野菜スープは、ダイエット中の食事としておすすめ。スープにすることで、生で食べるよりも多くの野菜を摂取しやすくなったり、水に溶けやすい栄養素まで効率良く摂取できたりといった良さがあります。
しかし、野菜スープに入れる野菜は何でも良いというわけではありません。ダイエットに効果的な栄養素を多く含む野菜もあれば、ダイエット中は控えるべき野菜もあります。
そこで今回は、ダイエット中の方必見の野菜スープの効果と、ダイエット中におすすめの野菜を紹介します。
ダイエットにおける野菜スープの効果
なぜ、ダイエット中は「野菜スープ」がおすすめなのでしょうか。まずは、野菜スープを食べることで得られる効果を紹介していきます。
- 生で食べるよりも多量の野菜を摂れる
- 食べ過ぎを防げる
- 糖質の吸収を穏やかにする
- 水に溶けやすい栄養素も摂取しやすい
野菜スープの効果1.生で食べるよりも多量の野菜を摂れる
冒頭でも述べた通り、火を通すことでカサが減りより多くの野菜を食べやすくなります。
厚生労働省が健康維持のために掲げている、1日の野菜摂取量の目標値は「1日350g以上、そのうち緑黄色野菜を120g以上」とされています。
つまり、緑黄色野菜120gと淡色野菜230gが1日の目標摂取量ということになります。
緑黄色野菜と淡色野菜は、カロテンの含有量で分類されます。一番簡単な見分け方は、色の濃淡による区別です。一概には言えませんが、色の濃い野菜が緑黄色野菜・薄い野菜が淡色野菜というイメージです。
1日350gというのは数字で見れば大したことないように思えるかもしれませんが、これを全てサラダなどで生野菜として摂取しようと思えば大変なボリュームです。
そのため、スープのように火を通すことでボリュームダウンさせた方が多くの野菜を手軽に摂取できるでしょう。
野菜スープの効果2.食べ過ぎを防げる
多くの野菜には食物繊維が含まれており、これが消化器官で膨らむことで食べ過ぎの防止につながります。
ダイエットの基本は摂取カロリーより消費カロリーを多くすることです。いくら運動していても、食事から多くのカロリーを摂取していてはダイエットになりません。
そうは言っても食事量を抑えるのは難しいものですが、食物繊維はお腹の中で膨らむので、自然と食事量を抑えることができます。
野菜スープの効果3.糖質の吸収を穏やかにする
食物繊維には、糖質の吸収を穏やかにする働きもあります。
糖質制限ダイエットという方法があるように、ダイエットにおいて糖質は気をつけなければいけない栄養素の1つです。
糖質を摂ることで上昇した血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンには余った糖質を脂肪として蓄える働きがあるため、血糖値の上昇は肥満につながりやすいと言えます。
特に、血糖値が急上昇することでインスリンは大量に分泌されます。インスリン量が多くなれば、それだけ脂肪に変わる糖質も増えると考えられます。
そのため、血糖値の急上昇を防ぐことはダイエットに大切な要素の1つです。
食物繊維を摂ると糖質の吸収が穏やかになり、血糖値が急上昇しにくくなるため、まずは野菜スープを口にして食物繊維を摂っておくことで、その後に食べる料理からの糖質摂取を穏やかにしましょう。
野菜スープの効果4.水に溶けやすい栄養素も摂取しやすい
スープにすることで、水に溶けやすい栄養素も逃さず摂取することができます。
栄養素によって、水に溶けやすいもの、油に溶けやすいものなどその性質は様々です。例えば、ビタミンCは水溶性なので水に溶けやすく、単に茹でるだけでは失われやすい栄養素です。
スープであれば水に溶け出した栄養素もあますことなく摂取できるため、栄養素を無駄にしにくい調理方法です。
ダイエット中の野菜スープにおすすめの食材
野菜と言っても様々な種類がありますが、その中でもダイエットに効果的な野菜をご紹介します。これらの食材をスープにして、野菜を摂取しましょう。
- オクラ
- トマト
- アスパラガス
- ブロッコリー
- まいたけ
おすすめ食材1.オクラ
あまりスープにするイメージのないオクラですが、食物繊維が豊富に含まれる野菜です。
