ウォーキングの「ダイエット効果」と効率的に行うための方法を紹介

ダイエット

ウォーキングは特別な道具を用意する必要がなく、それほど負荷が大きくないため、手軽に始められるダイエット法としておすすめです。

ただし、「実際のところウォーキングでどれくらい痩せられるの?」「どのくらいの時間行えば(またはどのくらいの距離を歩けば)良いの?」などの疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。

そこで、この記事ではウォーキングがダイエットに効果的な理由から、効率良く行うための方法、さらにはどのくらいの期間続ければ効果を実感できるのかということについてご説明します

ウォーキングがダイエットに効果的な理由

ウォーキングはダイエットとして効果的であることはよく知られていますが、それはウォーキングが有酸素運動と呼ばれる、脂肪燃焼効果のある運動に分類されるからです。

有酸素運動とは

ゆっくりしたペースで長く継続して行う運動のこと。筋トレなどの無酸素運動と違い、酸素」が糖や脂肪などと一緒にエネルギーとして使われる運動です。

有酸素運動かどうかは運動の種類というよりも、その人にとってどの程度負荷があるか、「きつい」かどうかで変わります。

息が上がるようでは、負荷が強過ぎて有酸素運動とは呼べません。に邪魔されることなく会話できる程度の運動が、その人にとって最適な有酸素運動です。

筋トレなどの無酸素運動では糖が主に使われますが、有酸素運動では糖に加えて脂肪もエネルギーとなります。

この時、まず血中の糖から消費されていくのですが、その糖も少なくなると、体脂肪が分解されて脂肪がエネルギーとして使われるようになります。これが一般的に脂肪燃焼と呼ばれている仕組みです。

有酸素運動では溜まった脂肪をエネルギーとして消費することができるため、ダイエットにつながるというわけです。

ウォーキングによる消費カロリーの目安量を計算する方法

では、実際のところ、ウォーキングをすることで具体的にどのくらいのカロリーを消費することができるのでしょうか?

ウォーキングによる消費カロリーを調べるためには、身体活動の強度を表す「メッツ(METs)」を使った計算方法が有効です。

メッツ(METs)とは

「代謝当量」という意味で、運動の「強度」、つまり「きつさ」を表した単位のこと。安静時を1メッツとして、その何倍のエネルギーが消費されるかを数値化します。

このメッツを基準に、おおまかな消費カロリーを計算するのが以下の式です。

メッツを使った消費カロリーの計算式

消費エネルギー量(kcal)=メッツ×運動時間(h)×体重(kg)×1.05

メッツは運動ごとに数値が決められており、あとは実際に運動した時間と自身の体重を式に入れれば、大体の消費カロリーが計算できます。

運動 メッツ
歩行:平らで固い地面(時速4km) 3.0
歩行:平らで固い地面、とても速い(時速6.4km) 5.0
歩行:平らで固い地面(時速8.0km) 8.3

※国立健康・栄養研究所発表の「身体活動のメッツ(METs)表」より

体重50kgの方が、時速4kmで1時間のウォーキングを行った場合、【3メッツ×1時間×50kg×1.05=157.5kcalを消費】となります。脂肪1gが9kcalなので、約17.5gの脂肪を消費した計算になります。

体重全体と比べると微々たるものかもしれませんが、例えわずかでも毎日続ければ単純計算で1年に約6kgの脂肪を落とせます。

また、歩く速度や体重によっても消費カロリーは上下します。そのため、少しでも消費カロリーを増やすには速く歩いたり、重りを持って歩いたりすると効果的です。

ただし、前述した通り、あまり負荷をかけ過ぎると十分な酸素が取り込めず、有酸素運動ではなくなってしまうため、注意が必要です。「有酸素運動は脂肪燃焼効果抜群|効率よく痩せるための3つのポイント」では、有酸素運動を行う際にちょうど良い負荷を設定するための方法を紹介していますので、併せてご覧ください。

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メタボリックシンドローム解消のためには、週にメッツ×時間=10以上が必要

厚生労働省が提供する健康情報サイト「e-ヘルスネット」によると、メタボリックシンドローム解消のためには、週にメッツ×時間=10以上になる運動量を目標にするようにとされています。

メッツを増やすもしくは運動時間を増やすなどして、週あたりの運動量を調整しましょう。

ウォーキングでダイエットを効率良く行うための方法

ここでは、ウォーキングを効率良く行い、ダイエット効果を高めるための方法を紹介します。

ウォーキングのダイエット効果を引き出す方法

  • インターバルを挟んで早歩きする
  • ウォーキングは距離や歩数より時間を目安にして行う
  • 筋トレの後にウォーキングする
  • 小腹が空いた時間帯にウォーキングする
  • 停滞期に諦めない

