「お風呂場でふと鏡の前に立った時、だらしなく出ている自分のお腹にげんなりした」「デニムのパンツを履いた時にウエスト周りにお腹のお肉がのっかる」など、お腹周りにコンプレックスを抱えている方は多いはず。
いくら手足が細くてもお腹周りがプヨプヨとたるんでいたり、パンパンに膨れていたりすると、だらしなく太っているように見えやすいですが、反対にお腹周りがスッキリすれば全身がシュッとして見えやすいものです。
この記事では、お腹周りの引き締め方をお伝えします。
お腹周りが痩せない原因は「内臓下垂」と「体脂肪」
お腹周りが痩せない主な原因としては「内臓下垂」と「体脂肪」が挙げられます。
また、体脂肪は「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の2種類に分けられ、それぞれが異なった特徴を持っています。
- 内臓下垂
- 皮下脂肪
- 内臓脂肪
原因1.内臓下垂|腹筋が衰えている可能性アリ
脂肪が原因でお腹がぽっこりと出ていると思われている方がほとんどかもしれませんが、内臓が元々の位置よりも下に落ちてしまっている、いわゆる「内臓が下垂している」ことから下腹が出ているように見えることがあります。
本来内臓が定位置にある状態では、腹筋が内臓を支えています。しかし、腹筋が衰えてしまうと、内臓は支えを失い、下に落ちてしまうのです。
腹筋が衰えてしまう背景には、運動不足や姿勢不良があります。特に、デスクワークやスマホ利用などで、背中を丸めた姿勢を長時間とることが習慣化している方は要注意。
背中を丸めた猫背の姿勢では、腹筋を使う必要がないため、腹筋は少しずつ衰えていきます。「どちらかと言えば痩せている方で、決して太っているわけではないのに下腹だけが出ている」という方は、脂肪ではなく内臓下垂が原因でお腹周りが太っているように見えている可能性が高いと考えられるため、以下の記事を参考に、姿勢改善に努めましょう。
原因2.皮下脂肪|女性の体に付きやすい
皮下脂肪は皮膚のすぐ下に付く脂肪のこと。皮膚の下に全身を覆うようにして付いていくことから、お腹周りだけではなく、太ももやお尻など下半身全体に脂肪が付いている「洋ナシ型体形」の方は、皮下脂肪が原因で太っている可能性が高いでしょう。
また、衝撃や寒さから体を守る役割を担っている皮下脂肪は、男性よりも、妊娠や出産がある女性の体に付きやすいと言われています。
体を守る働きを担っている分、簡単には落ちにくいというのも皮下脂肪の特徴です。皮下脂肪を落とすためには、「食事管理」で摂取カロリーを減らすだけではなく、「脂肪燃焼効果のある有酸素運動」や「筋肉量を増やして基礎代謝を向上させる筋トレ」などの運動にも取り組む必要があります。
ただし、内臓脂肪が生活習慣病を引き起こすリスクがあるのに対して、皮下脂肪は病気のリスクはそれほど高くはありません。
原因3.内臓脂肪|男性の体に付きやすい
内臓脂肪は内臓の周りに付きやすい脂肪で、男性の体に付きやすいと言われています。皮下脂肪が全身に付くのに対して、内臓脂肪はお腹周りにしか付きません。そのため、おへそ周りを中心にお腹だけが出っ張るように出ている「リンゴ型体形」の方は内臓脂肪が付いている可能性が高いと言えます。
皮下脂肪と比べると、内臓脂肪は簡単に落としやすく、「糖質や脂質を控えて食物繊維をたくさん摂取する」などの食事コントロールをするだけでも効果があると言われています。
ただし、内臓脂肪は脳卒中や糖尿病などの生活習慣病を引き起こすリスクがあると言われているため、落とすのが簡単だからと言って油断しないようにしましょう。
お腹周りを引き締めるには「脂肪を落とす」+「腹筋のトレーニング」が必須
お腹周りを引き締めるためには2つのステップが必要です。
- 脂肪を落とす
- 腹筋を鍛える
- ステップ1.脂肪を落とす
当然ですが、脂肪を落とす必要があるでしょう。脂肪は筋肉よりも面積が大きいため、脂肪が付いているとどうしても太って見えてしまいます。
皮下脂肪にせよ、内臓脂肪にせよ、まずはお腹周りに付いた脂肪をスッキリ落としましょう。
- ステップ2.腹筋を鍛える
しかし、“ 理想の”お腹を作るためには、脂肪を落としただけで不十分だと言えます。
この記事を読んでいる方の中には、ダイエット後の自分の理想の姿として、「キュッと引き締まったくびれ」や「うっすらと伸びる腹筋の線」を思い浮かべている方もいるかもしれませんが、くびれや引き締まった腹周りを作るためには筋力トレーニングが必須です。
脂肪を落としたら、ステップ2として腹筋を鍛えるトレーニングに励みましょう。
以下では、「お腹周りの脂肪を落とす方法」と「お腹周りの筋肉を鍛える方法」をお伝えしていきます。
お腹周りの脂肪を落とす方法
まずはお腹周りの脂肪を落とす方法からみていきましょう。
- 食事管理
- 有酸素運動
- 筋トレ
方法1.食事管理|血糖値をコントロールして脂肪の蓄積を防ぐ
