痩せるなら有酸素運動よりも「筋トレ」が効果的|痩せやすい体の作り方

フィジカル

こんにちは!パーソナルトレーニングの魅力を発信するWEBメディア「TOREMO」編集部です。

今回は、TOREMO登録のパーソナルトレーナー、宮城島大樹さんに「痩せやすい体の作り方」というテーマで講義をして頂きます。

宮城島大樹トレーナー
こんにちは!パーソナルトレーナーの宮城島大樹です。

私は、池袋(2店舗)と代々木上原(1店舗)に店舗を持つパーソナルトレーニングジム「ANFIDA PERSONAL GYM(アンフィーダパーソナルジム)」の代表を務めています。

※この記事は2018年5月17日にサムライト株式会社で行われた「TOREMO for BIZ」の内容を記事化したものです。

TOREMO for BIZとは

サムライト株式会社が行う「TOREMO for BIZ」は、企業向けにパーソナルトレーナーを紹介するサービスです。「座学30分+トレーニング30分+個別面談5分/1名」を1セットとして、月1〜2回のトレーニングを提供いたします。

ダイエットの基本は「消費カロリー>摂取カロリー」

宮城島:突然ですが、皆さんはこれまでどんなダイエットに取り組まれてきましたか?

「スムージーダイエット」「脂質制限ダイエット」「置き換えダイエット」「糖質制限ダイエット」など、ひと口にダイエットと言っても様々な種類がありますよね。

ですが、どんなダイエット法においても、重要なのは「カロリー」です。単純に摂取カロリーが消費カロリーより増えれば太りますし、反対に摂取カロリーより消費カロリーが少なくなれば痩せます。

結局のところダイエットで肝心なのは、摂取カロリーよりも消費カロリーを少なくすること。これが大前提です。

「摂取カロリー<消費カロリー」を成立させるためには、「消費カロリーを増やす」ことと「摂取カロリーを減らす」ことの2つがありますが、今回は「消費カロリーを増やす」アプローチから考えてみたいと思います。

基礎代謝=「筋肉代謝」+「内臓代謝」

宮城島:消費カロリーを増やそうと思うならば、まずは消費カロリーを構成する2つの要素について知っておく必要があるでしょう。

消費カロリーを構成するのは、「基礎代謝による消費カロリー」と「運動による消費カロリー」。それぞれについて順番にお話していきますが、まずは基礎代謝についてから。

基礎代謝は「筋肉代謝」と「内臓代謝」に大別できます。平たく言うならば、筋肉代謝は「筋肉で使われるエネルギー」で、内臓代謝は「内臓で使われるエネルギー」です。

みなさんの中にも、「基礎代謝を向上させるためには筋肉量を増やす必要がある」と聞いたことがある方はいるのではないでしょうか?内臓代謝については知らなくとも、「筋肉代謝については知っている」という方は多いと思います。

しかし、実のところ、基礎代謝のうち筋肉代謝が占める割合は全体のわずか3割程度で、7割は内臓代謝による消費なんですよ。

つまり、筋肉量を増やすことも重要ではありますが、それ以上に、基礎代謝を高めるためには内臓代謝を高めることの方がよっぽど有効なんです。

内臓代謝を高めるには腸内環境を良くすることが大切

宮城島:内臓代謝を高めるためには、腸内環境を良くすることが重要です。腸内環境が良ければ、内臓機能が活発化するため、エネルギーがたくさん消費されます。

腸内環境の良し悪しを左右するのは「食べ物」ですが、今日は腸内環境にとって悪影響を与える「グルテン」についてお話させてください。

腸内環境と「グルテン」の関係

宮城島:グルテンは小麦粉に含まれる成分で、普段私たちが日常的に口にしているパンやパスタにも多く含まれています。既にお話した通り、グルテンは、腸内環境にとって「悪い」部類の食べ物です。なぜなら、グルテンは小腸にある柔毛が担う栄養吸収の働きを阻害してしまうからです。

柔毛は小腸にある無数の突起物のこと。柔毛は必要な栄養素と不要物の仕分けを行う役目を担っており、通常、栄養素は柔毛を通して吸収されます。しかし、グルテンは粘りのある成分であるため、小腸内で柔毛に張り付いて、柔毛による栄養吸収の機能を邪魔してしまいます。すると、小腸に穴が空くようになり、小腸のエネルギー代謝は低下してしまうという訳です。

グルテンは花粉症を引き起こす一因にもなる

グルテンの妨げにより、柔毛を介することなく栄養が吸収されると、必要な栄養素と不要物の仕分けがなされないまま、細菌やアレルギー物質など、本来は体外に排出すべき物質まで吸収されてしまいます。

一説によると、花粉症や肌荒れ、シワ、シミ、抜け毛なども、このグルテンの妨害により体内に有害物質が取り込まれたことが一因として挙げられると言われています。

とはいえ、「腸内環境」は数値化することができません。したがって、現時点では「健康的な食事をしていて腸内環境が良い人の方が痩せやすい」というあくまでも理論上のお話しに留まるのが現実です。

有酸素運動と無酸素運動(筋トレ)の比較

宮城島:では、次に「運動による消費カロリー」についてご説明します。

そもそも運動は「無酸素運動」と「有酸素運動」の2種類に分類できますが、「痩せる」ことを目的とするならば、どちらがより効果的なのでしょうか?

