹底解説」をご覧ください。
ダイエットに効果的な筋トレ種目3.バックエクステンション|脊柱起立筋
- 1回1回をゆっくりと丁寧におこなう
- 背中を反らしすぎない
- 首だけではなく、体全体を持ち上げるイメージで体を起こす
- 足を後ろに反らす
バッグエクステンションの詳しいトレーニング方法は「バックエクステンション|腰痛を防ぐ正しいやり方と効果を解説」をご覧ください。
ダイエットに効果的な筋トレ種目4.スクワット|大腿四頭筋・ハムストリング・大殿筋
- 足を肩幅よりも広く開く
- つま先を外側に向ける
- 体を落とした時に背中とすねが平行になるようにする
- ヒザはつま先よりも前に出ても構わない
- 自然な立ち姿になるまで体勢を戻す
スクワットの詳しいトレーニング方法は「そのスクワットは間違っている?!太ももに効くフォームを解説」をご覧ください。
ダイエットに効果的な筋トレ種目5.ランジ|大腿四頭筋・ハムストリング・大殿筋
- 足を踏み出す時のフォーム(①踏み出して着地する時に前足のヒザの角度が90度になるようにする②前足はかかとからつま先の順に着地する③前足の太ももと後ろ足のふくらはぎが平行になるまで上体を落とす④後ろ足のつま先がまっすぐ前を向くようにする⑤頭からお尻までが一直線で結ばれる姿勢を保つ)に気をつける
- お腹に力を入れる
ランジの詳しいトレーニング方法は「ランジで太ももとお尻を鍛える!効果的なトレーニング方法を紹介」をご覧ください。
まとめ
今回は筋トレをすることで得られる効果や食事のコツ、ダイエットに効果的なトレーニングメニューをご紹介しました。
今回紹介したトレーニング種目は初心者でも取り組みやすい基本的なものです。汎用性の高い種目ではありますが、「くびれを作りたい」「ヒップアップしたい」など細いニーズを叶えるためには、より部位に特化したトレーニングを行う必要があります。
単に「痩せたい」というのではなく、綺麗に美しいカラダを作りたいという方はぜひパーソナルトレーニングを受けてみましょう。トレーナーが現状と理想の体形を比較した上で、適切なトレーニングメニューを提案してくれます。
自己流の手探りでトレーニングをしていると「本当に効果があるのかな?」と不安に思ったり、効果を実感できずにモチベーションが下がったりすることも多いですが、パーソナルトレーニングではトレーナーが「いつまでに何を達成するのか」「そのために何をするのか」を示してくれるため、余計な不安を抱くことなくトレーニングに集中できます。
自分の目的を叶えたいという方はぜひパーソナルトレーニングを利用してみましょう。
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