「筋トレで本当に痩せられるの?」「痩せるなら、どんな方法で行うのが効果的なの?」と疑問に思っている方のために、今回は「筋トレで痩せられる理由」や「ダイエット目的で筋トレを行う場合におすすめの種目」をご紹介します。
- なぜ筋トレで痩せられるの?
- ダイエット目的で筋トレをする場合におすすめの種目は何?
- 筋トレで効果的に痩せるためのポイントは何?
無酸素運動(筋トレ)で痩せるメカニズム(理由)は?
最初に無酸素運動(筋トレ)で痩せる理由をお伝えします。
理由1.筋肉量が増えて基礎代謝が高くなる
脂肪燃焼効果のある有酸素運動とは異なり、無酸素運動(筋トレ)自体に「脂肪を燃やす」効果がある訳ではありません。
無酸素運動(筋トレ)をしたことで得られる「運動による消費エネルギー」はとてもわずかです。しかし、筋トレには、継続することで「太りにくい体」を作る効果があります。
なぜなら、筋トレをすると、筋肉量が増え、それに伴って基礎代謝による消費エネルギーが増加するからです。
基礎代謝とは人間が生命を維持するために使われるエネルギーのこと。筋肉や内臓を動かしたり、呼吸をしたりするために発生しています。
動かずにじっと座っている時も、寝ている間も基礎代謝による消費カロリーは絶えず発生しています。
基礎代謝は「内臓による消費」と「筋肉による消費」の2つに分けられます。内臓による消費カロリーを増やすためには腸内環境を整えることが必要で、筋肉による消費は筋肉量に比例して増えていきます。
そもそも肥満は「摂取したものの、消費されることなく余ってしまった分のカロリーが脂肪として体に蓄積すること」が主な原因であるため、極端な話、基礎代謝による消費カロリーが食事で得る摂取カロリーよりも多ければ、特別な運動をしなくとも、毎日エネルギーが目一杯消費されるため、太ることはありません。
ダイエットによくあるリバウンド。特に、筋トレをせずに、糖質制限や有酸素運動のみでダイエットをした場合はリバウンドのリスクが高くなってしまいますが、このことも「基礎代謝」と関係しています。
なぜなら、糖質を制限すると、体がエネルギー不足の状態に陥り、筋肉中のタンパク質を分解してエネルギーとして利用するようになるため、筋肉量が減ってしまいやすいからです。
また、有酸素運動をすると、脂肪だけではなく、筋肉も落ちやすい傾向にあります。
そのため、糖質制限や有酸素運動でダイエットをした後はダイエット前よりも基礎代謝による消費カロリーが少なくなっているケースが多く、通常の食事に戻したり、有酸素運動を止めたりした瞬間、太ってしまうことが多いのです。
ダイエットに筋トレを取り入れることは、リバウンド防止にもなると言えるでしょう。
理由2.代謝が良い状態が続く
先ほど、「無酸素運動(筋トレ)そのものによる消費エネルギーは少ない」「無酸素運動(筋トレ)を継続すると、太りにくい体になれるという長期的な効果がある」とお伝えしましたが、筋トレをすることで短期的に脂肪が燃えやすい状態になるとも言われています。
実際に、パーソナルトレーナーの比嘉一雄氏の著書『筋トレの基本』によると、筋肉痛を伴うくらいの筋トレを行った後の48〜72時間は、1日あたりの消費カロリーが50〜300kcal増える、とされています。
これは、基礎代謝による消費カロリーが増えた訳ではなく、筋トレをすることで一時的にエネルギーを消費する(代謝)機能が活発化した、ということです。
2〜3日に一度筋トレを行えば、長期的に見て基礎代謝が向上するだけではなく、同時に「太りにくい状態をキープできる」という、長期的効果と短期的効果の両方が期待できます。
無酸素運動(筋トレ)と有酸素運動の違い
無酸素運動(筋トレ)のダイエット効果をご説明しましたが、もちろん有酸素運動もダイエットには効果的です。どちらにも長所・短所があるため、目的に合わせて使い分けると便利です。
短所 | 長所 | |
無酸素運動 |
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有酸素運動 |
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有酸素運動が向いているのは、「1週間後にプールに行くことになったので、ダイエットしたい」「子供の入学式に合わせて、リバウンドしても良いから1ヶ月間でとにかくできる限り痩せたい」など、短期集中でダイエットをする場合です。
一方で、無酸素運動(筋トレ)が適しているのは、「痩せるまでに時間がかかっても良い」「ダイエット後も体形を維持したい」「痩せやすい体質に体を変えたい」「厳しい食事制限をせずに痩せたい」などの場合です。
無酸素運動(筋トレ)と有酸素運動を同時に行う場合の順番
もちろん、無酸素運動(筋トレ)と有酸素運動を同時にダイエットに取り入れても構いません。
その場合は、「無酸素運動(筋トレ)→有酸素運動」の順番で行うことでダイエット効果が高くなると言えます。
というのも、筋トレをすると成長ホルモンやアドレナリンなど脂肪の燃焼を促すホルモンが分泌されるため、筋トレの後に有酸素運動を行うと、効率的に脂肪を燃やせるからです。
筋トレで効果的に痩せるためにはどこの部位から鍛えるのが良いか
ダイエット目的で筋トレを行う場合、どこの部位から鍛えれば良いのでしょうか?
