筋トレの効果を高める条件の1つに「栄養補給」が挙げられますが、特に筋トレ後の栄養補給は重要です。
筋肉が成長するためには、「筋トレで負荷をかけて筋肉を損傷させる」ことと「食事や休養を取って回復させること」の2つが欠かせません。そのため、筋トレ後に必要な栄養を供給し、筋肉の回復を促す必要があります。
この記事では、筋トレ後の食事の摂り方について解説します。
- 筋トレ後に摂取すべき栄養素は何?
- コンビニで買える筋トレ後の食事におすすめの食材は何?
- 食事はどのくらいの時間に摂れば良い?
食事は「筋トレ前」と「筋トレ後」のどちらに摂るべき?
そもそも食事は、「筋トレ前」と「筋トレ後」のどちらに摂るのが効果的なのでしょうか?
結論からお伝えすると、筋トレ前と筋トレ後の両方のタイミングで食事を摂るのが理想です。
なぜなら、筋トレ前はトレーニングを行うエネルギー源を確保するために、筋トレ後は筋肉を回復させるための栄養を供給するために、それぞれ食事をする必要があるからです。
筋トレの前に食事を摂った方が良い理由
筋トレでは、主にグリコーゲン(糖質が分解されたもの)がエネルギーとして利用されます。しかし、食事を抜くなどして、グリコーゲンが不足した状態で筋トレをすると、筋肉中のタンパク質が分解されてしまい、体はカタボリック(タンパク質が分解される)の状態になりやすくなります。
「カタボリック」とは、「筋肉が合成される量<筋肉が分解される量」となっている状態のこと。別名「タンパク質異化」とも呼ばれます。
反対に「筋肉が合成される量>筋肉が分解される量」という状態は「アナボリック」です。筋肉を付けるためには、栄養をしっかりと補給して体をアナボリックの状態にしておくことが大切です。
せっかくトレーニングをしても、栄養が不足していると、筋肉が分解されてしまい、筋トレの効率が落ちるため、筋トレの前に食事を摂り、適切な栄養素を補給しておくことが大切です。
なお、「筋トレ前の食事」については以下の記事でご紹介していますので、併せてご覧ください。
筋トレの後に食事を摂った方が良い理由
筋肉は、「損傷(トレーニングで負荷を与えること)」と「修復(栄養や休養をとって、筋肉を再生・回復させること)」の両方の過程を経て、太くなっていきます。
トレーニング後は傷ついた筋肉を修復させる働きが起こりますが、筋肉の修復(筋肉を合成する働き)はトレーニング後30分間〜45分間のタイミングでピークを迎えるというのが一般的な考え方です。
したがって、筋肉を効率良く付けていくためには、「ゴールデンタイム」と呼ばれる「筋トレ後30分間〜45分間」のタイミングで筋肉を作る材料となる栄養素を供給する必要があります。
筋トレ後の食事で摂るべき栄養素は「糖質」「BCAA」「タンパク質」「ビタミンB6」
筋トレ後の食事では、「糖質」「BCAA」「タンパク質」「ビタミンB6」を摂取しましょう。
以下では、筋トレ後の食事で「糖質」「BCAA」「タンパク質」「ビタミンB6」を摂取すべき理由をご紹介します。
栄養素1.糖質
糖質は人間の体を動かすための主なエネルギー源となる栄養素です。特に、筋トレなどの無酸素運動時はグリコーゲン(糖質が分解されたもの)が大量に使われるため、筋トレ後は体内でグリコーゲンが不足しやすくなっています。
糖質が不足すると、代わりのエネルギー源となるのがタンパク質です。
人間の体にはタンパク質や脂質を分解して体内で糖質を生成する機能が備わっているため、糖質が不足すると、筋肉中にあるタンパク質が分解されて糖質が作られやすくなります。
筋肉中のタンパク質が分解されると、当然ながら筋肉量は落ちてしまうため、せっかくの筋トレの効果が半減してしまう恐れもあります。
だからこそ、筋トレ後に糖質を摂取して、筋肉の分解を防ぐ必要があるのです。
