「ダイエット中はタンパク質を摂取した方がいい」と耳にしたことはないでしょうか?
タンパク質は、三大栄養素の1つで、ダイエットにおいては、摂取することで筋肉量が維持され、リバウンドのリスクを軽減できる効果が期待できます。
このようにダイエットに必要不可欠とも言えるタンパク質ですが、どれくらい必要で、どうやって摂取すべきかピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回はダイエットにタンパク質が必要な理由と摂取すべき量やタイミングを合わせてご紹介いたします。
なぜダイエット中にタンパク質を摂取した方が良いのか
ダイエットでタンパク質が必要とされる理由は主に「筋肉量の低下を防ぐ」「糖質の代わりとする」の2つが挙げられます。後者は糖質制限ダイエットを行う方に当てはまることがですが、前者はどのようなダイエットでも重要だと言える事柄です。
- リバウンドのリスクを軽減できるから
- エネルギー不足による頭痛などの不調を予防できるから
タンパク質を摂取すべき理由1.リバウンドのリスクを軽減できるから
タンパク質が重要な大きな理由として、タンパク質が不足するとリバウンドの可能性が高まることが挙げられます。
ダイエットを行うと、脂肪だけではなく筋肉もある程度一緒に落ちていくことになります。その際筋肉の材料であるタンパク質が不足すれば、余計に筋肉が減ってしまうのです。
筋肉が減っても体重が落ちるならかまわないと思われるかもしれませんが、基礎代謝量は筋肉量に比例するためエネルギー消費がダウンしてしまいます。
呼吸や鼓動など生きるのに最低限必要なエネルギーのこと。1日に消費するエネルギーのうち約6~7割を占め、そのうちの約3~4割が筋肉によるもの。残りは内臓などのコントロール不可能な部分での消費となっている。
ダイエットは摂取エネルギーよりも消費エネルギーを増やすことが重要です。エネルギー消費が少ない体というのは、それだけ太りやすい体だと言えます。
これではせっかくダイエットに成功しても、すぐにリバウンドしてしまう可能性が高くなるでしょう。消費エネルギーが減少することで、そもそもダイエットが上手く行かなくなることさえ考えられます。
これを防ぐためには、筋肉を維持しながら痩せる必要があるのですが、そのためには筋肉の素となる「タンパク質」を摂取し、筋トレで鍛える必要があるということです。
ただし、多くのタンパク質を摂ろうとすれば、その分脂質やカロリーも高くなりやすいため、カロリーを抑えつつタンパク質を摂取できるプロテインもおすすめです。
タンパク質を摂取すべき理由2.エネルギー不足による頭痛などの不調を予防できるから
糖質制限をしている場合、糖質の代わりのエネルギーとなるタンパク質が不足することが体調不良につながることがあります。
人間はエネルギーを主に糖質・タンパク質・脂質で賄っており、このうちの糖質をただ制限するだけでは、エネルギー不足となってしまいます。
特に脳は糖をエネルギー源としているため、糖質制限でエネルギー不足に陥りやすいのですが、私たちの体にはタンパク質や脂質から糖の代替物を作り出す「糖新生」という仕組みがあります。
そのため、しっかりとタンパク質が摂取できていれば、エネルギー不足にはなることはありません。
しかし、糖質制限中にタンパク質が不足すれば糖新生が十分に行われません。すると、エネルギー不足となった脳は危険信号として頭痛などの症状を起こすようになってしまいます。
糖質制限を行う際は、ただ糖質を減らすのではなく、減らした分を補う工夫が重要です。
ダイエット時におけるタンパク質の必要量の目安
ダイエットにおいてタンパク質は重要な栄養素とわかりましたが、では具体的にどの程度必要なのでしょうか。
男女ともに、1日のタンパク質の摂取量は、体重1kgに対して1gのタンパク質を摂取するのが適量です。例えば体重60kgの方であれば、60g摂取する必要があるということです。
また、筋トレなど何らかの運動をしている場合は少し多めに摂ることが望ましく、その場合は体重1kgに対して2gが摂取目安になります。
ちなみに、タンパク質は動物性と植物性の2種類がありますが、動物性のタンパク質の方が吸収率は良いためおすすめです。動物性タンパク質は肉や魚に、植物性タンパク質は納豆や豆腐などに含まれています。
タンパク質・脂質・炭水化物の摂取量の割合
ダイエットにおいて、食事の栄養バランスはとても重要な要素です。ここでは、三大栄養素の割合を見ていきましょう。
そもそもダイエットのために無理な食事制限をし、特定の栄養素を必要以上に増やしたり、減らしたりするのは逆効果です。
例えば、「カロリーを削減しようとして必要量の脂質を削り過ぎてエネルギー不足になる」「タンパク質が必要だからといって、タンパク質を必要以上に摂り過ぎた」といった極端な食事制限では、ダイエットが上手くいかないばかりか体調を崩す原因にもなりかねません。
冒頭でも述べた通り、タンパク質は三大栄養素の1つです。三大栄養素であるタンパク質・脂質・炭水化物の摂取バランスが崩れないよう気をつけましょう。
◆エネルギー産生栄養素バランス(1日における)
栄養素 | 目標量 |
タンパク質 | 13~20% |
脂質 | 20~30%(飽和脂肪酸は18歳以上において7%以下) |
炭水化物 | 50~65% |
三大栄養素の摂取割合は、厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では男女ともに成人は上記のように推奨されています。
これは例えば、1日に2000kcal摂取するとすれば、約400kcal(20%)をタンパク質から、約600kcal(30%)を脂質から、約1000kcal(50%)を炭水化物から摂取しましょうということです。