まず、基礎代謝を向上させるために、筋肉量を効率的に増やそうとするならば、体積の大きな筋肉から鍛えるのが良いでしょう。
具体的に、全身の中でも体積が大きな筋肉は、太ももの前側に付いている「大腿四頭筋」やお尻に付いている「大殿筋」が挙げられます。
また、日常生活の中で意識することの少ない「インナーマッスル」を鍛えるのもおすすめです。
インナーマッスルとは、体の深部にある筋肉で、深層筋とも呼ばれます。自分の意思で動かせない筋肉で、主に姿勢維持や呼吸のサポートのために働いています。背中の脊柱起立筋やお腹の腹横筋が代表例として挙げられます。
特に、骨盤が前傾している反り腰の方や猫背の方は、姿勢を保持するインナーマッスルが上手く使われていない可能性が高いでしょう。インナーマッスルを鍛えて姿勢改善を行い、今は使われることなく眠っている筋肉を呼び覚ますことで自然と代謝も上がりやすくなります。
では、実際に体積の大きな筋肉やインナーマッスルを鍛える筋トレ種目をご紹介します。
ダイエットに効果的な筋トレメニュー1.下半身を鍛えるトレーニング
下半身にはお尻の大殿筋や太ももの大腿四頭筋など、体積の大きな筋肉が集中しています。したがって、全身の筋肉量を効率良く増やすことを優先するならば、下半身のトレーニングを優先的に行うのが効果的です。
下半身の筋肉をバランス良く鍛えられる代表的な種目としては、「スクワット」「ランジ」「デッドリフト」が挙げられます。
スクワットは言わずもがな有名なトレーニングであるため、ご存知の方は多いでしょう。ランジは片足を前に出しながら上体の上げ下ろしを行うトレーニングで、デッドリフトは足元にあるバーベルを直立姿勢になるまで持ち上げるトレーニングです。
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「スクワット」「ランジ」「デッドリフト」については以下の記事でまとめていますので、ぜひご覧ください。
ダイエットに効果的な筋トレメニュー2.インナーマッスルを鍛えるトレーニング
姿勢が悪い方は、姿勢維持の働きを持つインナーマッスルを鍛えると、代謝が向上して痩せやすくなるだけではなく、姿勢そのものも改善され、一石二鳥です。
具体的には、「プランク」や「ヒップリフト」で背中の「脊柱起立筋」や腹部の「腹横筋」を鍛えるのがおすすめです。プランクもヒップリフトも道具を使わずに自宅でできる種目であるため、簡単に始められます。
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「プランク」「ヒップリフト」については以下の記事でまとめていますので、ぜひご覧ください。
筋トレで痩せる!ダイエット効果を高めるための3つのポイント
最後に、ダイエット目的で筋トレを行う場合に意識してほしいポイントを3つご紹介します。
ポイント1.呼吸をしっかりと行う
筋トレをすると、力を出そうと呼吸を止めてしまいがちですが、筋トレ中はしっかりと呼吸を意識してください。
しっかりと呼吸を行うことで、全身の器官に酸素が行き渡り、代謝が活発化します。
脂肪を燃やすためには酸素が必要です。呼吸をしっかりと行えていないと、体のあらゆる部分で酸素が不足して代謝が低下するため、体脂肪が燃えにくくなってしまいます。
日本ダイエット健康協会代表理事の古谷暢基氏の著書『息するだけダイエット』によると、1分で200mlの酸素を吸い込むと5kcal、1時間で60kcal消費されます。
また、筋トレでは「筋肉が収縮する時に息を吐き、筋肉が伸びる時に息を吐く」ように心がけてください。例えば、スクワットでは、腰を落としながら息を吸い、息を吐きながら上体を上げていきます。
筋トレ中も呼吸をしっかりと行い、体を脂肪が燃焼しやすい状態にしましょう。
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筋トレと呼吸の関係については「筋トレの呼吸は止めずに吐くことが大事|その理由と効果を解説」でまとめています。ぜひご覧ください。
ポイント2.食事でタンパク質をしっかりと摂る
筋肉を作るのはタンパク質です。そのため、筋トレを行う場合は普段の食事でしっかりとタンパク質を摂取することで、筋肉を効率良く付けられます。
タンパク質が多く含まれる食材は、肉類や魚類、納豆や豆腐です。1食あたり手のひら全体くらいの量を摂取すると良いでしょう。
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筋トレと食事については「筋トレ「前」の食事の摂り方|タイミングやおすすめの食材を紹介」「筋トレ後の食事|プロテイン以外にも糖質やビタミンの摂取が重要だ」でまとめていますので、ぜひご覧ください。
ポイント3.筋トレの前後にBCAAサプリやプロテインを飲む
適切なタイミングで適切な栄養素を補給することで、筋トレの効果を高められます。
具体的には、筋トレの1時間から30分前に「糖質」と「BCAA」を摂取し、筋トレ後には「BCAA」「糖質」「プロテイン」「ビタミンB6」を飲むのがおすすめです。
ダイエット中に糖質の摂取量を控えている方もいると思いますが、筋トレの前後はしっかりと補給することが、結果的に「痩せやすい体」を作るために役立ちます。
まとめ
今回は筋トレで痩せられる理由やダイエットにおすすめの筋トレ種目を紹介しました。
ただし、ダイエットでは運動ももちろんですが、食事が非常に重要です。これまで、TOREMO編集部は多くのパーソナルトレーナーと会ってきましたが、ほとんどのトレーナーが口を揃えて「ダイエットやボディメイクを成功させるためには、食事8割 ・トレーニング2割」と主張しています。
ダイエットをする場合は、トレーニングだけではなく、食事にも意識を向けてみましょう。
パーソナルトレーニングであれば、運動と食事の両面からサポートしてもらえるため、本当に効果のあるダイエットを実践できます。「今度こそ痩せたい!」「何としてでも痩せたい!」という方はぜひパーソナルトレーニングをお試しください。
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