栄養素2.BCAA
BCAAはタンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち、「ロイシン」「バリン」「イソロイシン」の3種類が結合した物質です。
筋肉のもととなる栄養素はタンパク質ですが、タンパク質は体内で消化されると、一度ペプチドやアミノ酸に分解され、その後再形成されることで筋肉を作ります。
筋肉の合成を促すために、タンパク質を摂取することは重要ですが、先述の通り、タンパク質の状態で摂取すると、消化と分解の過程を経る必要があるため、摂取してから筋肉を合成するまでにタイムラグが発生します。
筋肉の回復や合成は、筋トレ後30〜45分間のタイミングで最も活発になるため、筋トレ後のタンパク質補給は時間との勝負です。
だからこそ、筋肉をより効率良く作っていくためには、タンパク質を摂取した際に生じる、消化と分解の過程をスキップできる、BCAAを摂取することが重要になります。
栄養素3.タンパク質
摂取してから筋肉を作るまでのスピードが早いBCAAですが、筋肉を作るためには、BCAAに含まれる以外のアミノ酸もバランス良く必要になるため、プラスでプロテインを飲むことも大切です。
国際スポーツ医科学研究所が監修をする「スポーツコンディショニングの基礎理論」によると、「糖質とタンパク質=3:1」の割合で摂取するのが効果的だと言われています。
栄養素4.ビタミンB6
ビタミンB6はアミノ酸が合わさり、タンパク質を作る過程を促進する働きがあります。
ビタミンB6自体が筋肉を作る訳ではありませんが、筋肉を効率良く合成していくために効果を発揮する栄養素になるため、BCAAやタンパク質と併せて摂取しましょう。
筋トレ後の食事におすすめのコンビニで買える食材
筋トレ後に食べる食材は、コンビニでも揃えられます。
糖質であれば、バナナ、おにぎり、ゼリータイプの栄養補助食品がおすすめです。
タンパク質であればサラダチキンやゆで卵、ビタミンB6はバナナやサバに豊富に含まれます。
筋トレ後の食事はいつの時間が適切?
筋トレ後の食事において覚えておいてほしいタイミングは主に2つあります。
まずは、筋トレ後30分間〜45分間の時間帯です。この時間帯にタンパク質の合成を促すホルモンの分泌が最も活発化するため、上で列挙した「糖質」「BCAA」「タンパク質」「ビタミンB6」を摂取しましょう。
BCAAは筋トレ直後に飲みますが、BCAA とプロテインを間を空けずに飲んでしまうと、BCAAがプロテインに含まれるタンパク質と合わさってせっかくのスピードが台無しになってしまうため、BCAAの摂取から15分後くらいにプロテインや糖質、ビタミンB6を摂るのが有効です。
また、筋トレをした翌日の食事も重要です。
筋トレによって生じたタンパク質の合成は筋トレ後30分間〜45分間でピークを迎えるものの、その後48時間程度も緩やかに持続します。そのため、タンパク質の合成をサポートするために、筋トレをした翌日の食事でもタンパク質を忘れずに摂取してください。
まとめ
今回は筋トレ後の食事の摂り方についてご紹介しました。
筋肉を効果的に付けるためには、筋トレと食事による栄養補給をセットで行う必要があります。この記事で紹介したように、筋トレ後30〜45分間の時間帯に「糖質」「BCAA」「タンパク質」「ビタミンB6」をすばやく摂取し、加えて翌日の食事でもタンパク質の摂取を意識することが大切です。
また、パーソナルトレーニングでは、筋トレと食事の両面から指導を受けることが可能です。トレーニングの効果を高め、より効率的に理想のカラダを作っていきたいという方はぜひパーソナルトレーニングを受けてみてください。
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