その疑問に答えるために、まずは両者の特徴を説明していきます。

代表例 メリット デメリット
無酸素運動 筋力トレーニング
  • 筋トレ後も「脂肪が燃えやすい」状態が持続する。
  • 基礎代謝(筋肉代謝)が向上する。
  • 消費できるカロリーは少ない。
  • 即効性がない(すぐには痩せない)。
有酸素運動 ジョギング
  • 消費できるカロリーが多い。
  • 短期間で早く体重が落ちやすい。
  • あくまでも瞬間的なカロリー消費に過ぎない。
  • 筋肉が落ちやすい。

ダイエットにおける有酸素運動の特徴

宮城島:有酸素運動は無酸素運動と比べて消費するカロリーが多く、より早く痩せられるという特徴があります。

例えば、「一週間後にデートがある」など直近のイベントに向けて痩せたいというならば、筋トレよりも毎日ジョギングした方が良いでしょう。

無酸素運動、いわゆる筋トレは1時間やっても消費カロリーはせいぜい200kcalぐらいです。かなり追い込んだとしても300kcal程度にしかなりません。

対して有酸素運動は、例えばウォーキングなら1時間で400kcalぐらい消費でき、走り込めば1時間で800kcalくらいは消費できます。

このように、運動によって消費するカロリー量で比べれば、断然有酸素運動の方が早く痩せられると言えるでしょう。

しかし、有酸素運動は瞬間的にしかカロリーを消費できませんどういうことかと言いますと、有酸素運動を行っている間はカロリーが消費されるものの、運動後1時間もすればその消費は収まってしまうということです。

ダイエットにおける無酸素運動の特徴

宮城島:一方で、瞬間的にカロリーを消費する有酸素運動に対し、無酸素運動は持続的なカロリー消費が期待できます。

というのも、文字通り、無酸素運動では、運動している最中は酸素があまり取り込まれませんが、その分運動後にたくさんの酸素を取り込むからです。

カロリーを消費するためには、燃焼材である酸素が欠かせません。だからこそ、無酸素運動では酸素がたくさん供給される運動後のタイミングでカロリー消費が起こるのです。

一般的に無酸素運動をした後は、代謝が良い状態が24~72時間は持続すると言われています。

「痩せる」ためには有酸素運動と無酸素運動(筋トレ)のどちらが良いのか?

宮城島:有酸素運動と無酸素運動、どちらも一長一短あるように思われるかもしれませんが、私は「痩せたい」ということであれば、筋トレをおすすめしています。

もちろん、有酸素運動が趣味だとか、ストレス発散になるという方に対して、わざわざ止めるようなことはしません。しかし、痩せたいのであれば、長期的に考えると有酸素運動よりも筋トレの方がおすすめです。

例えば、月曜日に1時間走って火・水・木曜日は休んだ人と、月曜日に筋トレで追い込んで火・水・木曜日休んだ人とでは、最終的には筋トレをした人の方が痩せます。

これは、有酸素運動をした人はその時だけのカロリー消費だったのに対し、筋トレをした人は休んでいた時もカロリー消費が続いていたからです。

また、有酸素運動ばかりをしていると、筋肉が落ちやすいというデメリットもあります。筋肉量が多いほど基礎代謝は高まるので、痩せたいにも関わらず、筋肉を落とすのが良くないことは明らかでしょう。

これらのことから、私は「痩せたい」というお客様に対して、有酸素運動よりも「筋トレ」を推奨しています。

短期間で痩せるよりも生涯に渡って自己管理できる知識を身につける

宮城島:私は最初のカウンセリングをさせていただく際にお客様に対して「その悩みを解決するためには、〇〇する必要がありますよ」「パフォーマンスを向上させるためには△△なトレーニングが効果的ですよ」とお伝えするのと同時に、「短期間では痩せないかもしれない」ということもお話しています。

というのも、ANFIDA PERSONAL GYMでは「2ヶ月で15kg痩せる」というように急激な変化が起こるダイエットは推奨していないからです。私のトレーニング方針だと、最大でも2ヶ月だと8kgぐらいの減量になるかと思います。

ただし、ANFIDA PERSONAL GYMでは、トレーニングに関する知識を身につけて、ジムを卒業した後でも自分で自分の体調を管理できるような指導をいたします

したがって、極論かもしれませんが、私のジムは「とりあえず痩せればいい」という方よりも、「急激に痩せなくても正しい姿勢や知識を身につけたい」という方に向いていると考えています。

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