食事管理はダイエットの基本です。
ダイエットにおける食事管理というと、「カロリー管理」を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん、カロリーを意識することも大切ですが、同じくらい大事にしてほしいのが「血糖値のコントロール」です。
具体的には、食後の血糖値の上昇がなるべく緩やかになるようにコントロールする必要があります。
体脂肪の蓄積と血糖値には深い関係があります。
食事で栄養を摂取すると、血糖値が上昇します。血糖値が上昇すると、上がった血糖値を正常に戻すために分泌されるのが「インスリン」というホルモンです。
インスリンは血糖値を下げる働きを担っていますが、同時に脂肪を体に溜め込もうともします。インスリンは、血糖値の上昇度合いが急激になればなるほど、たくさん分泌されます。体脂肪の蓄積を防ぐためには、血糖値の上昇をなるべく緩やかにすることが重要です。
血糖値の上昇を抑えるための食事のポイントは以下の記事で詳しく解説しています。
方法2.有酸素運動|脂肪燃焼効果アリ
これ以上余分な脂肪が蓄積しないようにするのが食事管理だとするならば、有酸素運動は今付いている脂肪を減らすために効果的なアプローチです。
有酸素運動は、ウォーキングやジョギングなど、酸素をたくさん吸い込みながら行う運動のこと。有酸素運動では、酸素を燃焼材にして脂肪が燃やされ、エネルギーとなります。
したがって、しっかりと呼吸を行えるように負荷を調節することが有酸素運動を行う上では大切です。有酸素運動の効果を最大限に高めるためのポイントは以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
方法3.筋トレ|筋肉量を増やして基礎代謝UP
有酸素運動のようにすぐに脂肪を燃やす即効性がある訳ではありませんが、長い目で見ると、筋トレも脂肪を燃やすために役立ちます。
というのも、筋トレをして筋肉量が増えれば、基礎代謝による消費カロリーが増えるからです。基礎代謝は私たちがじっと座っている時も、寝ている間も、私たちが生きている限り24時間休みなく行われています。
したがって、基礎代謝が活発化すれば、自然と痩せやすく太りにくい体を作ることができるのです。基礎代謝について詳しく知りたい方は、以下の記事を参照してください。
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お腹周りの筋肉の名称と効果的に鍛える方法
続いて、お腹周りの筋肉を鍛える方法をご紹介します。
お腹周りにはどんな筋肉があるのかご説明した上で、具体的な筋トレ法を紹介します。
お腹周りの筋肉の名称|腹直筋・腹斜筋・腹横筋
お腹周りの筋肉、いわゆる腹筋と呼ばれる筋肉に該当するのは以下の3つの筋肉です。
- 腹直筋
- 腹斜筋
- 腹横筋
- 腹直筋
腹直筋は縦に伸びる2枚の筋肉と横方向に伸びる3枚の腱から作られており、いわゆるシックスパックを作る筋肉として有名です。
- 腹斜筋
腹斜筋は左右の脇腹からお腹をギュッと引き締めるように付いている筋肉で、引き締まったくびれを作るためには欠かせません。
- 腹横筋
腹横筋はインナーマッスルと呼ばれる筋肉で、お腹全体をぐるりと囲むように付いています。姿勢維持に大きく貢献している筋肉です。
お腹周りの筋肉を鍛える方法
お腹周りを鍛える筋トレ種目をご紹介します。
- 腹直筋のトレーニング「リバースクランチ」
- 腹斜筋のトレーニング「ダンベルサイドベント」
- 腹横筋のトレーニング「ヒップリフト」
- リバースクランチ
リバースクランチは仰向けの状態で、ヒザを曲げたまま、足を上げ下げします。特に腹直筋の下部(下腹部)に効果的なトレーニングです。
- ダンベルサイドベント
ダンベルサイドベントは立った状態でダンベルを持ち、上半身を横に倒すトレーニングです。脇腹に伸びる腹斜筋を鍛えます。
- ヒップリフト
ヒップリフトは、その名の通り、仰向けの状態でお尻を上げるトレーニングです。メインのターゲットはお尻の大殿筋ですが、呼吸をしっかりと行うことで腹横筋にも効かせられます。
まとめ
今回はお腹周りの引き締め方についてご紹介しました。
引き締まったお腹を作るためには、脂肪を落として、さらに腹筋を鍛えることの両方が必要です。
ただし、筋トレに慣れていないと、見よう見まねでトレーニングをしても上手く効かせられないというケースも珍しくありません。その場合は、ぜひパーソナルトレーニングの利用も検討してみてください。
トレーナーさんがつきっきりで指導してくれるため、自分で行うよりもずっと効率良くトレーニングを進められます。ご自身がお住まいの近くにパーソナルトレーニングジムがないか探してみましょう。
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