方法1.インターバルを挟んで早歩きする

先ほど述べたように、早歩きの方が消費カロリーは多くなります。しかし、早歩きは疲れやすく、ずっと続けるのは難しいでしょう。

そこでおすすめなのが、インターバルを挟みつつ早歩きを行う「インターバル早歩」。これは通常のペースでの普通歩き(3分)と早歩き(3分)を1セットとして、ウォーキングを行う方法です。

インターバルを挟んで歩くスピードに緩急をつけることで、疲れてしまって長く続けにくい早歩きをウォーキングに取り入れることができます。

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ウォーキング中の姿勢に注意

速く歩こうと焦って姿勢が悪くなったり、インターバル中にリラックスして背中が曲がったりしないようにしましょう。これは早歩きに限らずウォーキング全般に言えることですが、姿勢が悪いと肺に上手く酸素が入らなくなります。胸を張って猫背にならないようにしましょう。お腹に力を入れると姿勢を維持しやすくなります。

方法2.ウォーキングは距離や歩数より時間を目安にして行う

ウォーキングでは歩いた距離や歩数よりも、どのぐらいの時間歩いたかの方が重要です。

前述した通り、脂肪が燃焼されるのは糖が使われた後です。この脂肪が燃え始める目安が運動開始”20分”後のため、ダイエットには、少なくとも20分はウォーキングを行う必要があります。

しかし、これは必ずしも連続して行う必要はありません。20分ウォーキングをしても、10分ずつ小分けにしても効果はほぼ変わらないからです。

東京大学の石井直方教授は著書で以下のように述べています。

運動開始から10分ほどで脂肪の分解が始まります。そのタイミングで一度運動をやめ、10分間休憩してまた再開したとすると、分解の働きはゼロにはリセットされていません。「10分運動、10分休憩、10分運動」というやり方でも、20分続けて運動するのとほとんど同じ効果になります。

参考文献:石井直方著「石井直方の筋肉まるわかり大辞典」

このように、一度の運動ではなく、トータルの運動時間で考えましょう。毎日ウォーキングのまとまった時間を確保するのが難しい場合は、小分けにすることをおすすめします。

また、無理に続けて息が上がれば、呼吸が浅くなり、十分な酸素を体内に取り込めなくなります。これでは有酸素運動の効果が薄れてしまうでしょう。

脂肪燃焼のためには、何歩歩いたかを基準にするよりも、合計で何分・何時間歩いたかを基準にしてください。

方法3.筋トレの後にウォーキングする

脂肪燃焼効果はない筋トレですが、先に筋トレを行ってからウォーキングを行うと、ウォーキングの脂肪燃焼効果が高まります。

何度も述べるように、有酸素運動のエネルギーは「糖」と「脂肪」で、運動開始直後は糖から使用されていきます。そしてこの糖と脂肪が消費される割合は5対5です。

ただし、筋トレ後に有酸素運動を行うとこの割合が4対6~3対7に変わり、脂肪が消費される割合が高くなります。

これに関して東京大学の石井直方教授は著書で以下のように述べています。

筋トレ後の代謝が上がった状態の間は脂肪が使われる割合が上がるということもわかっています。糖と脂肪が使われる割合は通常なら5対5のところ、筋トレ後は、4対6~3対7に比率が変わるのです。

参考文献:石井直方著「痩筋力 確実にやせる筋トレ術」

つまり、より多くの脂肪を燃やそうと思えば、筋トレを行ってからウォーキングする方が効果的だということです。

腕立て伏せや腹筋などの筋トレを行ってから、ウォーキングに出かけましょう。

方法4.小腹が空いた時間帯にウォーキングする

お腹の減り具合によっても、ウォーキングの効果は左右され、空腹時の方が満腹時よりも脂肪が燃えやすいとされています。

そのため、昼食からしばらく経った夕方の時間帯がウォーキングにおすすめです。

これに関して、石井直方教授は著書でこう述べています。

運動中に脂肪がどのくらい燃えるかという実験をして比べてみたところ、満腹時より空腹時の方が、脂肪の代謝が増えたという報告があります。

引用:石井直方著「石井直方の筋肉まるわかり大事典」

食事から時間が経っている空腹時は、血糖値が低いため脂肪がエネルギーにされやすい状態です。

しかし、あまりにも空腹だと体は筋肉を分解してエネルギーを作ろうとします。反対に満腹時は消化吸収の効率が悪くなり、腹痛などにも繋がります。

適度にお腹が空いた状態が望ましいため、食後からしばらく経ってお腹が空き始めたぐらいの時間帯にウォーキングすると良いでしょう。

方法5.停滞期に諦めない

停滞期の大きな原因は体重が減ることを、体が飢餓状態だと勘違いして、「消費エネルギーを減らす」「食事からのエネルギー吸収効率を上げる」ことで体重の減少を食い止めようとすることにあります。

