糖質制限中の「油」の摂取量の目安やおすすめの種類を紹介

糖質制限

油をダイエット中に避けるべきものの1つとして認識している方もいるかもしれませんが、糖質制限においては、油、つまり脂質は重要な栄養源の1つとされています。

今回は、糖質制限中に油を摂取しても良い理由と、おすすめの油の種類をご紹介します

糖質制限では「油」を細かく制限する必要はない

冒頭で述べた通り、糖質制限においては油、つまり脂質を極端に控える必要はありません。

なぜなら、糖質制限中はタンパク質や脂質が重要なエネルギー源となるからです。糖質だけではなく、脂質まで断ち、エネルギー不足になれば様々な体調不良をきたし、筋肉を分解してエネルギーにしてしまうことから痩せにくくなることも考えられます。

ただし、当然ながら消費カロリーよりも摂取カロリーが上回ってしまうと、肥満につながります。

糖質制限中の油の目安摂取量

脂質は1gあたりのカロリーが9kcalあるため、摂取量には注意しましょう。脂質の目安摂取量は「1日の総摂取カロリー」や「1日の総摂取カロリーのうち脂質が占める割合」をどのくらいに設定するかによって異なりますが、男性は70g、女性は55gというのが一応の目安になります。

脂質の目安摂取量の詳しい算出方法は「糖質制限中に「脂質」を摂ると太る?|適切な摂取量を解説」で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

また、文部科学省が公表している食品成分データベースによると、主な油類のカロリー量は下記のようになります。いずれもカロリー量は高めになっていますが、糖質含有量は0.0gです。

油脂類 カロリー量
オリーブオイル 9.21
ゴマ油 9.21
大豆油 9.21
とうもろこし油 9.21
なたね油 9.21
牛脂 9.40
ラード 9.41

▲主な油脂類のカロリー量(kcal/1g)

糖質制限中に油を厳しく制限することによるデメリット

繰り返しお伝えしているように、糖質制限をしている人にとって、油は重要なエネルギー源の1つです。厳しく制限すると、かえって悪影響が生じる恐れもあります。

糖質制限中に油を控えるデメリット

  • 消費エネルギーが低下し痩せにくくなる
  • 筋肉が減って痩せにくくなる
  • 便秘につながる

デメリット1.消費エネルギーが低下し痩せにくくなる

糖質に加え、脂質まで厳しく制限してしまうと、体がエネルギー不足に陥りやすくなります。

体がエネルギー不足に陥れば、エネルギーをなるべく使わず溜め込もうとする機能が働いてしまうため、いわゆるダイエットの停滞期と呼ばれるものが起こりやすくなります。

油や脂を含むお肉などはカロリーが高い傾向にあり、避けたくなるかもしれませんが、必要なエネルギーを摂取できる食品だと考えるようにしましょう。

デメリット2.筋肉が減って痩せにくくなる

油を控えようとすると、自然とタンパク質を多く含む肉類も控えることになりやすいものです。

糖質制限中の人にとって、タンパク質は重要な栄養素の1つ。糖質だけではなく、タンパク質まで不足すると、体はエネルギーを作るために筋肉を分解してしまいます。

筋肉が分解されれば、筋肉量が減り、結果的に、基礎代謝によるエネルギーの消費量が減ってしまうため、太りやすい体質になってしまいます

デメリット3.便秘につながる

油脂を過剰に抑えると、便秘の一因にもなりかねません。

なぜなら、適度な油分は便が腸を通る時の潤滑油になるからです。また、腸を穏やかに刺激して、腸が便を送る働きであるぜんどう運動を促進します。

そのため、油分が不足すれば便が排泄されにくくなり、便秘に悩まされる可能性があります。

特にオレイン酸が含まれるオリーブオイルは便秘解消に役立つ油です。オリーブオイルは消化・吸収されにくいため、小腸で吸収しきれず、大腸に運ばれやすくなっています。大腸に運ばれると、腸管を刺激してぜん動運動を促すため、便の排泄に役立ってくれます。

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糖質制限中に起こる便秘の原因や改善方法については「糖質制限をすると便秘になるのはなぜ?原因と解消法を解説」で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