これを重量(g)に換算すると、タンパク質約100g、脂質約65g、炭水化物約250gとなります。
推奨される目安量であるこれをおおよその基準にして、各栄養素のバランスが大きく崩れないよう注意してください。
食品ごとのタンパク質含有量の一覧
「タンパク質を〇g摂取する必要がある」と言われても、食事で考えるとどの程度かわかりづらいことでしょう。ここで、食品に含まれるタンパク質量を紹介するので、献立の参考にしてください。
食品群 | 品目 | 食品100gあたりのタンパク質含有量の目安(g) |
肉類 | 生ハム | 24.0 |
ささみ | 23.0 | |
牛もも肉 | 21.3 | |
豚ロース | 19.3 | |
ウインナー | 13.2 | |
魚介類 | イワシ丸干し | 32.8 |
魚肉ソーセージ | 11.5 | |
あじの開き | 24.6 | |
焼き紅鮭 | 28.5 | |
焼きさんま | 23.3 | |
大豆製品 | 油揚げ | 18.6 |
納豆 | 16.5 | |
豆乳 | 3.6 | |
豆腐 | 6.6 | |
卵類 | ゆで卵 | 12.9 |
生卵 | 12.3 | |
うずら卵生 | 12.6 | |
だし巻き卵 | 11.2 | |
乳製品 | パルメザンチーズ | 44.0 |
プロセスチーズ | 22.7 | |
カマンベールチーズ | 19.1 | |
ヨーグルト | 4.3 | |
牛乳 | 3.3 |
※文部科学省提供の「食品成分データベース」より
先ほどご紹介した通り、タンパク質は肉類や魚介類に多く含まれています。しかし、タンパク質を摂取するためとはいえカロリーの摂り過ぎには十分注意してください。
また、タンパク質をしっかり摂取できなおかつ低脂肪な、赤身の多い部位を食べるようにするのがおすすめです。
![](https://toremo.jp/wp/wp-content/uploads/2017/12/toremoblack-1.jpg)
タンパク質と一緒にビタミンB6も摂取するのがおすすめ
タンパク質が筋肉の材料となるには、一旦アミノ酸へと分解されなくてはなりません。このタンパク質の分解を行うのがビタミンB6です。ビタミンB6は鶏ささみや鮭などに含まれており、バナナなどからも摂取できます。
ダイエットでタンパク質を摂取するべきおすすめのタイミング
タンパク質には食事時以外にも、筋肉の成長に効果的な摂取タイミングがあります。主に「筋トレ後」と「就寝前」が挙げられ、いずれも筋肉の成長を促進することが期待できるタイミングです。
これは、消化のしやすさを考えると、食事からの摂取よりもプロテインでの摂取の方が望ましいタイミングだと言えます。
- 筋トレの後
- 就寝前
タンパク質を摂取すべきタイミング1.筋トレの後
筋トレ後にタンパク質を摂取することで、筋肉の修復を促す効果が期待できます。
筋肉というのは傷つき、その後休息して回復することで以前よりも強く成長していきます。この修復の際に必要な栄養素がタンパク質です。
筋トレ後は筋肉が傷つき、タンパク質を欲している状態なので、このタイミングでタンパク質を摂取すればより早く筋肉を回復させることや、より強く成長させられる効果が期待できます。
また、エネルギー不足によって筋肉の分解が起こるのを防ぐ意味もあります。
摂取タイミングの目安としては筋トレ後30分ぐらいが良いでしょう。
筋トレ後に食事からタンパク質を摂ってもかまいませんが、運動直後は消化機能が弱まるため、吸収しやすいプロテインの方が適していると言えます。
もし食事からタンパク質を摂取する場合は、豆乳やヨーグルトなどの消化しやすいものか、ある程度時間を空けることをおすすめします。
タンパク質を摂取すべきタイミング2.就寝前
就寝前にタンパク質を補給して筋肉の材料を整えておくことで、筋肉の成長促進が期待できます。
筋肉の成長には前述の通り「筋トレ」と「休息」が必要です。この休息中の筋肉の回復作業は就寝中にも活発に行われているため、材料として必要なタンパク質をあらかじめ補給しておくことが、筋肉の成長につながります。
ただし、寝る直前に食事をとると、寝ている間にも消化のために活発に内臓が働きます。すると、体は消化を優先するため、筋肉の回復に十分なエネルギー使われない可能性があります。
これはプロテインでも同様です。そのため、就寝の1~2時間前にプロテインを飲むと良いでしょう。
食事から摂取する場合は、少なくても就寝3時間前までにしましょう。筋トレ後と同じく消化の良いものを就寝の1~2時間前に摂るのも1つの手です。
まとめ
ダイエットにおいて、タンパク質はとても重要な役割を果たします。脂肪を落とそう!と考えても筋肉にまでは目が行かない方も多いはず。筋肉を維持して消費エネルギーを保つことで、リバウンドの心配を最小限にしましょう。
とはいえ、タンパク質をただ摂っていればいいわけではありません。手軽にタンパク質を摂取できるプロテインであっても、ただ飲むだけでは大きな効果は期待できません。
筋肉を維持するためには、筋トレで鍛えることが必要不可欠です。
しかしながら、筋肉はただ闇雲に筋トレをすれば鍛えられるというものでもありません。どこの筋肉を鍛えるのかによって、必要な動きは異なります。他にもその人によって適切な重量や回数も異なってきます。
そのため、見よう見まねで筋トレに取り組んでも思ったような成果を得られない可能性は高いと言えます。そこでぜひTOREMOを参考にしてみましょう。
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