「レタス〇個分の食物繊維配合」など、よく比較に出されるレタスの食物繊維量は100gあたり1.1gです。これに対して、オクラは100gあたりに食物繊維が5.2g含まれており、レタスの約5倍の含有量にあたります。※文部科学省提供の「食品成分データベース」より
野菜の中でもトップクラスに食物繊維量が多いので、食物繊維を摂取するにはおすすめの食材です。
おすすめの食材2.トマト
トマトの赤い色素である「リコピン」が血糖値を上げにくくしてくれます。
このリコピンは熱に強いため、スープにしても問題なく摂取できます。また、スープにすることで生の状態よりもより多くのトマトを食べることができるため、リコピンの摂取量も多くなります。
ミネストローネなど、トマトがたっぷり入ったスープがおすすめです。
おすすめの食材3.アスパラガス
アスパラギン酸というアミノ酸の一種が豊富に含まれており、糖質の代謝を助け糖質がエネルギーに変わるよう働きます。
そのため、疲労回復効果があり栄養ドリンクなどにも含まれている成分です。
糖質がエネルギーに変わりやすくなることで、余分な糖質が脂肪になるのを防いでくれる効果が期待できます。
おすすめ食材4.ブロッコリー
ブロッコリーにはビタミンB群が多く含まれており、三大栄養素の代謝を助けてくれます。
私たちの体は炭水化物(糖質)・タンパク質・脂質の三大栄養素を主なエネルギー源として活動していますが、これらの栄養素だけではエネルギーになりません。
三大栄養素の代謝を助けるビタミンB群を摂ることで、エネルギーにしやすくなります。
- ビタミンB1:糖質
- ビタミンB6:タンパク質
- ビタミンB2:脂質
このように、ビタミンB群を摂取することで糖質や脂質といった、脂肪に変わりやすい栄養素をエネルギーとして消費しやすくなるため、ビタミンB群はダイエットに欠かせない栄養素です。
おすすめ食材5.まいたけ
まいたけに含まれるMXフラクションという栄養素が、血糖値の上昇を穏やかにします。
MXフラクションはまいたけに含まれる独特の栄養素で、血糖値の上昇を穏やかにするため、インスリンが過剰に分泌されるのを防ぐことができます。
また、まいたけに限らずきのこ類は野菜と同じく食物繊維が豊富な食材でもあります。
そのため、まいたけが入ったスープ類を最初に口にすることで、食事による血糖値の急上昇を抑えることが期待できます。
ダイエット中は食べ過ぎに注意!糖質量の多い野菜
根菜類や芋類は糖質が高いためダイエット中は食べ過ぎに注意しましょう。
野菜は全般的に低カロリーで、低糖質なダイエット向きといえる食品ですが、根菜類や芋類は例外です。完全に控える必要はありませんが、食べ過ぎないよう注意しましょう。
◆100gあたりに含まれる糖質量が多い根菜類・芋類
品目 | 糖質量(g) |
サツマイモ | 29.2 |
じゃがいも | 16.3 |
かぼちゃ | 17.1 |
ゴボウ | 9.7 |
玉ねぎ | 7.2 |
にんにく | 20.6 |
レンコン | 13.5 |
※文部科学省提供の「食品栄養データベース」より
例えば、100gあたりレンコンには13.5g、サツマイモには29.2gもの糖質が含まれており、前述したトマト(100gあたり3.7g)と比較すると、4倍以上も糖質が高いということになります。
そのため、根菜類や芋類をスープの主役にしてしまうと、糖質の摂り過ぎにつながりかねません。これらの食材を入れる場合は、他の具材よりも少量にした方が良いでしょう。
まとめ
野菜スープにすることによって、たくさんの野菜を摂取しやすくなり、栄養素も逃しにくくなります。ダイエットに有効な栄養素を摂りつつも、カロリーや糖質を抑えられる野菜スープはダイエットの心強い味方となるでしょう。
とはいえ、野菜スープさえ飲んでいれば十分というわけではありません。運動でエネルギーを消費しなければ、健康的に痩せることはできないでしょう。
また、野菜スープだけの生活では、エネルギー不足や栄養の偏りでダイエットが滞ると考えられるので、バランスのとれた食事を心がけましょう。
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トレーナーから正しい運動や食事の方法を教われば、効率よく痩せられるだけではなく、その後の自己管理も容易になります。
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