このような調節を行う機能をホメオスタシス機能と呼ぶのですが、ホメオスタシス機能が働くということは裏を返せばダイエットが順調に進んでいたということにもなります。

停滞期の期間には個人差がありますが、2週間から1か月程度続くことが多いものです。体重の変化が止まるとモチベーションを保ちづらくなりますが、辛抱強く停滞期が終わるのを待ちましょう。

体がダイエットの変化に慣れ、危機的状況ではないと判断されれば再び体重の減少が始まるでしょう。

ダイエットに効果的な「歩き方」

歩き方を意識するだけでも、ダイエットの効果は変化します。

ここでは、ダイエットに効果的な歩き方を紹介します。

歩き方1.大股で歩く

大股で歩くことで、普段使わない筋肉を使うことができます普段使わない筋肉を使うことで基礎代謝をあげられるため、ダイエットしやすい体になれます。

いつも歩いている時より、足幅を1足分を目安に広げるようにしてください。きっと新しい体の感覚が得られるはずです。

歩き方2.腕を大きく振る

ウォーキング中は体を大きく動かした方が、消費カロリーも上がります。そのため、腕を大きく振って上半身もしっかり動かしましょう。

余裕がある人は、ペットボトルでいいので、重りを持ちながらのウォーキングもおすすめです。ウォーキングと同時に上半身のエクササイズができ、効率よくダイエットができます。

歩き方3.姿勢を正す

ウォーキングは正しい姿勢で行わないと、体の歪みがひどくなる場合があります。「猫背になっている」「反り腰になっている」このような悩みがある方は、背筋をまっすぐにして歩くようにしてください。

先ほど紹介した「大股で歩く」「大きく腕を振る」を意識すると、正しい姿勢でウォーキングしやすくなるためおすすめです。

ウォーキングの効果が出るまでの期間

先ほど紹介したウォーキングによる目安の消費カロリー量の計算式を用いながら、3kg痩せるためにはどれくらいの期間ウォーキングを続ければ良いのか考えていきましょう。

まず、前提として、先述の通り、脂肪1gを消費するためには9kcal消費する必要があると言われています。

次に、上で紹介したウォーキングによる消費カロリーの計算式によると、体重50kgの方が、時速4kmで1時間のウォーキングを行った場合の消費カロリーは157.5kcalとなります。

脂肪細胞は全てが脂質で構成されているわけではない

脂肪細胞に占める脂質の割合は約8割で、残りの2割ほどは水分や細胞を形成する物質などです。そのため、1kgの脂肪を消費するのに単純に9,000kcalが必要かというとそうではありません。

これを踏まえると、【9kcal×1000g×80%=約7,200kcal】となります。つまり、厳密には1kgの脂肪を消費するのに約7,200kcal(3kgだと約21,600kcal)の消費が必要ということです。

したがって、体重50kgの方が3kg痩せる、つまりおよそ21,600kcalを消費するためには、約137時間(1日1時間として約4ヶ月)のウォーキングが必要ということになります。

これはあくまでウォーキングだけで順調に脂肪が消費された場合のおおよその計算です。運動によって脂肪”だけ”が消費されるわけではなく、筋肉が落ちたり、水分が抜けたりするため、あくまでも単純計算した数値です。

また実際には、もう少し負荷を上げたり、運動時間を上げたり、摂取カロリーを抑えたりすることで期間が短くなるかもしれません。反対に、思ったように運動できず、予定より消費カロリーが少なくなるかもしれません。

まとめ

ウォーキングは手軽に始めることができますが、劇的に痩せられるというものでもありません。しかし、例え1日1時間でも地道に続けていれば、着実にダイエットできるでしょう。

今回紹介したウォーキングのダイエット効果を高める方法を参考にしてみてください。

とはいえ、短期間で痩せたい方や、確実に痩せたいという方もいるはず。そんな方には、ぜひTOREMOを参考にしてみましょう。

TOREMOでは効果のでる食事方法だけでなく、さまざまなトレーニング方法についても動画や画像付きで紹介しています。糖質制限に関しては、医師・管理栄養士監修の元、正しい糖質制限に関する情報を発信しております。

これをきっかけに食事管理とトレーニングに取り組み、理想の体を手に入れましょう。

参考文献

  • 石井直方著「石井直方の筋肉まるわかり大辞典」
  • 石井直方著「痩筋力 確実にやせる筋トレ術」

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