糖質制限中におすすめの油脂・脂質の種類

ひと口に油脂と言っても様々な種類があります。料理に使うサラダ油やゴマ油など以外にも、あまり意識しませんが食材そのものにも含まれる脂もあります。ここでは、糖質制限中におすすめな成分を含んだ油脂をご紹介します。

おすすめの油脂1.不和飽和脂肪酸が含まれるもの

油脂は、体内で「グリセール」と「脂肪酸」に分解されます。この「脂肪酸」はさらに「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の2種類に分けることができますが、なるべく不飽和脂肪酸の方を摂取するように心がけると良いでしょう。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸

  • 飽和脂肪酸:コレステロールや中性脂肪を増やす原因になってしまうもので、バターや卵黄、肉の脂など、常温で固まる油脂に多く含まれます。
  • 不飽和脂肪酸:中性脂肪やコレステロールの値を抑える効果があるなど様々な健康に良い効果があります。えごま油やオリーブオイル、魚の脂など、常温でも固まらない液状の油脂に多く含まれます。

また、不飽和脂肪酸には体内で生成できず、食事から摂取する必要がある「必須脂肪酸」と呼ばれるものがあります。例えば、えごま油や亜麻仁油、青魚、くるみなどに含まれる「オメガ3系脂肪酸」、コーン油や大豆油、サラダ油などに含まれる「オメガ6系脂肪酸」がそうです。

これらの必須脂肪酸には、血圧を下げる効果や悪玉コレステロールの減少効果など様々な効果があります。

しかし、多くの場合オメガ6系脂肪酸は、サラダ油などから十分に摂取できていることが多いため、オメガ3系脂肪酸を積極的に摂ることをおすすめします。

オメガ3系脂肪酸は血中のコレステロール値を下げたり、血流を改善したりという働きがありますが、加熱することでその効果は薄れてしまいます。そのためえごま油などは調理に使うというよりも、サラダにかけたり油からドレッシングを作ったりするために使いましょう。

糖質制限中は、不飽和脂肪酸が多く含まれる植物油の使用を心がけ、脂を含む魚(サバ、鮭など)を食べることがおすすめです。糖質が低く、油脂の豊富なツナ缶やくるみなどは糖質制限中にぴったりの食品です。

おすすめの油脂2.植物ステロールが含まれるもの

植物ステロールは植物由来の脂質の一種で、コレステロールの吸収を抑える働きがあります。

植物ステロールというのは、植物の細胞を構成する成分の1つで、多くの植物から摂取できます。そのため大豆油やゴマ油、なたね油、オリーブオイルなど植物由来のオイルには豊富に含まれており、特に米油に豊富です。

植物ステロールは、コレステロールを運ぶミセルという粒子に入り込むため、コレステロールが吸収されるのを防いでくれます。運ばれなかったコレステロールはそのまま体外へ排出され、植物ステロール自身も体内ではほとんど吸収されません。

その結果、コレステロールの吸収を抑えることができます。この効果は加熱しても失われないため、どのような調理法で摂取しても大丈夫です。

まとめ

ダイエット中はつい避けたくなる油脂ですが、体にとっては必要なエネルギー源でもあり栄養源でもあります。もちろん過度な摂取は適切ではありませんが、制限すべきものでもありません。

油脂は糖質制限を健康的に続けるためにも、しっかりとダイエット効果を得るためにも必要となるものです。

特にオリーブオイルなどの植物性の油や、魚に含まれる脂を意識的に摂取しましょう。お肉が好きで魚をあまり食べない方は意識して献立に入れるようにしてください。

糖質制限ダイエットで重要なのは、糖質を抑えるだけではなく、糖質を抑えたことで削減される栄養素を補填してバランスの良い食事を摂ることです。

栄養についてあまり理解していない方や、バランスの良い食事を摂り続ける自信がない方には、ぜひTOREMOを参考にしてみましょう。

TOREMOでは糖質制限に関するさまざまな記事を用意しています。医師・管理栄養士監修の元、正しい糖質制限に関する情報を発信しております。

TOREMOで得た情報をもとに、ぜひ糖質制限に取り組み理想の体を手に入れましょう。

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